中古軽自動車おすすめランキング-専門家が厳選【中古車ベスト5】

目次

中古軽自動車の評価ポイント

中古車の場合、買い得感や、新車と比べ安価であることが重要だ。そこで今回はデビューから3年以上経過したモデルから厳選している。

軽自動車は日々使う生活の道具なので、総合力が重要だ。中でも安全装備と燃費を評価のポイントとした。その上で、居住スペースや乗り心地、高速道路などでの走行性能、上質さや使い勝手などをプラスしてランク付けしている。

中古軽自動車 おすすめランキング ベスト5

  • RANKING BEST 1 中古軽自動車 ランキング ベスト1 2代目日産デイズ&初代三菱eKクロス

    2代目日産 デイズ&初代三菱 eKクロス

    燃費値はイマイチだが、走りの質が高い

    2代目デイズと初代eKクロスは、日産と三菱の合弁会社NMKVで開発された。内外装と一部の装備を除き、エンジンやプラットフォーム(車台)などの主要部品は共通だ。そのため、今回は同列1位としている。

    2代目デイズと初代ekクロスは、2019年に登場した現行モデルだ。主要モデルはマイルドハイブリッドシステムを搭載している。しかし、燃費性能ではワゴンRのマイルドハイブリッド車に負けるなど少々物足りない。

    ただ、安全装備の高いレベル、走りの質の高さ、広い室内空間といった総合力を評価して1位とした。

    オプションながら軽初となるSOSコール(eKクロスは非装備)が用意されている。また、クラスではトップレベルの操縦安定性を誇り、安心して走ることができる。

    日産 デイズの口コミ・評価を見る
  • RANKING BEST 2 中古軽自動車 ランキング ベスト2 2代目ホンダ N-WGN

    2代目ホンダ N-WGN(マイナーチェンジ前)

    個性的なデザインと優れた予防安全装備

    2代目N-WGNは、2019年に登場した。
    どのグレードでも安心して乗れる予備安全性能、上質感を評価して2位とした。

    全グレードに標準装備された予防安全装備パッケージ「ホンダセンシング」は、軽自動車の中では高いレベルにある。歩行者検知式自動ブレーキは、昼夜の歩行者や横断中の自転車にも対応している。
    渋滞時対応の全車速前走車追従式クルーズコントロールは、ライバル車ではオプション設定だが、2代目N-WGNは標準装備されている。

    2代目N-WGNは、ハイト系ワゴンに属している。ハイト系は、実用車としての価値も重視される。だが、N-WGNは実用性だけでなく上質感も併せ持つ。ユニークなデザインも含め、ただの道具ではなく愛着のわく日々の大切なパートナーといえる。

    ホンダ N-WGNの口コミ・評価を見る
  • RANKING BEST 3 中古軽自動車 ランキング ベスト3 スズキ スペーシアギア

    スズキ スペーシアギア

    実用性と遊び心を満たす個性派

    スペーシアギアは、スペーシアをベースとしたモデルだ。
    スペーシアは、生活感のある実用的モデルというイメージが強い。対するスペーシアギアは、SUVと軽をクロスオーバーさせ、タフで遊び心あふれるスタイリングにした。アクティブなイメージを得たことで、今までリーチできていなかったアウトドア志向のユーザーの支持を得ることに成功している。もともと実用性が高いモデルらしく、使い勝手は抜群なので、アウトドア志向のユーザーを満足させ高い人気を誇っている。

    マイルドハイブリッドシステムを搭載しており、低燃費性能はクラストップレベルだ。安全装備も充実している。個性的なデザインや低燃費性能、優れた予防安全装備などを高く評価し3位とした。

    スズキ スペーシアギアの
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  • RANKING BEST 4 中古軽自動車 ランキング ベスト4 4代目ダイハツ タント

    4代目ダイハツ タント(マイナーチェンジ前)

    ミラクルオープンドアのメリットは大きい!

