中古輸入SUVおすすめランキング-専門家が厳選【中古車ベスト5】

目次

輸入SUVの評価ポイント

今回のランキングでは、ディーゼル車であることに加え、輸入車ならではの走行性能やユニークなデザイン性なども含め順位を付けた。

輸入SUVもEV化が急速に進んでいる。本来ならEVやPHEVなどを中心に選びたいところだ。だが輸入中古SUVの場合、最新モデル以外の選択肢が少ない。そこで、EVやPHEVほどではないものの、純ガソリン車より環境性能が高いとされるディーゼル車からお勧めモデルをピックアップした。
大きく重いSUVは、低回転で大トルクを発生するディーゼルエンジンとの相性もよい。ガソリン車は評価の対象外とした。

中古輸入SUV おすすめランキング ベスト5

  • RANKING BEST 1 中古輸入SUV ランキング ベスト1 アルファロメオ ステルヴィオ

    アルファロメオ ステルヴィオ

    圧倒的オリジナリティ!

    ステルヴィオは、2018年に日本に導入された。アルファロメオ初のSUVとして非常に注目された。
    2019年にはディーゼル車が投入されている。2.2Lディーゼルエンジンは、パワフルなだけでなく、アルファロメオらしくレヴリミットまで気持ちよく回る。

    SUVなのに、こんなにクイックなハンドリングでいいのか? と、思うほどキレ味抜群の旋回性能を誇る。サスペンションはスポーツカーと同等の装備を誇る。カーボン製プロペラシャフトに、フロントがダブルウィッシュボーン式、リヤがマルチリンク式という仕様だ。
    徹底した走りのへのこだわりを感じさせるモデルである。

    ユニークで情熱的な内外装デザインなども含め、圧倒的個性の塊といえるモデルであることを高く評価し1位とした。

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  • RANKING BEST 2 中古輸入SUV ランキング ベスト2 BMW X3

    BMW X3

    高い完成度を誇るミッドサイズSUV

    BMW X3は2017年に3代目となった。2.0Lのディーゼルエンジンを搭載している。駆動方式は4WDのみで、ミッションは8速ATになる。

    X3の魅力は、なんといってもBMWらしくFR(後輪駆動)ベースであることだ。BMWこだわりの前後重量配分50:50は、SUVであっても同じである。
    通常はほぼFRとして走る。絶妙なのが、そのハンドリング性能だ。まさに、正確無比といえる。背が高く重心高の高いSUVなのに、それを感じさせない楽しい走りができる数少ないモデルだ。

    予防安全装備なども高いレベルにあり、安心して乗れるのも大きな魅力だ。こうした高い完成度を評価し2位とした。

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  • RANKING BEST 3 中古輸入SUV ランキング ベスト3 初代メルセデス・ベンツ GLC

    初代メルセデス・ベンツ GLC

    デビュー時、世界トップレベルの予防安全装備を装着

    初代メルセデス・ベンツGLCは、2016年に登場した。ディーゼル車は2017年に投入されている。

    初代GLCの大きな魅力は、自動運転時代の到来を感じさせるインテリジェントドライブが装備されていることだ。歩行者検知式自動ブレーキなどを含め、車両360°をカバーするセンサー類で安全運転を支援する。当時、この機能は世界トップレベルにあった。インテリジェントドライブ機能だけで、初代GLCを買ってもよいと思える。

    走行性能はスポーティだ。背の高いSUVであることを忘れてしまいそうなほどである。 優れた予防安全装備と環境性能、そしてスポーティな走行性能を高く評価し3位とした。

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  • RANKING BEST 4 中古輸入SUV ランキング ベスト4 2代目ボルボ XC60

    2代目ボルボ XC60

    ボルボ車らしいCO2減・存在感・安全性能

    ボルボXC60は2017年に登場したミドルサイズのSUVだ。
    ボルボは、2030年までにすべてのモデルをEV(電気自動車)にすると宣言している。XC60のデビュー時は、まだEVは登場していない。代わりにディーゼル車を用意しCO2減に向けたチャレンジを開始していた。2020年には、リチャージと呼ばれるPHEVを投入した。

