国産セダン

安全なクルマ ランキング2021

安全な国産セダンを選ぶポイント

国産セダンといっても、車両価格は幅広い。
レクサスLSのような1000万円をオーバーするモデルから200万円前後のものまで様々だ。

ハイクラスの車種は、以下に挙げる最先端技術を搭載している。

  • レジェンド ホンダセンシング・エリート…日本初の自動運転レベル3を実現
  • レクサスLS、スカイライン…自動運転レベル2のハンズオフ機能を搭載

この他のセダンもかなりレベルの高い予防安全装備を得て、機能差が無くなってきている。
全体的にレベルの高いカテゴリーだ。

上記を踏まえ、2021年現在の安全な国産セダンを5選、ランキング形式でお伝えする。

BEST.1

ホンダレジェンド ホンダセンシング・エリート

ホンダ レジェンド ホンダセンシング・エリート

レジェンド ホンダセンシング・エリートは、2021年3月に発売された。
国土交通省が初めて自動運転レベル3の認可をした、ホンダのフラッグシップセダンである。

このモデルは、フロントセンサーカメラ ×2、 ライダーセンサー ×5、レーダーセンサー ×5と多くのセンサー類を装備している。
さらに3次元の高精度地図や、全球測位衛星システム(GNSS)の情報を用いることで、自車の位置や道路状況を把握することが可能となった。

自動運転レベル3は、条件付自動運転車(限定領域)と呼ばれている。
この自動運転レベル3が可能となるのは、自動車専用道での「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」使用時だ。

この機能が作動しているときは、システムがドライバーに代わってすべての運転操作を行うことができるようになる。
従来の自動運転レベル2はハンズオフ機能のみだったが、自動運転レベル3ではアイズオフがOKとなっている。
つまり、「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」作動時には、車内のモニターで映画を見たり、スマートフォンの操作も可能ということだ。
もちろん、クルマ側からドライバーに運転要求があれば、即座に対応しなければならないということが前提である。

ただ、残念なのは100台限定でリース販売のみとなっていて、多くの人が乗れるクルマではないことだ。

自動ブレーキは、歩行者と自転車の検知が可能だ。
他にも以下のような予防安全機能が標準装備されているため、360°の安全を確保できる。

  • 誤発進抑制
  • 車線維持機能
  • 後側方車両接近警報
  • 後退時車両接近警報

また、自動運転レベル3の「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」の他、「ホンダパーキングパイロット」も装備。
これは縦列駐車や並列駐車をより簡単、スムーズに行えるようになる運転支援機能だ。
ステアリングやアクセル、ブレーキ、シフト操作を自動で制御し、駐車時の運転を支援してくれる。

BEST.2

レクサスLS

レクサス LS

レクサスLSには「レクサスセーフティシステム+A」という予防安全装備パッケージが搭載されている。
全車に標準装備されており、ミリ波レーダー+ステレオカメラ方式を採用しているのが特徴だ。

他のレクサス車のほとんどが単眼カメラ+ミリ波レーダーの組み合わせなので、ほぼLS専用の予防安全装備パッケージといえる。

このシステムのユニークなところは、3点ある。

  1. 自動ブレーキ…歩行者、自転車を検知し衝突回避・被害軽減する
  2. アクティブ操舵回避支援…システムが自車線内で衝突を回避できると判断した場合、ステアリング操作を支援し衝突回避する
  3. 対向直進車や横断歩行者の検知…衝突回避・被害軽減する

特に③は頻繁に起きる事故パターンの衝突リスクを低減してくれる機能といえる。
交差点右折時に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知できるからだ。

また、高度運転支援技術である「レクサスチームメイト」が採用されているのも大きな特徴だ。
ここでは「レクサスチームメイト」が可能にした3つの技術を厳選して解説する。

1つ目の技術は、ドライバーが無操作状態を継続している場合、自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援するものだ。
たとえば病気などで意識がなく、ドライバーが操作不可能とシステムが判断すると、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車してくれる、といった具合だ。
これは高速道路上で車線維持走行をする、レーントレーシングアシスト(LTA)の制御中に作動する。
さらに停車後は、ドアの解錠やヘルプネット自動接続による救命要請も行ってくれる。
高齢化が進む日本において、非常に大きなメリットになる予防安全装備だ。

