目次
中古国産コンパクトカーの評価ポイント
日本のコンパクトカーのカテゴリーは、トヨタ アクアや日産ノートなどのBセグメントがメインだ。ただし、Bセグメントより少し小さいAセグメントや、やや大きいCセグメントも含まれる。
今回はBセグメントのコンパクトカーを中心に、AセグメントのCセグメントのモデルも考慮して評価した。
評価の基準は、燃費や使い勝手、走行性能や予防安全性能などを含んだ総合力を重視した。コンパクトカーは、軽自動車のように毎日使う生活の道具という面も強いからだ。
中古車なのでコスパにも注目している。
ランキング車選定での補足は以下の2点だ。
*中古車なので、買い得感を重視。デビューから3年以上経過しているモデルから選択した。
*マツダ アクセラを除き、すべてハイブリッド車のみの評価とした。マツダ アクセラは、ディーゼル車のみの評価でガソリン車は含まない。
中古国産コンパクトカー おすすめランキング ベスト5
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3代目マツダ アクセラスポーツ ディーゼル
コスパも高く、予防安全装備も満足できるレベル
3代目アクセラスポーツは、Cセグメントのハッチバックで、2013~2019年まで発売されたモデルだ。
最も高く評価したのは、小さなボディに2.2Lディーゼルエンジンを搭載した点だ。この2.2Lディーゼルエンジンは、420Nmもの大トルクを発揮する。アクセルをグッと踏み込むと、国産クラス最速といえるほどの強烈な加速力を誇る。スポーティなハンドリング性能と走りの楽しさは格別だ。ゆっくり走れば、かなりの低燃費性能を誇る。19.6km/Lという数値は、ハイブリッド車には敵わないものの、ガソリン車は圧倒する。走行性能と低燃費を両立した、数少ないモデルだ。
マツダ アクセラスポーツ ディーゼルの
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3代目ホンダ フィットハイブリッド
誰にでもお勧めできる万能コンパクト
3代目フィットハイブリッドは、2013年にデビューした。当時はアクアと並び、世界トップレベルの低燃費性能を競い合っていた。
アクアを上回るのは、室内や荷室の広さと使い勝手の良さだ。3代目フィットは、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用している。ガソリンタンクをフロントシート下付近に移動したことで、後席や荷室付近のスペースを効率よく使えるようになった。そのため、室内の広さや使い勝手、燃費などはクラストップレベルだ。
2017年マイナーチェンジ以降のモデルは、予防安全装備パッケージの「ホンダセンシング」も設定された。全方位で高いパフォーマンスを誇り、誰にでもお勧めできるコンパクトカーになった。
ホンダ フィットハイブリッドの
さらに、4代目フィットが登場したことにより、中古車価格もやや下落し、買い得感も出てきている。こうした部分を高く評価し2位とした。
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トヨタ カローラスポーツ
圧倒的総合力だが、中古車としてのコスパが・・・
