車を廃車にするってどういうこと?どんな方法がある?廃車手続きの流れ・必要書類・費用、還付金の受け取りについて解説
目次
廃車の定義と方法
車の廃車とは、道路運送車両法に基づいて車の登録情報(車籍)を抹消し、公道を走行できない状態にすることです。
車を廃車にする理由は老朽化や経年劣化による故障、交通事故や天災による車両の損壊、維持費節約のための乗り換え等さまざまです。また廃車には「今後一切その車に乗らない」というケースだけでなく、「車両の盗難に遭い、見つかるまで一時的に登録情報を抹消する」といったケースも含まれます。
廃車の手続き方法は、主に以下の2通りです。
- 自分で廃車手続きを行う
- ディーラーや中古車販売店、廃車専門業者、行政書士等の代行サービスを利用する
自分で廃車手続きを行う場合は、時間と手間がかかります。平日の日中に陸運局や軽自動車検査協会に赴く必要もあるため、「平日は仕事がある」といった場合は代行サービスの利用も検討しましょう。ガリバーでも廃車手続きの代行サービスを行っています。
また廃車にする前に、買取をしてもらえないか確認するのも重要です。十数年落ちの車や故障して動かないような車でも、お店によっては買い取ってくれる場合があります。ガリバーでも低年式車などの買取を行っているので、「廃車しかないかな?」と思う場合でも一度ご相談ください。
普通自動車の廃車手続き方法
ここでは、自分で普通自動車の廃車手続きを行う方法を解説します。廃車手続きには、以下の3種類があります。
- 永久抹消登録:車両を解体し、登録情報を完全に抹消する手続き
- 一時抹消登録:車の登録情報を一時的に抹消する手続き
- 解体届出:一時抹消登録した車両を解体し、登録情報を完全に抹消する手続き
永久抹消登録の流れと必要書類
永久抹消登録は、その車の登録情報を完全に抹消する手続きです。登録情報は文字通り「永久に抹消」され、再登録もできません。車両は解体され、二度と使用できなくなります。
老朽化が著しい場合や、事故や災害によって走行できなくなった場合などにこの手続きをします。
永久抹消登録の流れは、以下の通りです。
- 必要書類を準備する
- 解体業者に依頼し、車両を解体したら、解体報告記録日など必要情報をもらう
- 陸運局で必要書類を提出し、ナンバープレートを返納する
- 陸運局の税申告窓口で税金還付の手続きを行う
永久抹消登録を行う場合は、陸運局での手続き前に車両の解体が必要です。解体業者から解体の報告を受けた後、15日以内に運輸支局で手続きをしなければいけませんので、期限に注意しましょう。
陸運局での手続きには、費用がかかりません。ただし印鑑登録証明書の取得に300円程度、車両の解体に1〜2万円程度の費用がかかります。
一連の手続きに必要なものは、以下の通りです。
※⑥と⑧は、申請書が合体しています(1枚でどちらも申請できます)。
実質的に事前準備が必要なのは、印鑑登録証明書のみです。ナンバープレートは解体前に取り外しておくか、解体業者に取り外しを依頼します。
税金の還付関係書類で必要なのは、自動車重量税還付申請書のみです。自動車税については、抹消登録完了後に自動的に還付金の有無が確認されます。還付金がある場合は、後に通知書が届きます。
行政書士のポイント解説:廃車の行政手続きでの注意点
一般的に「廃車」というとスクラップにすることを想像する方も多いのではないでしょうか?
