軽自動車ベスト5を徹底比較
自動車専門家の大岡氏が、おすすめの新車の軽自動車をランキング形式で発表!
価格や燃費、走行性能などさまざまな角度でも比較しました。
気軽にたくさん運転できる軽自動車選びの参考にしてください。
目次
おすすめランキング ベスト5
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日産 ルークス
日産ルークスは、2020年3月に発売されたばかりのモデルだ。ルークスと先代デイズ・ルークスは、日産と三菱の合弁会社NMKVによる企画開発によるものだ。先代となるデイズ・ルークスは、日産が企画し三菱が開発と生産を主に担当した。しかし、新型ルークスからは、日産が企画・開発、三菱が生産を担っている。日産としては、デイズも含めると初の軽自動車企画・開発ということになった。
走行性能、質感など高いレベルに凝縮
従来、軽自動車は生活の足として安価な価格の傾向が強かった。
しかし近年はスーパーハイト系が軽自動車の中で最も売れているカテゴリーに成長している。こうした背景からも軽自動車はファーストカーに近い存在になっているといえる。
そこで、日産はファーストカーとしての価値を追求した。クラスを超えた装備や質感、走行性能をデイズに与えている。例えば、車線を維持しながら全車速で先行車を追従走行する先進技術のプロパイロットが装備されている。また、少し前までは高級車に装備されていた事故時のSOSコールが装備設定されている。
そして、ルークスはクラストップレベルの操縦安定性を得ている。スーパーハイト系は全幅に対して高い全高という特徴がある。新型ルークスでは、重心高を下げたりサスペンションのチューニングなど、徹底して操縦安定性を高めている。こうした操縦安定性や質感、先進装備や安全装備など総合力でナンバー1といえる実力派だ。
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ホンダ N-BOX
ホンダN-BOXは、もはや日本の定番軽自動車ともいえるレベルに達している。2021年6月には登録車と軽自動車を合わせた新車販売台数の総合順位で1位になった。10か月ぶりに再び総合1位になる根強い人気のあるモデルだ。
そんな2代目となるホンダN-BOXは、2017年9月に発売開始。2020年12月にマイナーチェンジされている。日本一売れている定番モデル
2代目N-BOXは、キープコンセプトモデルで初代N-BOXの長所を伸ばし、欠点が改善されたモデルだ。完成度は非常に高い。
とくに予防安全装備の改善がされ、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備「ホンダセンシング」やサイド&カーテンエアバッグが、一部グレードを除き標準装備された。優れた安全性能を誇るモデルとなった。また、初代N-BOXのウリである広大な室内スペースは、2代目N-BOXではさらに広くなった。リヤシートダイブダウン時の荷室内の高さを25~55mmも拡大している。一般的な自転車なら楽に積載可能だ。さらに、リヤゲートの開口高は75mmも低くなっており、重い荷物の出し入れを容易になっている。使い勝手が改良されているのだ。
そして、人気グレード「カスタム」は、LEDを多用したフェイスデザインとなった。高級輸入車を中心に採用されている、流れるように光るシーケンシャルウインカーまで装備されている。カスタム系のニーズにしっかりと応えている。
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スズキ ワゴンRスマイル
スズキ ワゴンRスマイルは、2021年9月に登場した新型車だ。ワゴンRをベースとし、両側にスライドドアを装備したモデルとなっている。
高水準のハイト系スライドドア装備車
両側スライドドアドア装備車というと、スーパーハイト系が中心。ハイト系にスライドドアを装備しても価格が上がるため売れないとされてきた。しかし、2016年発売のライバル車のスライドドアを装備したハイト系のヒットを受け、誕生したのがワゴンRスマイル。
新型ワゴンRスマイルは、5年前に登場したライバル車と比べると、ほぼすべての面で上回る性能を誇る。新型ワゴンRスマイルは女性ユーザーをターゲットとしている。外観デザインは、大きく丸いヘッドライトと角を丸くした四角いボディの組み合わせが用いられている。
スズキ ワゴンRスマイルの