    4代目タントは、2019年にデビューした。クルマの基幹部分が刷新され、走りの質は大幅に向上した。プラットフォーム(車台)には最新のDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)が採用されいてる。また、ミッションも新開発のD-CVTが採用されている。

    使い勝手も抜群だ。歴代タントの売りでもある、左側Bピラーレスの大開口を誇るミラクルオープンドアや、運転席最大540mmのロングスライドを実現したシートなど、優れた装備が満載だ。

    タントは良品廉価を重視し、マイルドハイブリッドシステムを使わずに低燃費化している。
    走りの向上、使い勝手の良さ、低燃費化といった総合力の高さを評価し4位とした。

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  • RANKING BEST 5 中古軽自動車 ランキング ベスト5 ホンダ N-BOX

    ホンダ N-BOX

    軽、販売台数ランキング圧倒的ナンバー1

    2代目N-BOXは、軽自動車販売台数ランキングのナンバー1の座を長期間守り続けている圧倒的王者といえる。「1番売れているN-BOXを買っておけば安心だ。」そんなイメージも、圧倒的な販売台数を支えている要因のひとつだ。

    2代目N-BOXは、2017年に登場した。初代N-BOXの弱点とされていた予防安全装備は大幅に進化を果たしている。歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「ホンダセンシング」を全車標準装備し、一気にクラストップレベルの安全性能に躍り出た。

    予防安全装備の全車標準装備化したのは、2代目N-BOXが初めてだ。
    デビュー時は非常に高いレベルだったN-BOXだが、2022年10月現在すでにモデル末期に入っており、やや古さも出てきたこともあり5位とした。

    ホンダ N-BOXの口コミ・評価を見る

中古軽自動車 おすすめ
5台を5項目で比較

中古軽自動車のおすすめ5台を価格、燃費、走行性能、乗り心地、室内の広さ・使い勝手の5項目で評価した。「新車と比べて中古車価格は買い時なのか」「乗り心地や高速道路での走行性能はどうか」といった軽自動車で気になるポイントについて言及したので参考にして欲しい。

価格比較

2代目日産 デイズ&初代三菱 eKクロス

2代目日産デイズ&初代三菱eKクロス
中古車価格は高め。130万円以下で買えるかがポイント

2代目デイズ&初代eKクロスの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
2代目デイズ 約100~150万円(2019年式) 約127~178万円
初代eKクロス 約100~150万円(2019年式) 約141~177万円

(2022年10月現在)

軽自動車の人気モデルらしく、両車とも中古車価格はそれほど下がっていない。

デイズのおすすめグレードは、ハイウェイスターXプロパイロットエディションだ。
新車価格は約157万円で、中古車相場は110~160万円だ。新車価格の約70~102%となっている。3年が経過しても新車価格を上回る車両もあるが、こうした車両は選択肢から外した方がよい。できれば、110~130万円位でお気に入りの車両を探したい。
尚、予算があれば、ターボ車がベストな選択肢といえる。
装備では、純正ナビやアラウンドビューモニター、高速道路内などで同一車線内を維持しながら前走車に全車速で追従走行できるプロパイロットやSOSコール付きがよい。

初代eKクロスのおすすめグレードは、ターボ車のTプレミアムか自然吸気エンジンのGプレミアムだ。これらは装備が充実しているので、純正ナビが付いている程度で問題ない。2代目デイズのプロパイロットはオプションだが、eKクロスで同様の機能をもつマイパイロットなどは標準装備されているので安心だ。

2代目ホンダ N-WGN(マイナーチェンジ前)

2代目ホンダ N-WGN
もう少し価格が下がるのを待ちたい

2代目ホンダ N-WGN(マイナーチェンジ前)の中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
2代目N-WGN 約100~160万円(2019年式) 約127~179万円

(2022年10月現在)