実際は行政手続きも必要で、手続きをしないと税金が発生し続けてしまいますので注意が必要です。
特に気を付けたいポイントが2点あります。
①印鑑登録証明書と「実印」の印影が一致するかを確かめる
「以前に印鑑を変えて、その後使っていなかった」「銀行印と記憶があいまい」、など間違えてしまう事が結構あります。当日持参して別の印鑑だった…なんてことにならないように注意しましょう。少しでも印影が違う印鑑では手続きを受付けて貰えません。
②委任状の権限の範囲を確認する
もし他人に自動車重量税還付の手続きも含めて任せる場合、委任状では「永久抹消登録」と「自動車重量税還付申請」それぞれに権限が与えられていなければなりません。この2つは手続き上別のものだからです。「永久抹消登録」のみの権限だった場合、自動車重量税還付の手続きが完了しないため注意しましょう。国土交通省ホームページなどで適したひな形が公開されていますので参考にしてみてください。
一般的に「廃車」というとスクラップにすることを想像する方も多いのではないでしょうか?
実際は行政手続きも必要で、手続きをしないと税金が発生し続けてしまいますので注意が必要です。
特に気を付けたいポイントが2点あります。
①印鑑登録証明書と「実印」の印影が一致するかを確かめる
「以前に印鑑を変えて、その後使っていなかった」「銀行印と記憶があいまい」、など間違えてしまう事が結構あります。当日持参して別の印鑑だった…なんてことにならないように注意しましょう。少しでも印影が違う印鑑では手続きを受付けて貰えません。
②委任状の権限の範囲を確認する
もし他人に自動車重量税還付の手続きも含めて任せる場合、委任状では「永久抹消登録」と「自動車重量税還付申請」それぞれに権限が与えられていなければなりません。この2つは手続き上別のものだからです。「永久抹消登録」のみの権限だった場合、自動車重量税還付の手続きが完了しないため注意しましょう。国土交通省ホームページなどで適したひな形が公開されていますので参考にしてみてください。
一時抹消登録の流れと必要書類
一時抹消登録は、車の登録情報を一時的に抹消する手続きです。抹消登録の一種であり、手続きを済ませた車は公道を走れなくなります。しかし運輸支局で「中古車新規登録」を行えば、再び使用できるようになります。
一時抹消登録を行うのは、「一定期間その車を使用しない場合」です。例えば長期の出張や留学をする場合、また車両盗難に遭い、車両が見つかるまで税金などの支払いを止めたい場合などが考えられます。
一時抹消登録の流れは、以下の通りです。
- 必要書類を準備する
- 運輸支局で必要書類を提出し、ナンバープレートを返納する
- 登録識別情報等通知書の交付を受ける
手順3.に記載のある「登録識別情報等通知書」は、車の再登録や解体届出をする際に必要です。紛失しないように気を付けましょう。
手続きにかかる費用は、印鑑登録証明書の取得費用300円程度と登録手数料の350円です。
手続きに必要なものは、以下の通りです。
一時抹消登録の場合、自動車税の還付を受けることはできますが、自動車重量税の還付は受けられません。自動車税の還付については、抹消登録完了後に自動で還付金の有無が確認されます。還付金があれば、後から通知書が届きます。
車を再び使用する場合の中古車新規登録(再登録)については、以下の記事を参照してください。
行政書士のポイント解説:一時抹消を個人で行う時に忘れがちなこと
一時抹消登録で注意が必要なポイントがあります。
それは、『ナンバープレートを外すこと』です。
永久抹消の際には解体業者などが取り外してくれることもあると思いますが、一時抹消登録を個人で行うときに意外と多いのが必要書類にばかり気を取られ、ナンバープレートの取り外しを忘れてしまうことです。
普段なかなか外す機会が無いので仕方ないのですが、できればチェックリスト化して漏れの無いようにすると良いでしょう。
一時抹消登録で注意が必要なポイントがあります。
それは、『ナンバープレートを外すこと』です。
永久抹消の際には解体業者などが取り外してくれることもあると思いますが、一時抹消登録を個人で行うときに意外と多いのが必要書類にばかり気を取られ、ナンバープレートの取り外しを忘れてしまうことです。
