SUV

安全なクルマ ランキング2020

安全なSUVを選ぶポイント

SUVは人気カテゴリーということもあり、続々と新型車が投入され、予防安全装備の性能も高くなってきている。このクラスでも夜間の歩行者と昼間の自転車検知は当たり前になりつつある。
ただ、デビューが古くモデル末期に入っている車両は、まだ昼間の歩行者検知のみに止まっている。より安全性を重視するのであれば、最低限でも夜間の歩行者検知ができるモデルがよい。

そんななかで、マツダ車の評価は高い。
まだ、夜間の歩行者検知と自転車検知ができるのはCX-30のみだが、モデル後期に入ってきたCX-5も夜間の歩行者検知ができるように進化してきている。デビュー当時の予防安全性能から進化しない他のメーカーと比べると、安全に対する企業の真摯な姿勢が垣間見える。
また、マツダ車は、エントリーグレードであっても予防安全装備を省略せず、どのグレードを買っても十分な安全性能を誇っているのも評価したいポイントだ。

BEST.1

マツダCX-30

マツダ CX-30

マツダ CX-30は、マツダ最新のSUVということもあり、予防安全装備の標準装備化が非常に進んでいるのが特徴だ。どのグレードを選んでも安心できる点が、高く評価できる。

自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応。その他の機能としては、アクセルとブレーキの踏み間違えによる誤発進抑制制御、後退時に左右からクルマを検知し、接触の危険が高まると自動ブレーキを作動させるスマートサポートブレーキ、後側方車両接近警報、ドライバーの疲労軽減に役立つ全車速追従式クルーズコントロール、レーキープアシストシステムなどを標準装備する。標準装備された予防安全装備だけでも、十分な安全性能を誇る。
さらに、高速道路などで車線を維持しながら前走車に追従、ストップ&ゴーを繰り返すことができるクルージング&トラフィック・サポートも半数以上のグレードに標準装備されている。

BEST.2

トヨタRAV4

トヨタ RAV4

トヨタ RAV4は、2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、非常に完成度の高い1台だ。まだ、デビューから間もないモデルということあり、予防安全装備は高いレベルにある。自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応しており、トップレベルの性能を誇る。

トヨタの予防安全装備パッケージである「トヨタセーフティセンス」には、自動ブレーキの他、全車速追従式クルーズコントロールや車線維持機能であるレーントレーシングアシストなどがセットになり、全車標準されている。

ただ、これだけでは車格的にも少々物足りない。全6グレード設定になっているRAV4だが、内3グレードでは後退時に左右からくる車両と衝突する可能性がある場合に、自動ブレーキを作動させるリヤクロストラフィックオートブレーキ、後側方車両接近警報、アクセルとブレーキの踏み間違えによる被害軽減を図るインテリジェントクリアランスソナーがオプション設定となっている。これらのグレードは、こうしたオプションを選択しなければ、RAV4の優れた予防安全性能を享受できない。
衝突安全性能では、ニーエアバッグやサイド&カーテンエアバッグが標準装備されていて万全だ。

BEST.3

レクサスUX/NX/RX

レクサス UX/NX/RX

一時期、貧弱な予防安全装備だったレクサスだったが、最近では一気に予防安全装備が充実してきた。
レクサスUX、NX、RXには、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応する自動ブレーキが標準装備されている。ただ、高級車ブランドであることを考えれば当然といえる。
その他の予防安全装備では、全車速追従式クルーズコントロールや高速道路などでの車線維持支援であるレーントレーシングアシストなども標準装備。一定レベル以上の予防安全装備が装着されている。

ただ、後退時に左右から接近する車両と衝突の危険がある場合、自動ブレーキを作動させるパーキングサポートブレーキや、後側方車両接近警報などが、オプション設定となっていることが多い。高級車ブランドなのに、こうした予防安全装備をオプション化している姿勢はトヨタブランドのモデルと同じだ。高級車ブランドらしく、どのグレードでも圧倒的な安心感ある予防安全装備を標準装備化してほしい。購入時はしっかりと、こうしたオプションを確認する必要がある。

また、夜間の視界確保のために、アダプティブハイビームシステムがオプション設定されている(一部グレードで標準装備)。対向車や前走車にはハイビームにならないようLEDライトの配光を自動調整。暗い道などではとくに、ハイビームを効率的に使え視界を確保し、より安全な走行ができる。
衝突安全装備であるエアバッグ類は、非常に充実している。サイド&カーテンエアバッグはもちろんニーエアバッグも標準装備化。NXとRXには、助手席シートクッションエアバッグを装備。さらに、RXには後席サイドエアバッグが装備されている。