    XC60の魅力はパワーユニットに留まらない。その一つが洗練された北欧特有のスカンジナビアンデザインだ。ドイツ系やイタリア系、フランス系の欧州デザインとはまったく異なる独自性をもつ。車群の中でも埋没しない存在感は、ボルボ車のXC60ならではだ。

    ボルボといえば安全性能だ。当時世界トップレベルの予防安全装備を全車標準装備していた。歩行者検知式自動ブレーキを含む、インテリセーフという装備だ。安心して乗れるモデルといえる。

    こうした安全性能とデザインを高く評価し4位とした。

    ボルボ XC60の
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  • RANKING BEST 5 中古輸入SUV ランキング ベスト5 2代目フォルクスワーゲン ティグアン

    2代目フォルクスワーゲン ティグアン

    デザインと実用性に優れたモデル

    2代目フォルクスワーゲン ティグアンは、2017年に日本デビューを果たした。当初、FF(前輪駆動)のガソリン車だけの設定だったが、2018年に2.0Lディーゼルエンジンを搭載したTDIが投入されている。TDIは、全車4WDの4モーションだ。このクラスのディーゼル車としては、当時トップレベルの燃費値を誇った。

    ティグアンの魅力はデザインにある。無駄を廃したシンプルな機能美は、まさにフォルクスワーゲン車らしい。すでにモデル後期に入ったモデルだが、未だ古さを感じさせない。

    また、実用性に優れているのもティグアンの美点だ。荷室はクラストップレベルの広さを誇り、最小回転半径は5.4mと小さい。全幅こそワイドだが、狭い道が多い日本でも扱いやすいレベルといえる。
    優れた環境性能と使い勝手の良さを高く評価し5位とした。

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中古輸入SUV おすすめ
5台を5項目で比較

中古輸入SUVのおすすめ5台について価格、燃費、走行性能、乗り心地、デザインの5項目を比較評価した。輸入車の場合、中古車価格が性能に反して買い得感がある車種を見つけることも楽しみの一つだろう。

価格比較

アルファロメオ ステルヴィオ

アルファロメオ ステルヴィオ
中古車価格は激安!? コストパフォーマンス抜群の中古SUV

ステルヴィオの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
ステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4 約380~420万円(2019年式) 約635万円

(2022年10月調べ)

輸入車メーカーの中には、ハイブランドだがリセールバリューが悪いものも多い。中古車戦略が上手くいっていないなど、色々な問題を抱えている。アルファロメオもそんなメーカーのひとつだ。
ステルヴィオは、高年式でもすでに新車価格の60~66%にまで中古車価格が下がっている。クルマの品質は優れているので、非常に高いコストパフォーマンスといえるだろう。他人とは異なる個性的なSUVに乗りたい人には、まさにピッタリの1台だ。

BMW X3

BMW X3
スポーティなMスポーツがおすすめ

BMW X3の中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
X3 xDrive 20d系 約450~550万円(2018年式) 約679~727万円

(2022年10月調べ)

X3 xDrive 20d系の中古車価格はまずまずだ。新車価格の約66~76%にまで下がっているので、70%以下で買えれば買い得感は十分だろう。
BMW車の場合、エアロパーツや専用サスペンションなどを装備したMスポーツの人気が高く、X3でも同じ。走りの質やリセールバリューを考えても、やはりおすすめはMスポーツになる。比較的走行距離が少なく、コンディションのよい車両も多い。

初代メルセデス・ベンツ GLC

初代メルセデス・ベンツ GLC
おすすめは、スポーティ仕様の220d 4マチックスポーツ

メルセデス・ベンツGLCの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
GLC220d 4マチック系 約370~480万円(2017年式) 約628~745万円

(2022年10月調べ)

初代メルセデス・ベンツGLCの2017年式中古車価格は、新車価格の59~64%程度だ。2017年式の中古車は、中古車流通量が少ないため、ややワイドな相場になっている。だが中古車価格はまずまずの買い得感といったところ。迷わず買ってもよいレベルだ。

