ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

「高度な運転支援機能」の標準装備化は軽自動車にも進んでいる。便利過ぎて、装備されていないクルマには戻れないほどだ。今回は、高度な運転支援機能を持ち、さらに中古車としての魅力も加味したおすすめモデルを5台、ランキング形式で紹介する。

1位 日産スカイラインハイブリッド

国産トップレベルの実力派

日産スカイライン_外観

日産スカイラインハイブリッドの先進運転支援機能であるプロパイロット2.0は、国産車でトップレベルの実力をもつ。

最大の特徴は、通常の高速道路走行でハンズオフが可能な点だ。以下の手順で状況が整えば、同一車線内でのハンズオフができる。

  1. ナビで目的地をセット
  2. 高速道路に入ったら、プロパイロット2.0のスイッチをON
  3. 速度を設定するとシステムが稼働
  4. メーター内の表示が一旦緑になり、全車速追従式クルーズコントロールに移行
  5. システムが走行状況を確認した後、条件が整えばメーター内の表示がブルーになる
  6. プロパイロット2.0が機能
  7. 同一車線内でハンズオフが可能になる

2021年9月現在、ハンズオフが可能なモデルは徐々に増えている。しかし、高速道路での渋滞時など、速度が遅いとき限定でハンズオフできるモデルがほとんどだ。スカイラインハイブリッドの、通常の高速道路走行でもハンズオフが可能な点は強みだといえる。
スカイラインハイブリッドが先行車に追いついた場合、クルマから追い越し承認のメッセージが出る。承認後ステアリングに手を添えれば、ほぼ自動で車線変更し、追い越すことも可能だ。
この車線変更機能を支えているセンサーは、カメラが7個、レーダーが5個、音波ソナーは12個も搭載している。車両周辺の周囲を360度にわたり、常に把握することが可能だ。
加えて、3D高精度地図データを装備している。地図に細かな座標が組み込まれているため、車両の位置を正確に測定できるのだ。
センサー類と3D高精度地図データより、左右方向の誤差は5cm以内の精度を誇る。車両は車線の中央を安定して走行できる。

日産スカイラインハイブリッド 中古車の選び方

最もスポーティなタイプSPがおすすめ

日産スカイラインハイブリッドは、セダンの人気が低いため、中古車価格は安価傾向にある。これほど高機能なプロパイロット2.0が装備されていることを考えれば、まさに超お買い得といえる。自動運転時代がもう目前に近付いていることを感じさせる。
プロパイロット2.0装着車は、2019年7月のマイナーチェンジ後モデルが対象なので注意が必要だ。

スカイラインハイブリッドの中古車価格は、370~440万円が相場になっている。新車価格が、約550~630万円程度なので、新車価格の67~70%まで落ちている。わずか2年でここまで安価になっているのであれば、かなり買い得感がある。セダンが嫌いではないなら、積極的に選んでよいクルマといえる。

スカイラインハイブリッドは3グレード構成だ。

  • GT(ベースグレード)
  • GTタイプP(中間グレード)
  • GTタイプSP(スポーティーなグレード)

装備は中間グレードのタイプPでも十分だ。
スカイラインハイブリッドらしい走行性能を望むなら、タイプSPがおすすめだ。パドルシフトやアルミペダル、19インチアルミホイール、スポーツバンパーなどが装備される。BOSE Performance Series サウンドシステムやサンルーフなどのオプションが装備されていれば、満足度はさらにアップするだろう。

2位 日産リーフ

簡単操作の自動駐車機能もあり!

日産リーフ_外観

日産リーフは2017年にフルモデルチェンジし、2代目となった。2017年ころは、高度運転支援機能は過渡期だったが、リーフは早くから全車速追従式クルーズコントロールに車線維持機能をプラスしたプロパイロットを設定していた。

プロパイロットが初搭載されたのは、ミニバンのセレナだ。ミニバンは全高が高く重心も高いため、プロパイロットの制御は微妙だった。路面状況が悪かったり横風が強かったりすると、クルマが車線内で少し蛇行するのだ。車線をはみ出すことはなく安心なのだが、慣れるまで少々不安を感じるかもしれない。
フルモデルチェンジした2代目リーフにも、プロパイロットが搭載された。2代目リーフは、EV(電気自動車)なので重心も低い。車両の特性や制御がより緻密になった影響もあり、2代目リーフは車線中央をしっかり維持する。クルーズコントロールは、非常にスムースに加減速した。EVとの相性が良いのかもしれない。

2代目リーフにはプロパイロット機能に加え、ほぼ自動で駐車できるプロパイロットパーキングもオプションで用意されている。

プロパイロットパーキングは簡単に使用できる。

  1. バック駐車や縦列駐車のときに、プロパイロットパーキングのスイッチを1度押す
  2. 駐車スペース付近でカメラが駐車スペースを認識
  3. ナビ画面上でスペースを選択
  4. プロパイロットパーキングスイッチを押し続ける

あとはアクセル/ブレーキ/シフト/パーキングブレーキを自動で行ってくれる。駐車が苦手な人にとっては、とても頼りになる機能だ。2017年式モデルで、こうした自動駐車機能をもつクルマは数少ない。

日産リーフ中古車の選び方

魅力的なのに、中古EVは激安!?

