【2025年】ガソリン価格は今後どうなる?値下がりの可能性は?

2024年末から値上がりしたガソリン価格。ここでは、2025年のガソリン価格の見通しについて解説します。

※この記事における「ガソリン価格」は、レギュラーガソリン価格を指します。

2025年のガソリン価格の見通しは?

2025年3月3日現在、全国平均ガソリン価格は約184.1円/Lです。

今後のガソリン価格は、しばらくは「現状維持」の可能性が高いです。長期的に見れば価格下落・上昇と双方の可能性がありますが、少なくとも大幅な下落は期待できないでしょう。

ガソリン価格のこれまでの推移と現状

ガソリン価格の推移の図

※画像出典:経済産業省資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和補助金」(2025年3月3日時点)
※上の線が補助金適用前のガソリン価格、下の線が適用後のガソリン価格

過去3年間、全国平均ガソリン価格は以下のように推移しています。

  • 2022年1月~2023年5月頃:170円/L前後を維持
  • 2023年5月~2023年8月頃:最大186円/L程度まで上昇
  • 2023年9月頃:175円/L前後まで下落
  • 2023年10月~2024年12月頃:175円/L前後を維持
  • 2024年12月~2025年2月:185円/L前後まで上昇

長期の価格維持は補助金による効果

ガソリンの補助金率の推移の図

※画像出典:資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和対策事業について(令和6年11月版)」

政府は、原油価格の高騰に伴い2022年1月に「ガソリン補助金」を導入。補助率は随時変更してきましたが、2023年10月頃~2024年12月中旬まではガソリン価格が175円/L程度を維持するよう補助金の支給を行っていました。

しかし、政府は2024年11月に補助金の段階的な縮小を閣議決定。同年12月19日、2025年1月16日に補助率を引き下げ、現在は全国平均ガソリン価格が185円/Lを超えた部分についてのみ補助を行っています。

政府が補助金縮小に踏み切った理由

国民からの反発も充分に予想できたなか、政府が補助金を縮小した背景には2つの理由があります。

1つは外交面における配慮です。ガソリン補助金は脱炭素社会の実現を阻むと考えられており、現在は多くの国で補助金が打ち切られています。
もう1つの理由は財源確保です。長期にわたる補助金支給は国の財政を圧迫しており、他の政策を実現するうえでも補助金の負担が妨げになっていると考えられます。

都道府県でも異なるガソリン価格

順位 ガソリン価格が
高い都道府県
ガソリン価格が
安い都道府県
1位 高知県(193.7円) 埼玉県(178.1円)
2位 長野県(191.5円) 愛知県(178.1円)※1位2位同数値
3位 鹿児島県(191.5円)※2位3位同数値 岩手県(178.3円)
4位 長崎県(190.9円) 千葉道(179.5円)
5位 山形県(190.5円) 兵庫県(179.5円)※4位5位同数値

※出典:経済産業省資源エネルギー庁「石油製品価格調査」(2025年3月3日時点)

上記は、2025年3月3日時点のガソリン価格が高い/安い都道府県のTOP5です。ガソリン価格は輸送コストの大小や競争環境の有無によって都道府県でも差があります。価格の高い地域では、すでに190円/Lを超える状況です。

そもそも補助金とは?
ガソリン補助金とは、全国平均ガソリン価格が基準値を上回ると石油元売会社に補助金が支給される措置です。これにより、消費者が給油する際のガソリン価格が引き下げられています。
もとは2022年1月に3ヶ月の期限で導入されましたが、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の悪化などにより原油価格が下がらず、今日まで延長されています。

今後の価格推移の予測

ガソリンのイメージ図

今後のガソリン価格については「補助金廃止でさらに上昇」「暫定税率の廃止で下落」など様々な見解があります。
しかし、現時点では「しばらく現在の価格を維持」の可能性が高いです。

政府の支持率を考えれば「当面維持」

ガソリン補助金は、現在185円/Lを超える部分のみ全額補助となっています。
185円を超える部分について、政府は「状況を丁寧に見定めながら段階的に見直す」と説明しており、今後補助率はさらに下がる可能性もあります。

しかし、補助率を下げれば政府の支持率に影響するリスクが高く、少なくとも今後しばらくは現在の補助率を維持すると予想されます。「参院選まで現在の価格を維持するのでは」と予測する専門家もいます。

