トヨタから2009年まで販売されていた大型SUVのハイラックスサーフ。ここでは、その概要や中古車価格が安い理由、購入時の注意点などを解説します。
- ハイラックスサーフとは
- ハイラックスサーフの中古車相場
- ハイラックスサーフが安い理由
- ハイラックスサーフの口コミ評価
- ハイラックスサーフ購入時の注意点
- その他のおすすめ車種
- 中古車探しで困ったらプロに相談
ハイラックスサーフとは
ハイラックスサーフはトヨタから販売されていたSUVで、ピックアップトラックのハイラックスから派生したモデルです。2009年に販売を終了しています。
最終モデルの全長は4805mmで、広大な荷室スペースを確保。タフな外観と優れた悪路走破性、高い走行安定性を有しています。3列シートはなく、乗車定員は5人です。
・新車時価格:301.4万円~333.9万円
・全体寸法(mm):長4805×幅1910×高1805
・車両重量:1830kg~1900kg
・燃費:8.3~8.9km/L(10・15モード)
・駆動方式:パートタイム式四輪駆動
・乗車定員:5名
・エンジン:2.7L 直列4気筒DOHC/4.0L V型6気筒DOHC
・使用燃料:レギュラーガソリン/プレミアムガソリン
・最高出力:163~249PS
・最大トルク:246~380N・m
ハイラックスサーフの中古車相場
ハイラックスサーフの中古車価格は「安い」ともいわれますが、実際はかなり幅があります。
中古車相場は約10万円~400万円
2025年2月現在、ハイラックスサーフの中古車相場は13.9万円〜457万円です(※ガリバー調べ)。全体的に低年式車両しかない一方で希少性の高い人気モデルも存在し、相場価格には幅があります。
最終世代である3代目(2002年11月~2009年7月)は、概ね150万円~250万円前後で販売されていることが多いです。
現在は価格が上昇傾向
ハイラックスサーフは生産終了から15年以上経つ車ですが、現在は中古車価格や買取相場が上昇傾向にあります。この数年はピックアップトラックへの注目が集まっており、またSUV自体の人気も長く続いているためです。
特に、無骨さが際立つ初代や2代目モデルの人気が高まっています。
ハイラックスサーフが安い理由
ここでは、ハイラックスサーフが100万円~200万円台と比較的安価で購入できる理由を解説します。
基本的な理由は「供給過多」
そもそも、中古車は需要と供給のバランスで相場価格が決まります。中古車市場への供給量に対して購入のニーズが少なければ、たとえ人気の高い車でも価格は下落します。
以下では、ハイラックスサーフが供給過多になった原因を詳しく解説します。
原因①中古での流通数が多い
供給過多の原因として最初に挙げられるのが、中古車市場での流通量の多さです。
ハイラックスサーフは2009年に生産を終了しており、少なくとも16年落ちとなっています。そのため、すでに多くの所有者が新しい車に乗り換えており、中古車市場には多数のハイラックスサーフが流通しています。
原因②ライバルが多い
ハイラックスサーフが登場した1980年代には、日産「テラノ」や三菱「パジェロ」といったライバルが存在。また、トヨタの中にも「ランドクルーザー」や「ランドクルーザープラド」といった大型SUVの選択肢がありました。
こうしたライバルの存在によって人気が割れたことも、ハイラックスサーフの需要減少の原因と考えられます。
原因③車として古い
2009年に販売を終了しているハイラックスサーフは、どの車両も低年式です。現在は装備が充実し、燃費性能などが優れたSUVも数多く登場しています。装備や性能、デザイン等の面で新しくないハイラックスサーフの需要は下がりがちです。
ただし先述のように、希少性が高まったり、コアなファンによりニーズがあったりすると、古くても価格相場が上がります。
原因④維持費が高い
ハイラックスサーフは、現在新車販売がある車に比べて燃費が悪いです。また、少なくとも16年落ちになるので自動車税や自動車重量税の重課対象となり、税金も高いです。