日産リーフだけでなく、全体的にEVのリセールバリューは低くなるケースが多い。つまり、中古車価格が安価傾向にあるということだ。よいクルマが安く買えるので、EVに抵抗が無い人にとっては大きなメリットだ。

約3年落ちとなる2018年式リーフの中古車価格相場は、180~260万円ほどだ。新車価格が約320~400万円なので、わずか3年で56~65%程度にまで安くなっている。これだけ安価だと、非常に買い得感がある。
プロパイロットパーキングは、Xグレードでオプション、Gグレードには標準装備となっている。最上級グレードであるGグレードの中古車価格相場は、約200~260万円だ。
Gグレードのオプションは、本革シートやボーズサウンドシステムくらいである。こうした装備が装着されている中古車があれば、積極的に選ぶといいだろう。

3位 トヨタC-HR

衝突回避をアシストしてくれる「緊急時操舵支援機能」付き

C-HR_外観

トヨタC-HRは、2016年に登場した。2021年9月現在、モデル後期に入っている。そのため運転支援機能などはやや物足りない状況だった。しかし2020年8月の改良で運転支援機能だけでなく、予防安全性能が飛躍的に向上している。

C-HRに搭載されたのは、最新の予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」だ。この機能は、国産トップレベルの実力をもつ。重要な自動ブレーキは、以下に対応している。

  • 昼夜の歩行者と昼間の自転車
  • 交差点などにおける右左折時の歩行者
  • 右折時の車両

交差点内での事故を予防できるので、一気に予防安全性能を高めたといえる。

C-HRの改良では、「緊急時操舵支援機能」も追加されている。
歩行者をステアリング操作で避けたものの、そのままクルマが反対車線に飛び出したり、クルマがコントロールを失ってスピンしたりするような状況にならないよう、アシストしてくれる機能だ。
この機能が作動するシーンは、かなり限定的である。以下の1~3をすべて満たした場合に車線内で操舵をアシストし、車両安定性確保と車線逸脱抑制に寄与するというものだ。

  1. 自車線内の歩行者と衝突する可能性が高い
  2. 自車線内に回避するための十分なスペースがあるとシステムが判断した
  3. ドライバーの回避操舵が行われた

作動シーンは限定的であるものの、高度な運転支援技術によって、さらに安全なクルマになったことに間違いない。

トヨタC-HR中古車の選び方

C-HRも納期遅れ。ならば、高年式の中古車も選択肢に

トヨタC-HRはすでにモデル後期なので、本来の納期は即納となっているはずだ。しかし、東南アジアからの部品供給遅れや半導体不足により、2021年9月現在、C-HRも納期が2ヶ月と長くなっている。ナビキットを装備すると、納期がさらに数ヶ月延びるという。
じっくり待てる人にとっては何の問題もない。しかし現在乗っているクルマの車検がすぐに切れてしまうなど、クルマを即納してほしい人にとっては非常に悩ましい問題だ。

そこでピックアップしたいのが中古車だ。中古車は現物商売なので、納期の心配はない。
C-HRに最新の運転支援機能が装備されたのは、2020年8月の改良後からだ。2021年式の高年式を選べば問題ない。デメリットがあるとすれば、装備や色などを自分好みにカスタマイズできないことがあるくらいだ。

2021年式C-HRハイブリッド車の中古車相場を調べたところ、なんと未使用車がわずかに流通している。未使用車とは、メーカーやディーラーの都合で登録しただけで、ほとんど新車コンディションの車両のことだ。一度登録すると、中古車扱いになる。
未使用車の価格は、新車価格よりわずかに安価なことが多い。もう少し時間が経過すれば、一般的な中古車も流通し始め価格が下がる可能性もある。ただし、新車の納期が長くなっていることを受け、未使用車に新車以上の高値をつけている中古車店もあるので注意が必要だ。
高度な運転支援機能が不要ならば、2020年式ハイブリッド車の相場は220~290万円程度になる。新車価格が約270~310万円なので、新車価格に対して81~94%位にまで下がっている。250万円以下で最上級グレードGが十分に狙える状態だ。この価格帯以下で買えるのであれば、買い得感がある。

4位 マツダCX-30

エマージェンシーコールや基本的な運転支援機能が充実

マツダCX-30は、2019年に登場したコンパクトSUVだ。運転支援機能はベーシックな機能から高度な機能まで、全車標準装備されている点が高く評価できる。

2021年9月現在、コネクティッドサービスが充実してきた影響で、SOSコールが重要視されている。マツダが「エマージェンシーコール」と呼ぶこの機能は、以下の流れで発動する。

