

予備検査(予備車検)とは? 予備検査証の有効期間とナンバーの取得方法を解説
更新日:2025/09/04
車検切れで、かつナンバープレートのない車を車検に通したいときは予備検査(予備車検)を受けます。今回は予備検査の概要や予備検査済みの車を購入した後の流れ、予備検査を受ける方法について解説します。
予備検査(予備車検)とは?2種類の意味

そもそも予備検査(予備車検)とは、大きく分けて以下の2つの意味があります。
- ナンバープレートのない車に対して行う車検
- ユーザー車検をスムーズに通過するために行う事前検査
前者の場合、車検切れで、かつナンバープレートのない車に対して行う車検を指します。通常の継続車検は車両登録済み(軽自動車の場合は届出済み)の車を対象としており、ナンバープレートのない車は受けられません。そのため継続車検の代わりに予備検査(予備車検)を受け、合格したら「自動車予備検査証」を受け取ります。
一方、後者は「代行業者に委託せず、自分で車検を通すために行う事前検査」のことです。
今回の記事では、前者の「ナンバープレートのない車に対して行う予備検査」について解説していきます。ユーザー車検の予備検査について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ナンバープレートのない車の「予備検査」とは
冒頭で説明したように、ナンバープレートのない車に対して行う「予備検査」は、通常の継続車検の代わりに行うものです。通常の車検とは検査後に配布される証明書やその有効期間が異なります。
予備検査と車検の違い、有効期間
予備検査の内容は、基本的に通常の車検と変わりません。しかし先述の通り、予備検査に合格した車には車検証でなく「自動車予備検査証」が交付されます。
予備検査証だけがあっても、車の走行はできません。車を走らせるためには追加で車両登録、納税、自賠責保険加入の手続きが必要です。また予備検査証の有効期間は3ヶ月なので、この期間内に各種手続きと支払いを済ませましょう。
一連の手続きと支払いが完了すれば、その後改めて車検を受ける必要はありません。自動車予備検査証から車検証に交換してもらえます。
なお一般に、継続車検には法定点検がセットになっています。しかし予備検査には法定点検が含まれていません。法定点検も自動車ユーザーの義務なので、別途受けるようにしましょう。
予備検査のメリット・効果とは?
予備検査を受けたり、「予備検査付き」「予備検査渡し」と記載された中古車を購入したりすることには、以下のようなメリットがあります。
- 予備検査に合格すれば、車が国の保安基準を満たしている証明になる
- 自動車予備検査証があれば、その後車検を受ける必要はない
自動車予備検査証は、「この車は保安基準を満たしている」という証明になります。また購入後に自分で車検を通す必要がなく、車検切れの車より手続きが少なく済みます。
そのため購入する人にとっては、予備検査がついていた方が安心で便利です。また車を売りたい人にとっては、より売りやすくなるというメリットがあります。
予備検査(予備車検)済みの車を購入した後の流れ

予備検査に合格している車を手に入れたら、管轄の運輸支局や自動車検査登録所で車両登録(軽自動車の場合は届出)を行い、ナンバーを入手します。必要書類は以下の通りです。
必要書類
- 譲渡証明書(旧所有者の押印があるもの)
- 新所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 新所有者の実印または委任状
-
新使用者の住民票または印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 新所有者と新使用者が異なる場合に必要
-
新使用者の認印または委任状
- 軽自動車の場合は認印または申請依頼書
- 車庫証明書(発行後概ね1ヶ月以内)
- 自賠責保険証
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登録識別情報等通知書または一時抹消登録証明書
- 軽自動車の場合は自動車検査証返納証明書
- 自動車予備検査証
- 自動車重量税納付書
- 申請書
- 手数料納付書
- 自動車(軽自動車税)税申告書
軽自動車の場合、新所有者の印鑑証明書、新所有者の委任状、譲渡証明書、車庫証明書(一部自治体を除く)は不要です。
車両登録に必要な費用は登録手数料700円前後とナンバープレート代約1,500円、これに自動車税や自動車重量税、個々の自動車の状況によっては環境性能割がかかります。また車庫証明書や印鑑登録証明書、住民票などの発行費用も必要です。ここまでの費用で普通車なら4万円~20万円前後、軽自動車なら3万円~10万円前後かかります。 自賠責保険に加入していない場合は、自賠責保険料もかかります。
上記手続き・支払いの前に自動車予備検査証の有効期限を迎えた場合、再度予備検査を受けなければいけません。その場合は検査手数料も必要です。手続きは必ず予備検査証の有効期間内に行いましょう。
なお車両登録の際には登録する車を運輸支局などに持ち込む必要がありますが、ナンバーのない車は公道を走行できません。そのため事前に市区町村役場で仮ナンバーを取得するか、レッカーでの運搬を手配しましょう。仮ナンバーを取得する場合は、自賠責保険の加入も必要です。
車庫証明書を自分で取得したい人は、以下の記事を参考にしてください。
予備検査(予備車検)を受ける方法
軽自動車の場合、新所有者の印鑑証明書、新所有者の委任状、譲渡証明書、車庫証明書(一部自治体を除く)は不要です。
予備検査には事前予約が必要で、インターネットまたは電話で申し込みます。検査は平日の日中しか受け付けていないため、仕事などがある場合は日程を調整するか、代行業者に依頼しましょう。また仮ナンバーの有効期間は最長でも5日間なので、予定をしっかり立てて事前予約や仮ナンバーの発行を行ってください。
検査の手数料は約2,000円です。また手数料とは別に、車を持ち込むための仮ナンバー発行などにかかる費用があります。
予備検査に合格すると、自動車予備検査証が交付されます。冒頭で解説した通り、この時点ではまだ車両登録が済んでいません。車両登録を行う場合は、予備検査証の期限である3ヶ月以内に前章の手続きを行ってください。
ここまでご紹介したように、車検切れでナンバーのない車に乗るためには、予備検査、車両登録、自賠責保険加入など各種手続きが必要です。「予備検査付き」「予備検査渡し」と記載された車の場合は車検こそ必要ありませんが、その後の手続きや支払いが複雑なので注意しましょう。
ガリバーでは、ナンバーのない車もガリバー側で予備検査を済ませ、車両登録もしてお渡ししています。また車検切れの車についても、車検を済ませた状態で納車しています。複雑な手続きはガリバーが一括で担いますので、中古車の購入を検討されている場合はお気軽にご相談ください。