自動車の一時抹消登録とは? 一時抹消登録のやり方と必要書類を解説!
更新日:2024/12/20
愛車に一定期間乗る予定がない場合は、車を一時抹消登録するという選択肢があります。ここでは一時抹消登録の概要とやり方・必要書類、また一時抹消登録した車を売却・譲渡する場合や再度使い始める場合のやり方・必要書類を解説しています。
自動車の一時抹消登録とは?どんな時に行うの?
一時抹消登録とは、ナンバープレートと車検証を返納し、自動車の登録を一時的に抹消する手続きのことです。
一時抹消登録をすると自動車税や自動車重量税を払う義務がなくなり、車検を受ける必要もありません。
一時抹消期間中も車そのものを残しておくことができるので、車両登録をしなおせば、再び公道を走ることができます。その時には、自動車税や自動車重量税も支払うことになります。
同じようにナンバーや車検証を返納する手続きには「永久抹消登録」もあります。永久抹消登録は、手続きの前に車を解体する必要があります。
それに対して一時抹消登録であれば車を残しておくことができるため、例えば以下のようなケースで一時抹消登録をすることがあります。
- 海外赴任や単身赴任で数年間車を使わない
- 自分ではもう乗らないが、良い引き取り手がいれば譲りたい
- 盗難された愛車を探しており、手元に戻ればまた乗りたい
一時抹消登録のメリット
乗らない車を一時抹消登録しておくと、以下の2つのメリットがあります。
1)自動車税・自動車重量税を支払う義務がなくなる
税金は車両登録されている車を対象に課されるため、車の登録が抹消されている間は自動車税(軽自動車税)と車検時に支払う自動車重量税を支払う義務がなくなります。
また自動車税については、還付金を受け取ることもできます。
そもそも自動車税は毎年4月1日時点の車の所有者が、向こう1年分の自動車税を前払いで納めるという仕組みです。一時抹消登録をした場合、登録日の翌月から翌年3月分まで、自動車税が月割りで還付されます。
- ただし還付されるのは自動車税だけで、軽自動車税は対象外です。また自動車重量税も永久抹消登録であれば還付されますが、一時抹消登録では還付を受けられません。
2)車検が無効となり、自賠責保険の還付金を受け取れる
一時抹消登録をすると、自動車税だけでなく、自賠責保険料の還付金も受け取ることができます。
一時抹消登録をした車は公道を走行できなくなるので、自賠責保険も不要になります。自賠責保険は車検時に前払いしているため、残存期間があればその期間に応じた保険料を還付金として受け取ることができるのです。
このように、転勤などの事情で一時的に車を使わない場合、車の一時抹消登録を行えば自動車税・自動車重量税を払う義務がなくなったり、自動車税や自賠責保険料の還付を受けられたりします。車を再登録すれば再び乗ることもできるので、「数年後にまた乗りたい」という場合は一時抹消登録をしておくと良いでしょう。
自動車の一時抹消登録に必要な書類と持ち物
車の所有者が自分で一時抹消登録をする場合、必要書類と持ち物は以下の通りです。
普通自動車の場合
事前に準備する書類と持ち物
- 車検証
- 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- ナンバープレート(前と後ろの2枚)
- 実印
- 委任状(代理人が申請する場合のみ)
当日手続き先で入手できる書類
- 申請書(実印捺印)
- 手数料納付書
- 自動車税(環境性能割・種別割)申告書
軽自動車の場合
事前に準備する書類と持ち物
- 車検証
- ナンバープレート(前と後ろの2枚)
- 申請依頼書(代理人が申請する場合のみ)
当日手続き先で入手できる書類
- 申請書(捺印不要)
- 軽自動車税(環境性能割・種別割)申告書
ナンバープレートは、車両から取り外したうえで、陸運支局や軽自動車検査協会に持ち込んでください。
また印鑑については、軽自動車の場合は印鑑そのものが不要ですが、普通自動車の場合には実印と印鑑証明が必要なので混同しないように注意をしましょう。
なお所有者の姓や住所等に変更がある場合、別途変更登録も必要です。変更登録の必要書類は以下の記事で確認してください。
自動車の一時抹消登録の手続き方法
自動車の一時抹消登録は、普通自動車の場合は管轄の陸運支局や自動車検査登録事務所で、軽自動車の場合は管轄の軽自動車検査協会支所などで行います。
手続きの大まかな流れは以下の通りです。
- 必要書類・費用の準備をする
- 管轄の陸運支局(軽自動車は軽自動車検査協会)で書類を記入する
- 持参した書類と記入書類に費用を添えて提出し、ナンバープレートを返却する
- 登録識別情報等通知書(軽自動車の場合は自動車検査証返納証明書)の交付を受ける
- 税申告窓口に税金の申告書を提出する
一時抹消登録にかかる時間は30分〜1時間程度です。普通自動車・軽自動車どちらも登録手数料として350円がかかります。
なお自動車税の過払い分がある場合は、一時抹消登録日の約2ヶ月後に還付されます。
一時抹消登録を行った車の名義変更・再登録方法
一時抹消登録を行った車を売却・譲渡する時には名義変更、再度走行させたい場合は再登録をする必要があります。ここからはそれぞれの手続き方法を紹介します。
