軽自動車スーパーハイト系ベスト3を徹底比較
軽自動車スーパーハイト系ワゴンの中でこの秋もっともおすすめの車種トップ3を
自動車評論家の大岡氏が燃費・価格・機能性・乗り心地・安全装備・デザイン・走行性能を
徹底比較!さらには購入するタイミングと値引き術も解説します。
目次
おすすめランキング ベスト3
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ホンダ N-BOX
初代ホンダN-BOXは、とにかく売れた。モデル末期で、燃費や予防安全装備などもライバル車に劣っていたのにもかかわらず、2015、2016年度の販売台数ナンバー1に輝いた。完全に軽自動車スーパーハイト系ナンバー1というブランドが浸透。そんなN-BOXが2017年9月にフルモデルチェンジし2代目となる。
安全性を高めた2代目N-BOX
2代目N-BOXは、キープコンセプトとしながらも、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備である「ホンダセンシング」を標準装備し、高い予防安全性能をアピール。N-BOXの広大な室内スペースは、さらに広大となる。ハイブリッドシステムを持たないことから、燃費こそナンバー1ではないものの、2017年度も新車販売台数ランキングでナンバー1となった。また、カスタムには、高級車に装備されている、流れるように点滅するシーケンシャルウインカーを用意。販売台数ナンバー1ブランドとしての地位を確固たるものとしている。
N-BOXの中古車一覧 -
スズキ スペーシア
スズキ スペーシアは、2017年12月フルモデルチェンジし2代目となった。初代スペーシアは、ライバル車であったホンダN-BOXやダイハツ タントに対して、燃費こそクラストップだったのに惨敗した。その大きな理由が、イメージリーダーであるカスタムのデザインと価格だった。カスタムのデザインがややおとなしく、迫力に欠けていたこと、そして価格がやや高かったことが惨敗の理由だ。ただ、クルマとしての性能は、クラストップレベルだった。
売れない理由を克服した2代目スペーシア
2代目スペーシアは、初代のこうした失敗を生かし、売れなかった理由をすべて無くし再びスーパーハイト系マーケットにチャレンジ。顔は大きくなり、背も高くなって迫力を増した。2代目スペーシアは、マイルドハイブリッドを全車に採用し、クラストップの燃費を維持。さらに、使い勝手も向上させている。クルマとしての完成度も高いモデルといえる。
スペーシアの中古車一覧 -
ダイハツ タント
ダイハツ タント2013年10月にフルモデルチェンジ。現行モデルは3代目。すでに、モデル末期に入っていて、フルモデルチェンジ直前だ。そのため、やや古さが目立ってきており、販売台数も落ちてきている。
独自性を維持した設計で人気を維持
ただ、タントは助手席側のBピラー(柱)が無い設計になっており、このクラスでは想像を超える広大な開口スペースをもつミラクルオープンドアが装備されている。タントにしかないユニークな装備の利便性は高く、今もなお根強い人気を誇っている。
タントの中古車一覧
さらに、重要な予防安全装備も、モデル途中で進化。歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備「スマートアシストⅢ」を用意している。
おすすめランキング の 3台を比較
軽自動車スーパーハイト系ワゴンランキングベスト3 の 燃費・価格
N-BOX
車両価格はコンパクトカー以上に高いN-BOX
ホンダN-BOXの燃費は、自然吸気エンジンが27.0㎞/L、ターボ車が25.6㎞/Lもしくは25.0㎞/Lとなっている。販売台数はナンバー1だが、燃費はナンバー1ではない。ターボ車と自然吸気車の燃費差が小さい。これは、このクラスで全般的にそうした傾向だ。スーパーハイト系は、車重が重く660㏄の自然吸気エンジンでは、少々効率が悪い。自然吸気は力が無いため、ついアクセルを深く踏み込んでしまい実燃費が悪化しがち。ターボ車は、トルクがあるので、あまりアクセルを踏み込まなくても十分に走ってくれる。そのため、実燃費ではターボ車の方が、燃費が良くなるケースもある。
N-BOXの車両価格は高めだ。上級グレードのN-BOX G・EX 1,596,240円となる。装備がよいとはいえ、もはや、1クラス上のコンパクトカー以上の価格帯だ。
スペーシア
マイルドハイブリッド搭載で高い燃費性能を維持
