車のサイズや規格による違いと選び方のポイントは?

車のサイズは利用できる駐車場の大きさや運転のしやすさに関わります。乗用車の規格のほかに、ボディタイプ毎の一般的なサイズのカテゴリ分けについて説明します。とくにミニバンSUVはサイズが大きいため、利用環境に合ったサイズを選ぶことが大切です。

車のサイズや規格による違いと選び方のポイント

日本の乗用車の規格は3種類

区分 条件・特徴
軽自動車 ・全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下、排気量660㏄以下
・最大出力は64馬力まで
小型乗用車 ・全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下、排気量2,000㏄以下
・ナンバープレート上部の3桁の数字が「5」から始まる(=5ナンバー車)
普通乗用車 ・全長4.7m/全幅1.7m/全高2.0m/排気量2,000㏄をどれか1つでも上回る
・ナンバープレート上部の3桁の数字が「3」から始まる(=3ナンバー車)

日本の乗用車の規格は軽自動車、小型乗用車、普通乗用車の3種類です。車両の規格はサイズと排気量(※)で決められています。

※ディーゼル車は排気量の規格なし

車のサイズで税金は変わらない

いわゆる「普通車」が小型乗用車(5ナンバー車)と普通乗用車(3ナンバー車)に分かれることから、「両者で税金が違うのでは?」と考える人は多いです。しかし車のサイズで税金の課税額が変わる訳ではありません。

自動車税と自動車重量税の課税額は、それぞれ排気量と車重を基準にしています。

<関連記事>車にかかる税金のすべて~種類と課税額一覧~

車のサイズで変わること

車のサイズが変わると、以下のような点が変わります。

  • 乗車定員(軽は4人、普通車は5人~)
  • 運転のしやすさ
  • 利用できる駐車場

運転しやすい理想的なサイズは「全長4.5m前後まで、全幅1.8m以下」といわれます。特に日本の場合、道幅や駐車場の基準を考えると全幅1.8m以下が便利です。

機械式駐車場を利用する場合は、サイズを抑える必要があります。最近は全高の高い車が人気で、機械式を利用できない車種も多いです。サイズ制限の目安は以下の通りです。

(目安)全長5,000mm以下×車幅1,800mm以下×車高1,550mm以下

Q. 自宅の駐車場に必要な広さは?

駐車場1マスあたりの大きさは、国土交通省により以下のように定められています。

  幅(m) 奥行(m)
軽自動車 2.0 3.6
小型自動車 2.3 5.0
普通自動車 2.5 6.0

※出典:国土交通省「駐車場設計・施工指針について」

ただし上記の数値はあくまで最低限必要な広さです。実際には「購入する車の全長+1.3m、全幅+1.0m程度」が理想なので、設置できる駐車スペースの広さも考慮して車を選びましょう。

軽自動車のサイズ選び

メーカー/車種名 全長(㎜) 全幅(㎜) 全高(㎜) タイプ
ホンダ「N-BOX 3,395 1,475 1,790-1,815 スーパーハイトワゴン
ダイハツ「ムーヴ 3,395 1,475 1,630 ハイトワゴン
スズキ「ハスラー 3,395 1,475 1,680 SUV
スズキ「ラパン」 3,395 1,475 1,525 セダンタイプ

軽自動車の場合、軽自動車税と重量税の課税額は全車種で一律です。 サイズは全長と全幅が同値で、全高のみ車種によって異なります。最近は機械式駐車場に入らない軽自動車も多いので、注意しましょう。

タイプで異なる特徴

軽自動車の車両例

軽自動車はスーパーハイトワゴン、ハイトワゴン、軽SUVセダンタイプの4種類に大別されます。タイプごとに居住性や利便性、燃費、車両価格が異なるので、それぞれの特徴を知り、用途や予算に合う選択をしましょう。

利便性の高い「スーパーハイトワゴン

スーパーハイトワゴンは、一般に全高が1,700㎜以上で、スライドドア搭載の車を指します。車内高は1,400㎜前後あり、ベビーカーを折り畳まずに載せられます。

就学前の子どもがいる家族や車中泊をしたい人、荷物を大量に積む人にオススメです。

コスパに優れる「ハイトワゴン

ハイトワゴンはスライドドアにこだわらず、広さを重視したい人にオススメです。ハイトワゴンなら、身長180㎝程度の人が乗っても不自由しません。

スライドドアを搭載していない車種が多く、その分だけ車両価格も抑えめです。

走行性とデザイン性の高い「軽SUV

SUVは走行性とデザイン性の高さが魅力。一方で最低地上高が高く、乗りやすさや車内の広さはワゴン軽自動車に劣ります。就学前の子どもの場合、乗り降りに苦戦するケースもあるでしょう。