BEST.4

マツダCX-8/CX-5/CX-3

マツダ CX-8/CX-5/CX-3

マツダ CX-8、CX-5、CX-3の予防安全装備の核となる自動ブレーキは、昼夜の歩行者のみとなる。昼間の自転車検知ができるCX-30と比べると、やや見劣りしてしまう。それでも、昼間の歩行者のみだった機能が夜間の歩行者検知できるように進化させた点は評価できる。

この3車種のクラスは異なるものの、標準装備されている予防安全装備のレベルが高い点も特徴のひとつだ。
歩行者検知式自動ブレーキの他、前後の誤発進抑制制御、後側方車両接近警報、後退時車両接近警報、車線逸脱警報、全車速追従式クルーズコントロール(ごく一部のグレードを除く)が標準装備されている。

また、CX-5とCX-8は一部グレードを除き車線維持機能であるレーンキープアシストも標準装備。一定レベル以上の安全装備が標準装備されているので、どのグレードでも安心して選ぶことができるのが特徴だ。
また、車両を俯瞰でみた映像にして障害物などを確認できる360°ビューモニターもCX-8に一部を除き標準装備。CX-3はオプション設定、CX-5は一部を除きオプション設定されている。

BEST.5

ホンダCR-V

ホンダ CR-V

ホンダ CR-Vは、ホンダの予防安全装備パッケージ「ホンダセンシング」が全車標準装備されている。ホンダセンシングは、計9つの機能をもつ。歩行者検知式自動ブレーキは、昼夜の歩行者に対応。自転車には非対応だ。
その他の機能として、車線維持支援や誤発進抑制制御、高速道路などの渋滞時にストップ&ゴーを繰り返すことができる全車速追従式クルーズコントロール、歩行者との衝突回避を支援する歩行者事故低減ステアリング、後側方車両接近警報が装備される。ただ、後退時車両接近警報は用意されていない。
衝突安全装備は、サイド&カーテンエアバッグも標準装備化されている。

CR-Vは、シンプルな仕様で安全装備に他のオプションがないシンプルな設定。そのため、予防安全装備をより充実させる選択肢はない。

まとめ

SUVは人気カテゴリーで競争が激しい。そのため、予防安全装備もかなり充実している。
今回はランク外となったが、「ぶつからないクルマ」で一世を風靡した「アイサイト」を搭載したスバル フォレスターやXVも夜間の歩行者は非対応だが、昼間の自転車は検知できる機能がある。
さすがのアイサイトも過渡期に入っており、次世代アイサイトを開発中だ。次世代アイサイトが登場すれば、トップレベルの予防安全性能をもつことになるだろう。

より安全なSUVをこれから買うのであれば、自動ブレーキに求める性能は昼夜の歩行者と昼間の自転車検知ができるモデルがよい。このような技術は日進月歩。すぐに、それ以上の予防安全装備を搭載したモデルが出てくるからだ。せめて昼夜の歩行者検知ができれば、普段の生活の中で、かなりの確率で歩行者との接触を避けることができるだろう。

また、SUVというレジャーを目的としたクルマであるならば、高速道路などでの長距離移動も多いはず。その場合は、渋滞時のストップ&ゴーを容易にする全車速追従式クルーズコントロールと、車線維持支援機能をもつモデルが便利だ。
渋滞中のうっかり衝突のリスク軽減だけでなく、ロングドライブでの疲労軽減になり、結果的に安全なドライブにつながる。
また、運転が不慣れな女性が乗ることが多いのであれば、車両周辺を俯瞰した映像を表示するモデルや後側方車両接近警報、後退時車両接近警報などがあれば、不慣れなことから起きる事故リスクを低減してくれるはずだ。

安全装備比較表

  • …全車標準装備
  • …一部標準装備または一部オプション
  • ×…標準装備なし
マツダCX-30 トヨタRAV4 レクサスUX/NX/RX マツダCX-8/CX-5/CX-3 ホンダCR-V
対車両自動ブレーキ

歩行者検知式自動ブレーキ

ブレーキ踏み間違い衝突防止アシスト

サイドエアバック

カーテンエアバッグ

車線逸脱警報

車線維持支援

CX-3
用意無し

後側方車両検知警報

後退時後方車両接近警報

×

オートマチックハイビーム

※安全装備の詳細は各車メーカー公式サイトをご確認ください。

その他のボディタイプ別安全なクルマランキング

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