注目は価格。燃費や予防安全装備、走行性能など、ほぼすべての面でライバル車を上回る。それでいて、価格はほぼライバル車と同じだ。
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スズキ スペーシア
2代目となるスズキ スペーシアは、2017年12月にデビューした。初代スペーシアからデザインが一新された。小さくスッキリ系のデザインから2代目スペーシアでは、基準車はスーツケースをモチーフに、ワクワク感があり愛着がわくデザインとなっている。顔も大きくし立派に見える。
マイルドハイブリッドの優れた燃費、静粛性でライバルをリード
スズキ スペーシアの注目は燃費である。クラスで唯一、マイルドハイブリッドシステムを搭載している。燃費性能は、マイルドハイブリッドシステムだけでない。スズキの軽量化技術により、スペーシアの車重はクラストップレベルとなっている。また、室内の広さや価格なども高いレベルにまとめられていて、高い総合力をもつモデルとなっている。
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スズキ ハスラー
2013年の東京モーターショーで参考出品され非常に話題となった初代スズキ ハスラー。2014年1月に発売を開始され、爆発的なヒットモデルとなり、長期間大量のバックオーダーを抱えるほど人気を博した。
超人気モデルだったハスラーは、2020年1月にフルモデルチェンジし2代目となった。大ヒットした初代ハスラーをキープコンセプトにながら、多くの部分で洗練さが増し、非常に完成度の高いモデルへ進化している。
大幅完成度を高めた個性派クロスオーバー車
2代目ハスラーは、「もっと遊べる!もっとワクワク!!もっとアクティブな軽クロスオーバー」がコンセプトだ。
軽自動車はセカンドカーとしてのイメージが強い。しかし、ハスラーは遊び心に満ちており、セカンドカーの枠を超えたモデル。アウトドアやウインタースポーツ、ロングドライブなど、どこかに遊びに行きたくなるような珍しいモデルだ。
初代ハスラー同様、プラットフォームやパワーユニットなどは、スズキの看板車であるワゴンRと共通。多くの部分でスズキの最新テクノロジーが投入されている。パワーユニットは、新開発エンジンに全車マイルドハイブリッドが搭載され、優れた低燃費性能を実現している。
安全装備面でも、夜間の歩行者も検知する自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「デュアルカメラブレーキサポート」が標準装備されている。全方位で隙のない仕上がりだ。
スズキ ハスラーの口コミ・評価を見る
また、クロスオーバー車ということもあり4WD機能も十分なものとなっている。2代目ハスラーでは、雪道やアイスバーンでのスムーズな発進をサポートする「スノーモード」を新採用。初代ハスラーと同様に、滑りやすい路面で発進をサポートする「グリップコントロール」や、滑りやすい急な下り坂で滑り落ちにくく車両をコントロールする「ヒルディセントコントロール」も装備されている。
ハスラーは、全方位で隙のない軽自動車だ。
おすすめランキング の 5台を比較
価格比較
日産
ルークス
高価だが、価格に見合った価値がある
日産ルークスの価格は、エントリーグレードのS(FF)が1,415,700円。最上級グレードのハイウェイスターGターボ プロパイロットエディションが1,932,700円となっている。
実際の選択肢はハイウェイスターX(1,734,700円)もしくは、ハイウェイスターXプロパイロットエディション(1,843,600円)の2択になる。この2グレードは、基本的に装備関係はほぼ同じ。プロパイロットの有無がポイントで、価格差は約10万円だ。プロパイロットが付かないハイウェイスターXは、電動パーキングブレーキではなく、足踏み式になるためオートブレーキホールド機能もない。また、ハンズフリーオートスライドドアも助手席側のみだ。
渋滞時でも使える車線維持機能付き全車速先行車追従式のクルーズコントロールを加味すると、価格差約10万円だが、ハイウェイスターXプロパイロットエディションを購入した方がよい。リセールバリューも高くなると予想できる。
おすすめは、ハイウェイスターGターボプロパイロットエディション(1,932,700円)だ。プラス約9万円で、余裕ある走りができるパワフルなターボエンジンになり、運転しやすい。
