最近よく聞く自動ブレーキってどういうものなの?各メーカーでなにか違うの?本当に安全なの?車を乗る人なら、誰しも疑問に思いますよね!
そこで今回は、2018年最新版の各社自動ブレーキを徹底比較していきます。 この記事を読むことで、各自動車メーカーによる自動ブレーキの特徴がわかります。
※安全装備には作動条件や限界があります。安全装備だけに頼った運転は危険です。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。
自動ブレーキといえど性能はさまざま
自動ブレーキは、自動車が勝手に車を停止させる機能ではありません。被害を軽減するために、自動でブレーキペダルの踏力(とうりょく=踏み込む力)をアシストする機能です。
また、センサーが緊急時だと判断すると、自動的にブレーキが作動することもあります。自動ブレーキセンサーは3種類あり、それぞれ性能は異なります。
性能の違いを生み出す3つのセンサー
自動ブレーキセンサーには、以下の3種類があります。
- 暗闇でも対象物との距離を検知する「赤外線レーザー」
- カメラで対象物を認識する「ステレオカメラ」
- 天候の影響を受けにくく、電波の周波数を利用して衝突の対象を検知する「ミリ波レーダー」
どのセンサーを搭載しているかは車によって異なり、併用している場合もあります。
自動ブレーキの性能は大きくサポカーとサポカーSに分かれる
自動ブレーキ搭載車には「サポカー」「サポカーS」という愛称がついています。
サポカーは自動ブレーキ搭載車、サポカーSは自動ブレーキに加え、踏み間違いによる加速抑制機能など、高齢者向けのシステムも搭載した車です。
【2018年最新】自動ブレーキをメーカーごとに徹底比較
各社によって各称や性能が異なる自動ブレーキ。次は、作動の条件が「車両のみか歩行者も含めるか?」「昼間のみか夜間も作動するのか?」といった違いについて解説します。
スズキ
名称 | ブレーキサポート |
歩行者対応 | 可(自転車は不可) |
動作する走行速度 | 5~100km/h |
停止可能な速度差(衝突回避) | 5~50km/h |
対象車種 | ソリオ、スイフト |
スズキの「ブレーキサポート」には、「レーダーブレーキサポート」「レーダーブレーキサポート2」「デュアルカメラブレーキサポート」「デュアルセンサーブレーキサポート」の4種類があり、それぞれ機能が異なります。
全てのブレーキシステムが昼間のみの対応となり、レーダーブレーキサポートとレーダーブレーキサポート2は、歩行者に対応していません。
トヨタ
名称 | セーフセンス |
歩行者対応 | 可 |
動作する走行速度 | 10~80km/h |
停止可能な速度差(衝突回避) | 40km/h |
対象車種 | アルファード、ヴェルファイア |
トヨタの「セーフティセンス」は、昼間だけでなく、特に夜間走行時の安全を守る自動ブレーキシステムとなっています。ただし、夜間の自転車のみ、検知ができません。
最新型である第2世代のセーフティセンスは、アルファードとヴェルファイアに搭載されています。
三菱
名称 | e−アシスト |
歩行者対応 | 可 |
動作する走行速度 | 10~80km/h |
停止可能な速度差(衝突回避) | 5~30km/h |
対象車種 | ekワゴン、エクリプスクロス |
三菱の「e-アシスト」の自動ブレーキは、ステレオカメラで障害物や歩行者を検知し、衝突の回避、または被害の軽減をサポートする「FCM」という機能が搭載されています。
雨天時や夜間など、前方が見えにくい状況でも走行をサポートしてくれますが、自転車の検知には対応していません
スバル
名称 | アイサイト |
歩行者対応 | 可 |
動作する走行速度 | 1~160km/h |
停止可能な速度差(衝突回避) | 30~50km/h |
対象車種 | レヴォーグ、フォレスター |
スバル「アイサイト」の良さは、認識力の高いステレオカメラを使用した制御機能にあります。夜間検知には非対応ですが、車と自転車、歩行者を検知し、自動ブレーキで対応する機能は高く評価されています。
マツダ
名称 | アイアクティブセンス |
歩行者対応 | 可 |
動作する走行速度 | 4~80km/h |
停止可能な速度差(衝突回避) | 15 km/h以上 |
対象車種 | アクセラ、CX-3 |
マツダの自動ブレーキシステムは「アイアクティブセンス」と呼ばれています。夜間の歩行者検知が可能なシステムは限られますが(表の対象車種ではCX-3が該当)、すべての車種がサポカーS対象となっているのが特徴です。
ホンダ
名称 | ホンダセンシング |
歩行者対応 | 可 |
動作する走行速度 | 5km/h~ |
停止可能な速度差(衝突回避) | 5km以上 |
対象車種 | フリード、ステップワゴン |
「ホンダセンシング」の搭載車種は多く、シビックやN-BOX、フィットなどの人気車種も該当しています。
低速走行でも歩行者の検知ができる、カメラとミリ波レーダーがポイントです。夜間や自転車検知は非対応ですが、歩行者事故低減や誤発進抑制、衝突軽減ブレーキなど、安全機能には定評があります。
日産
名称 | インテリジェントエマージェンシーブレーキ |
歩行者対応 | 可 |
動作する走行速度 | 10~80km/h |
停止可能な速度差(衝突回避) | 30 km/h以下 |
対象車種 | セレナ、ノート |
「インテリジェントエマージェンシーブレーキシステム」は主に昼間、歩行者と車両を検知します。車間距離を保った走行をアシストする機能や、衝突回避機能も搭載されています。
自動ブレーキは後付けできる?
後付けで装着できる純正の自動ブレーキは、残念ながら現時点では存在していません。
しかし、警告音が作動するカメラや、ブレーキアクセル踏み間違い防止グッズなどは市販されています。
自分の車に自動ブレーキは付いていないが、搭載車を購入するまでの余裕が無いという人は、こういった市販品を検討してみても良いかもしれません。
この章では有名な後付けグッズを紹介していますので、購入の際にはぜひ参考にしてください。
もし純正の自動ブレーキ機能が必要であれば、搭載車を購入することをおすすめします。
急発進防止装置「ペダルの見張り番」
後付けグッズとして有名なのが、踏み間違いを防止する「ペダルの見張り番」です。運転に自信がない方やご高齢の方に特におすすめです
幅広い車種に対応しており、急発進やアクセルとブレーキの間違いを防止できるグッズです。取り付け方法はカー用品ショップや業者へ依頼し、工賃は4万前後と諸費用(保険など)となるようです。
衝突防止補助システム「Mobileye」
市販のMobileyeは、衝突回避や車間距離が不十分であった場合などに、警報で知らせてくれる後付けシステムです。
カメラで前方の危険を察知して、5種類の警報でドライバーに危険を知らせます。居眠り運転やわき見運転、ふらつきへの対策が可能になります。
取り付け方法は業者へ依頼し、工賃として4~5万円前後かかります。
車選びは自動ブレーキにも注目!
安全装備は今や必須のアイテムですから、車選びの際に注目すべき要素の一つといえるでしょう。
各社・各システムによって自動ブレーキの性能・作動条件は異なりますので、事前確認は必須。よく比較検討して、自分にぴったりの車種を選びましょう!
- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!