安さが魅力の「セダンタイプ」

セダンタイプは車高が低いため、他の2タイプと比べて居住性が低いです。しかし低価格で燃費も良く、1~2人で乗るのに向きます。また広さを重視するワゴン軽自動車に比べてデザイン性も豊かです。

コンパクトカーのサイズ選び

メーカー/車種名 全長(㎜) 全幅(㎜) 全高(㎜) 排気量(㏄)
日産「ノート 4,045 1,695 1,520 1,198
トヨタ「アクア 4,050-4,095 1,695 1,485-1,505 1,490
トヨタ「ルーミー 3,700-3,705 1,670 1,735 996
スズキ「ソリオ 3,790 1,645 1,745 1,242

コンパクトカーの乗車定員は最大5人で、軽自動車より1人多いです。また荷室スペースも軽自動車より広く、それでいて小回りも利くので、使い勝手に優れています。

税金は排気量や車重により異なります。多くのコンパクトカーは機械式駐車場に停められますが、ルーミーなどのプチバンは全高が高いので注意しましょう。

子育て世代に人気のプチバン

プチバンの車両例

プチバンは、全長を4m程度に抑えつつ、全高が1,600㎜を上回るコンパクトな車です。「3列シートは不要」「軽自動車より広く、税金の安い車が欲しい」といった場合にオススメです。

セダンのサイズ選び

メーカー/車種名 全長(㎜) 全幅(㎜) 全高(㎜) サイズ
マツダ「MAZDA3セダン 4,460 1,795 1,440 S
トヨタ「プリウス 4,600 1,780 1,420-1,430 S
日産「スカイライン」 4,810 1,820 1,440 M
レクサス「LS」 5,235 1,900 1,450-1,460 L

セダンは全体的に全高が低く、居住性に課題があります。しかし独特の上品さや優雅さは、セダンならではの魅力です。サイズはS・M・Lの3種類に大別され、SからLにかけてサイズが大きく、車両価格も高くなります。

【代表車種の例】

セダン独特の上品さや優雅さを求めるのであれば、Lサイズがオススメです。ただしLサイズは全長も全幅もかなり大きく、運転に技術を要します。Mサイズでも全幅が1.8m前後あるので、運転に慣れない人はSサイズを選ぶようにしましょう。

「セグメント」による分類も

セグメントは、主に欧州で使われている分類です。セグメントに明確な定義や基準はなく、分類方法もアルファベットや数字など複数あります。一般に、アルファベットが進むか数字が大きくなるほど、サイズが大きくなります。

日本でもセダンなどの解説に、セグメントによる分類が用いられることがあります。

SUVのサイズ選び

メーカー/車種名 全長(㎜) 全幅(㎜) 全高(㎜) サイズ
トヨタ「ライズ 3,995 1,695 1,620 コンパクト
マツダ「CX-30」 4,395 1,795 1,540 コンパクト
日産「エクストレイル 4,660 1,840 1,720 ミッドサイズ
トヨタ「ランドクルーザープラド」 4,825 1,885 1,835-1,850 ラージサイズ

SUVはコンパクトサイズ、ミッドサイズ(ミドルサイズ)、ラージサイズの3つのサイズがあります。コンパクトSUVでも機械式駐車場を利用できる車種が少ないです。

ミッドサイズ~ラージサイズでは3列シートを搭載している車種もあります。ただしSUVの3列目はかなり狭く、子ども用か補助席と考えた方が良いです。

SUVの車両例

【代表車種の例】

街乗り中心の場合はコンパクトSUVがオススメです。一方、アウトドアに使うなど適度に積載性やオフロード性能が欲しい場合はミッドサイズ以上が良いでしょう。3列シートを常時利用するのであればラージサイズですが、この場合はミニバンも含めて検討してください。

ミニバンのサイズ選び

メーカー/車種名 全長(㎜) 全幅(㎜) 全高(㎜) サイズ
トヨタ「シエンタ 4,260 1,695 1,695-1,715 SS
日産「セレナ 4,690-4,765 1,695-1,715 1,870-1,895 M
トヨタ「ノア 4,695 1,730 1,895-1,925 M
トヨタ「アルファード 4,935-4,950 1,850 1,935-1,950 LL

ミニバンは、SSクラス~LLクラスまでサイズの幅が広いです。SUVと同様、コンパクト・ミドルサイズ・ラージサイズの3種類で区別することもあります。

SSクラスでも3列シートを選択できるので、ミニバンを選ぶ場合は「3列シートが欲しいか否か」を一つの基準にすると良いでしょう。その上で、運転のしやすさや道路事情、居住性を考慮して選ぶのが理想的です。

ミニバンの車両例

【代表車種の例】

都市部で小回りの利く車に乗りたいのであれば、シエンタフリードの二択です。ミニバンならではの広さを重視するならヴォクシーなどのMクラス、さらに高級感を求めるならLLサイズがオススメです。

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Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!