おすすめグレードは、スポーティ仕様のGLC220d 4マチックスポーツだ。都会的でスポーティな外観デザインである。人気グレードでもあり、リセールバリューも高めだ。

2代目ボルボ XC60

2代目ボルボ XC60
買い得感ある中古車価格。おすすめはRデザインとエアサス装着車

2代目XC60の中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
XC60 D4系 約400~500万円(2018年式) 約599~709万円

(2022年10月調べ)

最近のボルボ車は、徐々に人気が高くなっている。優れたデザインに加え、人気のSUVなので、XC60の中古車価格はやや高値となった。2018年式中古車価格は、新車価格の約67~71%になっている。やや高めといっても、国産車より値落ち率は大きいので買い得感がある。
おすすめはディーゼル車のD4系で、スポーティな内外装のRデザインだ。乗り心地のよいインスクリプションのエアサスペンションを装着した、より贅沢な仕様だ。車両価格は少し上がるものの、満足度はより高くなる。

2代目フォルクスワーゲン ティグアン

2代目フォルクスワーゲン ティグアン
買い得感なし。しばらく様子をみたい

2代目フォルクスワーゲン ティグアンの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。

車種 中古車相場 新車価格
ティグアンTDI系 約350~440万円(2019年式) 約409~524万円

(2022年10月調べ)

2代目フォルクスワーゲン ティグアンの中古車相場は、高値を維持している。高年式である2019年式の中古車価格は、新車価格の約84~86%とあまり下がっていない。中古車としては、まだ買い得感はない。徐々に中古車価格が下がると思われるが、今は買い時ではないので、しばらく様子をみた方がよい。

燃費比較

アルファロメオ ステルヴィオ

アルファロメオ ステルヴィオ
パワフルで低燃費な2.2Lディーゼルエンジン

ステルヴィオと、ライバル車であるBMW X3ディーゼル車、マツダCX-5の燃費は以下の通りだ。

車種 燃費
ステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4 16.0km/L(WLTCモード)
X3ディーゼル 14.5km/L
CX-5 16.6km/L

アルファロメオ ステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4の燃費は、4WDの中ではなかなか優秀だ。出力でやや下回るBMW X3のディーゼル車や、マツダCX-5の燃費に迫る燃費値で、高い環境性能といえる。

BMW X3

BMW X3
やや物足りない燃費値

X3と、ライバル車であるメルセデス・ベンツGLC、マツダCX-5の燃費は以下の通りだ。

車種 燃費
X3 xDrive 20d系 14.5km/L(WLTCモード)
GLC 15.1km/L
CX-5 16.6km/L

X3 xDrive 20d系の燃費性能は、やや物足りない。メルセデス・ベンツGLCや、マツダCX-5の燃費とは大きな差が付いた。燃費値だけでは、選びにくいモデルだ。

初代メルセデス・ベンツ GLC

初代メルセデス・ベンツ GLC
PHEVの350eと比べても燃料費が激安!

初代GLCと、ライバル車であるBMW X3、マツダCX-5の燃費は以下の通りだ。(WLTCモード)

車種 燃費
初代GLC220d 4マチックスポーツ 15.1km/L
X3 14.5km/L
CX-5 16.6km/L

初代GLCの燃費性能は、クラス平均的な燃費値となった。BMW X3には勝っているものの、マツダCX-5には届いていない。

PHEVのハイブリッド燃費で比べても燃料費は、大きな差になる。例えば、初代GLCのPHEVである350e(PHEV)と、GLC220d(ディーゼル)がそれぞれ1,000kmカタログ値で走行した場合の燃料費は、大差が付いた。

車種 燃費 1Lあたりの燃料費 1,000km走行時の燃料費
GLC220d(ディーゼル) 15.1km/L 145円/L(軽油) 約9,600円
GLC 350e(PHEV) 12.4km/L 175円/L(ハイオク) 約14,100円

