国産セダン

安全なクルマ ランキング2020

安全なセダンを選ぶポイント

国産セダンの価格帯は、レクサスLSのように1千万円オーバーのモデルから、200万円前後のモデルまで幅広くなっている。
基本的に、LSのような超高級車は卓越した予防安全性能を誇るのは当然だ。ただ、それ以外だと、それほど大きな予防安全装備の差が無くなってきている。

ランキングでは、やはり高額車両が上位を占める。コスト面から、高額車は高性能な装備を装着しやすい。
そんな中、カローラセダンが上位に入っている。これは、カローラセダンが2019年9月デビューという新型車で、最新の安全技術が投入されているからだ。

予防安全装備は、まさに日進月歩。少し前まで、高額車にのみ装備されていた予防安全装備が、今や当たり前の装備になっている。逆に、デビューが古いモデルなどは、かなり安全装備面で物足りなくなってきた。

今回、ランク外としているが、多少の差はあれスバル インプレッサG4やマツダ3セダン、ホンダ アコードなども高いレベルの予防安全性能を誇っている。

BEST.1

レクサスLS

レクサス LS

LSの自動ブレーキシステムは、ミリ波レーダー+ステレオカメラ方式を採用。このシステムは、ほぼLS専用といえるもの。
他のレクサス車やトヨタ車は、単眼カメラ+ミリ波を使う。カメラの数が多い分、LSの方が高コスト高性能ということになる。そのため、LSの予防安全性能は高い。

歩行者、自転車を検知し衝突回避・被害軽減する自動ブレーキの他に、自車線内で衝突を回避できるとシステムが判断した場合、アクティブ操舵回避支援を行う。車がステアリング操作を支援し、衝突を回避するシステムだ。
アクティブ操舵回避支援は、対歩行者の場合は約40km/h~65km/h、対ガードレールの場合は、約60km/h~80km/hで作動する。この機能は、エントリーグレードのみ非装着になる。

さらに、車線内の停車と救命要請を自動で行うドライバー異常時停車支援システムも搭載。
高速道路上で車線維持走行をするレーントレーシングアシスト(LTA)制御中、ドライバーの無操作状態が継続している場合、音と表示と緩減速による警告でドライバーに操作を促す。病気などで意識がなく、ドライバーが操作不可能とシステムが判断すると、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車する。
無操作状態による自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援するだけでなく、停車後は、ドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請も行い、早期のドライバー救命・救護に寄与システムになっている。高齢化社会においては、非常に大きなメリットになる予防安全装備だ。

その他、一般的になっている予防安全装備は、ほぼ標準装備。国産セダンの中でLSは、非常に高い安全性能を誇る。

BEST.2

レクサスES

レクサス ES

ESは、トヨタブランドと共通な単眼カメラ+ミリ波レーダーの組み合わせた自動ブレーキシステムを使う。夜間の歩行者と昼間の自転車を検知できる高性能タイプだ。

オプション設定なのだが、上下2段式アダプティブハイビームシステムも高性能だ。
対向車のヘッドランプや先行車のテールランプ、周囲の明るさを判別。ハイビームの照射範囲内に車両を検知すると、片側24個のLEDの点灯・消灯を制御する。
照射エリアと遮光エリアを細かく調整し、先行車や対向車に直接ハイビームを当てないように部分的に遮光。これにより、夜間は常にハイビームで走行することができ、早期の歩行者発見など夜間の安全運転に寄与する。

そして、ESのみの機能がデジタルアウターミラーだ。ドアミラーの代りにカメラを設置し、後方の映像を室内Aピラーの根元付近に設置された5インチのモニターで確認することができる。
視線の移動量はそれほど大きく変わらないが、雨や夜間の影響を受けにくいカメラを採用。自動で輝度調整するディスプレイにより、雨や夜間であってもすぐれた視認性を確保できる。さらに、表示エリアの拡大も可能だ。
従来のミラータイプでは、死角になっていた部分も確認できるので、より安全な走行に貢献する。

また、パーキングサポートブレーキ (後方歩行者)は、バックで出庫するなど、自車後方の歩行者の存在を、12.3インチワイドディスプレイ、およびリヤブザーでドライバーに知らせる機能だ。バックで歩行者と衝突する可能性が高いと判断した場合、自動 (被害軽減) ブレーキを作動する。バック時の歩行者検知&自動ブレーキするシステムをもつモデルは数少ない。

BEST.3

トヨタクラウン

トヨタ クラウン

クラウンに標準装備されている予防安全装備「トヨタセーフティセンス」は、単眼カメラ+ミリ波の組み合わせたシステムをもつ。
クラウンは、トヨタブランドのフラッグシップということもあり、自動ブレーキは昼夜の歩行者と昼間の自転車を検知できる高性能タイプだ。

さらに、オプション設定だがトヨタブランドとして初となるパーキングサポートブレーキ(後方歩行者)を用意。レクサスESのものと同じ機能で、バック時に後方にいる歩行者と衝突の危険性がある場合、自動でブレーキを作動させ衝突回避&被害軽減してくれる機能だ。後方の歩行者検知式自動ブレーキを装備したいモデルは数少ない。
その他、車線を維持しながら走行できる全車速追従式クルーズコントロールや、誤発進抑制制御も標準装備化されている。