カローラブランドの復活を掲げたトヨタが、最初に送り出したのが5ドアハッチバックのカローラスポーツだ。ボディサイズは従来のカローラよりも大きくなり、Cセグメントになっている。
カローラスポーツには、最新のGA-Cプラットフォーム(車台)が採用されている。低重心で高剛性、軽量なので走行性能はとても高いレベルにある。乗り心地も含め、総合力ではCセグメントコンパクトカーのナンバー1といえるほどの完成度だ。さらに、1.8Lハイブリッドシステムの超低燃費性能が加わっている。
安全装備も、この年代のモデルとしては高いレベルにあり安心だ。本来ならば、1位にしてもおかしくない総合力なのだが、中古車価格はあまり下がっておらず、中古車としてのコスパはやや下がるため3位とした。
トヨタ カローラスポーツの
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初代トヨタ アクア
後席はタイトだが、超低燃費の経済性などコスパが良好
初代トヨタ アクアは、2011年12月のデビュー直後から爆発的に大ヒットした。人気の理由は、当時世界トップレベルだった超低燃費性能にある。燃費は35.4km/L(FF、JC08モード)を誇る。世界中の自動車メーカーが驚愕したほどの燃費性能だった。
操縦安定性も高かった。大きく重い駆動用ニッケル水素電池を後席下付近に設置したからだ。爆発的に大ヒットしたモデルだったことに加え、約10年もの期間、販売されていた。結果、中古車流通量も非常に多いため選びやすく、中古車価格も安価傾向になっている。
本来なら、もう少し上の順位でもよいモデルだ。しかし、後席の狭さや乗り心地、インテリアの質感が少々物足りない。もうひとつのマイナス要因は、16インチホイール装着車の最小回転半径が5.7mとLクラスミニバン並みになっている点だ。
トヨタ アクアの口コミ・評価を見る
こうした部分を考慮して4位とした。 -
3代目スズキ ソリオハイブリッド
両側スライドドアをもち使い勝手のよいコンパクトカー
3代目ソリオは、Aセグメントのコンパクトハイトワゴンで、全長は3,710mmと短い。この小さなボディに両側スライドドアを装備し、利便性を高めている。
3代目ソリオハイブリッドは、2015~2020年に発売された。2015年のデビュー時にはマイルドハイブリッドのみだった。2016年に投入された、スズキ初となるストロングハイブリッドは、32.0km/L(FF、JC08モード)と優れた燃費値を誇った。
ライバル車であるトヨタ ルーミーにはハイブリッド車の設定はなく、1.0Lガソリン車の燃費は21.9km/L(FF、JC08モード)と大きな差になっている。優れた低燃費性能に加え、両側スライドドアドアの利便性も高評価だ。
スズキ ソリオハイブリッドの
そして4代目ソリオが登場し、3代目ソリオの中古車価格も下がり買い得感が出てきたことも評価し5位とした。
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中古国産コンパクトカー おすすめ の
5台を5項目で比較
中古国産コンパクトカーのおすすめ5台を価格、燃費・維持費、走行性能、乗り心地、デザインの5項目で評価した。燃費・維持費や走行性能も優れた車種が多いコンパクトカー。中古車では価格比較と同時に装備面やデザインでどのグレード、年式を選ぶかの参考にして欲しい。
価格比較
3代目マツダ アクセラスポーツ ディーゼル

