SUV

安全なクルマ ランキング2022

安全なSUVを選ぶポイント

SUVは世界的に大人気だ。そのため、コンパクトサイズからラージサイズまで幅広い車種が存在する。激戦カテゴリーであるため、安全装備も徐々に進化している。SUVはどのモデルを買っても、一定レベルの安全装備が装着されているので安心だ。
ポイントは、自動ブレーキの機能である。平均的なレベルは昼夜の歩行者検知だ。さらに、昼間の自転車が加わると中の上といったレベルになる。トップレベルになると、交差点内での衝突リスクを回避・被害軽減する自動ブレーキ機能がついていたり、右左折時の歩行者、右左折時対向車に対応している。

他にも、以下の安全機能が標準装備化されていると安心だ。

  • 車両に装備されたカメラ映像を加工。車両周辺を俯瞰で見たような映像にしてモニターに表示する機能
  • 車線変更時に後側方から接近した車両を検知、またバックでの後退時後方左右から接近する車両を検知し警報を発する機能

日々使う機能なので、とても頼りになる。

BEST.1

レクサスNX

レクサス NX

2世代目となるレクサスNXは2021年末にフルモデルチェンジし、予防安全装備は劇的に進化している。高級車に相応しい他を圧倒する予防安全装備だ。レクサスの予防安全装備パッケージは「レクサスセーフティシステム+」という。要となる自動ブレーキ機能は、昼夜の歩行者と自転車、昼間の自動二輪に対応し、衝突回避・被害軽減を行う。 SUVで自動ブレーキの対象がこれほど多いのは、NXだけだ。

さらに、この自動ブレーキは、右左折時の歩行者と自転車、右折時の対向車、交差点内での対車両出会頭衝突にも対応している。交差点内の事項は非常に多く、これだけ多くのシーンに対応することで、より安全なクルマとしての完成度を高めた。このクラスでは、圧倒的ナンバー1の実力を誇る。

自動ブレーキのシステムは、ブレーキとアクセルを踏み間違え加速している場合にも対応している。車両は出力を抑制、ブレーキを保持することで、衝突回避・被害を軽減する。また、メーターに加えて音声で警報することで、高齢者にも分かりやすく伝えるシステムも搭載している。

運転支援機能でもあり予防安全効果のあるプロアクティブドライビングアシストも素晴らしい仕上がりだ。

  • 車両が周囲の状況を常に監視し、リスクを事前に回避するようにアシスト
  • 前方に横断歩行者がいる場合、事前に減速制御
  • 歩行者と車両の側方距離が近い場合、車両が車線内を維持しながら減速し、歩行者との距離を取るように走行ラインをオフセットして衝突リスクをできるだけ回避
  • 前方にカーブがあり、自車速度が速い場合、車両が早めに減速制御を始めカーブを曲がりやすくする

プロアクティブドライビングシステムは、集中力が切れ漫然と運転している場合のリスクを軽減してくれる。

その他、現在考えられる予防安全装備や運転支援機能は、ほぼNXには用意されている。残念なのは、その多くの機能がオプションである点だ。NXを購入する場合、オプションの予防安全装備と運転支援機能はすべて選択すれば、国内トップレベルの安全なクルマになる。

BEST.2

スバルフォレスター

スバル フォレスター

スバルの予防安全装備「アイサイト」は、ぶつからないクルマで一世を風靡した。一時期は、国内トップレベルの予防安全装備だった。しかし、最近では、他メーカーの予防安全装備が進化し、アイサイトのやや存在感は薄れてきている。
それでもフォレスターに搭載されているアイサイトは、なかなか高いレベルを維持している。自動ブレーキは、歩行者と自転車を検知する。さらに、交差点内における右左折時の歩行者、右折時の対向車、横断自転車にも対応し衝突回避・被害軽減してくれる。
事故の多い交差点での衝突回避・被害軽減ができる機能が装備された自動ブレーキは、まだまだ少ない。それだけに、フォレスターのアイサイトは現在も高いレベルにある。

また、自動ブレーキの機能には、緊急時プリクラッシュステアリングも装備されている。衝突回避が困難な場合で、システムが同一車線内などの回避スペースがあると判断したときに、ステアリング操作をアシストして衝突回避を行ってくれる。

こうした高いレベルの機能はあるものの、日常的に使う便利な機能がオプションになっている。ローテク技術なので積極的な標準装備化をして欲しい例として、リヤビークルディテクションが挙げられる。リヤビークルディテクションは車線変更時に後側方から接近する車両を検知した場合か、後退しながら出庫する際に左右から接近する車両を検知し、衝突の危険がある場合に、警報を発する機能だ。

また、前方とサイドにカメラを設置し死角を減らすモニターはあるものの、車両周辺を俯瞰で見た映像などにして360°ひと目で障害物などが無いか確認できる機能が無いのは少々残念だ。

BEST.3

トヨタC-HR

トヨタ C-HR

トヨタC-HRのデビューは2016年とすでにモデル末期だ。デビュー当時の予防安全装備ではやや物足りなかったが、2020年8月の改良でSUVカテゴリーにおいてトップクラスの予防安全装備を得ている。

自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応している。この機能は、平均レベルよりやや上といったところだ。さらに、交差点などの右左折時の歩行者と右折時の対向車にも対応している。これは、トヨタの予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」でも、高機能タイプとなる。

