国産コンパクトカー
国産コンパクトカーの安全性
歩行者検知式自動ブレーキといった先進予防安全装備の装備が遅れていたコンパクトカークラス。だが、ようやくそのレベルも上がってきており、トヨタを除けば歩行者検知式自動ブレーキを装備したクルマが当たり前になってきた。
デミオは、従来の30㎞/h以下対車両のみという簡易型自動ブレーキから、改良時に歩行者検知式自動ブレーキを標準装備化し、一気に安全性能を向上。フィットも同様に、マイナーチェンジ時にホンダの先進予防安全装備であるホンダセンシングを用意した。
そんな状況なのに、トヨタのアクアとヴィッツといった人気コンパクトカーは、未だ30㎞/h以下対車両のみという簡易型自動ブレーキのみのまま進化がない。しかも簡易型なのに全車標準装備化されているのではなく、一部のグレードはオプション設定というお粗末な状況だ。
セーフティ・サポートカーの選び方と注意点
最近では、セーフティ・サポートカー(略称:サポカー) といった国が推奨する新しい自動車安全コンセプトが提唱されている。このサポカーは、4区分に分類される。
サポカーであれば、どれも同じというようなイメージを持つやすいが、その差は大きい。歩行者対応の自動ブレーキ装着が条件となるのは、セーフティ・サポートカーSワイドと呼ばれる区分のみ。端的に言えば、セーフティ・サポートカーSワイドでなければ、ほとんど意味がない状況。ただ、セーフティ・サポートカーSワイドには先進ライト、車線逸脱警報、ペダル踏み間違い時加速抑制装置が同時装備されていることが条件になっている。
歩行者検知式の自動ブレーキが付いていても、その他の装備がないことで、違う区分のセーフティ・サポートカーになっているモデルもあるのでじっくり比較する必要がある。
こちらをチェックしてください。
BEST.1
マツダデミオ

デミオは、2017年11月の改良で安全性能の飛躍的に向上した。従来の30㎞/h以下対車両のみという簡易型自動ブレーキだったが、モデルチェンジ後はより高性能の歩行者検知式自動ブレーキ「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」が標準装備化された。
さらに、後側方から接近する車両を検知し警報を発するブラインド・スポット・モニタリング、駐車場からの後退時に接近する車両を検知し警報を発するリア・クロス・トラフィック・アラートも標準装備化されている。この「標準装備化」という点が高く評価できる部分。廉価グレードであっても、すべての顧客に最高の安全性能を提供するというのは、自動車メーカーとしてあるべき姿だ。
ブラインド・スポット・モニタリングやリア・クロス・トラフィック・アラートなどは、日常的に使う頻度の高い安全装備。運転が苦手な人や高齢者が乗る場合など、非常に頼りになる装備だ。さらに、サイドエアバッグやカーテンエアバッグも全車に標準装備化されている。安全装備の充実さはクラストップといえる。
BEST.2
ホンダフィット

2017年6月にフィットはマイナーチェンジした。このマイナーチェンジで、フィットにはようやくホンダの歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備ホンダセンシングが用意された。ただし一部グレードではオプションでも装備することができず、すべてのグレードが高い安全性能を有しているとはいえない状況だ。
軽自動車のN-BOXが全車標準装備化されていることを考えると、クラスが上のフィットでオプションでもつけることができないグレードがあるというのは何とも物足りない。また、後側方車両接近警報やカメラの映像で車両周囲の状況をモニターに表示するような機能は用意されていない。
BEST.3
日産ノート

このクラスでいち早く歩行者検知式自動ブレーキであるインテリジェントエマージェンシーブレーキをほぼ標準装備化し、高い予防安全性能を誇っていたノートだが、ライバル車の安全装備向上もあり、現在ではやや物足りない装備となっている。
高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違えによる暴走事故を防止する踏み間違い衝突防止アシストはオプション設定。これくらいは、せめて標準装備化してもいいはずだ。またサイドエアバッグは用意されておらず、カーテンエアバッグがオプション設定となる。
ただ、カメラの映像をモニターに表示できるインテリジェントアラウンドビューモニターは、移動物検知機能付なので、日常使う安全装備として高いレベルにある。また、カメラで後方を映し出し夜間でもクリアな視界を確保するスマート・ルームミラーも優れた安全装備。ただしこれはオプション設定。自ら積極的に安全装備をオプション選択しないと、安全性能が上がらないクルマだ。
安全な国産コンパクトカーの選び方と注意点
Bセグメントと呼ばれるコンパクトカーは、軽自動車の先進予防安全装備の向上に引っ張られる格好で一気にその安全性が向上した。ただ、トヨタのアクアやヴィッツといったモデルは、未だ30㎞/h以下で対車両のみという簡易型を使い続けている。
装備内容では、ほぼ満足できるレベルに達しているのがデミオだ。前方だけでなく後側方、後方に関してもより安全性を高める装備が装着されている。ポイントは、全車標準装備化されているということ。安価なエントリーグレードであっても、上級グレードと同じ安全性能を持っている。オプションを選択しお金をより多く払った人だけが安全というのではなく、デミオを買ったすべての人が高い安全性能を手に入れることができるというのは高く評価できる。
カメラを使って見えない、見えにくい部分をモニターに映し出し安全性を高めているのがノートだ。こうした分かりやすい安全確認方法もよいアプローチだ。
また、Bセグメントのコンパクトカーより1クラス小さなサイズのコンパクトカーでは、スズキのクロスビーも高いレベルの安全性能を得ている。
安全装備比較表
- ◯…全車標準装備
- △…一部標準装備または一部オプション
- ×…標準装備なし
マツダデミオ | ホンダフィット | 日産ノート |
対車両自動ブレーキ | ||
---|---|---|
◯ |
△ オプション、一部設定なし |
◯ (1グレードを除く) |
歩行者検知式自動ブレーキ | ||
◯ |
△ オプション、一部設定なし |
◯ (1グレードを除く) |
ブレーキ踏み間違い衝突防止アシスト | ||
◯ |
△ オプション、一部設定なし |
△ オプション、一部設定なし |
サイドエアバッグ | ||
◯ |
△ オプション、一部設定なし |
× |
カーテンエアバッグ | ||
◯ |
△ オプション、一部設定なし |
△ オプション、一部設定なし |
車線逸脱警報 | ||
◯ |
△ オプション、一部設定なし |
◯ (1グレードを除く) |
車線維持支援 | ||
△ 一部グレードを覗きオプション、一部設定なし |
△ オプション、一部設定なし |
△ オプション、一部設定なし |
後側方車両検知警報 | ||
◯ |
× |
× |
後退時後方車両接近警報 | ||
◯ |
× |
× |
オートマチックハイビーム | ||
△ オプション、一部設定なし |
× |
◯ (1グレードを除く) |
※安全装備の詳細は各車メーカー公式サイトをご確認ください。
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デミオのカタログ情報
- 平成26年9月(2014年9月)〜令和1年7月(2019年7月)
- 新車時価格
- 135.0万円〜227.9万円
デミオの在庫が現在209件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。