新型ルークスの価格は、全車マイルドハイブリッドであり、マイルドハイブリッドシステムをもたないN-BOXと比べると、装備差は若干あるもののわずかだが安価な印象だ。
ホンダ
N-BOX
高価でも売れる強いブランドに成長
ホンダN-BOXは、何度も新車販売台数ナンバー1の座を得た超人気モデルだ。新車価格は高価な価格設定になっている。
エントリーグレード、G(FF)の価格は1,428,900円。最上級グレードのカスタムEXターボ(FF)は2,019,600円となっている。
N-BOXで高く評価したいのは、予防安全装備パッケージである「ホンダセンシング」が全車に標準装備されている点だ。ホンダセンシングには車線維持機能も含め、計10の安全・運転支援機能が装備されている。自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応している。
ただし、前走車追従式クルーズコントロールは、渋滞時には非対応となっている点が残念なポイント。また、オートブレーキホールドといった機能もない。価格に対して装備が少し物足りない印象を受ける。
お勧めグレードは、基準車がEXターボ(FF、1,809,500円)。ロングドライブでは、やはりターボモデルの力強さが欲しい。
EXターボは、売れ筋のLグレードに対して、約25万円も価格が高い。しかし、Lグレードには無いパワフルなターボエンジン、サイド&カーテンエアバッグ、右側パワースライドドア、本革巻きステアリング、EX専用フロントアームレスト、パドルシフトなどがプラス装備されている。装備面を見ると25万円高でも買い得感がある。
カスタムが欲しい場合は、ターボモデルのカスタムEXターボ(2,019,600円)がおすすめ。
カスタムEXターボは、自然吸気のカスタムEX(1,879,900円)より約14万円高い。ターボ車は、自然吸気車に対して、コンビシートや本革巻きセレクトノブ、本革巻きステアリング、15インチアルミホイール、パドルシフトなどがプラス装備されている。これで、14万円高であるならば、買い得感はある。また、カスタムのターボ車は、中古車流通量も少ないため、リセールバリューが高くなる傾向だ。
スズキ
ワゴンR
スマイル
コスパに優れる価格設定
スズキ ワゴンRスマイルの新車価格は、1,296,900(FF、Gグレード)~1,716,000円(4WD、ハイブリッドXグレード)となっている。
ベースとなっているワゴンRの価格は、1,163,800(FF、CVT、FAグレード)~1,421,200円(FF、CVT、ハイブリッドFZ)。ワゴンRスマイルの価格は、ざっくり14~30万円高価なイメージだ。最上級グレード比較だと、約30万円ワゴンRの方が高価になっている。両側スライドドアがプラスされたことや、夜間歩行者検知が可能になった自動ブレーキなど、若干の装備差はあるので、どう判断するかが購入のポイント。
両側スライドドアをもつ人気のスーパーハイト系よりは、かなり安価だ。スーパーハイト系のような上方への大きなスペースが必要ない人には、ワゴンRスマイルは合理的だろう。
スズキ
スペーシア
セーフティサポート付きのGグレードがおすすめ
スズキ スペーシアのエントリーグレードであるG(FF)の価格は1,298,000円。スペーシアは、マイルドハイブリッドシステムを搭載しているので、リーズナブルな価格設定といえる
グレード別で比較すると、おすすめはX(FF)グレードで、価格は1,524,600円となる。価格と装備面からみて、コストパフォーマンスに優れているといえる。
Gグレードは、歩行者検知式自動ブレーキなどの予防安全装備パッケージ「スズキセーフティサポート」が装備されていない。
今後の自動ブレーキ義務化を考慮に入れると、スズキセーフティサポート付きのG(FF)グレード(1,380,500円)が、エントリーグレードになる。
ただ、このグレードには、左右のパワースライドドアやチルトステアリング、運転席シートリフターなどが装備されていない。
また、カスタム系はコストパフォーマンスが高い。カスタムのエントリーグレードであるG Sは、1,648,900円。最上級グレードのXSターボは、1,835,900円となっている。スペーシアは、最も軽量なモデルなのだが、スーパーハイト系の車重は重く非力感がある。そのため、ターボ車がお勧めだ。XSとXSターボの価格差は、約8万円。わずか約8万円でターボエンジンとなり、パドルシフトも付いてくるので、むしろXSターボはお買い得と言える。
スズキ
ハスラー
ターボ車が、最も買い得感あり!