その他に、「緊急時操舵支援機能」も追加されている。車線内の歩行者と衝突する可能性が高く、自車線内に回避するための十分なスペースがあるとシステムが判断した場合、ドライバーの回避操舵をきっかけに車線内で操舵をアシストする。衝突を回避しながら、車両安定性確保と車線逸脱抑制をサポートしてくれる。トヨタ車の中で新しく装備されているモデルは少ない。

ただし、ローテク予防安全装備もオプション設定が多い。車線変更時に頼りになる後側方車両接近警報(BSM)は、上級グレードのGで標準装備、それ以外はオプションもしくは装備不可だ。
また、以下の機能はグレードによりオプションもしくは装備不可となっている。

  • インテリジェントクリアランスソナー(誤発進を抑制する)
  • リヤクロストラフィックオートブレーキ(後退時に左右から接近する車両を検知し自動ブレーキを作動させる)

これらはオプションの場合、選択必須装備といえる。オプション不可のグレードは、できる限り選ばない方がよい。こうしたオプションをフルで装備すれば、C-HRはモデル末期ながら、高いレベルの予防安全性能をもつSUVになる。

BEST.4

トヨタヤリスクロス

トヨタ ヤリスクロス

コンパクトSUVでは、トップレベルの予防安全装備
トヨタ ヤリスクロスは、コンパクトカーのヤリスをベースにしたコンパクトSUVとして2020年に登場した。ベースとなったヤリスがクラスを超えた予防安全装備を得ていたため、ヤリスクロスもコンパクトSUVカテゴリーではクラストップレベルの実力を誇る。

重要な自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車、右左折時の歩行者と右折時の対向車に対応する。交差点内の事故は多いので、ヤリスクロスは衝突リスクの少ないクルマといえる。
1クラス上のC-HRとの機能差は、「緊急時操舵支援機能」の有無だ。

優れた予防安全装備をもつヤリスクロスだが、買ってはいけないと思われるグレードが存在する。1.5Lガソリン車のX Bパッケージは、予防安全装備の「トヨタセーフティセンス」が装備されていない。しかも、オプションでも選択できないのだ。自動ブレーキ義務化前のモデルとはいえ、こうした仕様があるのは残念だ。
また、トヨタ車の場合、予防安全装備がオプション設定となっていることが多い。装備必須といえる装備は、後側方車両接近警報(BSM)と、パノラミックビューモニターだ。オプション選択できないグレードも選んではいけない。

BEST.5

マツダCX-30/MX-30

マツダ CX-30/MX-30

マツダCX-30/M-30は、両車共にCセグメントのコンパクトSUVだ。外観・内外装デザインは異なるものの、プラットフォーム(車台)など基本骨格は共通の姉妹車なので、予防安全装備も共通している。

メインの自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応と、平均的なレベルだ。
ただ、CX-30とMX-30の美点は、後側方車両接近警報、後退時車両接近警報など、日常的に使うローテクの予防安全装備が標準装備化されていることだ。他メーカーでは、オプション設定となっている装備である。
さらに、マツダエマージェンシーコールも標準装備化されている。エアバッグが開くような衝突事故が発生すると、自動で専門オペレーターに自動通報し、救急車や警察への手配などを代行してくれる。
こうした日々の運転で安全をサポートしてくれる機能や、もしもの時に役立つ機能も標準装備化されているため、どのグレードでも安心して買える。

やや残念なのは、360°ビューモニターはオプション設定である点だ。ひと目で車両周辺の障害物などを見つけることができ、死角を無くしてくれる装備である。使用頻度が高いので、積極的にオプション選択したい。

まとめ

トヨタの自動予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」は、自動ブレーキなどの予防安全装備の装備が始まった当初からしばらくの間、標準装備のグレードが大幅に遅れていた。しかも、機能面でも見劣りする車両もあった。
しかしトヨタは、ここ数年で急速に高機能化している。最新のレクサスNXは、もはや他メーカーを圧倒するほどの機能を手に入れている。

1世代前のトヨタセーフティセンスでも、交差点内での衝突回避・被害軽減機能などが用意されており、他社を1歩リードしている。もはや、高級輸入車並みだ。
これから予防安全装備を重視してSUVを買う場合、交差点内での衝突回避・被害軽減機能などがあるモデルがおすすめだ。

後側方車両接近警報や、車両周辺の360°を映像で確認し、うっかり接触を回避できる機能も必須アイテム。こうした機能は、日々の運転で使う頻度が高いので、必ず選択したいオプションだ。

安全装備比較表

  • …全車標準装備
  • …一部標準装備または一部オプション
  • ×…標準装備なし
レクサスNX スバルフォレスター トヨタC-HR トヨタヤリスクロス マツダCX-30/MX-30
対車両自動ブレーキ

歩行者検知式自動ブレーキ

ブレーキ踏み間違い衝突防止アシスト

サイドエアバック

カーテンエアバッグ

車線逸脱警報

車線維持支援

後側方車両検知警報

一部グレード
装着不可

一部グレード
装着不可

後退時後方車両接近警報

一部グレード
装着不可

一部グレード
装着不可

オートマチックハイビーム

※安全装備の詳細は各車メーカー公式サイトをご確認ください。

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