やや高めの中古車ながら、コスパは良好
3代目アクセラスポーツ ディーゼルの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。
車種 | 中古車相場 | 新車価格 |
---|---|---|
アクセラスポーツ ディーゼル | 約160~200万円(2017年式) | 約278~309万円 |
(2022年10月現在)
3代目アクセラスポーツ ディーゼルの中古車価格は、やや高めだ。中古車価格は、新車価格の58~65%となっている。
少しマニアックなクルマとして人気があるモデルであることや、中古車流通量が少ないことも影響している。中古車としてはまずまずのコスパといえる。
おすすめは2016年の大幅改良後のモデルだ。歩行者検知式自動ブレーキなどが装備され、予防安全性能も一定レベルに達している。
おすすめグレードは、最上級グレードのXD Lパッケージだ。本革仕様で装備も充実しており、満足度は高い。しかし、中古車価格は高くなり200万円近くなる。
予算重視なら、XDプロアクティブでも十分な装備だ。このグレードには本革シートは無いが、BOSEサウンドシステムや純正ナビが付いていれば、さらにおすすめだ。
3代目ホンダ フィットハイブリッド

装備面も考えると2017年式以降がおすすめ
3代目フィットハイブリッドの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。
車種 | 中古車相場 | 新車価格 |
---|---|---|
フィット ハイブリッド | 約110~170万円(2018年式) | 約170~237万円 |
(2022年10月現在)
3代目フィットの2018年式中古車相場は、約110~170万円とやや幅が広い。新車価格に対して、65~72%にまで価格を下げている。新車価格の70%以下であれば、中古車としてメリットのある価格といえる。
おすすめは、2017年のマイナーチェンジ後だ。このモデルから、歩行者検知式自動ブレーキをセットにした予防安全装備パッケージ「ホンダセンシング」が設定されている。
おすすめグレードは上級グレードのSホンダセンシングだ。中古車相場は、130~170万円である。新車価格が約221万円 だったので、新車価格の59~77%にまで価格が下がっている。新車価格の70%だとやや高めなので、150万円以下で買えればよい買い物といえるだろう。さらに、純正ナビが装備されていれば、お買い得だ。
2017年のマイナーチェンジよりも前のモデルになると、グッと価格が落ちる。2016年式の中古車相場は70~120万円位となる。安価だが、歩行者検知式自動ブレーキなどが装備されていないのでお勧めしない。
トヨタ カローラスポーツ

中古車相場は高め。新車価格80%以下がお買い得
カローラスポーツの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。
車種 | 中古車相場 | 新車価格 |
---|---|---|
カローラスポーツ | 約180~260万円(2019年式) | 約242~269万円 |
(2022年10月現在)
カローラスポーツは、それほど販売台数が多いクルマではないため、中古車相場はやや広い。カローラスポーツの中古車価格は、新車価格の約74~97%となった。2019年式と高年式なので仕方のない部分があるが、中古車価格としては高値といえる。
おすすめの最上級グレードGZの新車価格は、約269万円だ。中古車相場は、約210~260万円である。新車価格の約78~97%と、さらに高値になっている。なるべく、新車価格の80%以下を狙いたい。
カローラスポーツは、最上級グレードでもオプション装備が多い。そのため、より多くのオプションが装備してあり、中古車相場が安価なモデルが見つかればベストだ。
おすすめオプションは以下の通りだ。
- AVS(サスペンションの減衰力制御ができる)
- インテリジェントクリアランスソナー
- リヤクロストラフィックオートブレーキ[パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)]+ブラインドスポットモニター[BSM]
初代トヨタ アクア

やや高値維持だが、安価な価格帯の車両なら買い得感あり
初代アクアの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。
車種 | 中古車相場 | 新車価格 |
---|---|---|
初代 アクア | 120~180万円(2018年式) | 179~208万円 |
(2022年10月現在)
アクアの中古車価格は、新車価格の約67~87%となっている。2018年式の最終モデルであることから、中古車価格はやや高めだ。お買い得といえるラインは、新車価格の75%以下だ。
おすすめの年式は2018年の改良後モデルだ。この改良で、アクアに歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」が設定された。
この年式のアクアは、最上級グレードのGでも安全装備が物足りない。サイドエアバッグやインテリジェントクリアランスソナーが装備されている車両がおすすめだ。
中間グレードのSとエントリーグレードのLは、トヨタセーフティセンスがオプション設定だった。このグレードを購入する場合、トヨタセーフティセンスが装備されているか必ずチェックしておきたい。
3代目スズキ ソリオハイブリッド

おすすめはモデルチェンジ直前の2020年式
3代目ソリオハイブリッドの中古車相場と新車価格は以下の通りだ。
車種 | 中古車相場 | 新車価格 |
---|---|---|
3代目ソリオハイブリッド | 約130~180万円(2020年式) | 約173~222万円 |
(2022年10月現在)
3代目ソリオの中古車は、2020年の高年式でも新車価格の75~81%位にまで価格が落ちている。この年式であれば、なかなか買い得感ある価格といえる。
約5年落ちとなる2017年式の中古車相場は、約110~150万円だ。2020年式と比べると、それほど中古車価格が下がっていない。
予算に少し余裕があるのなら、2020年式がお勧めだ。2018年のマイナーチェンジでは、歩行者検知式自動ブレーキが夜間の歩行者も検知できるようになっているなど、予防安全装備もバージョンアップしているからだ。
燃費比較
3代目マツダ アクセラスポーツ ディーゼル