  1. エアバッグなどが展開するような大きな衝撃を受ける
  2. クルマが自動で専門オペレーターに通報
  3. ドライバーの意識がない場合などでは、警察や救急車の手配を代行してくれる

こうした機能は、もしもの時に頼りになる。

マツダCX-30には、以下の運転支援機能が標準装備されている。

  • BSM(ブラインド・スポット・モニタリング)…後側方から接近する車両を検知、車線変更時に接触リスクがあるときには警報を発する
  • 後退時車両接近警報…後退時に左右から接近する車両を検知し、接触の危険がある場合には、警報を発する
  • 車線逸脱警報・車線逸脱回避支援
  • ドライバー・アテンション・アラート(ドライバーの疲労を検知し注意力低下を警告する)
  • 全車速追従式クルーズコントロール(AT車のみ)

BSMや後退時車両接近警報は、車線変更やバックでの出庫など、日々の運転で頻繁にあるシーンでの運転支援機能だ。非常に頼りになり、衝突リスクを軽減できる。
基本的な運転支援機能が標準装備されているのは高評価といえる。他メーカーの車種では、オプションになっていたり、上級グレードにしか標準装備されていなかったりするケースが多いからだ。
CX-30なら、どのグレードでも一定の運転支援・安全性能を得ているので安心だ。

マツダCX-30中古車の選び方

マツダCX-30は、3タイプのパワーユニットから選択できる。

  • 2.0LスカイアクティブX
  • 2.0Lガソリン
  • 1.8Lディーゼル

スカイアクティブXは、世界初の燃焼技術SPCCIとマイルドハイブリッドを組み合わせたパワーユニットだ。かなり高価で、ハイオクガソリン仕様なので、マニア向けのエンジンといえる。
2.0Lガソリンは、とくに個性的な部分がない。
そうなると、燃費が良く力強いディーゼルがおすすめとなる。燃費値は19.2km/L(FF、WLTCモード)と良好だ。

CX-30のディーゼル車であるXDの新車価格は、デビュー当時、約290~330万円だった。これに対して、2019年式CX-30 XD系の中古車相場は260~310万円程度となっている。新車価格に対して、約2年で90~94%程度の価格帯に落ちた。
CX-30はリセールバリューが高く、中古車価格も高値を維持している。あまり買い得感は無い。しかしリセールバリューが高いということは、5年乗って売却した場合でも、高査定が付くと予想できる。
先進運転支援や予防安全装備が充実しているのは、XDプロアクティブより上のグレードだ。これらのグレードに、以下のようなオプションが装備されていれば、さらに魅力的だ。

  • 360°ビューモニター(車両を俯瞰で見た映像に加工し、車両周囲の死角を減らし接触事故リスクを軽減する)
  • BOSEサウンドシステム

5位 日産デイズ

軽自動車で初のプロパイロットとSOSコールを搭載

日産デイズ

2代目となる日産デイズは、2019年に登場したハイト系の軽自動車だ。このデイズには、軽自動車初となる先進運転支援技術であるプロパイロットが搭載された。高速道路などで車線を維持しながら、前走車に全車速で追従式走行する機能だ。渋滞時は停止&再発進も簡単な操作で繰り返すことができる。
プロパイロットにより、ドライバーの運転による疲労は大幅に抑えられるため、事故リスクも軽減される。

同様に、軽自動車初搭載となったのが、SOSコールだ。エアバッグなどが展開するような大きな衝撃が車体にあった場合、自動で専門オペレーターへ通報する。ドライバーの意識がないと判断された場合、専門オペレーターが警察や救急車を手配してくれるのだ。
非常に便利で頼りになる機能なのだが、全車標準装備になっていないのは残念だ。プロパイロットは、最上級グレードにのみ設定されている。つまり上級グレードのハイウェイスターで、さらにプロパイロットエディションと呼ばれるグレードのみ、ということだ。
SOSコールは、より幅が広いグレードに標準装備されている。しかしSとXグレードではオプション設定となっている。

日産デイズ中古車の選び方

日産デイズで、プロパイロットとSOSコールが両方標準装備されているグレードは2グレードのみとなる。

  • ハイウェイスターXプロパイロットエディション(以下X)
  • ハイウェイスターGプロパイロットエディション(以下G)
エンジン デビュー時の新車価格 2019年の中古車価格
自然吸気エンジン 約157~170万円 約90~150万円
ターボエンジン約165~178万円約110~160万円

XとGの新車価格の差は、たった8万円程度である。予算面で多少無理ができるであれば、パワフルなターボ車であるGがおすすめだ。中古車価格は、両グレード共にやや幅の広い価格帯になっている。

2代目デイズ中古車選びのポイントは、純正ナビやプレミアムコンビネーションインテリア、15インチアルミホイール(ハイウェイスターXのみ)が装備されている車両を選び、価格やその他の装備を比べるとよい。純正ナビとETC、ドライブレコーダーがセットになった新車オプション価格は、なんと約32万円もするからだ。