2017年1月の乗用車・軽自動車の新車車種別販売台数を各機関が発表しました。新車・中古車市場で「今、本当に売れている車」はどんな理由で売れ筋なのでしょうか。新車だけではなく、株式会社IDOM(旧社名:ガリバーインターナショナル)の中古車販売実績と比較しながら、自動車市場の最新の動向を解説してゆきます。
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  1. 目次
  2. 1 新車販売台数ランキングについて
  3.   1-1 日産が大躍進!だが、タイミングが良かっただけ?
  4.   1-2 トップ5のうち4車は軽自動車
  5. 2 中古車販売台数ランキングについて
  6.   2-1 軽自動車が人気の理由は、新古車?
  7.   2-2 中古のアクアの今後は、値ごろになるの?

2017年1月新車中古車販売台数ランキング

【データ出典元】:
新車車種別乗用車販売台数:一般社団法人自動車販売協会連合会
新車車種別軽自動車販売台数:一般社団法人全国軽自動車協会連合会
中古車車種別販売台数:株式会社IDOM(旧社名:ガリバーインターナショナル)の販売実績

2017年1月の新車販売台数ランキング


1月の新車ランキングは、乗用車のラインナップにこれまでと大きな変化がありました。2016年には常にトップの販売台数だったトヨタの「プリウス」、「アクア」がいきなり7位と12位に落ち込み、変わりに日産の「ノート」「セレナ」が大きく販売台数を伸ばし2位と6位に上昇。2016年12月に発売開始されたトヨタの「C-HR」も8位に新登場し、1月は久々に定番の人気車を抑え、モデルチェンジが行われたり、新たに発売された車に注目が集まりました。なぜ突如、トヨタと日産の人気車種の販売順位が逆転したのでしょうか。それには次のような要因が絡んでいるようです。


■日産が大躍進!だが、タイミングが良かっただけ?

1月のプリウスの販売台数は1年前の47%となる9,883台。アクアも前年同月比64.7%の8,225台と、 トヨタの人気車の販売台数は大幅な減少が見られます。この要因の一つには、新発売のコンパクトSUV、C-HRにセールスパワーが集中したことが挙げられるでしょう。トヨタが売りたいC-HRの販売を頑張った分、売れ筋車種の販売台数が窪んだかたちになりました。プリウスに関しては、2017年2月15日にフルモデルチェンジされるプリウスPHVを待って購入が控えられている影響もあるかもしれません。とはいえ、新車で300万円台以上とかなり高価なプリウスPHV。富裕層向けともいえる価格帯ですから、爆発的なヒットの可能性は低いです。2011年デビューのアクアもモデル末期となり、モデルチェンジは年末とも噂される中なので、以前ほどの購買数には至らない状況。
そんな落ち着きを見せるトヨタに対し、日産は昨年秋のノートe-POWER発売を皮切りに、飛ぶ鳥を落とす勢いです。シリーズ型ハイブリッド車であるe-POWERや新型セレナの部分自動運転技術「プロパイロット」といった日産の最新技術は、買う理由の欲しい消費者の心をくすぐっています。そんな中ノートは受注残がタイミングよく納車されていき、販売台数を伸ばしたようです。ただし、新技術であるe-POWERは大量生産が難しいという見方もあり、今後は、月替わりで売るものが変わる状況かもしれません。それを窺わせるのが今月のセレナの販売台数の増加です。月別の普通車販売台数では日産車が1、2位を占め、日産にとっては実に32年ぶりの快挙となりましたが、このまま風向きを保つのはそう簡単では無さそうです。

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prius
トヨタ 「C-HR」

■トップ5のうち4車は軽自動車

安定的に1位を獲得し続けているホンダ「N-BOX」をはじめとし、台数上位5位をノート以外はすべて軽自動車が占めています。中でも4位のダイハツの軽「ムーヴ」は16年9月に発売開始した「ムーヴキャンバス」が好調のようで、62.8%増の11,627台と大きく台数を伸ばしました。3位はダイハツの軽自動車「タント」が13,160台。5位は日産の軽自動車「デイズ」で11,363台としのぎを削る争いですが、タントとデイズは昨年より13%減とやや低い販売台数となっています。

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N-BOX
ホンダ 「N-BOX」▶︎▶︎車種情報と最新の買取相場はこちら
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2017年1月の中古車販売台数ランキング


一方で、買取・販売実績No.1のガリバー(※1)で1月最も売れた中古車は、ダイハツ「タント」でした!続いて新車も躍進した日産「セレナ」が2位、スズキ「ワゴンR」が3位、トヨタ「プリウス」が4位、5位にホンダ「フィット」が位置しています。トップ3のタント、セレナ、ワゴンRはお馴染の顔ぶれです。2016年8月24日にフルモデルチェンジし発売開始されたセレナは新車の納車が進み、中古車市場に多めに出てきているものの人気車種なので、回転がはやく品薄の状態になっています。

※1
2014年度主要10社における中古車販売台数 小売・卸売合算値 グループ企業除く
株式会社矢野経済研究所調べ 2017年2月現在
2001年~2014年主要買取専門店7社における中古車買取台数
株式会社矢野経済研究所調べ 2017年2月現在

■軽自動車が人気の理由は、新古車?

売れ筋ベスト5の内、3つが軽自動車という結果です。中古車市場で軽自動車が人気の理由の一つは、軽自動車には「新古車」や「登録済未使用車」と言われるクルマが多く流通しているからということが言えそうです。実際には新車とほぼ変わらないコンディションのクルマが、新車価格よりずっと安く買えるところにメリットを感じる人が多そうですね。

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また、そもそも価格や維持費が乗用車より抑えられている軽自動車の中古車は手軽に購入出来るため、ファーストカーとしても人気があります。

ダイハツ タント
ダイハツ 「タント」▶︎▶︎車種情報と最新の買取相場はこちら
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一方、新車では絶版のクルマも選択肢に入れられるのが中古車ならではの醍醐味です。
中古車販売台数ランキング11位のホンダ「ライフ」は2014年に販売終了していますが、N-BOXと同じ位置づけにあることから中古車市場では安定した人気。16年5月に新車販売終了した日産モコは15位にランクイン。8位のラパンもデザインが人気の旧型は、中古車でしか見つからない車。ともに女性に特に人気の高い車ですね。

アルトラパン

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モコやラパンなど女性をターゲットにしたクルマが、新車ではなく中古車のTOP20に入っていることを意外に思う方も多いのではないでしょうか。
中古車は案外、車を買いたい若い女性のニーズをしっかりと満たしてくれるようです。
「車のことはよく分からないけど車が必要」という人や、低予算で抑えたい人には、知識の豊富なスタッフさんに相談しながら豊富な選択肢から選べる中古車販売店は、とてもマッチした場所なのです。


■中古のアクアの今後は、値ごろになるの?

意外にも2016年には中古車人気はそれほど高くなかったアクアですが、今年は値ごろになるかもしれません。今後も供給は安定が約束されているので、順調に値落ちが進んで、買いやすい・選びやすい環境が続くでしょう。1月は17位のアクアはまだバーゲンプライスまでは進んでいないようですが、2月3月の値動きに注目です。

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アクア
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