ハイブリッド車のプリウスは、他の車と同様にバッテリーが搭載されており、使用の経過とともに劣化するので、必要に応じた交換の必要があります。
プリウスのバッテリー交換の費用や時期の目安、種類や自分で交換ができるのか?などを現役の整備士が簡単に解説します。
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プリウスのバッテリーは2種類
ハイブリッド車であるプリウスには、2種類のバッテリーが搭載されています。
- 駆動用バッテリー
- 補機バッテリー
駆動用バッテリー
車の走行に必要な電気を蓄えるのが「駆動用バッテリー」です。
大きな容量が必要で、車のフロア下などの普段は見えないところに搭載されています。
補機バッテリー
補機バッテリーは、ガソリン車にも搭載されている従来のバッテリーと同じ形をしたものを指します。
主にワイパーやオーディオといった車に使われる12V電源の電装品の作動や、またそれを制御するコンピューターの電源に用いられます。
プリウスバッテリーの交換費用の目安
プリウスのバッテリー交換費用の目安は、駆動用バッテリーの場合は10万円~20万円が目安です。補器バッテリーの交換費用の場合は2万円~4万円が目安です。リビルト品を使うのか、プリウスの型式などによって金額に幅があります。
プリウス駆動用バッテリーの交換費用
駆動用バッテリーの交換は、部品代・工賃共に高額な費用がかかります。 合計した費用は10〜20万円です。 プリウスの純正駆動用バッテリーは定価で15万円程度となります。 10万円ほどの費用で済むのは、リビルトや中古品バッテリーを使用した場合です。 ディーラーなど保証のしっかりとしたところで整備する場合には、17〜20万円ほどの費用を準備しておきましょう。
プリウス補機バッテリーの交換費用
プリウスの補機バッテリーのサイズは、モデルによって異なります。
プリウス | 型式 | 販売開始年 | バッテリーモデル |
---|---|---|---|
5代目(現行) | 60系 | 2023年1月 | LN1 |
4代目 | 50系 | 2015年12月 | LN1 |
3代目 | 30系 | 2009年5月 | S42B20R/S55B24R |
2代目 | 20系 | 2003年9月 | S42B20R/S55B24R |
初代 | 10系 | 1997年12月 | S34B20R |
※【補足】プリウスPHVの場合は以下の通り。
- 2代目…LN1
- 初代…S42B20R/S55B24R
バッテリーが2種類あるモデルは、グレード・仕様により異なるので、現物での確認をおすすめします。
それぞれのプリウスのバッテリー費用は以下のとおりです。
- (50系、60系プリウス)LN1…10,000円〜25,000円
- (20系、30系プリウス)S42B20R…15,000円〜28,000円
- (10系プリウス)S55B24R…25,000円〜38,000円
バッテリーはメーカーや販売元によって価格にバラつきがあります。
工賃を合わせた金額はおおむね2万円〜4万円ほどになります。
プリウスのバッテリー交換時期の目安
プリウスのバッテリー交換時期の目安は駆動用バッテリーの場合、年数で10年以上、走行距離で15万km前後です。補器バッテリーの場合は4~5年程度が目安であり、また、点検を促すメッセージも表示されます。
点検を促すメッセージが出る
補機バッテリーが弱ってきて交換しなければいけなくなると、メーター内のインフォメーションに以下のようなメッセージが表示されます。
※細かい表記には差異があります。
メッセージの例としては以下のようなものがあげられます。
【補機バッテリー充電不足 取扱書を確認】
トラブルを予防するためにも、このメッセージが出たら早急に補機バッテリーの交換をしましょう。
また、駆動用バッテリーも劣化やトラブルがあれば、警告灯やメッセージでドライバーにお知らせします。
それらを確認したら、かかりつけの整備工場に相談し、速やかに点検・整備を受けましょう。
駆動用バッテリーの交換目安年数・距離
プリウスの駆動用バッテリーの交換目安年数は、新車から10年以上経過したときです。
距離の目安は15万km前後です。
当然、これより短くなることもあれば、逆に20万km以上走行していても未交換という事例もあります。
補機バッテリーの交換目安年数
プリウスの補機バッテリーの交換目安の年数は、4〜5年程度です。
一般的なガソリン車と同等程度と考えておきましょう。
チョイ乗りや、車に乗る頻度の少ない場合にはこれよりも短くなる可能性もあります。
プリウスのバッテリーが上がるとどうなる?
ハイブリッド車のプリウスのバッテリーが上がると、どうなってしまうのでしょうか。
ここでは、身近な補機バッテリーに限って解説します。
補機バッテリーが上がると、エンジンのコンピューターなどを正常に起動できなくなります。
つまり、ガソリン車がエンジンを掛けられずに走ることができないのと同様に、ハイブリッドシステムを起動できないことで、走行自体ができなくなります。
その場合は、バッテリー上がり救援用パックや、ほかの車からブースターケーブルでバッテリーをジャピングしてもらい、ハイブリッドシステムを起動します。
このとき、バッテリーが完全に放電している場合は起動できないこともある点と、車両特性上、ハイブリッド車は救援する側にはなれない点を注意しましょう。
また、救援する術がない場合は、JAFや保険のロードサービスを利用します。
プリウスのバッテリー交換は自分で出来る?
駆動用バッテリーの交換はユーザー個人レベルでは困難であり、整備工場での交換・整備依頼が普通です。
一方で、プリウスの補機バッテリーの交換は整備や電気に関する知識があれば、自分でも可能です。
車系SNSでも「自分で交換した」という投稿を見かけることもあるでしょう。
しかし、一歩間違えると車を壊してしまったり火災の原因となることもあります。
「自分でやればとにかく安く済むし…」というような、安易な気持ちでチャレンジすることは整備士として、絶対におすすめしません。
プリウスの補機バッテリーの交換方法
自分自身で交換ができる方に向けて、プリウスの補機バッテリーの交換方法を解説します。
- システムOFF
- バックアップ用の機器を使う場合は用意・接続等をおこなう
- エンジンルームもしくはトランクルーム内にバッテリーがあるので、工具を使用して固定しているステーを取り外す
【※+端子や、+端子に触れている工具をアースとなり得る箇所に絶対に触れない。ショート(短絡)が発生して、火災や車両故障の原因となります。特にバックアップしての作業時は要注意】 - バッテリーを交換し、ステーやプラス端子のカバーなどの外したものを元に戻す
(バッテリーには交換日時、距離を記載しておくとよい) - バックアップをしなかった場合は、以下の学習を実施または確認
・パワーウィンドウを開状態から全閉し、数秒間スイッチを保持
(AUTO機能の再設定)
・時計、バックカメラ、ラジオチャネル等のナビ・オーディオの設定、確認
・ステアリングを左右に据え切る(位置学習)
整備士のまとめ
プリウスには、エンジンを掛けること以外は、普通のガソリン車とほぼ同じ役割を持つ【補機バッテリー】と、ハイブリッド車専用の【駆動用バッテリー】があります。
補機バッテリーの扱い方や、交換の目安時期・費用は、プリウスだからといって従来のものと大きく異なることはありません。
ただ、室内にバッテリーがあるタイプは、充電時に発生するガスを社外に抜くための、ガス抜き用のホースを挿す必要があります。
バッテリー容量を示す数字の頭に、Sのついた専用のバッテリーが必要なので、自分で購入する際は注意しましょう。
プリウスのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和5年1月(2023年1月)〜現在
- 新車時価格
- 275.0万円〜460.0万円
プリウスとライバル車を比較する
- Supervised by 整備士 ヒロ
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保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。