2つ目の技術は、アドバンストドライブというテクノロジーである。
これは自動運転レベル2相当となる運転支援機能で、2021年に発売予定だ。
自動車専用道路での運転において、ドライバー監視のもと、システムが認知、判断、操作を支援してくれる。
これにより車線・車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを実現し、部分的にハンズオフが可能となる。

3つ目の技術は高度駐車支援技術である、アドバンストパークだ。
簡単な操作でハンドリングやシフトチェンジまで、クルマが支援してくれる。
ほぼ自動駐車となるこの機能は、駐車が苦手な人にとっては安全性がかなり高まるだろう。

「レクサスチームメイト」の機能の一部は、ソフトウェアアップデートを活用することで、顧客の手に渡った後も機能の追加、性能向上を続ける。
安全性が日々進化するクルマなのだ。

レクサスLSは、フラッグシップセダンということもあり、他のレクサスやトヨタ車には無い予防安全装備・運転支援機能が満載である。
非常に安全性の高いクルマに仕上がっている。

BEST.3

レクサスIS

レクサス IS

レクサス車には、共通した予防安全装備「レクサスセーフティシステム+」が標準装備化されているが、車種により機能が微妙に違う。
レクサスISに搭載された「レクサスセーフティシステム+」は、2020年11月の大幅なマイナーチェンジで最新仕様へとアップデートされている。

「レクサスセーフティシステム+」は、従来通り単眼カメラとミリ波レーダーの組み合わせである。
自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応している。
交差点右折時に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になった。
こうしたよくある事故パターンに対応することで、より安全なクルマに進化している。

マイナーチェンジ時に緊急時操舵支援機能も加わった。
この機能は、ドライバーの回避操舵があったとき、システムが操舵支援を行い衝突の回避や車線逸脱抑制を行ってくれるものだ。
これはシステムが以下の条件を満たしたと判断をした場合に作動する。

  • このままだとクルマが歩行者、自転車運転者、車両と衝突する可能性が高い
  • 自車線内に回避するための十分なスペースがある

ドライバー異常時対応システムは自損加害事故の回避・事故被害低減を支援してくれるものだ。
これは高速道路上などで車線維持機能が作動中に、ドライバーの無操作状態が継続した場合に作動する。
音と表示と緩減速による警告でドライバーに操作を促し続ける他、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車してくれる。
停車後は、ドア解錠やヘルプネット自動接続し救命要請も行い、早期のドライバー救命・救護を支援する。
特に高齢ドライバーにとって、もしものときに頼りになるシステムだ。

レクサスISは、その他にも2020年現在で考えられる安全装備が、ほぼ標準装備化されている。
こうした理由から、安全性の高い仕様のクルマといえる。
残念なのは、パノラミックビューモニターが全車オプションとなっている点だ。
パノラミックビューモニターは車両のカメラ映像を加工し、俯瞰から見た映像に置き換え死角を無くす機能である。
軽自動車にも標準装備したモデルがあることを踏まえると、高級車のレクサスISには標準装備化してほしいところだ。

BEST.4

トヨタクラウン/カムリ

トヨタ クラウン/カムリ

トヨタ クラウンとカムリには「トヨタセーフティセンス」という予防安全装備パッケージが搭載されている。
単眼カメラ+ミリ波レーダーの組み合わせに変化はないが、機能は大幅に向上し高級車に相応しいレベルの安全装備となった。
これはレクサスISに搭載されている「レクサスセーフティシステム+」とほぼ同じレベルである。

自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に加え、交差点右折時の対向直進車と右左折時の対向方向から横断してきた歩行者も検知可能とした。
実際に多い事故形態に合わせた機能が追加されたため、よりクルマの安全性は高まったといえる。

さらに、緊急時操舵回避支援機能もプラスされた。
これは以下の3つの条件を満たした際に作動する、システムが操舵支援や車線逸脱抑制などを行ってくれる機能だ。

  1. 歩行者や自転車などと衝突の危険が高い
  2. 自車線内に回避スペースがある
  3. ドライバーの回避操舵がある

レクサスISと同様、用意されている予防安全装備や運転支援機能は十分だ。
安全運転が可能なクルマに仕上がっているといえる。

ただ、レクサスISと異なるのは、一部がオプションになっているところだ。
オプションになっている主な機能を2点、紹介する。

1点目は、後側方車両接近警報(BSM)やリヤクロストラフィックオートブレーキなどだ。
クラウンRS-B系にオプション設定で標準装備化されていない。
カムリのXグレードでは装備不可だ。

