軽自動車
軽自動車の安全性
歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備の民主化を進めてきた立役者といえるのが、軽自動車。軽自動車の販売戦争は非常に厳しく、各社とも「ライバル車よりもより良いクルマを」としのぎを削っている。そのためモデルチェンジするたびに安全装備も充実し、レベルアップを重ねてきた。特に売れ筋となるスーパーハイト系に属する軽自動車には、もはや歩行者検知式自動ブレーキが用意されていないモデルはないほどになっている。
一時期は「こうした安全装備を標準装備化すると価格が高くなり、価格志向の顧客が買わなくなる」という懸念があった。そのためオプションで充実させる方向に進み標準装備化は遅れていたが、最近では標準装備化が当たり前になってきている。
しかし、困ったことにこうした先進予防安全装備のレスオプションを用意している車種もある。価格志向の顧客にこうしたモデルを積極的に勧めているという情けない状況にある。各社、交通死亡事故を減らすという安全思想を掲げながら、安全ではないクルマを売り続けるという矛盾が生じている。
セーフティ・サポートカーの選び方と注意点
先進予防安全装備の呼び方は、各社で異なる。スズキはスズキセーフティサポート、ダイハツはスマートアシストⅢ、ホンダはホンダセンシングと命名している。
また最近では、セーフティ・サポートカー(略称:サポカー) といった国が推奨する新しい自動車安全コンセプト提唱されている。このサポカーは、4区分に分類される。サポカーであれば、どれも同じというようなイメージを持つやすいが、その差は大きい。歩行者対応の自動ブレーキ装着が条件となるのは、セーフティ・サポートカーSワイドと呼ばれる区分のみ。端的に言えば、セーフティ・サポートカーSワイドでなければ、安全装備が「充実している」とは言い切れないと言っても良いだろう。
ただしセーフティ・サポートカーSワイドでなくても、歩行者検知式の自動ブレーキが付いていることもある。というのも、セーフティ・サポートカーSワイドの条件はかなり厳しい。その他の装備がないことで、違う区分のセーフティ・サポートカーになっているモデルもあるので、予算や実際についている装備を確認して、じっくり比較する必要がある。
こちらをチェックしてください。
BEST.1
ホンダN-BOX
![ホンダ N-BOX](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220922/20220922051621.jpg)
新車販売台数ランキングナンバー1を誇るN-BOXは、2代目となり大きな決断をした。クラスが上のフィットが一部オプションなのに、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備であるホンダセンシングを全車に標準装備化したのだ。ホンダの安全思想であるセーフティ・フォー・エブリワンを具現化した。
こうした装備の充実さもあり、2代目N-BOXも良く売れている。N-BOXのホンダセンシングは、多彩な機能があるので十分に安心できるレベル。このクラスでは珍しく先行車追従式のクルーズコントロールも装備されている。高速道路などを使いロングドライブする時の疲労軽減に役立つ。また、サイド&カーテンエアバッグも一部グレードを除き標準化されているので、優れた安全性能を誇る。
BEST.2
スズキスペーシア
![スズキ スペーシア](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220922/20220922051624.jpg)
最強のライバル車であるホンダN-BOXが先進予防安全装備であるホンダセンシングを全車標準装備化したことを受け、スペーシアもフルモデルチェンジで、歩行者検知式自動ブレーキなどを含んだスズキセーフティサポートを標準装備化した。誤発進抑制制御など、一定の機能はほぼすべて用意されており、十分な安全性能を誇る仕様となった。また、軽自動車初となる超音波センサーを使った後退時ブレーキサポートを全車に標準装備。後退時にうっかり衝突リスクを大きく下げてくれる。
また、軽自動車では珍しくサイドエアバッグを全車に標準装備。スズキは従来、設定さえなかったサイドエアバックを標準装備化したのには訳がある。2018年6月から施行されるサイドポールと呼ばれる側面衝突関連の保安基準にいち早く適合するためだ。いずれ、ライバル車も追随するが、今のところ全車に標準装備化されているのはスペーシアのみだ。
ただし、カーテンエアバッグは用意されていない点が、コストにこだわるスズキらしい残念な設定になっている。
BEST.3
ダイハツタント
![ダイハツ タント](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220922/20220922051627.jpg)
タントに装備されたスマートアシストⅢは、歩行者検知式の自動ブレーキ機能に、アクセルとブレーキの踏み間違えを防ぐ前方&後方の誤発進抑制制御を用意。その他の機能を含め十分なレベルにある。
ただ、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグはG SAⅢにのみオプション装着可能。他のグレードでは、オプション装備さえできないという物足りない設定となっている。タントは、モデル末期でフルモデルチェンジが近い。フルモデルチェンジすれば、クラストップレベルの安全装備を得ることになるので、しばらく様子を見たほうがいいだろう。
安全な軽自動車の選び方と注意点
人気のスーパーハイト系軽自動車は、販売戦争が激化していることもあり、先進予防安全装備の進化が早い。モデルチェンジする度に、大幅に進化する。そのため、ほぼ同時期に発売されたスペーシアとN-BOXは、完全に頭ひとつ抜け出した高い先進予防安全装備をもつ。
とくにスペーシアは、カメラの映像を使う全方位モニター用をオプション設定。カメラクルマの周辺を360°見ることができる軽自動車初となる3Dビュー、フロントガラス投影式のヘッドアップディスプレイも用意した。カメラ映像で周囲の安全が確認できるのは、とても分かりやすい。
ボディの小さな軽自動車は、先進予防安全装備だけでなくエアバッグ類の装備も重要だ。とくに、体の横方向のスペースは非常に小さく衝突時にエネルギーを吸収するスペースがとても少ない。当然、側面衝突になれば大きな被害を受ける可能性が高い。
スーパーハイト系軽自動車はファミリー層の比率が高く、小さな子供を乗車させるケースも多い。運転する人はもちろんだが、一緒に乗る人の安全をより重視するために、サイドエアバッグやカーテンエアバッグが装備されたモデルを選ぶといい。カーテンエアバッグは後席までカバーするモデルがお勧めだ。
安全装備比較表
- ◯…全車標準装備
- △…一部標準装備または一部オプション
- ×…標準装備なし
ホンダN-BOX | スズキスペーシア | ダイハツタント |
対車両自動ブレーキ | ||
---|---|---|
◯ |
◯ |
△ 一部グレードのみ |
歩行者検知式自動ブレーキ | ||
◯ |
◯ |
△ 一部グレードのみ |
ブレーキ踏み間違い衝突防止アシスト | ||
◯ |
◯ |
△ 一部グレードのみ |
サイドエアバッグ | ||
△ 一部オプション |
◯ |
× 1グレードのみオプション装着可 |
カーテンエアバッグ | ||
△ 一部オプション |
× |
× |
車線逸脱警報 | ||
◯ |
◯ |
△ 一部グレードのみ |
車線維持支援 | ||
◯ |
× |
× |
後側方車両検知警報 | ||
× |
× |
× |
後退時後方車両接近警報 | ||
× |
× |
× |
オートマチックハイビーム | ||
◯ |
◯ |
△ 一部グレードのみ |
※安全装備の詳細は各車メーカー公式サイトをご確認ください。
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N-BOXのカタログ情報
![](https://221616.com/assets/img/car-topics/noimage.jpg)
- 現行モデル
- 令和5年10月(2023年10月)〜現在
- 新車時価格
- 164.9万円〜196.5万円
N-BOXの在庫が現在339件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。