一時抹消登録を行った自動車の名義変更方法
一時抹消登録した車を売却・譲渡する場合は名義変更が必要です。この手続きを「所有者変更記録申請」といいます。
名義変更手続きは新所有者が行うことが多いので、今回は新所有者が自分で手続きする場合の必要書類と持ち物の一覧を紹介します。
普通自動車の場合
事前に準備する書類と持ち物
- 登録識別情報等通知書
-
新所有者の住所を確認する書面
- 住民票や印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 譲渡証明書(旧所有者の実印捺印)
- 新所有者の認印
- 委任状(代理人が申請する場合のみ)
当日手続き先で入手できる書類
- 申請書(実印捺印)
- 手数料納付書(手数料そのものは無料)
軽自動車の場合
事前に準備する書類と持ち物
- 自動車検査証返納証明書
-
新所有者の住所を確認する書面
- 住民票や印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 譲渡証明書(押印不要)
- 申請依頼書(代理人が申請する場合のみ)
当日手続き先で入手できる書類
- 申請書(捺印不要)
手続き方法は一般的な名義変更と変わりません。必要書類を提出し、名義変更された登録識別情報等通知書(軽自動車の場合は自動車検査証返納証明書)を受け取ります。
印鑑については、軽自動車の場合は印鑑そのものが不要です。一方、普通自動車の場合には認印が必要となり、普通自動車の譲渡証明書には旧所有者の実印も必要なので混同しないように注意しましょう。
なお所有者変更記録申請は、再登録とは違います。所有者の名義は変更されますが、車両の登録は抹消されたままです。
一時抹消登録を行った自動車の再登録方法
一時抹消登録していた車を再度走行させるためには、車両の再登録が必要です。
この手続きを「中古新規登録」と呼びます。中古新規登録では車検も受ける必要があり、必要書類が多いです。
手続きに必要な書類と持ち物は以下の通りです。
普通自動車の場合
事前に準備する書類と持ち物
- 登録識別情報等通知書
- 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 自動車保管場所証明書(発行後約1ヶ月以内)
- 自動車損害賠償責任保険証明書
- 実印
- 委任状(代理人が申請する場合のみ)
当日手続き先で入手できる書類
- 申請書(実印捺印)
- 手数料納付書
- 自動車税(環境性能割・種別割)申告書
- 自動車重量税納付書
- 自動車検査票
軽自動車の場合
事前に準備する書類と持ち物
- 自動車検査証返納証明書
-
新所有者の住所を確認する書面
- 住民票や印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 譲渡証明書
- 自動車損害賠償責任保険証明書
- 点検整備記録簿
- 保安基準適合証(交付を受けた場合、発行後15日以内)
- 申請依頼書(代理人が申請する場合のみ)
当日手続き先で入手できる書類
- 申請書
- 申請審査書
- 軽自動車税(環境性能割・種別割)申告書
- 自動車重量税納付書
- 軽自動車検査票(持込検査の場合)
印鑑については、軽自動車の場合には印鑑そのものが不要ですが、普通自動車の場合には実印と印鑑証明が必要なので混同しないように注意をしましょう。
軽自動車検査協会における手続きで自動車保管場所証明書(車庫証明)を用意する必要はありませんが、自治体によっては再登録後に警察署へ「保管場所の届出」の提出が必要となるケースもあります。
再登録の大まかな流れは以下の通りです。
- 車庫証明を取得する(普通自動車のみ)
- 車検の検査予約をする
- 車両を管轄の陸運支局や軽自動車検査協会に持ち込み、車検を通す
- 中古新規登録を済ませる
- 税窓口で税金の申告書を提出し、自動車税・環境性能割を支払う
- ナンバープレートを受け取る
一時抹消登録している車は公道を走行できないので注意が必要です。検査場に車両を持ち込むには、業者にレッカー移動を依頼するか、あるいは仮ナンバーの取得をしましょう。仮ナンバー取得の際には、自賠責保険の加入も必要です。
陸運支局や軽自動車検査協会で車検を済ませると、中古新規登録まで1ストップでできます。しかし車検を含めた全ての手続きを自分で行わなければいけません。難しい場合は、車両登録と車検の両方を依頼できないか、車検業者などに相談してみましょう。ガリバーでも車検と中古新規登録の代行を承っております。
不要な車の売却はガリバーにお任せください!
一時抹消登録をすると自動車税や自動車重量税の支払義務がなくなったり、自動車税や自賠責保険の還付を受けられたりと便利な面もあります。しかし一時抹消登録をしても車そのものは残るため、保管場所や定期的なメンテナンスが必要です。そのため今の車は一度売却して、必要になった時に新しい車を購入するというのも一つの選択肢でしょう。
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