2代目N-WGNは中古車流通量が少ない影響からか、中古車価格は高値を維持している。新車価格に対して79~90%だ。人気のカスタムの中古車相場は120万円以上だ。

おすすめは、人気のカスタム系だ。カスタムLターボホンダセンシング(FF)なら、高速道路での走行も余裕があり、ファーストカーとしても十分に使える。
このモデルの中古車相場は約120~160万円で、新車価格は約166万円だ。中古車価格は新車価格の72~96%くらいまで落ちている。さすがに、新車価格の80%以上の中古車価格では、あまりコスパがよいとはいえない。140万円以下で手に入れたいところだ。

基準車でおすすめなのは、人気グレードのLホンダセンシング(FF)だ。新車価格は約134万円で、中古車相場は約100~140万円。新車価格の75~104%位という中古車相場になっている。
このグレードに関しては、100万円台で買えなければ中古車のメリットが少ない。
N-WGNはマイナーチェンジ直後なので、もう少し価格が下がるのを待つとよいだろう。

スズキ スペーシアギア

スズキ スペーシアギア
登録済み未使用車がおすすめ

スペーシアギアの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
スペーシアギア 約140~170万円(2019年式) 約161~181万円

(2022年10月現在)

スペーシアギアは、最も人気のあるスーパーハイト系に属する。さらに個性派なので、中古車価格は高値を維持している。2019年式で新車価格の87~94%と、新車価格並みだ。

中古車価格に高値が付いていると、あえて中古車を買う理由が見当たらない。
2022年式のスペーシアギアの中古車の中には、登録済み未使用車が多く流通している。
メーカーやディーラーの都合で買い手がいないのに登録(届出)しただけの車両のことだ。ほぼ新車コンディションだが、一度登録すると中古車扱いになり、新車より少し安価になる。2019年式の中古車より少し高価になるが、予算に少し余裕があるのであれば、未使用車を積極的に狙ったほうが賢い買い物といえる。

おすすめグレードは、XZハイブリッドターボだ。パワフルで高速道路などでのロングドライブも楽々走れる。このグレードに純正ナビが付いていればベストだ。

ダイハツ タント(マイナーチェンジ前)

4代目ダイハツ タント
登録済み未使用車一択!

4代目ダイハツ タントの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
タント 約110~180万円(2019年式) 約122~187万円

(2022年10月現在)

タントは、最も人気があるスーパーハイト系らしく、中古車相場は非常に高い。タントの中古車は、新車価格の約90~96%にしか価格が下がっていない。このモデルも、まだ中古車としてはコスパに優れているとはいえない。

タントは2022年10月にマイナーチェンジした。そのため、2022年式中古車は、多くの登録済み未使用車が流通している。未使用者新車より少し安価なので、2019年式中古車を買うよりコスパに優れる。

タントの上級グレードであるXの新車価格は、約149~162万円だ。未使用車の価格は、約130~160万円だ。新車価格の87~99%という価格にまで落ちている。こうなると、もはや2019年式といった高年式を中古車で買う理由が見出しにくい。

ホンダ N-BOX

ホンダ N-BOX
安価で即納! 登録済み未使用車がおすすめ

2代目N-BOXの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
N-BOX 約100~170万円(2017年式) 約139~208万円

(2022年10月現在)

2代目N-BOXの中古車価格は、2017年式でも高値を維持し続けている。約5年が経過しているのに、新車価格の72~82%位までにしか価格が落ちていない。2代目N-BOXも中古車としてのコスパは微妙だ。
2代目N-BOXも登録済み未使用車がおすすめだ。価格は新車より、少し安価になる。

マイナーチェンジ後である2022年式登録済み未使用車で、人気グレードのカスタムLの中古車相場は、約160~190万円だ。新車価格が約179万円なので、160万円台で買えればお買い得だ。中古車なので数か月の納車待ちもない。

カスタムLグレードは、右側パワースライドアがオプションだ。装備されている登録済み未使用車を選びたい。

燃費比較

2代目日産 デイズ&初代三菱 eKクロス

2代目日産デイズ&初代三菱eKクロス
物足りない燃費値

2代目デイズ&初代eKクロス(デビュー時)の燃費と、ライバル車であるスズキ ワゴンRの燃費は以下の通りだ。(全てFF、WLTCモード)