2代目ボルボ XC60

2代目ボルボ XC60
クラス平均レベルの燃費値

2代目XC60と、ガソリンの2.0Lターボエンジンを搭載したT5系の中古車相場は以下の通りだ。(JC08モード)

車種 燃費
XC60 D4系 16.1km/L
XC60 T5系 12.6km/L

XC60のディーゼル車であるD4系の燃費は、クラス平均の数値だ。T5系の燃費とは大きな差が付いている。
ガソリン車はハイオク仕様なので、ディーゼル車が使う軽油より30円/L前後高い。燃費がよく燃料費が安いディーゼル車は、長距離走行が多い人にはピッタリだ。

2代目フォルクスワーゲン ティグアン

2代目フォルクスワーゲン ティグアン
クラストップレベルの燃費値

2代目ティグアンと、ティグアンに1.4Lターボを搭載したモデルの燃費は以下の通りだ。(JC08モード)

車種 燃費
2代目ティグアンTDI系 17.2km/L
2代目ティグアン1.4Lターボ 16.3km/L

2代目ティグアンのTDI系の燃費は、このクラスではトップレベルだ。これは、ライバル車より少し出力が抑えられていることも要因のひとつだ。

1.4Lターボを搭載したガソリン車の燃費もなかなか良好で、燃費差は小さい。
「ならば、新車価格の安価なガソリン車」という選択を検討するかもしれない。だが燃料費は大きく異なる。ティグアンのガソリンは、ハイオクガソリンを使う。軽油は、ハイオクガソリンより30円/L前後も安価だ。燃料費という視点では、大きな差になる。

走行性能比較

アルファロメオ ステルヴィオ

アルファロメオ ステルヴィオ
走る楽しさを後押しするクイックなハンドリング

ステルヴィオのステアリングギヤレシオは、かなりクイックだ。わずかなステアリング操作にも、車体は機敏に反応する。タイトなカーブが続く山道は、まさにステルヴィオの独壇場であり、カーブを次々と軽快に走り抜けていく。走る楽しさを分かりやすくドライバーに伝えてくれる。ただ、慣れるまでは少々扱いにくいと感じるかもしれない。

2.2Lディーゼルエンジンの出力は、210ps&470Nmだ。このクラスでは、トップレベルの出力を誇る。レヴリミットまで、軽快に回るエンジンだ。

BMW X3

BMW X3
絶妙な走る楽しさを演出する後輪駆動ベースの4WD

X3の2.0Lディーゼルエンジンは、190ps&400Nmを発揮する。数値そのものは平均的だ。
このディーゼルエンジンは、まるでガソリン車のようにストレスなく回る。さすがBMWだ。ディーゼルエンジンであっても、ついエンジンを回したくなる気分にさせる。

X3の4WDは、基本的にFR(後輪駆動)で走る。後輪が滑りそうなレベルに達すると、フロントタイヤにトラクションがかかる仕組みだ。上質なステアリングフィールはそのままに、アクセルを踏むとグッと後輪に駆動力がかかる。アクセル操作でクルマの向きを変えられるのだ。
BMWは、SUVであっても前後重量配分50:50にこだわっている。カーブでは、クルマの中心に自分がいる感覚になり、クルマとの一体感によって、走りがより楽しくなる。

初代メルセデス・ベンツ GLC

初代メルセデス・ベンツ GLC
スポーティな走行性能

メルセデス・ベンツGLCは、セダンのCクラスをベースにしたSUVだ。Cクラスはアジリティ(俊敏性)をテーマに開発され、スポーツセダンのような個性にシフトしている。GLCもそれに合わせ、かなりスポーティな走行性能となった。
特にステアリング操作に対する車両の反応は、背の高いSUVとは思えないほどクイックだ。車体の傾きもシッカリと抑え、4WDの4マチックの駆動力を上手く使う。グイグイ曲がり、グリグリ加速するのだ。BMW X3に近いスポーツ性を持ったSUVだ。

搭載された2.2Lディーゼルターボエンジンの出力は、170ps&400Nmだ。出力は高いレベルではないものの、低めのエンジン回転数で最大トルクを発揮するので、運転しやすく力強い加速感がある。

