この記事の目次 CONTENTS
‖実質約30万円ほどお買い得! LEDヘッドライトやナビなどが標準装備。コスパの高いワゴン
‖お買い得なだけに、値引きしづらい?値引き方法はあるのか
‖値引き術。競合を引き合いに出そう
‖フォルクスワーゲン パサート ヴァリアントの価格・スペック・仕様

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

フォルクスワーゲンは、ワゴンモデルのパサート ヴァリアントに限定250台の特別限定車である「Passat Variant Voyage(パサート ヴァリアント ヴォヤージュ)」を設定し発売を開始した。
ヴォヤージュとは、英語で「旅」や「旅行」を意味し、このクルマ本来の魅力である、ゆったりとした快適な室内空間と広大なラゲージスペースとの相乗効果によって、積極的にレジャーを楽しむためのステーションワゴンとして名付けられている。

‖実質約30万円ほどお買い得! LEDヘッドライトやナビなどが標準装備。コスパの高いワゴン

パサートは、2015年7月にフルモデルチェンジし8代目となった。
パサートは、1973年に初代が発売されて以来、世界的にはベストセラーモデルとして活躍しているパサートだが、日本マーケットでは少々苦戦している。
パサートのライバルは、BMW3シリーズ、メルセデス・ベンツCクラス、アウディA4というプレミアムブランド。
このプレミアムブランド間でも熾烈な販売戦争が行われているだけに、パサートが割って入ることは、なかなか難しいのが現状だ。
また、フォルクスワーゲンブランドは、プレミアムブランドというより、日本車に近いフレンドリーな存在。
価格もプレミアムブランドよりは安く、価格的には国産セダンよりやや高いといった印象だ。

また、国産車をライバルとした場合、マイナス要因となっているのが燃料。
パサートはハイオク仕様となり、国産車はレギュラー仕様に対して、燃料コストがやや高い。
燃費が多少良くても、燃料費が高いので燃料コストは変わらない。
とくに、日本マーケットでは車両購入時のイニシャルコストより、燃料費などのランニングコストを重視する傾向にある。

こうした非常に微妙な立ち位置にいるクルマがパサートなのだ。
走行パフォーマンスやクルマの質感、高い安全性能など、非常に高いレベルにあるのだが、販売面で苦戦を強いられるのは、こうした理由からだ。
ある意味、クルマのパフォーマンスを考えると、正当に評価されていない。

パサートは、先進性もアピールしている。2016年6月には、プラグインハイブリッド車であるパサートGTEが登場した。現在、ワゴンモデルであるヴァリアントにもPHEVを用意しているのはパサートだけだ。

ガソリン車のパサートは、1.4LのTSIエンジンのみの設定。150ps&250Nmというパワーとトルクをもち、20.4㎞/Lという低燃費性能を誇る。パワーユニットの選択肢がないのもパサートの物足りない点でもある。フォルクスワーゲンは、パサートがデビューした発売当初、早急にクリーンディーゼル車を投入するとしていた。しかし、北米でのディーゼル車排ガス不正が発覚。国内のクリーンディーゼル車導入は大きく遅れている。多くの輸入車メーカーが、クリーンディーゼルを導入済みのため、こうした部分もハンデとなっている。

特別限定車パサート ヴァリアント ヴォヤージュは、パサート ヴァリアントTSIコンフォートラインをベースにしている。
日本専用の特別限定車とのことだ。
日本専用の特別限定車といっても、内容はそれほど日本専用車であるような印象はない。
プラスされた特別装備は、フォルクスワーゲン純正インフォテイメントシステム“Discover Pro”パッケージや LEDヘッドライトパッケージなどの人気オプションを標準装備。
さらに、日差しが強くなる季節に効果的で、実用性の高い“Car Window Film“を装着。
基本的に、通常モデルでもオプション装備できるものが中心となっている。

パサート ヴァリアント ヴォヤージュは、250台の特別限定車で価格は389万円となっている。
ベース車に対して約10万円の価格アップ。
標準装備されたオプションの価格は、LEDヘッドライトが約16万円、ナビのDiscover Proが約22万円。
これだけでも約38万円の装備となる。

こうした装備が付いて10万円高ということなら、約28万円以上+Car Window Film分がお得に装備できたことになる。

‖お買い得なだけに、値引きしづらい?値引き方法はあるのか

特別限定車は、なかなかお買い得感がある。
ナビのDiscover Proは、実用面で必要。
LEDヘッドライトは、パサートのフロントフェイスをより精悍に見せる意味でも魅力的で、さらに視界確保という安全面でも有効。
この2つは、ぜひとも装備したいオプションだ。
これが、標準装備されながら、価格アップが大幅に引き下げられているのだから買い得感は高い。
多くの人におすすめできる特別限定車といえる。

こうしたお買い得な特別限定車は、購入時に注意が必要だ。
値引き交渉すると「最初からお買い得なので、値引きできません」というセンスのない対応が目立つ。
約30万円程度お買い得なので、ある意味納得できるのだが、それでは意味がない。
というのも、パサートはある程度の値引きに対応しているからだ。

今回の特別仕様車の場合、ナビとLEDヘッドライトはオプションで設定が可能。
ならば、通常モデルでこうしたオプションを選択し、30万円程度の値引きが引き出せれば特別仕様車と同等レベルになる。
それ以上の値引きができれば、特別限定車より安く買える。
こうしたお買い得な特別限定車は、値引き抑制にも使われるのでジックリと商談して、更なる値引きを引き出したい。

‖値引き術。競合を引き合いに出そう

パサートは、非常に高い完成度を誇るクルマなので、大幅な値引きを引き出すことができれば、かなり満足度が高い。
大幅値引きを引き出すには、必ず数台のライバル車と競合させたい。
Cクラスや3シリーズ、クラウンハイブリッド、カムリ、スカイラインなどと競合させると良い。

ポイントは、こうしたライバル車の見積りを先に取っておくこと。
これは、あくまでパサートが本命ではないということをアピールできる。
パサートが本命であると知られてしまえば、値引き額は伸び悩むからだ。
あくまで、予算重視であることを伝えジックリと商談したい。即決は厳禁だ。

先代のパサートのリセールバリューを見ると、なかなか厳しい状況にある。
リセールバリューが低いと、短期間での乗り換えでは不利となる。
そうしたことも伝え、リセールバリューが低い分を値引きで補てんしてもらうなどの交渉もアリだ。
リセールバリューは、新型もあまり期待できないので、長期間乗ることをおすすめする。

‖フォルクスワーゲン パサート ヴァリアントの価格・スペック・仕様

・Passat Variant Voyage価格:3,890,000円

<主な追加仕様>
・Volkswagen 純正インフォテイメントシステム“Discover Pro”(ETC2.0 対応車載器付き)
・LED ヘッドライト(オートハイトコントロール機能、LED ポジションランプ付き)
・Car Window Film レギュラースモーク(リヤ/リヤ左右)

<ボディカラー/導入台数 全7色/導入台数:250台>
 ピュアホワイト 25 台
 ディープブラックパールエフェクト 45 台
 ハーバードブルーメタリック 60 台
 タングステンシルバーメタリック 60 台
 ナイトブルーメタリック 15 台
 オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト(有償オプションカラー:129,600 円) 35台
 クリムゾンレッドメタリック(有償オプションカラー:64,800 円) 10台