車種 燃費
2代目デイズ 19.2~21.2km/L
初代eKクロス 19.2~21.2km/L
ワゴンR 22.5~25.2km/L

2代目デイズと初代eKクロスの燃費値は、少々物足りない。両車ともワゴンRと比べると、車重が少し重いことが燃費値に大きな影響を与えている。
なお、ライバル車であるワゴンRはこのクラスでトップレベルの燃費値を誇り、大差がついている。

燃費を重視するのであれば、2代目デイズと初代eKクロスは選択肢から外したい。

2代目ホンダ N-WGN

2代目ホンダ N-WGN
マイルドハイブリッド無しなので、納得できる燃費値

2代目N-WGN(デビュー時)の燃費と、ライバル車であるスズキ ワゴンR、日産デイズの燃費は以下の通りだ。

車種 燃費
2代目N-WGN 21.2~23.2km/L(FF、WLTCモード)
ワゴンR 22.5~25.2km/L
デイズ 21.5~23.3km/L

クラストップレベルの燃費値を出しているのが、ワゴンRだ。2代目N-WGNは、大きな差を付けられている。しかし、2代目N-WGNには、マイルドハイブリッドが装備されていないので仕方がない部分もある。

ただ、マイルドハイブリッドを搭載しているデイズの燃費値はと比べると、2代目N-WGNの燃費値はほぼ互角だ。
マイルドハイブリッドのない2代目N-WGNの燃費値は、納得できる数値といえるだろう。

スズキ スペーシアギア

スズキ スペーシアギア
まずまずの燃費値

スペーシアギア(デビュー時)と、ベース車であるスペーシアの燃費は以下の通りだ。

車種 燃費
スペーシアギア 19.8~21.2km/L(FF、WLTCモード)
スペーシア 21.2~22.2km/L

スペーシアギアの燃費値は、ベース車のスペーシアよりわずかに劣る。スペーシアギアの車重は、スペーシアより少し重いからだ。
それでも他のライバル車と同等レベルなので、燃費値は優秀といえる。

4代目ダイハツ タント(マイナーチェンジ前)

4代目ダイハツ タント
燃費差はわずか。気にする必要無し!

タント(マイナーチェンジ前、デビュー時)と、ライバル車であるスズキ スペーシアの燃費は以下の通りだ。

車種 燃費
タント 20.0~21.2km/L(FF、WLTCモード)
スペーシア 19.8~22.2km/L

タントの燃費値は、マイルドハイブリッドシステムを搭載していないことを踏まえると、なかなか優秀だ。
マイルドハイブリッドシステムを搭載したスペーシアよりも、タントの方が、わずかに優れている。最も燃費値のよいモデルでも1.0km/Lの差しかない。
タントの場合、燃費値に関しては、それほど気にすることはない。

ホンダ N-BOX

ホンダ N-BOX
マイルドハイブリッドシステム無しでも、僅差の燃費

2代目N-BOXの燃費は以下の通り(デビュー時)。

車種 燃費
N-BOX 20.2~21.2km/L(FF、WLTCモード)
スペーシア 19.8~22.2km/L

2代目N-BOXには、スペーシアのようなマイルドハイブリッドシステムは搭載されていない。ターボ車の燃費は、N-BOXが上回っている。自然吸気エンジンでも燃費差は、わずか1.0km/Lだ。
これくらいの差であれば、燃費差はそれほど気にすることはない。

走行性能比較

2代目日産 デイズ&初代三菱 eKクロス

2代目日産デイズ&初代三菱eKクロス
このクラストップレベルの走行性能

2代目デイズと初代eKクロスの出力は、自然吸気エンジンが52ps&60Nm、ターボ車が64ps&100Nmだ。さらに、それぞれ2.7ps&40Nmの小さなモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドである。

