遅れていた安全技術「ホンダ センシング」搭載

自動ブレーキなどを含んだ安全技術は、赤外線を使った軽自動車の低速域追突被害軽減自動ブレーキをきっかけに、イッキに広がりを見せた。すでに、普通車ではより高度な自動ブレーキであるスバル アイサイト が抜群の人気を得ていた。ただ、スバルを除く国産メーカーのほとんどが、こうした自動ブレーキの開発や装備に関しては遅れていたのが現状だ。
日本における自動ブレーキの夜明け
スバル以外のメーカーが、安全装備の開発に遅れをとってしまったのには、国土交通省の勘違いによるものも影響している。すでに、2003年には、トヨタがミリ波を使ったプリクラッシュセーフティシステムを世界初の技術として搭載。各社、こうした自動ブレーキ系の技術を続々開発しマーケットに送り込んだが、停止するものは販売されていない。技術的には、停止させるレベルにあったものの国土交通省の指針で、自動でブレーキをかけ停止させてはならないという規制があったからだ。この国交省の間違った指針で、自動ブレーキ関連の技術は停滞する。価格も高価な上に、停止できない自動ブレーキにマーケットは価値無しという判断を下し、まったくこうした装備は選ばれることがなかったのだ。そうなると、当然、研究開発費などの投資は減る。スバルを除く国内メーカーが完全に腰が引けた状態の中、 ボルボ が欧州で自動ブレーキが認められていることを武器に、国交省から数年にも及ぶ粘り強い交渉の末に認可を得たのだ。これが、日本における自動ブレーキの夜明けとなった。
ホンダ センシング装備で高度な事故回避支援が可能に

安全性重視した高級ミニバンならオデッセイがおすすめ
このホンダセンシングを搭載したことで、オデッセイの魅力は大幅にアップ。家族を中心とし、より多くの人を乗せるクルマだけに、安瀬性能は非常に重要だ。広さや豪華さ以前に、こうした乗員や他人へのリスクを軽減することの方が、本来クルマの機能としては優先されるべきものだ。残念ながら、オデッセイの場合、G・EX、ABSOLUTE(FF/7人乗り)、ABSOLUTE(4WD) 、ABSOLUTE・20th Anniversary、ABSOLUTE・EXに標準装備。その他のタイプはメーカーオプションとなってしまっている。
ホンダセンシングの機能は、一定水準のレベルはキープしているものの世界最先端というレベルではない。安全装備は普及してこそ意味がるということで、シンプルな構成としてコストを抑えた。ならば、オデッセイのような高級車には全グレードに標準装備というのが理想だろう。こうしたちょっと腰の引けた部分が、逆にホンダ車の安全イメージを下げている。
技術開発と装備の早さは、トヨタ越え
そんな営業面でのマイナスもあるものの、評価したいのはライバル トヨタよりも早くホンダセンシング搭載車をマーケットに送り出したことだ。オデッセイの他に、レジエンドとジェイドにも装備されている。トヨタは、トヨタセーフティセンスを装備することを発表しているが、どうやら2015年4月頃のカローラマイナーチェンジに初搭載が噂されている。随分と装備が遅い。トヨタとホンダの企業規模を考えれば、本来、トヨタが先に装着すべきだし、業界のトップランナーなのだから当然ともいえる。こうした技術開発と装備の早さは、さすがホンダといえるだろう。<関連記事>
5代目オデッセイ 試乗レポート
安全性重視した高級ミニバンならオデッセイがおすすめ
オデッセイとやや競合するヴェルファイア/アルファードは、1月にフルモデルチェンジしたがトヨタセーフティセンスが装備されていないので、安全性を重視した高級ミニバンということならばオデッセイがおすすめとなる。大きく重いミニバンに衝突されれば、大きな事故になることは確実。そのため、こうしたクルマを選ぶ顧客も、広さや豪華さだけにとらわれず、基本的な安全装備を意識してクルマを選択したい。
ホンダ オデッセイ価格
ホンダ オデッセイの価格は以下の通り。
・G FF 8名 2,760,000円~
・ABSOLUTE EX 4WD 8名 3,731,000円
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◇執筆者プロフィール◇
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
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オデッセイのカタログ情報
- 平成25年11月(2013年11月)〜令和4年9月(2022年9月)
- 新車時価格
- 249.0万円〜392.9万円
オデッセイの在庫が現在115件あります
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