普段なかなか外す機会が無いので仕方ないのですが、できればチェックリスト化して漏れの無いようにすると良いでしょう。
解体届出の流れと必要書類
解体届出は、一時抹消登録を行った車の登録情報を完全に抹消する手続きです。解体届出の手続きをすると、その車は永久抹消登録と同じように二度と使用できなくなります。一時抹消登録をしていた車の使用予定がなくなったり、盗難された車が見つからなかったりした場合に、解体届出を行います。
解体届出の流れは、以下の通りです。
- 必要書類を準備する
- 解体業者に依頼し、車両を解体してもらう
- 陸運局で必要書類を提出する
- 陸運局の税申告窓口で税金還付の手続きを行う
解体届出も、永久抹消登録と同様に事前の車両解体が必要です。事業者より解体の報告を受けてから15日以内に陸運局で手続きを行いましょう。
陸運局での手続き自体にお金はかかりませんが、車両の解体費用が1~2万円程度かかります。
一連の手続きに必要なものは、以下の通りです。
印鑑登録証明書は一時抹消登録の際に提出しているため、不要です。また自動車税の還付については、解体届出完了後に自動で還付金の有無が確認され、還付金があれば後に通知書が届きます。
ガリバーでは廃車手続きの代行サービスを承っており、還付金の手続きも代行しています。
軽自動車の廃車手続き方法
ここでは、軽自動車の廃車手続きの方法を解説します。廃車手続きには、以下の3種類があります。
- 解体返納:車両を解体し、車登録情報を完全に抹消する手続き
- 自動車検査証返納届(一時使用停止):車の登録情報を一時的に抹消する手続き
- 解体届出:自動車検査証返納届を済ませた車両を解体し、登録情報を完全に抹消する手続き
解体返納の流れと必要書類
解体返納とは、普通自動車でいう「永久抹消登録」のことです。車両を解体した上で、登録情報を完全に抹消します。解体返納をした車は、二度と使用することができません。
解体返納の流れは以下の通りです。
- 必要書類を準備する
- 引取業者(解体業者)に依頼し、車両を解体してもらう
- 軽自動車検査協会でナンバープレートを返納する
- 軽自動車検査協会窓口に必要書類を提出する
- 軽自動車検査協会の地方税申告窓口で軽自動車税(種別割)申告書を提出し、併せて自動車重量税還付の手続きを行う
解体返納の手続きにあたっては、事前に車両の解体が必要です。引取業者(解体業者)より解体の報告を受けてから、15日以内に軽自動車検査協会で手続きを行ってください。
解体返納の手続き自体にお金はかかりませんが、車両の解体には1~2万円程度の費用がかかります。
一連の手続きに必要なものは、以下の通りです。
普通自動車の永久抹消登録と異なり、軽自動車の手続きでは印鑑登録証明書や実印が不要です。ナンバープレートは引取業者に引き渡す前に取り外すか、引取業者に取り外しを依頼してください。
なお必要書類に「軽自動車税申告書」が含まれていますが、軽自動車税については還付がありません。
自動車検査証返納届(一時使用停止)の流れと必要書類
自動車検査証返納届とは、普通自動車でいう「一時抹消登録」のことです。一定期間使う予定がない車や盗難により行方が分からない車について、登録情報を一時的に抹消します。登録を抹消している間は公道を走行できなくなりますが、「再登録手続き」を行えば再び使用可能です。
自動車検査証返納届(一時使用停止)の流れは以下の通りです。
- 必要書類を準備し、総合案内でチェックを受ける
- 軽自動車検査協会に隣接するナンバーセンターでナンバープレートを返納する
- 軽自動車検査協会窓口に必要書類を提出する
- 軽自動車検査協会の地方税申告窓口へ行き、軽自動車税(種別割)申告書を提出する
※軽自動車の自動車税申告書は、1、3の時に一緒に提出していることが多い
- 自動車検査証返納証明書と軽自動車検査証返納確認書の交付を受ける
手順5で交付される「自動車検査証返納証明書」は、車を再び使用する時の再登録手続きに必要です。紛失しないよう注意しましょう。手続きに必要な費用は、手数料350円です。