2点目は、パノラミックビューモニターである。
これは、車両のカメラ映像を加工し、クルマを俯瞰から見た映像に置き換え死角を無くす機能だ。
クラウンでは全車オプション、カムリのXグレードでは装備不可となっている。

こうしたオプションは、使用頻度が高く頼りになる機能なので、標準装備化されていないのが惜しいところだ。
積極的に選択したいオプションともいえる。

この他、トヨタ ミライもクラウンなどと同等レベルの予防安全装備を誇る。
気になる人はチェックしてみてほしい。

BEST.5

日産スカイラインハイブリッド

日産 スカイラインハイブリッド

ベスト5以下は、大きな差はない。
今回ピックアップしたのは日産スカイラインハイブリッド。
予防安全装備とはやや異なるが、自動運転レベル2の中でも、自動運転レベル3に近い高速道路上でのハンズオフを可能としているからだ。

ハンズオフ機能を有するモデルは、スバル レヴォーグなどもあるが、渋滞時など速度が低いときだけに限定される。
しかし、スカイラインハイブリッドに搭載されたプロパイロット2.0は、高速道路上の通常走行でもハンズオフを可能としている。
この機能を装備しているのはスカイラインハイブリッドのみで、ガソリン車には搭載されていない。

自動ブレーキは、昼間の歩行者のみ検知可能だ。
夜間の歩行者や自転車には非対応なので、少々物足りない部分でもある。

ただし、対車両の機能ではインテリジェント FCW(前方衝突予測警報)を装備している。
2台前を走る車両を監視し、前方の状況の変化を検知するとドライバーの注意を喚起。
ブレーキの踏み遅れによる玉突き事故の回避を支援してくれる。

また、スカイラインハイブリッドには、インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)が標準装備化されている。
車両に装着されたカメラの映像を加工し、俯瞰から見た映像に転換する機能だ。
これにより死角を減らし、不用意な衝突を避ける機能をもつ。
しかも、車両に近づく歩行者など移動物を検知するので、より安全運転が可能になる。

その他、後側方車両接近警報・衝突防止支援や後側方車両接近警報など、360°で衝突を回避する予防安全装備を標準装備化、安心して乗れる装備になっている。

スカイラインハイブリッドは、どのグレードでも同じ安全性能をもっており、オプション選択する必要がない。
すべての安全装備が標準装備化されている点は好感がもてる。

まとめ

セダンモデルは、高級車が中心ということもあり、フルモデルチェンジしたモデルやマイナーチェンジなどをしたモデルは、高いレベルの予防安全装備を得ている。
逆に、モデル末期で改良が行われていないモデルは、やや物足りない仕様になっている。

全般的にトヨタの予防安全装備である「トヨタセーフティセンス」や、レクサスの「レクサスセーフティシステム+」は、他社より高機能といえる。
ところが、同じ予防安全装備の名称であっても、マイナーチェンジや改良のタイミングによって性能は大きく異なるので注意が必要だ。

安全な車を選択するポイントは、自動ブレーキの機能差だ。
交差点右折時の対向直進車と、右左折時の対向方向から横断してきた歩行者も検知可能か否かが分かれ目だ。
やや古いバージョンのトヨタセーフティセンスは検知できないモデルである。
安全性をより重視するのであれば、こうした機能の有無をチェックして選択したい。

安全装備比較表

  • …全車標準装備
  • …一部標準装備または一部オプション
  • ×…標準装備なし
ホンダレジェンド ホンダセンシング・エリート レクサスLS レクサスIS トヨタクラウン トヨタカムリ 日産スカイラインハイブリッド
対車両自動ブレーキ

歩行者検知式自動ブレーキ

ブレーキ踏み間違い衝突防止アシスト

一部グレード
オプション

サイドエアバック

カーテンエアバッグ

車線逸脱警報

車線維持支援

後側方車両検知警報

一部
グレード
オプション
設定

一部
グレード
オプション
設定

一部
グレード
装着不可

後退時後方車両接近警報

一部
グレード
オプション
設定

一部
グレード
オプション
設定

一部
グレード
装着不可

オートマチックハイビーム

一部
グレード
装着不可

※安全装備の詳細は各車メーカー公式サイトをご確認ください。

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