待望のミニバン「オデッセイハイブリッド」登場!


ホンダオデッセイハイブリッドホンダは、ハイブリッドシステムを搭載した待望のミニバンであるオデッセイハイブリッドの発売を開始した。

現行のホンダ オデッセイは、2013年11月に発売された。従来のロールーフ型から背高の一般的なミニバンとなった。ロールーフミニバンは、もはやニーズが無く発売しても売れない。しかし、オデッセイという名前は浸透していて認知されている。対して、エリシオンの認知度は無い。そこで、ホンダはオデッセイというロールーフミニバンは廃止し、エリシオンをオデッセイとしてフルモデルチェンジした。

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リコール対策により、先送りされたハイブリッド車


こうして新型オデッセイはデビューしたのだが、当初から期待されていたのはハイブリッド車だった。ホンダも当初から、オデッセイハイブリッドの存在を否定せず、やや遅れて1年後には発売するとしていたほどだ。しかし、1年以上経過してもオデッセイハイブリッドは発売されなかった。その大きな理由は、フィットハイブリッド系の度重なるリコールとみられている。ホンダは、このリコール対策により、多くの新型車の発売時期が先送りされた。さらに、同じハイブリッド車であるオデッセイハイブリッドが、発売直後にリコールとなってしまっては、ホンダのブランドイメージがさらに悪くなる。それだけ避けなくてはならない。慎重になったこともあり、発売時期はドンドンと遅くなる。そして、デビューから2年以上が経過してからようやく登場となった。一般的に、これだけ遅れたのであれば、もはや3年目のマイナーチェンジ時の投入でもよかったくらいだ。

消費税アップで、販売台数激減していく

ホンダオデッセイハイブリッドしかし、ホンダもオデッセイハイブリッドのデビューをこれ以上遅らせることはできない理由もあった。新型オデッセイは、発売直後こそ売れたが、2014年4月に消費税が8%にアップされことも影響したのか、そこからイッキに販売台数は激減していく。直近では、1千台/月レベルをなんとか維持している状態。この1千台/月というレベルは、デビューから10年以上が経過したエスティマレベル。人気のアルファード &ヴェルファイア は、6~7千台レベルで売れているので大きな差が付いている。それでも、新型オデッセイはエルグランドの倍程度を売っているので、善戦しているともいえる。

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とはいえ、ホンダとしては新型オデッセイをもっと売りたいのだ。それは、新型ステップワゴンの販売が低迷中だからだ。本来なら、もっと売れてもいいはずの新型ステップワゴンだが、日産セレナの大安売りやノア/ヴォクシー/エスクァイア三姉妹の販売力の影響を受けている。ミニバンが売れないと、売れるのはコンパクトカーと軽自動車ばかりとなる。国内ホンダにおいて、収益率の高いモデルが無くなってしまうのだ。さすがに、これではマズイ。そんなこともあり、2~3月の繁忙期ギリギリに新型オデッセイハイブリッドを投入してきた。

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進化したハイブリッドシステムを採用


新型オデッセイハイブリッドのハイブリッドシステムは、基本的にアコードハイブリッドのものをベースとしている。ただし、随分遅れて登場したこともあり、オデッセイハイブリッド用ハイブリッドシステムは、大きく進化したものが採用されている。

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エンジン出力アップでライバル車に負けない力強さをアピール

ホンダオデッセイハイブリッドまず、アコードハイブリッドに比べ、出力がアップされている。これは、大きく重いミニバンに対応するためだ。アコードハイブリッドの2.0Lアトキンソンサイクルエンジンの出力は、最高出力105kW/最大トルク165Nm。走行用モーターは、最高出力124kW/最大トルク307Nm。これに対して新型オデッセイハイブリッドは、同じ2.0Lエンジンながら107kW&175Nm。モーターは135kW&315Nmとわずかではあるがパワーアップしている。モーターは新開発されている。巻線方式と構造を刷新することで、従来型に比べて約23%の小型軽量化を図りながら、高トルク・高出力化を実現した。これは、ライバルであるアルファード&ヴェルファイアの2.5Lハイブリッドに負けない力強さをアピールするためでもある。

クラストップレベルの低燃費性能を誇る

こうした進化版ハイブリッドシステムを搭載した新型オデッセイハイブリッドの燃費は26.0㎞/Lを達成。2.0Lのハイブリッドシステムということもあり、クラストップレベルの低燃費性能を誇る。アルファード&ヴェルファイアが19.4㎞/Lなので、大きく差を付けた。

アコードハイブリッドでは、リチウムイオン電池をトランクに設置したこともあり、トランク容量が減っている。電池の設置場所により、ミニバンのメリットである室内スペースが小さくなってしまっては意味がない。だが、新型オデッセイハイブリッドは、バッテリーを1列目シート下に収納。室内スペースを犠牲にすることなく、ハイブリッド化している。

2タイプのハイブリッド車を用意


ホンダオデッセイハイブリッド新型オデッセイハイブリッドのグレード体系は、標準車とスポーティ仕様のアブソルートの2タイプが用意された。デビュー時は、アブソルートの比率が9割弱もあったことから、当初はハイブリッドモデルはアブソルートだけかと思われた。しかし、価格戦略面で「あまり高価ではないハイブリッド」をアピールしたいらしく、装備を省き安価な価格設定とした価格訴求用として標準モデルのエントリグレードが設定されている。

『ホンダセンシング』一部グレードを除き、全車標準装備化

評価したいのは安全装備面。歩行者検知式自動ブレーキを含む先進安全装備であるホンダセンシングが、最も安価なオトリグレードを除き全車に標準装備された。サイドエアバッグやカーテンエアバッグも標準装備化されており、一定水準以上のレベルとなっているのは高く評価できる。対して、ライバルのアルファード&ヴェルファイアには、歩行者検知式自動ブレーキは用意されていない。これだけ大きく重いミニバンが、歩行者と衝突すれば大きな事故になる。こうしたクルマこそ、歩行者検知式自動ブレーキが絶対に必要な装備となる。

ホンダ オデッセイ ハイブリッドの選び方


そして、新型オデッセイハイブリッドの選び方。やはり、リセールバリューを考えると、やはりアブソルートを選んだ方が無難。7人乗りか8人乗りかという選択は、使い方次第。最近では2列目がキャプテンシートとなり豪華さが際立つことから7人乗りが人気だ。安全装備面では、ホンダセンシングも標準装備されているので、どのグレードでも大きな差はないので安心だ。

これからの時代は、歩行者検知式自動ブレーキが付いていることや、ハイブリッド車で燃費に優れていることが強く求められる。当然、中古車においても同様。そうなると、ガソリン車よりも55万円も高価となるハイブリッド車が、リセールバリューまで考えれば、それほどガソリン車との差がなくなってくる。

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オデッセイ ハイブリッド価格


ホンダ オデッセイ ハイブリッドの価格は以下の通り。

オデッセイ ハイブリッド価格

・HYBRID 7人乗り 3,646,400円/8人乗り 3,560,000円
・HYBRID Advancedパッケージ 7人乗り 4,026,400円/8人乗り 3,940,000円
・HYBRID EXパッケージ 7人乗り 3,990,000円

オデッセイ ハイブリッド アブソルート価格

・HYBRID ABSOLUTE Honda SENSING 7人乗り 3,866,400円/8人乗り 3,780,000円
・HYBRID ABSOLUTE Honda SENSING Advancedパッケージ 7人乗り 4,056,400円/8人乗り 3,970,000円
・HYBRID ABSOLUTE Honda SENSING EXパッケージ 7人乗り 4,000,000円

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◇執筆者プロフィール◇
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

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