スズキ ハスラーで、おすすめなエントリーグレードは、ハイブリッドG(FF)で1,365,100円となる。これでも十分リーズナブルな価格だ。必要最低限の装備は標準装備しているので、予算重視ならハイブリッドGでも十分だろう。
充実した装備となると、ハイブリッドX(FF)で価格は1,518,000円となる。最上級グレードとなるハイブリッドXターボ(FF)の価格は1,612,600円。プラス10万円でターボが付く計算になる。ただ、それだけでなく、さらに車線逸脱抑制機能や全車速追従式アダプティブクルーズコントロール、パドルシフトがプラス装備される。これは、かなりお買い得だ。とくに、高速道路を使う人にとっては、疲労軽減や安全運転を支援してくれる機能なので、むしろ積極的にハイブリッドXターボ(FF)を選びたい。
また、ハイブリッドXターボ(4WD)になると、価格は1,746,800円となる。キャンプやウインタースポーツ、降雪地域に住んでいるなどの人には、このグレードがおすすめだ。オプションでは、より遊び心がある2トーンカラーがおすすめとなる。
燃費比較
日産
ルークス
マイルドハイブリッドながら、少々物足りない燃費性能
日産ルークスは、全車マイルドハイブリッドシステムが搭載されている。燃費は、自然吸気エンジンが20.8㎞/L(WLTCモード、FF)。ターボ車が18.8㎞/L(WLTCモード、FF)となっている。N-BOXといったマイルドハイブリッド非搭載車と比べると少々物足りない燃費性能だ。車重が重いことが燃費に影響を与えていると考えられる。
ホンダ
N-BOX
電動化技術無しでクラストップレベルの低燃費を実現
ホンダN-BOXの燃費は、自然吸気エンジンが21.2㎞/L(FF、WLTCモード以下同)。ターボエンジンは、20.2㎞/Lとなっている。さすがに、マイルドハイブリッド搭載モデルと比べると燃費値はやや劣るもののその差は微小。電動化技術なしで、ここまで燃費を向上しているのすばらしい。
注目したいのは、ターボ車だ。自然吸気エンジンと1.0㎞/Lしか差がない。この差ならターボ車をおすすめしたい。スーパーハイト系は、車重が重くやや非力だからだ。ターボ車であれば、高速道路でも余裕あるクルージングが可能だ。
スズキ
ワゴンR
スマイル
車重が重くなっても、燃費はほぼ同等レベルをキープ
スズキ ワゴンRスマイルには、マイルドハイブリッドとガソリンエンジンの2タイプが用意された。マイルドハイブリッド車の燃費は、25.1㎞/L(FF、WLTCモード以下同)と優秀だ。対して、通常のガソリン車は23.9㎞/Lとなっている。ガソリン車の燃費もなかなか優れている。
ワゴンRスマイルはワゴンRより両側スライドドアを装備したことなどにより、80㎏ほど車重が重くなっている。しかし、ワゴンRスマイルのハイブリッド車の燃費は、ワゴンR(マイルドハイブリッド車の燃費25.2㎞/L)と比べてもほとんど燃費が落ちていないのは、かなり優秀だ。
スズキ
スペーシア
更なる燃費アップに期待
スズキ スペーシアの燃費は、自然吸気車が21.2もしくは22.2㎞/L(FF、WLTCモード以下同)、ターボ車が19.8㎞/Lとなっている。
スペーシアは、全車マイルドハイブリッド機能が装備されている。さらに、車重はクラス最軽量だ。しかし、マイルドハイブリッド非搭載のN-BOXに燃費面では若干負けている。ただ、同じマイルドハイブリッドシステムを搭載しているルークスは、車重が重く20.8㎞/L。ルークスには、何とか勝る燃費になっている。
スズキ
ハスラー
ライバルを圧倒する燃費性能