軽自動車の場合、どのメーカーも出力差はわずかだ。力強さも大きな差は無い。あとは、用途によってターボか自然吸気かを選択するといい。長く急勾配な登り坂やロングドライブが多い人には、ターボ車がおすすめだ。

走行性能は、2代目デイズとeKクロスがこのクラスのトップレベルだ。車重が少し重い分、やや低重心化されていている。カーブでの安定感はピカイチで、横風にも強い。リヤもサスペンションも路面をしっかりと掴んで離さないので、安心して走れる。こうした走りの良さは、2代目デイズとeKクロスの美点だ。

2代目ホンダ N-WGN

2代目ホンダ N-WGN
優れた直進安定性

2代目ホンダN-WGNは、軽自動車の中で直進安定性に優れたモデルだ。以前、ホンダのテストコースで、120km/h位でクルージングしたことがあるが、予想以上に真っ直ぐ安心して走れた。高速道路でのクルージングも得意なモデルだ。

高速道路での移動を考えると、58ps&65Nmの自然吸気エンジンでは物足りなく感じる。出力そのものは十分なのだが、登り坂だとすぐに速度が低下する。そのため常にアクセルを深く踏み込むことが多くなり、エンジンの回転数も高くなる。疲れるし快適性も損なわれるのが残念だ。
出力64ps&104Nmのターボモデルなら、余裕あるクルージングが楽しめる。アクセルを踏み込む量も少なく、エンジンの回転数が高くなる頻度も減る。より快適に移動が可能だ。

おすすめはターボ車だ。中古車はやや流通量が少ないので、根気よく探そう。

スズキ スペーシアギア

スズキ スペーシアギア
非力に感じる自然吸気エンジン

スペーシアギアの全高は1,800mmもあるが、全幅は1,475mmしかない。背が高くて幅が短く、物理的に少々無理があるサイズだ。重心高がかなり高いので、横転のリスクも高まる。これは、スペーシアギアだけでなく、N-BOXなども含めたスーパーハイト系すべてにいえることだ。

カーブは苦手だ。重心が高いので、フラフラ走り安定性に欠ける。高速道路では横風に弱い。操縦安定性を重視するのであれば、ハイト系を選択したほうが無難だ。

エンジンの出力は、自然吸気エンジンが52ps&60Nm、ターボエンジンが64ps&98Nmだ。背が高いので車重が重く、空気抵抗も大きい。自然吸気エンジンだと、急な登り坂や高速道路では非力に感じる。
街乗り中心なら自然吸気エンジンでもよいが、たまに高速道路を使いロングドライブを楽しみたいというのであれば、パワフルなターボ車がおすすめだ。

4代目ダイハツ タント(マイナーチェンジ前)

4代目ダイハツ タント
よい仕事をしているD-CVT

4代目タントは、新開発のプラットフォーム(車台)やD-CVTにより大幅な進化を遂げている。走行性能面はかなり磨き込まれており、先代タントと比べると別次元のクルマとなった。

とはいえ、1,755mmもの全高をもつスーパーハイト系であるタントは、走行安定性面でかなり不利だ。上部が揺れる動きからは、常に横転リスクを感じてしまう。
走行安定性能を少しでも良くするためか、このクラスでタントの全高はやや低めの部類に入る。ライバル車と比べると、カーブでの安定性は少しだけ高い。

エンジンの出力は、自然吸気エンジンが52ps&60Nm、ターボエンジンは64ps&100Nmだ。優秀なのはD-CVTである。一般的なCVTはベルトのみだが、D-CVTはギヤも組み込まれた。結果、高い伝達効率と素早いレスポンス、幅広い変速比を可能としている。
フィーリングは良好で、アクセルレスポンスにも優れている。
タントはマイルドハイブリッドシステムを搭載していない。しかし燃費値はマイルドハイブリッドシステム搭載モデルに肉薄しており、D-CVTによる効率の高さが貢献している。

