ホンダ フィットホンダは、コンパクトカーのフィットをマイナーチェンジし発売を開始した。

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フィットの歴史


フィットは、国内ホンダにとって非常に重要な基幹車種である。2013年9月にフルモデルチェンジし、現行モデルが3代目だ。初代、2代目ともにヒットモデルとなっている。3代目フィットは、ホンダ独自のハイブリッドシステム であるスポーツ・ハイブリッドi-DCD(インテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ)を搭載した。デビュー当時の燃費は、世界トップレベルの低燃費を誇ったライバル車トヨタ アクアを抑える36.4km/Lという低燃費を実現した。

発売直後からリコール続きで顧客からの信用を失ったフィット

順風満帆に見えたフィットだったが、突如リコールが発生。ハイブリッド車に搭載されていたミッションである7速DCTが原因だった。このリコールが、単発であればそれほど問題にならなかったのだが、フィットはその後、リコールを繰り返した。その結果、顧客の信頼を徐々に失っていった。

販売台数下落でまさかの日産ノートに大敗

フィットの2016年度新車販売台数は、98,923台で5位。4位はシリーズハイブリッドのe-POWERを搭載したノート。ノートの販売台数は123,938台なので、フィットはノートに、まさかの大敗を喫することになった。しかも、5位といってもコンパクトカーなのに、ヴォクシーやセレナといった高額車種に追いつかれそうな販売台数まで落ち込んでいたのだ。

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それだけに、今回のマイナーチェンジは、常にコンパクトカーのトップを争っていたフィットが再び復活するために、重要なマイナーチェンジとなる。

ホンダ センシング搭載で安全性能はクラストップレベルに


ホンダ フィットすでに、軽自動車では歩行者検知式自動ブレーキが当たり前の状態になってきている。しかし、クラスが上のコンパクトカーは、こうした先進予防安全装備の用意が遅れている。コンパクトカーで歩行者検知式自動ブレーキを装備していたのは、日産ノートだけだった。当然、安全性能のアップは必須条件のひとつ。3代目フィットのマイナーチェンジでは、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備である「ホンダセンシング」が用意された。

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見送られた全車標準装備

ホンダは「Safety for Everyone」 を安全思想として掲げるが、残念ながら全車標準装備は見送った。ホンダセンシングが標準装備化されているグレードは、9グレート中6グレードにとどまった。しかも、標準装備化されていない3グレード中、2グレードがオプションで装着可能としているが、1グレードはオプションでも装着できないという状況だ。9月にフルモデルチェンジする軽自動車のN-BOXはホンダセンシングが標準装備化される予定なだけに、フィットはやや腰が引けた設定となった。

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ただし、歩行者を検知できる自動ブレーキという点では、アクアやヴィッツ、デミオには装備されていないので、ホンダセンシングを装備すればクラストップレベルの安全性能を得ることができる。

多くの安全装備でドライバーの負担を軽減

また、ホンダセンシングは、誤発進抑制機能、車線の中央に沿った走行をアシストするステアリング制御「LKAS<車線維持支援システム>」や、アクセルペダルから足を離しても、前走車との車間距離を適切に保つ「ACC<アダプティブ・クルーズ・コントロール>」など、多くの安全装備やドライバーの負担軽減装備が用意されている。

マイナーチェンジ後もアクアの燃費値を超えられず!


ホンダ フィットフィットハイブリッドの燃費は、マイナーチェンジ前の36.4㎞/Lから37.2km/Lへと向上した。残念ながら、アクアの38.0㎞/Lを超えることはできなかった。ただ、両車のこの燃費値は、燃費訴求用のおとりグレードのもの。実際、ほとんどの人は購入しないグレードの数値。アクアの量販グレードの燃費は、34.4㎞/L。フィットの量販グレードの燃費は34.0㎞/Lとなる。ガソリン車も燃費も向上した。1.3Lエンジンの燃費は、24.6㎞/L。1.5Lは22.2㎞/Lとなった。

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ボディ剛性アップで走行性能を向上

走行性能面も引き上げられた。ハンドリング、乗り心地、静粛性を向上させている。運動性能の向上には、より強固なボディが必要になる。そこで、フィットのボディには、各所に補強材がプラスされた。この補強が広範囲に及んでいて、かなり剛性が強化されたように思える。その上で、サスペンションやステアリング系が最適チューニングされた。