スズキ ハスラーは、全車マイルドハイブリッドを装備。スズキの燃費値へのこだわりは強く、新開発R06D型エンジンを搭載した。燃費値は自然吸気車が25.0㎞/L(FF、WLTCモード以下同)、ターボ車が22.6㎞/Lとなっている。これだけ燃費がよければ、ロングドライブも経済的だ。
そして、ライバル車となるダイハツ タフトの燃費と比べると、タフトの燃費は自然吸気車で20.5㎞/L、ターボ車が20.2㎞/Lとなっている。タフトは、マイルドハイブリッドシステムを搭載していいないので、差が出るのは仕方がないが、ハスラーの燃費性能がうかがえる。
走行性能比較
日産
ルークス
安定・安心できる走りは、クラストップの実力
日産ルークスが属するスーパーハイト系モデルの特徴は、幅が狭く背が高いことがあげられる。重心が高いことから横転のリスクも他モデルに比べると高い。
そのため、スーパーハイト系の操縦安定性を確保するため、各社さまざまな工夫をしている。その中でも、新型ルークスは最も操縦安定性が高いモデルだ。重心が低めに設定されているためか、横転する危険性も低い。また、横風や高速道路の走行への対応としても新型ルークスは安心して走行できるモデルだ。
新型ルークスのエンジン出力は、自然吸気エンジンで52ps&60Nmと平均的。ターボ車は64ps&100Nmとなる。車重が重いので、高速道路や急な登り坂などでは、やや非力に感じる。そのため、おすすめはターボ車だ。余裕あるトルクで、高速道路でも十分に余裕があり快適だ。
ホンダ
N-BOX
高めの速度域は少し苦手
ホンダN-BOX自然吸気エンジンの出力は、58ps&65Nm。ターボ車は、64ps&104Nm。とくに、自然吸気エンジンはライバル車に対して、パワフルで低燃費だ。ターボ車もライバル車をやや上回る出力をもち、優れたパワーユニットといえる。
先代N-BOXと比較すると、約80㎏もの軽量化が施された。そのため、先代モデルでは、やや非力に感じた自然吸気エンジンだったが、現行N-BOXでは多少非力感は薄まっている。
それでも、やはり高速道路や急な登り坂では非力感があり、アクセルを踏み込む量が大きくなりエンジンも唸り気味になる。やはり、車重が重いスーパーハイト系はパワフルなターボ車のとの相性がよいようだ。
また、先代N-BOXは横転リスクを軽減するため硬めのサスペンションセッティングで、操縦安定性が確保していた。一方、現行N-BOXは、随分柔らかめのサスペンションセッティングとなった。乗り心地は良くなったのだが、高速道路や速度の高いカーブなどでは、やや操縦安定性に不安を感じる部分もある。
スズキ
ワゴンR
スマイル
街乗り用には良い走行性能
スズキ ワゴンRスマイルには、ダイハツ ムーヴキャンバスと同様にターボ車は用意されていない。出力は49ps&58Nmで、マイルドハイブリッド車は2.6ps&40Nmという小さなモーターがプラスされる。
勾配が少しキツイ状況だと高速道路で100㎞/h巡行するには、アクセルベタ踏み状態になることが多い。やはり、高速道路などではターボ車が欲しいと感じる。
また、ワゴンRスマイルは、街中を焦らずゆっくり走るクルマという印象がある。高速道路や山道を走行するには少々物足りない。
スズキ
スペーシア
車重最軽量を生かした軽快な動力性能
スズキ スペーシアのエンジン出力は、52ps&60Nm。このエンジンに、3.1ps&50Nmの小さなモーターが組み合わされる。ポイントは、クリープのみだが最大10秒間モーター走行が可能という、少しハイブリッドらしいところだ。この機能を上手く使えば、実燃費も向上するだろう。