ガソリン車と比べるとかなり経済的
3代目アクセラスポーツはディーゼルエンジンを搭載しており、燃料は軽油だ。軽油は、レギュラーガソリンより約20円/Lほど安い。一般的な維持費である燃料費視点でみると、ハイブリッド車に近くなる。ただ3代目アクセラスポーツ ディーゼルは、排気量が2.2Lと大きいので、燃料費は高めになる。
それでもガソリン車と比べると、かなり経済的だ。
3代目アクセラスポーツ ディーゼルと、3代目アクセラスポーツ ガソリン車の燃料費を比較してみた。
車種 | 排気量 | 1Lあたりの燃料代 | 燃費 | 1,000km走行時の燃料費 |
---|---|---|---|---|
アクセラスポーツ ディーゼル | 2.2L | 145円(軽油) | 19.6km/L(FF、AT、JC08モード) | 7,400円 |
アクセラスポーツ ガソリン | 1.5L | 165円(レギュラーガソリン) | 20.4km/L(JC08モード) | 8,100円 |
大きな差にはなっていないものの、2.2Lディーゼルの最大トルクは420Nm、1.5Lガソリンは144Nmと大差が付く。これだけの差がありながら、燃料費は1.5Lガソリン車より安価なので経済性は高い。
3代目ホンダ フィットハイブリッド

世界トップレベルの燃費値を争った超低燃費車
3代目フィットハイブリッドの燃費は、デビュー当時、トヨタ アクアと世界トップレベルの低燃費性能を競っていた。
維持費を軽自動車と比べると、自動車税などは軽自動車が大幅に安い。しかし燃料費を比較すると、フィットハイブリッドが圧倒的にリーズナブルだ。
ここで、フィットハイブリッドと軽自動車の初代ホンダN-BOXの燃料費を比較してみよう。双方レギュラーガソリンの1Lあたりの燃料代は165円として計算している。
車種 | 燃費 | 1,000km走行時の燃料費 |
---|---|---|
フィットハイブリッド | 37.2km/L | 4,400円 |
初代ホンダN-BOX | 25.6km/L | 6,400円 |
1,000kmで約2,000円の差ということは、10万km走ると20万円の差が付く。この差も維持費の一部だ。
トヨタ カローラスポーツ

輸入コンパクトカーと比べると、燃料費差が凄い!
カローラスポーツの燃費も世界トップレベルにある。
国産Cセグメントコンパクトカーで、ディーゼルエンジンを搭載したマツダ3ファストバックの燃費は19.8km/L(FF、WLTCモード)だ。燃料費が安いディーゼルエンジンでも、少し差が開くほど圧倒的だ。
高価なハイオクガソリンを使う輸入ガソリン車と比べると、その差はとんでもないことになる。
輸入Cセグメントコンパクトカーで、高い人気を誇っているのがフォルクスワーゲン ゴルフ。1.0Lターボのマイルドハイブリッド車だ。カローラスポーツと比較してみよう。
車種 | 排気量 | 1Lあたりの燃料代 | 燃費 | 1,000km走行時の燃料費 |
---|---|---|---|---|
カローラスポーツ | 1.8L | 165円/L(レギュラーガソリン) | 25.6~30.0km/L(FF、WLTCモード) | 5,500円 |
ゴルフ | 1.0L | 175円/L(ハイオクガソリン代) | 18.6km/L(FF、WLTCモード) | 9,400円 |
1万km走ると、燃料費差は約4万円になる。1.0Lのゴルフと1.8Lのカローラスポーツとでは、ゴルフの方が自動車税は安い。しかし、その差を埋めても燃料費差は大きい。維持費という面でも、ハイブリッド車は大きなメリットになる。
初代トヨタ アクア

現在でも高いレベルの燃費性能
アクアの燃費値は、現在でも高いレベルの燃費値といえる。燃費性能で心配することは何もない。まさに、ガソリン価格高騰時代におすすめしたいモデルだ。
アクアのようなBセグメントのコンパクトカーは、よく軽自動車と維持費などで比較される。確かに軽自動車の税金は安価で経済的だ。しかし燃料費で比較すると、圧倒的にアクアが勝る。2代目ホンダN-BOXと比較してみよう。ガソリン代は165円/Lとして計算する。
車種 | 燃費 | 1,000km走行時の燃料費 |
---|---|---|
アクア | 27.2km/L(FF、WLTCモード) | 6,100円 |
N-BOX | 21.2km/L(FF、WLTCモード) | 7,800円 |
1万km走行すると、燃料費差は17,000円にもなる。
3代目スズキ ソリオハイブリッド

