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‖現行デミオは、4代目
マツダ デミオは、2014年にデビューした。販売台数の多いコンパクトカーということもあり、新世代商品群の中でも核となるモデルとして注目された。現行モデルで4代目となるデミオ。従来モデルもマツダを支える基幹車種だった。先代のデミオは、全長3,900㎜とかなりコンパクトなモデル。だが、現行デミオのボディサイズは、4,060×1,695×1,525mmとなっており、かなり全長が伸びた。一般的にボディサイズを大きくすることは、このクラスでは居住性の向上に大きく貢献する。ところが、4代目デミオは先代モデルに比べ、それほど居住性は向上していない。その理由は、ドライビングポジションを重視したためだ。適切なドライビングポジションを得るために、80mmホイールハウスの張り出しを前方に移動した。従来のモデルでは、ホイールハウスの張り出しにより、理想ペダル配置ができなかったからだ。こうした設計により、デミオはペダル類を右へ20mm移動できるようになり、理想のペダル配置となったのだ。人馬一体を目指すマツダは、居住性よりドライビングポジションを重視するという割り切りのよい設計がされた。
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![マツダデミオ](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220921/20220921075937.jpg)
ハイブリッド車は無いものの、1.5Lクリーンディーゼルは秀逸。燃費は30.0㎞/Lを誇る。ただし、この30.0㎞/Lのクリーンディーゼル車は、広告や販促用のオトリグレード。MT車のみの設定で、燃料タンクまで小さくし、最大トルクも抑えた特別な仕様。一般の顧客は選びにくい。売れ筋グレードは、26.4㎞/Lとなっているが、それでも十分に優れた燃費だ。
クリーンディーゼルエンジンの魅力は、価格の安い軽油を燃料として使っていること。ガソリンより20円/前後価格が安い。燃費ではハイブリッドに負けるものの、燃料費という視点ではハイブリッド車並みとなる。それでいて、ハイブリッド車を上回る最大トルクを誇るので、力強い走りが楽しめる。
‖コンパクトカーとしては厳しい販売台数が続くワケは
そんなデミオだが、国内販売は苦戦。2016年4~9月の販売台数は25,814台。このクラスで最も売れているアクアが81,826台。フィットが52,675台。ガソリン車しかないノートが40,627台。同じくヴィッツが36,794台。ライバルに比べ、かなり苦戦していることが分かる。先代デミオのモデル末期車でも、2012年4~9月は29,438台と、現行デミオより売れていた。![マツダデミオ](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220921/20220921075931.jpg)
‖改良で、走りの質がぐっと向上!
今回の改良では、他のモデルと同様にGベクタリングコントロールが全車に標準装備された。この制御は、ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に変化させることで、横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールする。乗員にかかる加速度の変化をより滑らかにつなぐことで、体の揺れが減り、乗り心地も改善する。運転が苦手、運転技術にそもそも興味が無いなどの自己流ドライバーの同乗者に大きなメリットがある制御。普通に運転しているだけで、運転が上手いドライバーのように走れるのだ。また、人馬一体を目指すマツダは、より上質な走りの質感を求めフットワークも深化。電動パワーステアリングの特性を見直し、切り始めのすっきり感と切り込んだところの手応えをアップさせてリニアなコントロール性を実現。そして、フロントとリヤのダンパーやブッシュなど、足回りの部品の特性を見直し、よりスムーズな挙動と落ち着きのある乗り心地に改善した。
デミオは、国内コンパクトカーで唯一クリーンディーゼルを積む。こちらも他のモデルと同様に、クリーンディーゼルエンジンもさらに進化した。ディーゼルエンジンには、カリカリというような独特の不快な音がして、やや耳障りだ。マツダは、この不快な音の周波数帯に着目。燃料噴射タイミングを0.1ミリ秒単位で制御することで、不快なノック音の発生そのものを抑制する「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」を採用。前回の改良で装備された「ナチュラル・サウンド・スムーザー」と相まって、ディーゼルエンジンの不快な音や振動を軽減。静粛性が高まり、より快適なプレミアムコンパクトカーとなった。
‖一方で、安全装備は放置?
![マツダデミオ](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/drivinghigh/20220921/20220921075943.jpg)
デミオの派生車であるCX-3には、歩行者検知式自動ブレーキ「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」が全車標準装備化されている。しかし、現状のデミオは、歩行者検知ができないままだ。基本骨格などが共通なので、装着できない理由がない。つまり、デミオには意図的に歩行者検知式自動ブレーキを装備する必要がないと判断されたことになる。デミオは、元々価格設定が高め。その上、歩行者検知式自動ブレーキを標準装備化して、価格が上昇してしまえば、さらに売れなくなるかもしれない、そんな売る側の考えがあったのかもしれない。この行為は、時代の流れに逆行する。
最近では、高齢者による病気・運転ミスや携帯ゲームの使用による歩行者への衝突事故が多発している。今までなら、こうした事故から歩行者を守る方法が無かった。しかし、現在の技術は歩行者を見つけ衝突の危険があった場合、自動ブレーキを作動し衝突回避・被害軽減ができる技術が安価で装備できる時代になっている。つまり、クルマ側の技術で守れる命があるということだ。
クルマは、使い方を誤れば人を殺める凶器になる。扱う側がミスをしたのだから、歩行者を殺してもいいという事はない。人を殺める可能性がある製品を売っているのだから、メーカー側は積極的に命を守る装備を標準装備化する責任がある。どんなに気を付けていても、いつ、どこで、誰が被害者・加害者になるかは分からない。ドライビングポジションを重視するのも構わないが、まずは人の命を重視する考え方のほうが重要だ。早急に歩行者検知式自動ブレーキの標準装備化に期待したい。
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‖小さな高級車? ラグジュアリー感あふれる特別仕様車「Tailored Brown(テーラード・ブラウン)」が登場!
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‖マツダ デミオ特別仕様車「Tailored Brown(テーラード・ブラウン)」価格
・13S Tailored Brown 2WD AT 1,717,200円/4WD AT 1,922,400円・XD Tailored Brown 2WD AT 1,998,000円/AWD AT 2,203,200円
‖マツダ デミオ価格
・13C 2WD AT 1,350,000円/4WD AT 1,555,200円・13S 2WD AT 1,458,000円 MT 1,458,000円/4WD AT 1,663,200円
・13S Touring 2WD AT 1,684,800円 MT 1,684,800円/4WD AT 1,890,000円
・13S Touring L Package 2WD AT 1,738,800円 5MT 1,738,800円/4WD AT 1,944,000円
・15MB 2WD MT 1,501,200円
・XD 2WD AT 1,782,000円 6MT 1,782,000円/4WD AT 1,987,200円
・XD Touring 2WD AT 1,965,600円 MT 1,965,600円/4WD AT 2,170,800円
・XD Touring L Package 2WD AT 2,019,600円 MT 2,019,600円/4WD AT 2,224,800円
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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
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デミオのカタログ情報
- 平成26年9月(2014年9月)〜令和1年7月(2019年7月)
- 新車時価格
- 135.0万円〜227.9万円
デミオの在庫が現在209件あります
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