さらに、低年式なので部品の劣化が進んでいることも多く、購入後すぐに不具合が発生するリスクも否めません。
このように、維持費のかかる車は多くのユーザーから嫌煙される傾向があります。
原因⑤部品がない可能性がある
自動車メーカーには、生産終了後も最低10年間は使用部品を供給することが義務付けられています。しかし、ハイラックスサーフは生産終了からすでに15年以上が経過。純正部品が手に入らない可能性があります。
他の車に比べて故障や不具合のリスクが高いうえに、部品が手に入らない可能性があると、ユーザーの購入意欲が下がります。
原因⑥ニッチで顧客層が狭い
ハイラックスサーフは、もともと北米市場の顧客をターゲットにした車です。ピックアップトラックをベースにし、一般的な家庭用乗用車とは明らかに傾向が異なります。
大型で特殊な形をしたハイラックスサーフは、日本において非常にニッチで顧客層が狭い車であるため、供給過多になりがちです。
【注意】年式を考えれば特別安くない
ここまでハイラックスサーフが安い理由をご紹介しましたが、実は、年式などを考えるとハイラックスサーフは特別安い車ではありません。
たとえば、2002年11月~2009年7月に販売されていた3代目は150万円~250万円前後で売られていることが多いですが、同じような年式のランドクルーザープラドは200万円以下で販売されていることが多いです。新車時価格もハイラックスサーフと殆ど変わらず、プラドのほうが値下げ幅は大きいといえます。
ハイラックスサーフの口コミ評価
ここでは、実際にハイラックスサーフに乗っていた人の口コミから、その長所と短所をご紹介します。
高評価なのはデザイン性や乗り心地
ハイラックスサーフで高評価なのは、迫力あるデザインと乗り心地の良さです。高級車のような乗り心地は期待できませんが「見た目に反して良い」という評価が多く見られます。
また、スキーや釣りなどアウトドアのお供として選んでいる人も多くいました。
利用者からの高評価口コミ
外観はアメ車のようなゴツサがあり存在感十分! それだけで乗り換えたようなもの。(30代男性)伝統のグリルと直線基調のデザインはとても安定感があり、大きなボディーでもスタイリッシュさを失っていませんでした。走りに関しては、さすがに重い車ではあるので軽快とは言えませんが、常に安定した挙動を示すので、不安を感じるような状態にはなかなかならないと思います。(後略)(30代男性)
維持費の高さや内装の出来は低評価
悪い評価で多かった意見は、維持費の高さや内装の狭さ、チープ感です。
維持費については、特に燃費の悪さへの言及が多かったです。ただし、燃費は「思っていたより良い」という声もありました。車内は「大きさの割に狭く、チープ感がある」という意見が多く見られました。
利用者からの低評価口コミ
かっこいいし使い勝手もいいんだけどやはり燃費に負けて手放した(30代男性)車の作り(品質)は良く、ガタピシ音などありません。ドアなども重く頑丈な作りだけれど、とても軽く開閉できます。どうしても内装がチープに見えるのが欠点といえば欠点。(40代男性)
【口コミ】ハイラックスサーフの口コミ情報をもっと読む|中古車のガリバー
ハイラックスサーフ購入時の注意点
ハイラックスサーフを購入する際は、車種に対する理解と車両状態の確認が重要です。また、故障や不具合のリスクが高いからこそ保証の有無も確認しましょう。
注意点①大きさや維持費の覚悟をする
ハイラックスサーフは、最終モデルで全長4800mm、全幅1900mmを超える車です。ランドクルーザープラドと殆ど変わらないサイズ感で、駐車や対向車とのすれ違いに苦労するケースも多いでしょう。
また、ハイラックスサーフは燃費性能が悪く、税金も重課されるため、維持費が高くなりがちです。たとえば最終モデルの「SSR-Xリミテッド」(総排気量2700cc)の場合、自動車税は5万8000円、自動車重量税は4万5600円課税されます。さらに、自賠責保険料や任意保険料、車検費用、ガソリン代などを含むと、年間50万円程度かかる可能性があります。