ライバル車に勝る、燃費性能
3代目ソリオハイブリッドの燃費は以下の通りだ。
車種 | 燃費 |
---|---|
3代目ソリオハイブリッド(マイルドハイブリッド) | 27.8km/L(FF、JC08モード) |
3代目ソリオハイブリッド(ストロングハイブリッド) | 32.0km/L(FF、JC08モード) |
3代目ソリオハイブリッドには、マイルドハイブリッドとストロングハイブリッドがある。どちらも優れた燃費値で、ライバル車のトヨタ ルーミー、ダイハツ トールを大幅に上回っている。燃費で選ぶなら、間違いなく3代目ソリオハイブリッドといえる。
軽自動車で両側スライドドアをもつスズキ スペーシアの燃費は30.0km/L(FF、JC08モード)だ。マイルドハイブリッド車同士の燃費比較だと、スペーシアに対し3代目ソリオハイブリッドが負け、ストロングハイブリッドだと勝る結果となる。両車互角といったところだ。
走行性能比較
3代目マツダ アクセラスポーツ ディーゼル

切れ味鋭いハンドリングで、唯一無二の走行性能
3代目アクセラスポーツ ディーゼルの出力は、175ps&420Nmだ。自然吸気4.2L級のトルクを、わずか2,000回転で発生する。全長4,470mmという小さなボディに大トルクのエンジンが積まれているので、とんでもない加速力を誇る。このセグメントで、国産車最速レベルといえるほどだ。それだけでも価値がある。強大なトルクをもつモデルなので、よりしっかり駆動力がかかる4WD車がおすすめだ。
ハンドリングはシャープだ。重い2.2Lディーゼルエンジンを搭載しているので、フロントの重さは感じるが、マツダ車らしいキビキビ感は十分に感じる。静粛性も高い。
3代目ホンダ フィットハイブリッド

スポーティでパワフル
3代目フィットハイブリッドには、「SPORT HYBRID i-DCD」というハイブリッドシステムが採用されている。このシステムは1モーター式で、7速デュアルクラッチトランスミッションと組み合わされている。通常のミッションを介してフロントタイヤを駆動しているので、ダイレクト感あるアクセルフィールをもつのが特徴だ。
システム出力は137psと十分で、気持ちよく走ることができる。初代アクアのシステム出力が100psなので、パワフルさでは3代目フィットハイブリッドが勝る。
ハンドリングはややシャープで、コンパクトカーらしくキビキビ走る。だが操縦安定性面ではアクアが勝る。
走行性能面でも、2017年のマイナーチェンジ後のモデルがお勧めだ。ボディ剛性がアップしているので、よりドライバーの意思に忠実に走れるようになった。
トヨタ カローラスポーツ

基本性能の高さを感じる走行性能
カローラスポーツのシステム出力は140psと、十分なレベルに達している。
カローラスポーツの美点は、ハンドリングだ。適度にスポーティで、気持ちよく曲がる。後席下付近に駆動用ニッケル水素電池を搭載しているため、前後の重量バランスもよく、操縦安定性は高い。
カーブでは車体がそれなりに傾くのだが、ドライバーの視点があまりブレない。また、車体の傾きが穏やかで自然なので、ドライバーはフラットな姿勢で走っているような安心感がある。カローラスポーツは、こうしたクルマの基本性能が高い。
初代トヨタ アクア