ホンダ N-BOX

ホンダ N-BOX
先代より乗り心地は向上したが・・・

先代N-BOXもスーパーハイト系なので、横転リスクを軽減するために、かなり硬めの乗り心地としていた。しかし、マーケットからは乗り心地の改善が求められた。
2代目N-BOXでは、ややソフトな乗り心地のサスペンションセッティングに変更し乗り心地を向上させている。

乗り心地はよくなったものの、高速道路で路面の凹凸が続くようなシーンだと、車体上部の揺れがなかなか収束されない。高速域の操縦安定性は、ライバル車の日産ルークスやタントがやや上回る結果となった。

2代目N-BOXは、スーパーハイト系なので車重が重い。そのため、自然吸気エンジンである58ps&65Nmは、急な登り坂や高速道路でやや非力だ。余裕ある出力(64ps&104Nm)のターボ車がおすすめと言える。

乗り心地比較

2代目日産 デイズ&初代三菱 eKクロス

2代目日産デイズ&初代三菱eKクロス
操縦安定性と乗り心地のバランスが抜群!

2代目デイズと初代eKクロスは、クラストップレベルの快適性を誇る。やや硬めの乗り心地だが、路面の凹凸はマイルドに変換される。操縦安定性と乗り心地のバランスもよい。

マイルドハイブリッド車なので、アイドリングストップからの再始動時に、セルモーターのキュルキュルという音と、エンジン始動時のブオーンという音がほとんどしない。この静粛性と快適性は、一度乗ると離れられなくなるほどだ。

2代目ホンダ N-WGN

2代目ホンダ N-WGN
しなやか系の乗り心地

2代目ホンダN-WGNの乗り心地は、しなやかで良好だ。直線路では、フラットな姿勢で路面の凹凸をいなす。
しなやか系ゆえに、日産デイズほどの操縦安定性は高くなく、カーブを走ると車体は大きく傾く。カーブをキビキビ走りたいというより、のんびり流す走りに向く。

スズキ スペーシアギア

スズキ スペーシアギア
ややゴツゴツした乗り心地

スペーシアギアのサスペンションは硬めに設定されている。重心高の高いボディによる操縦安定性の低下を軽減するためだ。タイヤも燃費を稼ぐエコタイヤのため、路面の凹凸をゴツゴツと伝えてくる。こうした路面の凹凸が連続するような道では、少し不快に感じるかもしれない。

4代目ダイハツ タント(マイナーチェンジ前)

4代目ダイハツ タント
硬めの乗り味は、操縦安定性重視の結果?

全高が高いスーパーハイト系は、重心高もかなり高い。横転リスクを少しでも低減させるため、サスペンションを硬めにし、カーブでクルマが大きく傾くことを抑制している。

4代目タントも同様、乗り心地は硬めだ。路面のデコボコをゴツゴツと車体に伝えてくる。4代目タントは、操縦安定性をやや重視していると言える。

ホンダ N-BOX

ホンダ N-BOX
街中では、快適な乗り心地

先代N-BOXの乗り心地は、硬めのサスペンションで不評だった。そのため2代目N-BOXはややソフトな乗り心地に仕上がっている。スーパーハイト系の中では、低速域の乗り心地はトップレベルといえる。逆に高速域の操縦安定性はやや物足りなくなってしまうのは仕方のない点だ。
高速道路やタイトなカーブが続く山道などをほとんど走らず、街乗りを最重視するのなら十分な乗り心地といえる。

内外装・デザイン比較

2代目日産 デイズ&初代三菱 eKクロス

2代目日産デイズ&初代三菱eKクロス
最小回転半径4.8mとなる15インチホイール車には注意!

2代目デイズと初代eKクロスは、初代モデルからホイールベースを伸ばしており、かなり広いスペースをもつ。後席スペースも十分で、フロアもフラットなので窮屈さを感じさせない。前列シートの座り心地も良好だ。
2019年デビューなので、最近のクルマと比べるとUSB電源がやや少ない。

15インチホイール装着車は注意が必要だ。最小回転半径が4.8mと、このクラスでは少し大きい最小回転半径になる。狭い駐車場では、少し扱いにくくなる。

2代目ホンダ N-WGN

2代目ホンダ N-WGN
女性ドライバーに朗報のテレスコ機能!