2代目ボルボ XC60

2代目ボルボ XC60
全幅1,900mm! 狭い場所では注意が必要

XC60 D4系に搭載されたのは、2.0Lのディーゼルターボエンジンだ。190ps&400Nmの出力は、このクラスの平均レベルである。と言っても、最大トルクはガソリン自然吸気エンジンに換算するとV8 4.0L級なので、とても力強い。
ハンドリングもクイックでもなくダルでもない、よい塩梅でリラックスして走ることができ運転もしやすい。

XC60の全幅は1,900mmもある。狭い道では、かなり気を使う。最小回転半径は、5.7mとクラス平均レベルだが、全幅がワイドなので横幅の狭い駐車では乗り降りも注意が必要だ。

2代目フォルクスワーゲン ティグアン

2代目フォルクスワーゲン ティグアン
高速道路での実燃費が良好

2代目フォルクスワーゲン ティグアンに搭載された2.0Lディーゼルターボエンジンの出力は、やや控えめな150ps&340Nmだ。とにかく力強いというわけではないが、ガソリン車よりはパワフルだ。

ティグアンTDI系の燃費は、17.2km/L(JC08モード)と優秀だ。高速道路に入ると、実燃費で楽々20.0km/Lを超えてくる。高速道路での低燃費性能は、さすが欧州車といえる。

気になるのは、市街地走行だ。7速DSGのため、どうしてもターボエンジンの特有のターボラグが分かりやすく伝わる。少しギクシャクする点や、アクセル操作に対するレスポンスの物足りなさを感じる。

乗り心地比較

アルファロメオ ステルヴィオ

アルファロメオ ステルヴィオ
乗り心地は良好だが、小回りは超苦手

ステルヴィオの乗り心地は、低速域でややタイヤのゴツゴツ感がある。だが中速域になると、しなやかさが増してくる。60km/hを超えてくると、硬めだが快適な乗り心地を味わえる。

注意したいのは、6.0mもある最小回転半径である。FR(後輪駆動)ベースとは思えないほど大きなこの数値は、滅多に見ることがない。
小回りは苦手なので、狭い駐車場では慎重に運転する必要がある。

BMW X3

BMW X3
硬いが乗り心地は抜群!?

X3のMスポーツには、スポーツ系の専用サスペンションが装備されている。乗り心地の硬いサスペンションなので、低速で路面の凸凹を通過するとゴツゴツとしたショックが伝わってくる。ところが少し速度が上がると、大きな凸凹の連続でも、路面追従性がよくスタスタと何事もなかったように走るのだ。
柔らかい乗り心地が好きな人には違和感があるかもしれないが、乗り心地のレベルはかなり高い。

初代メルセデス・ベンツ GLC

初代メルセデス・ベンツ GLC
乗り心地重視の人にはおすすめできない

初代GLCの乗り心地は硬い。ステアリング操作に対し、応答性の高いハンドリングをもつことも要因だ。
低速から中速域までは、路面の凹凸をゴツゴツと伝えてくる。高速域になると少し落ち着いた乗り味になるが、基本的に硬い。
SUVに快適性を求める人には、あまりおすすめできるとは言い難い。むしろX3 Mスポーツの方が乗り心地はよいと感じた。

2代目ボルボ XC60

2代目ボルボ XC60
乗り心地重視なら、18インチホイール&エアサス装着車を選びたい

ボルボは、デザイン面を意識して、大きいホイールを履きたがる傾向が強い。この選択が、時々乗り心地の悪化に繋がっている。
初期のXC60 D4系は、グレードにより18インチと19インチのホイールが設定されている。19インチタイヤ装着グレードの乗り心地は、硬くゴツゴツとした感覚が強い。対する18インチモデルは、こうした乗り心地が少し緩和されている。