ただ、車線変更時の後側方から接近する車両を検知し警報する後側方車両接近警報など、ベーシックな機能が一部グレードでオプション設定になっているなど、高級車らしくない設定となっている。
エントリーグレード系を選択する場合、安全装備の有無を細かくチェックする必要がある。

BEST.4

トヨタカローラセダン

トヨタ カローラセダン

2019年9月にデビューしたばかりのカローラは、デビュー直後の新型車ということもあり、予防安全装備は充実している。

歩行者検知式自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車を検知できる最新タイプを装備。
トヨタブランドの予防安全装備パッケージは「トヨタセーフティセンス」と呼ぶ。このパッケージは、すべて同じではないので注意が必要。グレードにより、装備や機能が限定されるなどしており、一般の人には分かりにくい設定だ。
最低限の自動ブレーキなどは標準装備されている。車線内を維持するための運転支援機能であるレーンとレーシングアシストや全車速追従式クルーズコントロールは、一部グレードでオプション、もしくは装着不可。アクセルとブレーキの踏み間違えを防止するインテリジェントクリアランスソナーも、一部グレードでオプション、もしくは装着不可だ。
せめて、これくらいの装備くらい標準装備してほしい。

その他、後側方車両接近警報など、オプション設定になっている予防安全装備などをすべて装着して、高いレベルの予防安全性能をもつ。

BEST.5

日産スカイライン
ハイブリッド

日産 スカイラインハイブリッド

スカイラインは、ハイブリッド車とガソリン車では安全性能に大きな差になる。
ガソリン車は、歩行者検知式自動ブレーキの設定がない。さらに、高速道路上での半自動運転を可能とした「プロパイロット2.0」も装備されていない。
より安全なクルマということであれば、ハイブリッド車になる。

スカイラインハイブリッドの歩行者検知式自動ブレーキは、夜間と自転車には対応していない。だが、踏み間違い衝突防止アシストや車両を俯瞰で見た映像にして、車両周辺360°を確認できる。
さらに、車両の周りで移動する歩行者や自転車などを検知し警報を発するインテリジェントアラウンドビューモニターなど、高級車に相応しい予防安全装備が標準装備されている。

一定以上の安全装備が標準装備化されているので安心できる。

そして、高速道路などでのロングドライブで半自動運転を可能とした「プロパイロット2.0」は、ドライバーの疲労軽減や運転時のストレス低減につながる。一定の条件が揃えば、ハンズオフできる。この機能は、スカイラインハイブリッドだけの機能だ。
車線変更時には、ステアリングに手を添えるだけで、自動で車線変更も可能。まるで、熟練ドライバー以上ともいえる安心・安定感ある走りが特徴。むしろ、運転が雑なドライバーより、安心して運転を任せられるレベルに仕上がった。

まとめ

国産セダンは車両価格に幅があるものの、全体的に高級車が中心になる。そのため、安全装備は、全体的に高いレベルにある。
ただし、モデルサイクルが長くなっている一部のモデルは、もはや歩行者検知さえもできないレベルのモデルがあるので注意が必要だ。

国産セダンでも、大きな差になっているのが夜間の歩行者と自転車検知ができるか否かという点だ。より、衝突リスクを下げたいというのであれば、こうした機能をもつモデルを積極的に選ぶといい。
また、クラウンやESなどに装備されている後退時でも歩行者検知し、自動ブレーキを作動できる機能も実用面で有益だ。同様に、スカイラインハイブリッドのように、低速時のアクセルとブレーキの踏み間違えに対して、壁などのモノだけでなく、歩行者にも対応する踏み間違え防止機能も大きなメリットになる。

そして、自動運転時代を感じさせる機能が「プロパイロット2.0」だ。なかなか完成度が高い運転支援機能で、ハンズオフ時にも不安を感じさせない走行フィーリングは秀逸だ。
また、LSのように衝突不可避な状態でも、同一車線内で回避が可能なら回避方向にクルマを支援する機能も素晴らしい。

安全装備比較表

  • …全車標準装備
  • …一部標準装備または一部オプション
  • ×…標準装備なし
レクサスLS レクサスES トヨタクラウン トヨタカローラセダン 日産スカイラインハイブリッド
対車両自動ブレーキ

歩行者検知式自動ブレーキ

ブレーキ踏み間違い衝突防止アシスト

一部グレード
オプション設定
一部グレード
装着不可

サイドエアバック

カーテンエアバッグ

車線逸脱警報

車線維持支援

一部グレード
オプション設定
一部グレード
装着不可

後側方車両検知警報

一部グレード
オプション設定

一部グレード
オプション設定

後退時後方車両接近警報

一部グレード
オプション設定

一部グレード
オプション設定

オートマチックハイビーム

一部グレード
装着不可

※安全装備の詳細は各車メーカー公式サイトをご確認ください。

その他のボディタイプ別安全なクルマランキング

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