2024(令和6)年度CEV補助金の対象車両と補助額|2023年との違いは?

 

電気自動車やプラグインハイブリッド車、燃料電池自動車などの新車を購入した場合に交付を受けられるCEV補助金。2024年度は車種による補助額の差が大きいので、注意しましょう。

2024年度CEV補助金のポイント

2024年度CEV補助金のポイントは、以下の通りです。

  • 予算は前年度より大幅増
  • 補助額について新たな算定方法を採用
  • 車種によっては前年度より補助額減

この記事では上記のポイントを中心に、2024年度のCEV補助金について分かりやすく解説します。

そもそもCEV補助金とは

CEV補助金対象車の例:サクラの車両画像

CEV補助金とは、環境に優しい「クリーンエネルギー自動車(CEV : Clean Energy Vehicle)」の普及促進のために設定されている補助金です。正式名称を「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」といいます。

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)などの新車を購入した場合に、その車両の性能などに応じた補助金の交付を受けられます。

2024年度予算は前年度より大幅増

CEV補助金に充てられる予算は年々増加しています。2022年度は総額530億円、2023年度は総額900億円でした。

2024年度は、令和5年度補正予算分だけで1,291億円が確保されています。さらに経済産業省は、令和6年度概算要求でCEV補助金のために1,076億円を要求。これが通れば、CEV補助金の予算は前年度の2倍以上になります。

対象車両と補助額

今回補助金の対象となるのは、2023年(令和5年)12月1日以降に新車登録(届出)をされたクリーンエネルギー自動車です。補助額の上限は以下の通りです。

車の種類※1 2023年12月1日~2024年3月31日登録※2 2024年4月1日~登録
電気自動車(EV) 上限85万円※3 上限85万円※3
軽電気自動車(軽EV) 上限55万円※3 上限55万円※3
プラグインハイブリッド車(PHEV) 上限55万円※3 上限55万円※3
燃料電池自動車(FCV) 上限255万円※3 上限255万円※3

※1 超小型モビリティ、ミニカー、電動二輪の補助額は割愛
※2 2024年3月末までの登録車両は、前年度の補助額の算定基準を適用。概要はこちら
※3 メーカー希望小売価格(税抜)が840万円以上の車両は、算定された補助額に価格係数0.8を乗じる

補助金の上限額は2023年度と2024年度で変わっていません。しかし2024年度は補助額の算定方法が変更され、車種ごとの補助額の差が大きくなっています。2024年度の算定方法については、次の章で詳しく解説しています。

高額車両の補助額減額について
2023年度から、メーカー希望小売価格が税抜き840万円以上の車両については「算定された補助額に価格係数0.8を乗じた金額(例:EVで上限85→68万円)」が交付されています。例えば国産車では、レクサス「RZ450e」の一部モデルやトヨタ「センチュリー」が該当します。

前年度より補助額が下がる車種も

メーカー及び車種名
(電気自動車の補助対象車両より一部抜粋)
~2024年3月末登録車 2024年4月~登録車
スバル「ソルテラ」 85万円 65万円
トヨタ「bZ4X」 85万円 85万円
日産「リーフ」 52.7万円~85万円 85万円
マツダ「MX-30 EVモデル」 51.2万円 65万円
アウディ「e-tron」 37万円~50.7万円 36万円
テスラ「モデルY」 65万円 65万円
BMW「iX3」 65万円 65万円
BYD「DOLPHIN」 65万円 35万円
ヒョンデ「KONA」 65万円 35~45万円
ボルボ「XC40」 65万円 35~45万円
メルセデス・ベンツ「EQB」 65万円 65万円

補助額の算定方法が変更されたことにより、2024年の対象車種では補助額が前年度より上がるケースと下がるケースがあります。

上の表を見ると、輸入車を中心に補助額の減額が見られます。また国産車でも、スバルのソルテラは補助額が前年度より下がっています。
既に各車種の補助額が公開されているので、詳しくは下記ページを参照してください。

【外部リンク】銘柄ごとの補助金交付額(2023年度登録分)
【外部リンク】銘柄ごとの補助金交付額(2024年度以降登録分)