手続きに必要なものは、以下の通りです。
普通自動車の一時抹消登録と異なり、軽自動車の手続きでは印鑑登録証明書や実印が不要です。また必要書類には「軽自動車税申告書」がありますが、軽自動車税に関しては還付がないことを留意しましょう。
使用を停止した軽自動車の再登録については、以下の記事を参照してください。
解体届出の流れと必要書類
解体届出は、自動車検査証返納届(一時使用中止)の手続きをした軽自動車について、登録情報を完全に抹消する手続きです。解体届出をすると、その車を二度と使用できなくなります。
解体届出の流れは以下の通りです。
- 必要書類を準備する
- 引取業者(解体業者)に依頼し、車両を解体してもらう
- 軽自動車検査協会窓口に必要書類を提出する
- 軽自動車検査協会の地方税申告窓口で軽自動車税(種別割)申告書を提出し、併せて自動車重量税還付の手続きを行う
解体届出の手続きをするには、事前に車両の解体が必要です。引取業者より解体の報告を受けてから15日以内に軽自動車検査協会で手続きを行ってください。
軽自動車検査協会での手続きにお金はかかりません。ただし車の解体費用として1〜2万円程度がかかります。
一連の手続きに必要なものは、以下の通りです。
自動車重量税の還付手続きにはマイナンバーカード等が必要なため、忘れないよう準備しましょう。また必要書類に「軽自動車税申告書」がありますが、軽自動車税の還付制度はありません。
ガリバーでは廃車手続きの代行サービスを承っており、税金の還付手続きも代行しています。
廃車手続き後の還付金(税金・自賠責保険料)まとめ
廃車手続きをすると、一部の税金や自賠責保険料について還付を受けることができます。ここでは普通自動車と軽自動車に分けて、還付を受けられる税金の種類や還付金の受け取り方法を解説します。
普通自動車の場合
普通自動車の場合、還付金を受けられる可能性があるのは「自動車税(種別割)」「自動車重量税」「自賠責保険料」の3種類です。
自動車税については、永久抹消登録・一時抹消登録・解体届出の全ての手続きにおいて還付金を受け取れます。ただし還付金の受け取りに必要な「還付通知書」は、有効期限が1年となっています。期限切れに注意しましょう。
自動車重量税については、一時抹消登録の場合のみ還付を受けることができません。
還付金の手続きで気を付けたいのが、自賠責保険料です。自動車税や自動車重量税では還付通知書が来たり、運輸支局での手続きの際に還付手続きを行えたりします。一方、自賠責保険の解約手続き(還付手続き)は自分で行わなければいけません。
軽自動車の場合
軽自動車の場合は、普通自動車と異なり軽自動車税の還付制度がありません。
自動車重量税は、解体返納及び解体届出の場合に還付を受けることができます。車検の残期間が1ヶ月以上ある場合は、軽自動車検査協会での手続き時に還付申請書を受け取りましょう。
自賠責保険料については、軽自動車でも還付を受けることができます。自分で自賠責保険会社に連絡して解約手続きを行うとともに、還付金を受け取れるようであれば還付申請の手続きを行いましょう。
任意保険の解約も忘れずに
車を廃車にした場合は、自賠責保険だけでなく任意保険の解約手続きも必要です。加入している保険会社に連絡し、解約の旨を伝えた上で手続きの流れや必要書類を確認してください。
なお、任意保険でも保険料を一括払いしている場合は解約返戻金を受け取れる可能性があります。
まずは買取査定に出してみるのがおすすめ!
廃車手続きには時間と手間がかかり、解体が必要な場合は多額の費用も必要です。廃車手続きをする前に、まずは「車を買い取ってもらえないか」を調べてみましょう。
ガリバーでは廃車になるような車であっても、中古車として買い取れる可能性があります。また車としての価値がない場合も、素材やパーツを目的に買取ができるケースもあります。
車を廃車にしようか考えている場合は、ぜひ一度ガリバーで買取査定を受けてみてください。
※2020年1月(株)日本能率協会総合研究所調べ(国内の大手自動車買取事業者を対象とした「中古自動車買取台数No.1調査」より)