スペーシアのようなスーパーハイト系は、車重が重く自然吸エンジンでは、少々非力気味だ。最軽量なスペーシアでも非力感があるのだから、他のモデルも同様だ。高速道路などや、勾配のキツイ山間部のような場所をよく走る機会が多いのであれば、やはりカスタムのターボ車がおすすめだ。ターボ車の出力は64ps&98Nmとパワフル。
スズキ
ハスラー
ロングドライブに行くなら、もう少しパワーが欲しい
スズキ ハスラーの自然吸気車は、49ps&58Nmというエンジン出力に2.6ps&40Nmという小さなモーターが組み合わされる。車重も820㎏と軽いので、市街地は不満のない走りとなる。
だが、高速道路や急勾配の山道などになると、やはりやや力不足な印象を受ける。ロングドライブや高速道路などでは、ターボ車の余裕あるパワフルさが欲しくなる。ターボ車の出力は、64ps&98Nmで3.1ps&50Nmのモーターが加わる。
どちらのパワーユニットもマイルドハイブリッドシステムを搭載しているので、わずかだがモーターがエンジンをアシストしてくれるので、アクセルを踏んだ時のレスポンスが良好で気持ちよい走りも可能だ。
乗り心地比較
日産
ルークス
クラストップレベルの乗り心地
日産ルークスの乗り心地は、スーパーハイト系ではトップといえる快適な乗り心地を誇っている。他のスーパーハイト系と同じく、やや硬めの乗り味ではあるものの、大きな路面の凹凸もしっかりと吸収する。ボディの妙な振動や突き上げ感はなかった。高速道路でもフラットな乗り味で、直進安定性も高く快適な移動ができる。
また、静粛性も高い。ただ、高速道路では、どうしてもエンジンの回転が高めになり、やや賑やかな室内になるものの、クラストップレベルの静粛性といえる。パワーに余裕があるターボなら、ギヤ比を上げるなどして、高速走行時のエンジン回転数を下げることができれば、より快適な空間になるはずだ。
ホンダ
N-BOX
乗り心地と静粛性共に向上し、街中では快適
初代N-BOXは、背が高いことによる横転リスクを回避するため、硬めのサスペンションセッティングでクルマの傾きを抑えていた。そのため、路面の凹凸はしっかりと拾い、ゴツゴツ感の強い乗り心地になっていた。乗り心地は良いとはあまり言えない状態だ。
しかし、現行N-BOXは、プラットフォームの刷新や約80kgの軽量化、サスペンションも改良などにより、柔らかなサスペンションセッティングとし快適な乗り心地を手に入れている。街中では、不満のない乗り心地だ。
ところが、街中では快適だが、街中での乗り心地を重視したためか、高速道路など速度域が高いと、クルマの揺れを吸収しきれない場面がある。街中重視仕様といえるが、もう少し高い速度域での安定感が欲しい。
静粛性はアイドリングストップからの再始動時以外のシーンでは、静粛性も高い。その中でも、カスタムのターボモデルは、さらに静粛性が高い。
スズキ
ワゴンR
スマイル
街中での乗り心地は快適。静粛性も優秀
スズキ ワゴンRスマイルの乗り心地は、市街地などではソフトな乗り味で快適だ。全体的にフワッとした乗り心地といえる。タイヤのゴツゴツ感も上手く抑えられている。ライバル車と比べても、ワゴンRスマイルはとても快適に感じる。
また、街中での静粛性も高い。同乗者の声も伝わりやすいが、高速道路などでは風切り音やロードノイズが多く入ってくる。
マイルドハイブリッド車は、アイドリングストップからの再始動時にキュルキュル、ブオォーンというセルモーターとエンジン音がほとんどしない点がよい。こうしたマイルドハイブリッド車の静かさを経験すると、一般的なガソリン車のアイドリングストップからの再始動時の音が少しうるさく感じる。
