
より高級ミニバンらしさをアピールした特別仕様車
高級ミニバンで圧倒的な人気を誇るアルファード/ヴェルファイアは、2015年1月にフルモデルチェンジした。このクラスには、日産エルグランドやホンダ オデッセイがあるが、販売台数面では先代モデルからアルファード/ヴェルファイアの一人勝ち状態が続いている。まさに、絶対王者といえる地位を築いている。こうした人気は、中古車も同様で、中古車価格も高い。中古車価格が高いということは、リセールバリューも高いことを意味し、売却時にも有利な状態を保っているのがアルファード/ヴェルファイアだ。
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新型・旧型アルファード/ヴェルファイアの比較レビュー
新型となったアルファード/ヴェルファイアは、基本的に先代モデルヒット要因を緻密に分析し、その魅力をストレッチしたモデルとなっている。全高を下げ販売が低迷しているエルグランドの失敗をみていたこともあり、アルファード/ヴェルファイアは、全高をほとんど下げずにやや低床フロア化し使い勝手を向上させている。旧型モデルで不評だった乗り心地面も改善。リヤサスを上級なダブルウイッシュボーン式を採用し、高級ミニバンらしい乗り心地としている。
旧型は迫力重視のヴェルファイアが人気!
旧型アルファード/ヴェルファイアは、ヴェルファイアの人気が高かった。これは、このクラスの顧客がより迫力重視で威圧感があるデザインを好むということを明確にした。この顧客の嗜好を敏感に察知し、新型ではアルファードもかなり迫力重視系のデザインに変更された。こうした見た目を重要視する顧客のニーズをシッカリと反映させた徹底したマーケットインのミニバンがアルファード/ヴェルファイアの特徴でもある。<関連記事>
新型アルファード/ヴェルファイア(H27・2015〜)試乗レポート

アルファード/ヴェルファイアの安全性能はイマイチ
高級ミニバンであることをアピールするアルファード/ヴェルファイアだが、安全装備面では高級車とはいえない状況だ。未だに歩行者検知式の自動ブレーキは、用意もされていない。これだけの高級車が、自動ブレーキ機能をもっていないのは珍しい。トヨタは、こうした安全装備の装着が大きく遅れている。また、アルファード/ヴェルファイアは、2トンを超える重量級車。これだけ重く大きなクルマが歩行者と接触すれば、大きな事故につながる。そういう意味でも、早急に自動ブレーキ関連の安全装備を標準装備化してほしい。実際に購入を考えている人も、自動ブレーキ関連の安全装備が用意されてから購入したい。
優れた燃費性能のアルファード/ヴェルファイア ハイブリッドだが意外と売れていない?!
アルファード/ヴェルファイアのハイブリッド車は、新型になったことで2.4Lハイブリッドから、新世代の2.5Lハイブリッドに変更された。先代同様にE-Fourと呼ばれる電気式4輪駆動式のみの設定だ。4WDでこの巨体でありながら、燃費は18.4㎞/Lという低燃費を誇る。この燃費値はさすがトヨタといったところ。

ガソリン車を選ぶなら2.5L!
そして、ハイブリッド車以上に売れていないのが、3.5Lガソリン車だ。この3.5L車は、もはや旧型のエンジンといえるもので、アイドリングストップ機能さえない。燃費が良くない上に、ハイオク仕様となり、エコカー減税のメリットもない。確かにパワフルだが、環境性能を重視する日本マーケットには合わないエンジンだ。こうしたこともあり、アルファード/ヴェルファイアの売れ筋は、2.5Lガソリン車だ。新型になり、ようやくアイドリングストップ機能も装備され、CVTなども進化したことで燃費も向上。バランスのよいエンジンとなっている。この2.5Lエンジン車に、スポーティなエアロパーツが装備されたグレードが高い人気を誇っている。
今回投入された特別仕様車は、ガソリン車のみの設定でハイブリッド車には設定されていない。
高級感を高めた特別装備
まず、アルファードに設定された特別仕様車は、S“Aパッケージ・TYPE BLACK(タイプブラック)”。「S」をベースに“Aパッケージ”の装備を加えたアルファード特別仕様車S“Aパッケージ・TYPE BLACK”および、「SA」をベースにしたアルファード特別仕様車SA“TYPE BLACK”を設定。
特別装備は、専用ゴールドエンブレム(フロント)やダークメッキガーニッシュ付フロントフォグランプ、専用シート表皮など。シート表皮は、メイン材に滑らかな風合いのウルトラスエードを採用。ブラックをベースにブラウンのドットがのぞくパーフォレーションを施し、ブラウンステッチとあわせた。アルファードのもつ高級感をより高めている。

アルファード/ヴェルファイア特別仕様車の共通装備として、高輝度塗装の専用アルミホイール、黒木目調本革巻き4本スポークステアリングホイール、ブラックのルーフヘッドライニングなど用意。便利機能では、パワーバックドア(挟み込み防止機能付)、アクセサリーコンセント(AC100V・100W/1個)などを特別装備している。
アルファード/ヴェルファイア 特別仕様車は400万!
特別仕様車の価格は、ヴェルファイア特別仕様車Z“Aエディション・GOLDEN EYES”で3,926,291円となった。ベース車に対して、約17万円高という価格設定だ。特別装備された内容を考えると、価格アップ相当といった印象。お買い得な特別仕様車ではない。デビュー当時は、爆発的に売れたアルファード/ヴェルファイアだが、約1年半が経過し、販売台数面では少々息が上がってきた感がある。ここで、こうした魅力的な特別仕様車を投入することで、販売台数増を狙いたいところだろう。

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▶︎▶︎ヴェルファイアを最大限に値引く方法は?新車値引き攻略法はこちら
アルファード/ヴェルファイアは、少々高価な価格となっているが、リセールバリューも高いので短期での乗り換えには向いている。ただし、ハイブリッド車が当たり前の時代、いつまでもガソリン車のリセールバリューも高価であり続ける可能性は低い。中古車マーケットでも、恐らくハイブリッド車の人気は高くなるので、アルファード/ヴェルファイアとはいえ、ガソリン車の場合、楽観視できない状況だ。予算次第ということになるが、多少予算に余裕があるのなら、基本的にはハイブリッド車を選んだ方がいいだろう。燃費差で元を取ることは難しいが、満足度は高い。
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トヨタ アルファード タイプ ブラック/ヴェルファイア ゴールデンアイズ特別仕様車価格
アルファード/ヴェルファイアの価格は以下の通り。
アルファード特別仕様車 価格
・アルファード特別仕様車S“Aパッケージ・TYPE BLACK” 7人乗り 2.5L 2WD 3,926,291円/4WD 4,176,655円・アルファード特別仕様車SA“TYPE BLACK” 7人乗り 3.5L 2WD 4,317,055円/4WD 4,511,455円
ヴェルファイア特別仕様車 価格
・ヴェルファイア特別仕様車Z“Aエディション“GOLDEN EYES” 7人乗り 2.5L 2WD 3,926,291円/4WD 4,176,655円・ヴェルファイア特別仕様車ZA“GOLDEN EYES” 3.5L 2WD 4,317,055円/4WD 4,511,455円
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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
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アルファードのカタログ情報

- 現行モデル
- 令和5年6月(2023年6月)〜現在
- 新車時価格
- 540.0万円〜559.8万円
アルファードの在庫が現在461件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。