月5円程度で「上がる」可能性も

「しばらくは現状維持」といっても、この「しばらく」がどれくらいの期間か予測するのは困難です。

政府は今後の補助率引き下げについて「月の価格変動が5円程度となるよう」にしながら見直す姿勢を示しています。今後、国民の反応も見ながら月5円程度に納まる範囲でガソリン価格が上がる可能性もあります。

暫定税率の廃止は「期待薄」

暫定税率とは、道路整備の財源確保のため1974年に適用された税率です。もとのガソリン税は28.7円ですが、ここに暫定税率として25.1円が上乗せされています。

2024年12月、与党は国民民主党との協議で暫定税率の廃止に合意しました。しかし、廃止の時期は合意書に明記されていません。
廃止すれば大幅な税収減が見込まれ、与党内では慎重論が多いです。そのため「2025年中の廃止は困難」といわれています。

原油価格や為替の見通しは?

現在、日本のガソリン価格は「補助金ありき」になっていますが、ガソリン価格に影響する要素としては原油価格や為替レートといった要素もあります。原油価格の下落や円高といった状況が起これば、ガソリン価格が下がるかもしれません。

どちらも基本は「先行き不透明」

2025年の原油価格の見通しは「春頃まで下落、その後上昇」、為替レートは「小幅な円高進行」といわれています。ただし、どちらもトランプ政権の動きなどによって大きく変動する可能性があり、不確定要素が多い状況です。

大幅な改善は見込みにくい状況

現時点では、原油価格の高騰も円安状況も大幅に悪化する見込みは少ないです。一方で、どちらも大幅は改善は見込みにくい状況です。少なくとも「補助金なしでもガソリン価格が下落する」といった状況は期待できないでしょう。

今後ますます注目される低燃費車

2025年のガソリン価格は、少なくとも大幅な下落は期待できません。

近年のガソリン価格の高騰に伴い、現在は燃費性能の優れた車の人気が高まっています。以下の記事では車の燃費ランキングをご紹介していますので、参考にしてください。

ガソリン価格のよくある質問

Q. ガソリン補助金って何?

ガソリン補助金は、コロナ禍からの経済回復支援、また国際情勢の緊迫化による国民生活・経済活動への影響を最小化するために導入された制度です。全国のレギュラーガソリン平均価格が基準金額を超えると、石油元売会社に補助金が支給されます。

Q. ガソリン補助金はなぜ縮小された?

2024年末からガソリン補助金が縮小されたのは、主に以下の2つの理由からです。

  • ガソリン補助金は脱炭素社会実現の妨げとなり、廃止する国が増えたから
  • 長期にわたる補助金事業により国の財政が圧迫されているから

Q. ガソリン補助金は全廃されるの?

今後のガソリン補助金について、政府は「状況を丁寧に見定めながら、185円を上回る価格に対する補助率を段階的に(月の価格変動が5円程度となるよう、原則月3分の1ずつ)見直す」としています。

いずれは全廃されると予想されますが、全廃のタイミングが「いつなのか」は未定です。

Q. ガソリンの暫定税率って何?

ガソリンの暫定税率とは、道路整備の財源確保のため1974年に適用された税率です。ガソリン税はもともと28.7円でしたが、ここに暫定税率として25.1円が上乗せされ、その後現在まで暫定税率は廃止されずにいます。

Q. ガソリンのトリガー条項って何?

ガソリンにおけるトリガー条項とは、ガソリン価格が一定期間にわたって基準値を超えた場合に暫定税率(25.1円分)を免除する仕組みです。

この条項は2010年の税制改正で導入されましたが、翌2011年3月に東日本大震災が発生。復興財源確保のため、同年4月に特例法で条項が凍結されました。

Q. トリガー条項の凍結解除の可能性は?

トリガー条項が発動すれば暫定税率が免除となり、補助金適用以上のガソリン価格下落が見込めます。

しかし、政府は凍結解除に慎重です。解除には震災特例法の改正が必要で、法改正には時間がかかります。さらに、暫定税率がなくなれば大幅な税収減が見込まれるからです。

Q. ガソリンは二重課税って本当?

現在のガソリン価格には、ガソリン価格にガソリン税や暫定税率などが加わり、その金額に消費税(10%)がかけられています。このガソリン税等に消費税をかけている状態が「二重課税である」と指摘されています。

ライター紹介

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221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。