ダウンサイザーの受け皿として、静粛性の向上は重要だ。マイナーチェンジでは、遮音機能付きフロントウインドウガラスを採用。遮音材の追加などにより静粛性を高めている。こうした遮音材などの追加により、ハイブリッド車の上級グレードでは、クラストップレベルの静粛性を実現。

より質感とスポーティさを向上した外観デザインとインテリア


ホンダ フィットマイナーチェンジで、フィットの外観デザインは、上質でスポーティー感のあるものとなった。フィットは、優れた居住スペースを得るために全高を1,550㎜とやや高めにしている。そのため、やや腰高感があるように見える。いわゆるかっこいいデザインの定義は、ワイド&ローと言われている。そこで、視覚的に重心やワイド感を出すデザイン手法を採用。前後バンパーのデザインを変更し、低重心でワイドな外観に見せている。そして、夜間での存在感を出すために、インラインタイプのLEDヘッドライトなどを採用した。

上質感にこだわったインテリア

インテリアは、上質感のあるものとなった。上質感の向上は、上級車からのダウンサイザーが気にするポイントだからだ。その中でも、とくに、上質感にこだわったHYBRID・L Honda SENSINGには、本革のような風合いや肌触りの素材を使用した「プレミアムブラウン・インテリア」を採用。高級コンパクト感をアピールする。

Apple CarPlayなどスマホアプリに対応

装備面では、スマートフォンなどで、つながることが重要視される時代。ようやくこうしたニーズに対応。iPhoneやAndroidなどのスマートフォンをUSBで接続し、音楽再生や通話、マップアプリケーションの操作などを、ナビ画面や音声で行える「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応した。利便性を高めた。

ホンダ フィットの選び方


ホンダ フィットホンダ フィットの選び方は、ガソリン車かハイブリッド車の選択から。1.3Lのガソリン車とハイブリッド車の価格差は40万円以上にもなるため、燃費で元を取るには難しい価格差となる。こうなると、ハイブリッド車を選ぶ場合は、単に燃費というだけでなく、静粛性も高いので質感や高級感を重視する人向けとなる。ただし、これから、より低燃費性能が重視される時代になり、単なるガソリン車のリセールバリュー(再販価値)は下がるとみられている。乗りつぶすことが前提であれば、ガソリン車のコストパフォーマンスは高い。ただ、5年程度で乗り換えるのであれば、リセールバリューが高くなるハイブリッドを選択するというのもありだ。

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「ホンダセンシング」を基本としたグレード選び

ハイブリッド車のグレード選びは、HYBRID・L Honda SENSINGを基本に比較検討するといい。このグレードは、ホンダセンシングとサイド&カーテンエアバッグも標準装備化されているので安全性能は高い。予算重視ならHYBRID・Fでホンダセンシングとサイド&カーテンエアバッグをオプションで選択する方法もある。

1.3Lガソリン車も、13G・L Honda SENSINGをベースに選択するといいだろう。予算重視なら、13G・Fを選択し、ホンダセンシングなどのオプションを選択。オプションは、必要最低限に抑えるとコストパフォーマンスが高くなる。

そして、1.5L車は上級グレードのみの設定。このグレードは、お好きならどうぞといった印象。ラグジュアリー感があるとはいえ、今時高価なガソリン車というのは選びにくい。

よりスポーティーな走りとルックスがほしいというホンダファンには、RS・Honda SENSINGという選択肢がある。RSには、6MTが用意されている。

1.5L車の場合、趣味性の高いRSを除き、多少無理をしてでもハイブリッド車がおすすめだ。世界のクルマの流れは、より電動化へと加速していく。そうなると、高額のガソリン車の価値はどんどんと下がる。今後、こうした傾向は強くなるので、ハイブリッド車以外は、リセールバリューも期待できないだろう。

ホンダ フィット価格


ホンダ フィットの車両価格は以下の通り。

ハイブリッド車

・HYBRID FF 1,699,920円/4WD 1,894,320円
・HYBRID・F FF 1,815,480円/4WD 2,009,880円
・HYBRID・L Honda SENSING FF 2,079,000円/4WD 2,241,000円
・HYBRID・S Honda SENSING FF 2,205,360円/4WD 2,367,360円

ガソリン車

・13G・F 5速MT/CVT FF 1,428,840円/4WD 1,623,240円
・13G・L Honda SENSING FF 1,653,480円/4WD 1,847,880円
・13G・S Honda SENSING FF 1,790,640円/4WD 1,985,040円
・15XL・Honda SENSING FF 1,853,280円/4WD 2,015,280円
・RS・Honda SENSING 6速MT FF 2,050,920円

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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。


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