快適な乗り心地や静粛性は、構造用接着剤や高減衰マスチックシーラーといった技術が使われている。
スズキ
スペーシア
操縦安定性を求めると、乗り心地は硬めになる
スズキ スペーシアが属するスーパーハイト系モデルは、全高が高くて全幅が狭い。重心の高さからくる横転リスクを少しでも下げるために、サスペンションを硬めにして、クルマの傾きを抑える傾向にある。
しかも、燃費も重視されるので、転がり抵抗を低くしたエコタイヤが装着されている。エコタイヤは、タイヤは総じて空気圧も高め。空気圧が高いと、タイヤはパンパンになり硬くなる。タイヤの持ち味であるゴムの弾力で、面の凹凸を吸収にくくなり乗り心地が悪化傾向になるのだ。こうした操縦安定性を重視したサスペンションと、空気圧の高いエコタイヤの組み合わせで乗り心地が良くなることはあまりない。
スペーシアの乗り心地は、そのため少し硬めのものとなっている。ゴツゴツとした路面の凹凸を吸収し切れていない乗り心地だ。ただ、15インチの165/55R15サイズを履いたカスタムの乗り心地が、基準車など14インチタイヤの155/65R14装着車より快適に感じた。
スズキ
ハスラー
乗り心地&静粛性重視ならターボがおすすめ
スズキ ハスラーは、悪路での走行も考慮しているため、最低地上高180mmとしている。本格的なクロスオーバー車ではないものの、最低地上高が180mmもあればキャンプ場への道やウインタースポーツ、降雪地域での生活などでは不満が出ないレベルだ。
ただ、操縦安定性を確保するためか初代ハスラーは、やや硬めの乗り心地だった。
2代目ハスラーでは、乗り心地が改善された。少しサスペンションをソフトな設定として、快適な乗り心地としている。ただ、少し低速域で路面の凹凸を拾いやすい。
乗り心地や静粛性を重視するのであれば、おすすめはハイブリッドXターボだ。乗り心地も自然吸気車よりもよく、静粛性は非常に高い。とくに、静粛性は軽自動車トップレベルといえるものだ。
内外装・デザイン比較
日産
ルークス
計3タイプのデザインから選べる
日産ルークスのデザインは、選択肢が豊富だ。まず、基準車と他社のカスタムに相当するハイウェイスターがある。さらに、オーテックと呼ばれるモデルがある。日産車のカスタマイズを行う関連会社であるオーテックが製作したモデルで、基準車をベースとし、より上質な内装としたモデルだ。選択肢が豊富なので、より自分好みのデザインが選びやすくなっている。
基準車のデザインは、より多くの人に好まれる必要性があるため、万人受けするデザインとなっている。ツリ目ヘッドライトにスッキリとしたVモーショングリルが装備され、ややスポーティなルックスになっている。
個性派のハイウェイスターは、大型でフレームの太いVモーショングリルを装備し迫力をアップ。より大きな顔とし押し出し感や迫力、ギラギラ感を詰め込んでいる。大きく見える顔、押出し感、迫力、ギラギラといったワードは、売れるスーパーハイト系デザインのキーワードなのだ。
インテリアデザインは、ワイド感のあるデザインで室内の広さを強調する。全体的にシンプルでシックなデザインになっていて、落ち着いた居心地のよい空間になっている。そして、日産が重要視した質感もクラストップレベルだ。
ホンダ
N-BOX
シンプルながら愛嬌のある基準車。とにかく目立つカスタム
2代目となるホンダN-BOXのデザインは、初代N-BOXのキープコンセプトだ。2代目と初代の大きな違いは、ボディパネルの面の張りだ。デザイン性という面では、明らかに2代目N-BOXが勝る。とてもシンプルなのだが、微妙に張りがあり筋肉のような力強さを感じる。また、基準車のフェイスデザインは、丸形のヘッドライトが個性的。性別を問わず、多くの人に愛されるフェイスデザインだ。