高い操縦安定性で気持ちよい走りが可能
「初代アクアのようなエコカーには、楽しい走りはできない」と思っている人が多い。確かにシステム出力は100psと、それほどパワフルではない。だが高速道路などでも不満無く走行できる。
初代アクアの操縦安定性は、他のガソリン車よりも高いレベルにある。駆動用の大きく重いニッケル水素電池をリヤシート付近に設置したことで、前後の重量バランスが改善されているからだ。カーブではピタッと路面に張り付いたように安定し、よく曲がって気持ちよい。
さらに、走りの質を磨いたスポーティ仕様のG‘s、GRスポーツは積極的に選びたいグレードだ。
3代目スズキ ソリオハイブリッド

ストロングハイブリッド車のミッションは、ややクセ強め
3代目ソリオハイブリッドの全高は1,745mmと高いが、全幅は1,625mmと狭い。幅が狭くて背が高いというバランスの悪いディメンションだ。そのため重心高が高くなり、カーブではややフラフラした走りになりやすい。
こうした走行性能は、ソリオハイブリッドだけでなく、トヨタ ルーミーやダイハツ トールといったライバル車も同様だ。ライバル車と比較すると、ソリオハイブリッドの方が、わずかだが操縦安定性は高い。逆にソリオハイブリッドは、力強さの面では物足りなく感じる。
ストロングハイブリッドのSXとSZグレードのミッションは、ややクセがある。5AGS(5速オートギヤシフト)というミッションを搭載している。いわゆる自動変速の5速MTで、変速時に空走感が強めに出るので、乗り慣れないとギクシャクする。MTになれたドライバーなら上手く変速できるようになるが、誰にでもおすすめという訳にはいかない。
乗り心地比較
3代目マツダ アクセラスポーツ ディーゼル

硬めだが不快感はない
3代目アクセラスポーツ ディーゼルの乗り心地はやや硬めで、それなりに路面の凹凸が伝わってくる。ただ、角が取れたような柔らかさをもつ振動に変換されているので、不快なものではない。
リヤサスペンションはマルチリンク式を採用している。現行のマツダ3より、リヤサスペンションの突き上げ感は少ない。
3代目ホンダ フィットハイブリッド

マイナーチェンジ後なら良好な乗り心地
3代目フィットハイブリッドは、やや硬めのサスペンションセッティングになっている。スポーティな走りを重視しており、乗り心地は硬めだ。
2017年のマイナーチェンジでは、ボディ剛性がアップされ乗り心地も改善しつつ、スポーティな走りを実現している。初代トヨタ アクアより乗り心地は良好だ。
トヨタ カローラスポーツ

おすすめはAVS装着車
カローラスポーツのリヤサスペンションは、ダブルウイッシュボーン式が採用されている。
このクラスは、コストダウンのため、欧州メーカーもトーションビーム式などを採用しているケースが目立ってきている。しかし、トヨタは走りの質を重視し、ダブルウイッシュボーン式を採用している。そのためリヤサスから出るゴトゴト感はトーションビーム式よりもかなり軽減されていて、快適な乗り心地となっている。
オプションのAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)装着車は、サスペンションの減衰力を変更できる。コンフォートではソフトで快適な乗り心地、スポーツ+ではやや硬めのスポーティな乗り味に変更可能だ。同時に、ステアリングやエンジンもモードにより制御されている。
AVSが装着されている中古車は少ないが、装着された車両があれば積極的に選びたい。
初代トヨタ アクア

雑味の多い乗り心地
デビュー直後の初代アクアの乗り心地は、かなり出来が悪かった。サスペンションは、フリクションの塊のようで、あまり動かずゴトゴト、ドンドンとした振動を伝えてきた。
その後、2014年1回目のマイナーチェンジで改良された。さらに2017年2回目のマイナーチェンジでも改良され、徐々に乗り心地は改善された。劇的によくなったとはいえないものの、乗り心地を重視するのであれば2017年のマイナーチェンジ後がよい。
乗り心地がよいと感じたのは、最もスポーティなグレードGRスポーツ系だけだ。このモデルだけは別格といえる。
3代目スズキ ソリオハイブリッド