注意点②車両状態を細かく確認する
車両状態では、以下の点を確認しましょう。
- 年式と走行距離のバランス
- 修復歴がないか
- 冠水車(水没車)でないか
- 部品交換等の整備が行われているか
- 音や臭いなどで異常が感じられないか
- 電装品が正常に稼働するか
年式と走行距離のバランスは「1年あたり1万km前後」を目安にしましょう。あまりに走行距離が少ない車は、長年放置され整備が行われていない可能性もあります。
また、できる限り試乗し、走行上の問題がないかを確認してください。試乗が不可能でも、エンジンをかけて異音や異臭の有無、電装品の作動状況などをチェックしましょう。
注意点③保証の有無を確認する
低年式車を買うときは、販売店独自の保証の有無を確かめると良いでしょう。整備状況に自信をもっているお店であれば、無償保証を用意していることが多いです。
保証の期間や内容はお店によって異なりますので、できるだけ保証が充実したお店で購入するようにしましょう。
Q. ハイラックスサーフを安く買うには?
ハイラックスサーフの購入で最も重要なのは「車両状態の良い車を買うこと」です。きちんと整備された車は価格が高いですが、安く買って高い修理費を出すよりは良いでしょう。
また、他には以下の点を工夫してください。
- 1~3月や年末に買う
- 諸費用でカットできる部分を探す
たとえば、決算期の1~3月は中古車でも値引き交渉をしやすいです。また、年末も「年式が落ちる前に在庫を売ってしまおう」と考えるお店が多くあります。
この他に「車庫証明の取得を自分で行う」「洗車を断る」といった一工夫で諸費用をカットすることも検討してください。
その他のおすすめ車種
「ハイラックスサーフはお金がかかりそうだし、扱いにくそう」と考えた人は、以下の車種も検討してみると良いでしょう。
おすすめ①三菱「パジェロ」
ハイラックスサーフと同じく1980年代から販売されていたパジェロ。生産を終了したのは2019年で、ハイラックスサーフより高年式の車両を購入できます。
車両のサイズも殆ど変わらず、悪路走破性にも長けています。ただし、中古車相場はハイラックスサーフより高めです。
おすすめ②三菱「アウトランダー」
アウトランダーはハイラックスサーフより小ぶりで、全長は約4700mm、全幅は約1800mmです。サイズが小さい分だけ積載量は減りますが、扱いやすさは大きく向上します。
2020年に販売を終了したガソリンモデルに加えて、PHEVモデルも選べます。PHEVモデルはバッテリーの重さにより走行安定性が高まっており、2015年式なら120万円~200万円程度で販売されている車両が多いです。
おすすめ③トヨタ「ランドクルーザープラド」
ハイラックスサーフとよく比較されるのが、ランドクルーザープラドです。実は、ハイラックスサーフの最終モデルはエンジンやフレームなど多くのパーツをプラドと共用しており、姉妹車と呼べる関係でした。
どちらも悪路走破性に優れていますが、アウトドア重視の人はハイラックスサーフ、普段使いを重視する人はプラドを検討すると良いでしょう。同じような年式の車両であれば、価格もハイラックスサーフより若干抑えられていることが多いです。
おすすめ④日産「エクストレイル」
扱いにくくないサイズ感で迫力系の外観、適度な悪路走破性といった点で人気なのが、エクストレイルです。実は、ハイラックスサーフの購入を迷う人でも、エクストレイルを併せて検討することは少なくありません。
昔から人気のある車で中古車市場での流通量も多く、予算200万円ならプロパイロットを装備した車両も購入できます。
中古車探しで困ったらプロに相談
販売終了で中古車市場に流通量が増えていたハイラックスサーフですが、初代や2代目を中心に廃車になっているケースも多く、今後は手に入りにくいことも考えられます。
少しでも良い状態の車を探したい場合は、思い切って販売店に相談してみるのも一手です。ネット検索の在庫にない車両情報を出してくれることもあります。
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