カスタム系のデザインは、ツボを押さえた迫力重視のギラギラ系。高級車にしか使われていなかったシーケンシャルウインカーが装備されている。さらに、LEDライトは9灯式と、夜間でもひと目でN-BOXカスタムと分かる。カスタム系は、デザイン性と言うより、とにかく迫力があって目立つことが重要視される。カスタムは、ターゲットユーザーのツボを上手く抑えたフェイスデザインだ。
インテリアデザインは、外観デザインのイメージとは異なる。初代N-BOX同様、メカ感の強いデザインだ。
スズキ
ワゴンR
スマイル
ライバル車より、少しクセのあるフロントフェイス
スズキ ワゴンRスマイルは、自分らしさを表現できる「マイスタイル マイワゴン」をテーマとしたデザインされたという。
基本的なシルエットは、角を丸くした四角いフォルムに大きな丸型ヘッドライトを装置して愛着のわくデザインとなっている。全体的な雰囲気は、ライバル車であるムーヴキャンバスと同じ。大きく異なるのは、グリルだ。ワゴンRスマイルは、大きなヘッドライトの間を水平基調のグリルを装備。やや押出し感もあり、コッテリ系のフェイスになった。
ワゴンRスマイルのインテリアは、質感とカラーを重視。艶と潤いを表現したインパネカラーパネルは、車体色に合わせてアイボリーパールとネイビーパールの2種類が設定されている。さらに、インパネカラーパネルとエアコンサイドルーバーにカッパーゴールドのアクセントを施し、洗練された雰囲気にまとめている。そして、インパネとドアトリムに革を手縫いしたようなステッチ風の模様を施し質感を高めている。
スズキ
スペーシア
ユニークで優しい顔の基準車。ギラギラ迫力系のカスタム
スズキ スペーシア、カスタム共に、角を丸くしたスクエアなシルエットに大きな顔の組み合わせになっている。好感度の高いのは基準車だ。笑顔感のある愛着がわくフェイスデザインで多くの人に好まれやすいと言える。
カスタムのフェイスは、先代スペーシアの後期に投入され販売が好調だったカスタムZとよく似たデザインが採用された。あまりに似ていて、違いが分からないほどだ。大きな顔と大きなグリルの迫力とギラギラ感の組み合わせで、とにかく目立つ。
インテリアは、エクステリアにも採用されているスーツケースをモチーフにしたデザイン手法となっている。エクステリアでは、ボディーサイドに施したビードやサイドドアガラスを囲んだドアなどで、まるでスーツケースのようだ。
助手席部分は上下2段になっていて、テーブルのようにも使える。車内で食事をするときに使い勝手がよく便利だ。
スズキ
ハスラー
男の顔になった2代目
スズキ ハスラーは、基本的にキープコンセプトなので、初代ハスラーの角の丸いスクエアなシルエットに、丸いヘッドライトの組み合わせを継承している。
全体的に2代目ハスラーは初代ハスラーに比べ、タフネスさや迫力が増している。初代ハスラーは少し女性的な優しさがあったが、2代目ハスラーは骨太な男感が強いデザインになっている。
インパネデザインは、タフな世界観を演出するため3連インパネカラーガーニッシュが採用されている。遊び心がコンセプトとはいえ、3連インパネカラーガーニッシュの色味が強いと感じる人もいるだろう。落ち着いた雰囲気にしたいのであれば、ブルーかホワイトがお勧めだ。
おすすめランキング の 5台を調べる
N-BOXのカタログ情報
- 現行モデル
- 平成29年9月(2017年9月)〜現在
- 新車時価格
- 131.5万円〜206.8万円