2WDと4WDの違いとは?四駆車を選んだほうが良いのはどういう人?

2WDと4WDの違いとは?四駆車を選んだほうが良いのはどういう人?

同じ車種で2WDと4WDがある場合、どちらを選べばいいのか迷ってしまいがちです。また、2WDと4WDの違いを明確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

本コラムでは、2WDと4WDそれぞれの特徴や燃費、得意な走行シチュエーション、メリット・デメリットを詳しくご紹介します。自分のライフスタイルに適しているのはどちらなのか、参考にしてください!

2WDと4WDの違いは走行シーンであらわれる

2WDや4WDは車の駆動方式のことで、「運転のしやすさ・悪路走行のしやすさ」といった、車の走行性能に関わってくる大事な部分です。

2WDや4WDの違いは、主に走行シーンにあらわれます。以下では、2WDが向いている走行シーン、4WDが向いている走行シーンといった順番で、特徴をご紹介していきます。

2WDは市街地走行で力を発揮!軽量で燃費もいい

日本で走っている車の多くは「2WD」と呼ばれる駆動方式です。まず、2WDについてご紹介します。

2WDとは、エンジンによって回転するタイヤが2つある車のことを指します。 車には4つのタイヤが付いていますが、前にエンジンを積んでいて前輪を回すタイプを「FF」、前にエンジンを積んでいても後輪を回すタイプを「FR」などと呼びます。
日本では主に、2WDの「FF」型が主流とされており、市販されている車のタイプもFF型が多いです。

FF型はエンジン付近に必要なパーツを搭載できるため、車内空間をゆったりとることができます。さらにデザイン性に影響しないため、車種も豊富で価格も他のタイプと比べて安く抑えられているのがポイントです。

市街地を走るのであれば、2WDで十分です。しかし、雪道や悪路などといった場所を走るのには優れていません。その理由を後ほどご紹介します。

4WDは悪路でも走行しやすい!雪道や山道でも心強い

4WDとは、エンジンによって回転するタイヤが4つある車のことです。つまり、2WDとの大きな違いは、「エンジンによって回転するタイヤの数」となります。 4WDについては、以下のコラムで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

雪道や山道など、一般的に“悪路”と呼ばれる環境を走行する機会が多い人は、4WDを選ぶとよいでしょう。

しかし、4WDはエンジンからタイヤに力を伝えるパーツを多く積まなければいけないため、2WD車と比較して総重量が重くなりがちです。その結果、2WDと比べて燃費が悪くなってしまうことがあります。
ただし、近年の4WDは燃費性能も大幅に向上しており、あくまで、2WDと比較すると燃費面で劣るというだけです。年式の新しい4WDなら、極端に燃費が悪いということはありません。

2WDと4WDのメリット・デメリットまとめ

  メリット デメリット こんな人におすすめ
2WD
  • 燃費が良い
  • 車両価格が安め
  • デザインが豊富
  • 悪路走行には不向き
  • 都市部に住んでいる人
4WD
  • 悪路(雪道や山道など)での走行性能が優れている
  • 走行時の安定性がある
  • 2WDより燃費が良くない
  • 車両価格が高い
  • 乗り心地があまり良くない
  • 車種が限定される
  • 豪雪地帯に住んでいる人
  • アウトドアなどの趣味に車を利用する人

都市部に住んでいて、街乗りがメインという人なら、燃費が良く価格も比較的安価な2WD車で問題ありません。
一方、4WDの性能は市街地での走行では発揮されにくく、豪雪地帯に住んでいる人、あるいはアウトドアといった趣味に車を利用する人におすすめといえます。

2WDと4WDの燃費の差

それでは2WDと4WDの燃費の差を見ていきましょう。ここではわかりやすくするために、燃料代の比較もしています。

【条件】
車種:トヨタ/シエンタ
ガソリン代:1Lあたり130円
移動距離:10,000km

  燃費(メーカー公表値) 移動距離 燃料代
2WD 20.2km/L 10,000km 約64,000円
4WD 15.4km/L 10,000km 約84,000円

燃費の自動計算:https://calculator.jp/money/gasoline

このように、車を動かすのに必要なガソリン代は、燃費によって大きな差を生みます。
1Lあたりの燃費差は4.8km/Lですが、走行距離が長くなればなるほど燃料代の差も開きます。

表のように、10,000km走行した場合、約20,000円の差額が発生します。また、車に乗るとエアコンを付ける方も多いはずです。エアコンによる冷房や除湿は車の燃費を低下させる要因の一つであるため、実際の燃料代の差はもう少し開く可能性があります。

車両価格や買取価格には、どれくらいの差がある?

車を買うときの重要なポイントの一つは、「車両価格」です。車両価格は、車のグレードによって変わりますが、駆動方式によっても異なります。

一般的に、2WDより4WDのほうが車両価格が高くなります。今回は、先ほど例に挙げたトヨタ/シエンタと日産/セレナの2車種を比較してみます。

【条件】
最低ランクのグレードの車両価格(税抜)で比較
シエンタ:X
セレナ:X(4WDにSグレードがなかったため次点のXグレードで比較)

車両価格(新車) シエンタ(トヨタ) セレナ(日産)
2WD 1,682,000円 2,319,000円
4WD 1,813,000円 2,545,000円
差額 131,000円 226,000円

どちらの車種も4WDのほうが2WDよりも高めですよね。4WDは2WDに比べ必要なパーツが多く、その分だけ車両価格も高くなります。
また、北海道地区で購入する場合、寒冷地仕様が標準装備(通常はオプション扱い)のため、価格が若干高めに設定されていることがあります。

では、これらの車を“中古市場”に売却する場合、どちらのほうが高く売れるのでしょうか。

答えは「4WDのほうが高く売れる」です。2WDより4WDのほうが新車の車両価格が高いため、買取価格もそれに比例して高めになる傾向があります。

しかし、買取価格は地域によって異なります。たとえば、4WDの特徴でもある「雪道走行」をする機会がない九州では需要がないため、売ったとしても高値は期待できません。逆に、北海道といった降雪地帯で売却すると、高値になる可能性はあります。

中古車市場での需要は、その地域の特色によって変わるので注意しましょう。なお、車種によっては、どの地域でも2WDより4WDのほうが、ニーズが高い=高く売れることがあります。

迷ったら2WDでOK!4WDは豪雪地域に住んでいるなら検討しよう

都市部に住んでいるなら、基本的に2WDで問題ありません。舗装された道路が多いため、雪が降ったとしてもスタッドレスタイヤやチェーンの装着で対処できるはずです。

都市部に住んでいても、趣味でスキーやスノーボードといったウィンタースポーツを楽しむ人で、それらに車を利用するのであれば、4WDを検討してもよいでしょう。

豪雪地帯に住んでいるのであれば、4WDを検討したほうがいいでしょう。夏の間は2WDで問題がないというのであれば、2WDと4WDを手動で使い分けられるパートタイム4WDを選ぶとよいでしょう。

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Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!