スズキ スペーシアの燃費は、自然吸気車が30.0㎞/Lもしくは28.2㎞/Lとなっている。ターボ車の燃費は、25.6㎞/Lとなっている。スペーシアは、クラス唯一のマイルドハイブリッド機能を搭載しているため燃費がよい。
先代スペーシアが高価だったこともあり売れなかった反省点から、上級グレードのハイブリッドXの価格が1,468,800円と、装備は若干異なるものの、このクラスでは安価な価格となっている。
タント
価格はやや高めだが低燃費
ダイハツ タントの燃費は、自然吸気車が28.0㎞/L、ターボ車が26.0㎞/Lだ。デビューが最も古いタントだが、N-BOXより燃費がよく、マイルドハイブリッドのスペーシアに近い燃費値で高く評価できるレベルにある。
ただ、車両価格はN-BOXに近い価格となっており、やや高価だ。上級グレードのG SAⅢの価格は1,533,600円。タントは、ユニークなピラー(柱)レス構造のミラクルオープンドアをもつ。このミラクルオープンドアが、ややコスト高になることが要因だ。
軽自動車スーパーハイト系ワゴンランキングベスト3 の 装備・使い勝手
N-BOX
ホンダN-BOXの先進予防安全装備である「ホンダセンシング」の機能は、歩行者検知式自動ブレーキや誤発進・誤後退抑制、車線維持支援、前走車追従式クルーズコントロールなど計10種類もの機能が標準装備化されている。標準装備化されたのは高く評価できるのだが、レスオプションを設定している点は情けない。ライバル車と比較すると、高いレベルの安全装備となっている。ただ、多くのグレードにサイド&カーテンエアバッグが標準装備化されているが、GとG・Lグレードに関しては装備されていないのでオプション選択する必要がある。
室内の広さと優れた使い勝手面は、N-BOXが売れている大きな理由のひとつだ。N-BOXは、クラストップレベルの室内スペースを誇る。使い勝手面では、助手席スーパースライドシートが用意されている。スライド量を57㎝で、このスライド量を利用して、運転席から助手席側ドア、リヤスライドドア側からへのアクセスも可能だ。また、チップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシートも便利な機能。座面を跳ね上げれば、リヤシートにベビーカーを畳まずに詰めるなど、背の高い荷物も楽々収納できる。
スペーシア
スズキ スペーシアには、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備である「スズキ セーフティ サポート」が用意された。この機能は、後退時の衝突被害軽減ブレーキを軽自動車で初採用するなど、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能など多彩な安全装備をもつ。前走車追従クルーズコントロール機能はないものの、スペーシアの安全装備もクラストップレベルの実力をもつ。また、サイド&カーテンエアバッグが標準装備化された。これは、衝突時の保安基準を満たすためだ。優れた安全装備だが、残念なのは標準装備化されていないことだ。
先代モデルと比べると車内の広さは、やや広くなった。使い勝手面も良くなっており、グローブボックス上部のインパネアッパーボックスや、助手席シートアンダーボックスなどが装備されている。大きな差はなく使い方次第なのだが、ややN-BOXが上回る印象だ。
タント
ダイハツ タントの安全装備は、歩行者検知式自動ブレーキであるスマートアシストⅢが用意されている。スマートアシストⅢには、前後の踏み間違え防止機能などが用意されている。タントは、すでにモデル末期ということもあり、スズキやホンダの先進予防安全装備と比べると、やや見劣りする内容だ。また、サイド&カーテンエアバッグも1グレードにオプション設定。その他のグレードには、オプションでも装備できない状況。こちらも、ライバル車と比較すると、かなり物足りない状況といえる。
魅力はなんといってもミラクルオープンドア
タントの魅力は、ピラー(柱)レスミラクルオープンドア。使い勝手の良さは抜群。広大な開口部となるので、乗り降りがしやすい。フロアも低く、助手席側のドアも約90°も開くので、子供だけでなく高齢者にも優しい。
軽自動車スーパーハイト系ワゴンランキングベスト3 の 走行性能・乗り心地
N-BOX
スーパーハイト系は、全高が高い。ホンダN-BOXの全高は1,790㎜もある。軽自動の全幅は、1,475㎜と狭い。スーパーハイト系全般にいえることだが、幅が狭くて背だけが高いという非常にバランスが悪いスタイルをもつ。こうなると、クルマの重心はかなり高い位置になる。重心が高いとクルマは、とにかく不安定になる。カーブでは倒れそうなくらい傾き、もしものときに急ハンドルを切ると横転、側突されれば横転と、リスクばかりが顕著になる。しかも、背が高いので空気抵抗も大きくなり、車重も増え燃費も悪化する。