ライバル車より快適
3代目ソリオハイブリッドは、背が高く重心も高いので、カーブでは大きく傾き少しフラフラする傾向がある。そのため、サスペンションをやや硬めにすることで、安定感を出している。
やや硬めの乗り味といっても、路面の凹凸はそれなりに吸収しているので不快と感じるレベルではない。ただ、リヤサスペンションの突き上げ感は少々強めに出る。
ライバル車のルーミーやトールも同様に硬めな乗り心地といえる。だが、乗り心地や快適性は3代目ソリオハイブリッドが優勢だ。
内外装・デザイン比較
3代目マツダ アクセラスポーツ ディーゼル

古さを感じさせないインテリア
デビュー当時は、躍動感あるデザインだった。しかし2013年デビューのモデルなので、前期モデルはとくに古さを感じるようになってきた。
インテリアもモニターが小さいなど、古さを感じさせる部分は、確かにある。だが、飽きのこないシンプルなデザインとも言えるのは高評価ポイントのひとつだ。
Lパッケージのレザーシート装着車なら、質感もグッとアップするでおすすめだ。
3代目ホンダ フィットハイブリッド

好き嫌いがハッキリ出るデザイン
3代目フィットハイブリッドは、発売直後からリコールが続いたこともあり、販売は低迷した。
販売低迷要因のひとつとされていたのがデザインだ。ボディサイドから後方に向けて跳ね上がる強烈なキャラクターラインは、かなりユニークである。個性的ではあるものの、好き嫌いが明確になるデザインとなった。
このクラスは、多くの人に売るのが基本だ。好き嫌いが明確に出るデザインだと、販売面では厳しくなるというのは定説。ホンダはそれでも、個性を重視した。
インテリアも色々な要素がゴチャゴチャと組み合わされて、インパネ周りはかなり賑やかになっている。落ち着いた雰囲気があまり無いので、最初はカッコいいと思ってもすぐに飽きるタイプのデザインだ。
デザイン面では、クセの無い初代アクアの圧勝だ。しかし、アクアのインテリアは、やや質感が低い。
トヨタ カローラスポーツ

低重心で塊感あるシルエット
カローラスポーツの全幅は1,790mmと、国産車としてはワイドなディメンションとなっている。さらに低重心感も加わり、ドッシリとした安定感あるシルエットになっている。
低く抑えたフード、アッパーグリルから連続する切れ長のヘッドランプによりワイド&ローが強調されている。シャープなリヤコンビネーションランプなどにより、スポーティさをアピールしている。
インテリアは、奥行きと広がりのある開放感溢れるデザインだ。シルバーの加飾は、少々目立ち過ぎかもしれない。
シンプルなのはよい傾向だが、センターコンソールはあまりにサッパリし過ぎて、スポーツコンパクトカーなイメージとは合わない。
初代トヨタ アクア

大幅デザイン変更された2017年マイナーチェンジがおすすめ
2011年デビュー時の初期アクアのデザインは、さすがに古さを感じる。インテリアの質感も低い。
2017年2回目のマイナーチェンジでは、ヘッドランプやフード、フェンダー、バンパーなどのデザインが変更され、急激に洗練されたデザインとなった。このデザインであれば、今でも古さを感じない。デザインを重視するのであれば、後期の2017年2回目のマイナーチェンジ後モデルがおすすめだ。
インパネデザインは基本的に大きな変更はないものの、質感は大幅に向上している。デビュー時のデザインに感じたチープなプラスチック感は無くなって、上質感が出てきている。
3代目スズキ ソリオハイブリッド

幅広い層に支持されるデザイン
3代目ソリオは、幅広い層に親しまれるスタイリングのため、迫力重視のデザインが嫌いな人にはおすすめだ。
全体的にクリーンな印象が強く、ヘッドランプから連続性を持たせたメッキフロントグリルが特徴的だ。2段構えのLEDヘッドランプで、精悍さも感じさせる。
また、ワイド感を強調したエアロ形状のリヤバンパーによって、ドッシリとした視覚的安定感もある。