3月28日(木)より受付開始

2024年度CEV補助金は、3月28日(木)に受付を開始しました。

2024年3月末までの登録車両については、申請の締切日が5月末日となっています。該当する場合は早めに申し込みましょう。

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2024年度の補助額算定方法

2024年度のCEV補助金では、「自動車分野のGX実現に必要な価値」に基づいて車両やメーカーの取り組みを点数化し、補助額を決定しています。

GXとは?
「Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)」の略。化石燃料の使用を控え、クリーンなエネルギーを活用するための変革やその実現に向けた活動を指します。

補助額算定の基準項目と配点

評価項目 配点
車両性能(車種ごと) 40
充電インフラ整備(企業ごと) 40
整備の体制 / 質の確保(車種ごと・企業ごと) 40
整備人材の育成(企業ごと) 20
サイバーセキュリティへの対応(車種ごと) 20
ライフサイクル全体での持続可能性の確保(企業ごと) 20
自動車の活用を通じた他分野への貢献(車種ごと・企業ごと) 20
合計点 200

「自動車分野のGX実現に必要な価値」として挙げられているのは、以下の4項目です。

  • 製品性能の向上
  • ユーザーが安心・安全に乗り続けられる環境構築
  • ライフサイクル全体での持続可能性の確保
  • 自動車の活用を通じた多分野への貢献

上記4項目の評価にあたって、経済産業省は各項目を細分化して点数化(上表参照)。その合計点から補助額を決定しています。細かな評価基準は、下記ページをご参照ください。

【外部リンク】経済産業省「CEV補助金における評価の基準について」

得点をもとにした補助額

得点 EV 軽EV PHEV FCV
130~ 85万円 55万円 55万円 (差額の2/3)
×100%
100~129 65万円
85~99 45万円 45万円 45万円 ×80%
70~84 35万円 35万円 35万円 ×60%
55~69 25万円 25万円 25万円 ×40%
~54 15万円 15万円 15万円 ×20%

補助額は、前出の評価基準と配点に基づいた合計得点によって、上記のように決定されます。ただし先述のように、一部の高額車両では最終的な補助額が上記の8割の金額となります。

なおFCVの「差額の2/3」とは、標準的燃費水準車両(同じ車種や同タイプのガソリン車)との差額の2/3を指すようです。

※参考:経済産業省「CEV補助金における評価の基準について」

CEV補助金申請に関する3つの注意点

CEV補助金対象車の例:ソルテラの車両画像

CEV補助金の申請は、一般社団法人次世代自動車振興センターにオンラインまたは紙で行います。申請にあたっては、以下の点に注意しましょう。

注意点①予算満了の時点で受付は終了

CEV補助金の申請は、確保されている予算を消化した時点で受付終了となります。例えば2023年度の受付は、2024年2月13日を以って終了となりました。

補助金の申請は車両登録が済んでからしか行えないので、例えば「2024年12月に契約し、納期が約3ヶ月」といった場合は間に合わない可能性があります。

注意点②申請は登録後1ヶ月以内が原則

CEV補助金の申請書の締め切りは、例年原則として「車両の新車登録(届出)日から1ヶ月以内(翌月の前日までの消印有効)」となっています。

「納車日」でなく「登録日」であることに注意してください。車両登録はディーラーなどが行うことが多く、納車日までには登録から数日程度経過していることが多いです。

注意点③補助金は車両購入後に交付

「補助金を車両購入時の支払いに使いたい」という人もいるかもしれません。しかし補助金が支給されるのは申請から1~2ヶ月後です。

そもそも申請できるタイミングは新車登録(届出)を済ませ、車両代金の支払いまたはその手続きを完了した段階なので、購入までに補助金を受け取ることはできません。

【ポイント】自治体の補助金も確認を

自治体によっては、独自で電気自動車やプラグインハイブリッド車の購入に対して補助金の交付を行っています。CEV補助金と併用できるケースもあります。お住まいの自治体の補助金制度の有無や併用の可否も確認しましょう。

「愛車をどこで売るか」も重要

2024年度のCEV補助金では補助額が前年度より減額となる車種もある一方、増額となっている車種もあります。補助額も参考に、クルマを選ぶと良いでしょう。

なおクルマの乗り換えでは、今の愛車を高く売ることも重要です。買取査定の見積書があれば、下取り額との比較や交渉材料にも使えます。ガリバーでも無料査定を行っていますので、契約前にぜひご活用ください。

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221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。