乗り心地重視なら18インチでエアサス装着車がよい。後期モデルは、こうした硬めの乗り心地が、やや緩和された。

2代目フォルクスワーゲン ティグアン

2代目フォルクスワーゲン ティグアン
快適性も含めDCC付きモデルがおすすめ

2代目ティグアンのスポーティグレードであるRラインは、19インチホイールを履く。硬めの乗り心地に加え、19インチホイールを履いていることから、少しタイヤのゴツゴツ感が伝わってくる。だが乗り心地が悪いというレベルでは無い。
乗り心地を重視するのであれば、18インチホイールを履いたハイラインがおすすめだ。

オプションのDCCが装備されている車両はさらにお勧めだ。はDCCアダプティブシャシーコントロールのことで、走行モードにより乗り心地も変わる。快適性を追求するのであれば積極的に装備したい。

内外装・デザイン比較

アルファロメオ ステルヴィオ

アルファロメオ ステルヴィオ
デザインだけで欲しくなるほど魅力的なモデル

ステルヴィオは、個性的なフロントフェイスを持つ。ひと目でアルファロメオを分かる盾型のグリルをベースに、ツリ目で奥行きのあるヘッドライトが組み合わされている。
短いフロントオーバーハングに張りの強い筋肉質な面をもつボディなど、「カッコいいSUV」の要素をたくさん取り入れながら、見事なまでに調和させている。

インテリアは、とても情熱的だ。
アナログメーターや小さなモニターは古さを感じさせる。だがダッシュボードのラインや、ドアトリムのデザインなどは、優雅で滑らかだ。とても美しくワクワクする空間を生み出している。
デザインだけで欲しくなる。そんなモデルがステルヴィオだ。

BMW X3

BMW X3
安心・安定のいつものデザイン

X3のデザインには、いつものBMWらしい手法が使われた。伝統のキドニーグリルを中心に、睨みのきいたヘッドライトを組み合わせている。安心感があり、外すことは無いが、面白みに欠けるとも言える。
インテリアも同様だ。いつものBMWらしさを求めているのであればおすすめしたい。デザインコンシャスな人には、物足りないデザインかもしれない。

初代メルセデス・ベンツ GLC

初代メルセデス・ベンツ GLC
メルセデスらしい、彫の深い迫力系フェイスは好感度大!

初代GLCのフロントフェイスは、彫が深く、押し出し感がある。まさにメルセデス・ベンツのモデルらしい。
ワイド感とボリューム感のあるリヤビューは塊感があり、安定したシルエットを生み出している。SUVらしいタフネスさもあり、今でもあまり古さを感じさせない。

しかし、インパネ周りのデザインは少し古さを感じさせる。
現在のモデルは、大きなモニターを使いデジタル系コックピットが主流となっている。対するGLCはモニターが小さい。だがセンターコンソールにあるダイヤル式コントローラーは、タッチパネル式より扱いやすい。

2代目ボルボ XC60

2代目ボルボ XC60
唯一無二のデザイン性

ボルボは輸入車の中でもスウェーデンのメーカーということもあり、デザインは特徴的だ。2代目XC60はXC90シリーズの新世代デザインが引き継がれスポーティな印象を与えつつも上品な仕上がりになっている。
インテリアは木目パネルや上質なメタルのデコレーションによって高級感がある。SUVのスポーティさに加え、落ち着いた上質感を求める人におすすめのデザインだ。

2代目フォルクスワーゲン ティグアン

2代目フォルクスワーゲン ティグアン
利便性の高いデジタルメータークラスター付き車両がおすすめ

2代目ティグアンは、無駄を廃したシンプルな機能美に、SUVらしいタフネスさと迫力も兼ね備えた秀逸なデザインをもつ。

全長4,500mmというコンパクトなボディながら、全幅は1,860mmとかなりワイドだ。このワイドなボディが力強さを生み出している。
その一方で、狭い道の多い日本では、すれ違いなどでやや気を使う。最小回転半径は5.4mであることに加え、全長が短いため、まずまずの使い勝手といえる。

ティグアンのインテリアは、エモーショナルな部分を感じさせないインパネデザインが特徴だ。完成度が高いため、古さを感じさせない。
グレードによって異なるが、デジタルメータークラスター付きモデルは視認性や利便性が高いので、おすすめしたい。

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員