ドライビングポジションは重要だ。しっかりとしたドライビングポジションが取れないと、もしもの時の緊急回避ができないなど、大きなデメリットが生じる。日々使うクルマであれば、運転手に合うドライビングポジションがとれないと腰痛の要因にもなる。

こうしたクルマとしての基本的な部分に立ち返り、N-WGNではステアリングにテレスコピック機能が付いた。軽自動車では、滅多に付いていない機能だ。
テレスコピックとは、ステアリングの前後調整機能のことだ。より細かい調整が可能となり、ベストなドライビングポジションで運転できるようになる。とくに、背の低い女性や背の高い男性にはありがたい機能といえる。

2代目N-WGNは、実用車としての使い勝手もよい。荷室の床を低くして、通常のフロア下を掘り下げたような形状にすることで、荷室容量を大きくしている。荷室は上下2段に分割し、効率よく荷物が収納できるようになっている。荷室の使い勝手を重視するのであれば、N-WGNがおすすめだ。

スズキ スペーシアギア

スズキ スペーシアギア
一見SUV風だが、凸凹が多い未舗装路は苦手

スペーシアギアは、SUVのクロスオーバー車であるかのようなデザインが特徴だ。このデザインからすると、凸凹の大きな未舗装路も難なく走れそうなイメージがする。

しかし、スペーシアギアでそんな道を走ってはいけない。スペーシアギアの最低地上高は、スペーシアと同じ150mmだ。やや高めの最低地上高とはいえ、大きな凸凹未舗装路などを走り切れるタイプではない。走行可能なのは、整備された未舗装路程度と思っていた方が無難だ。

その他の使い勝手は良好だ。後席シート背面や荷室は防汚加工されているので、汚れたものや濡れたものなども、気にせず積載可能だ。前席は撥水加工シートにもなっている。

4代目ダイハツ タント(マイナーチェンジ前)

4代目ダイハツ タント
広大な開閉スペースをもつミラクルオープンドア

4代目タントの使い勝手は、とても良好である。
ユニークなのは、Bピラーレスのミラクルオープンドアだ。助手席側ドアも開けると、開口幅は1,490mmにもなる。この広さは圧巻で、ライバル車には無い。大きな荷物の出し入れや、高齢者や小さな子どもの乗り降り時にも便利だ。

タントには世界初となる最大540mmの運転席ロングスライドシートが採用された。後席への移動が容易になったり、シートアレンジの幅が広がったことで、より便利なクルマになった。

室内スペースは、十分に広い。室内高は1,370mmもあるので、小さな子どもが立って着替えることも可能だ。ご年配の方は大きく屈まなくても乗り降り出来るため、負担も軽くなる。

予防安全装備パッケージである「スマートアシスト」の自動ブレーキは昼夜の歩行者にも対応している。その他の機能を含め、クラス平均レベルに十分達している。

ホンダ N-BOX

ホンダ N-BOX
広大な室内は、便利な機能が満載!

2代目N-BOXは、ホンダ独自の技術「センタータンクレイアウト」が採用されている。ガソリンタンクが前席下付近に移動されているのだ。荷室はより低い位置に設定できたため、荷室容量もクラストップレベルだ。自転車の積み下ろしも楽々出来る。

リヤシートは、座面を跳ね上げることでスペースが広がり、A型ベビーカーも畳まずに収納することが可能だ。さらに、座面がスライドし沈み込むように収納するダイブダウン機能もある。ワンタッチでフラットな荷室空間が生まれる。

室内は初代N-BOX同様、軽最大級の広さを誇る。後席シートの広さは、Mクラスミニバン並みと言われているほどだ。

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員