N-BOXは、こうした傾向を回避するため、低床フロアとして重心を少しでも下げる工夫をしている。また、ステアリング操作に対し、必要に応じてブレーキを制御。スムースなコーナリングができるようにアシストし、車高の高さを感じさせない安定感のある走りとしている。
乗り心地を改善、安定した乗り味に
乗り心地性能面では、先代N-BOXの突っ張った感じが強い乗り心地は改善され、随分マイルドな乗り味となった。ただし、その分、速度が高くなるとやや安定感に欠ける感じもある。ターボモデルのサスペンションくらいシッカリしていると、より安心して走れる。
また、N-BOXは、燃費よりエンジン出力を重視。自然吸気エンジンの出力は58ps&65Nm。ターボ車は64ps&104Nmとなっていて、ライバル車よりパワフル。とくに、自然吸気エンジン車は、背が高いことで車重が重くなっており、やや非力感を感じるための対策だ。静粛性は、高価なモデルほど静かになる。カスタムのターボ車で最上級グレードとなるGになると、クラスを超えた静粛性を誇る。
スペーシア
スズキ スペーシアの自然吸気エンジン車は52ps&60Nm、ターボ車は64ps&98Nmという出力をもつ。自然吸気エンジンの出力はN-BOXに劣るものの、マイルドハイブリッド機能をもち、モータートルクがプラスされる。そのため、アクセル操作に対するレスポンスも良く、非力さはあるもののこのクラス中では、意外と元気に走る。また、マイルドハイブリッド機能を生かし、クリープではEV走行が可能なのも魅力で実燃費にも貢献している。
乗り心地はやや硬めだが静粛性が高いスペーシア
乗り心地は、やや硬め。不快なものではない。スペーシアの特徴ともいえるのが、静粛性だ。マイルドハイブリッド機能をもつため、エンジン始動時にセルモーターのキュルキュルという大きな音と振動が無いのだ。アイドリングストップ機能により、市街地走行では、数えきれないほどエンジンが停止・始動を繰り返す。このときに、このキュルキュル音と振動がないため、室内は圧倒的な静粛・快適性が保たれる。街中での静粛・快適性を重視するのであれば、スペーシアが圧倒する。
タント
背の高さに起因する重心高の高さは、横転のリスクを高めている。ダイハツ タントも、そのリスクを回避するため、樹脂製のパネルを使い重心高を下げ、同時に軽量化する技術を投入している。それでも、やはり不安定になりがちなので、サスペンションは硬め。サスペンションを硬くすることで、カーブでの車体の傾きを抑えている。タントだけではなく、スーパーハイト系のクルマすべてが横風に弱い。一般道ではそれほど気にならないが、高速道路で横風が強いとクルマが風に流されフラフラしてまっすぐ走らない。
燃費重視のためエンジンはやや弱い印象
タントの自然吸気エンジンは、燃費志向ということもあり、やや非力感が強い。52ps&60Nmという出力となっている。しかも、エンジンを回さないとパワーとトルクが出てこないので、アクセルを深く踏み込むことが多くなり、エンジンの回転が高くなることで、ややうるさく感じることもある。ターボ車は、64ps&92Nmの出力をもっており、これくらいの出力があるとキビキビ走るようになる。
軽自動車スーパーハイト系ワゴンランキングベスト3 の デザイン
N-BOX
車名にあるBOXという名の通り、ホンダN-BOXは、四角いデザインが特徴。このデザインは、先代モデルから継承されている。先代モデルと似たようなデザインだが、面の張りが強く、ウインドウ部分が小さくドアが高いこともあり、全体的に塊感のあるデザインになっている。また、標準モデルは、丸型のLEDライトを中心とした柔らかいデザインにとなっていて、まるで笑っているような愛らしい顔となっている。
豪華な装備を搭載したN-BOXカスタム
人気のN-BOXカスタムは、基本的なシルエットは同じだが、顔つきは全く異なる。9灯のLEDヘッドライトが装備され、睨みつけるような威圧感がある。カスタムは、光モノに力が入っており、このクラスでは唯一となる高価なシーケンシャルウインカーを装備。シーケンシャルウインカーは、流れるように光るウインカーで、高級車などに装備されているような豪華装備を軽自動車にも採用。とくに、夜に目立つ装備で存在感をアピールしている。
スペーシア
スズキ スペーシアの標準車は、スーツケースをモチーフにしたデザインが採用されている。すぐに分かるのが、角の取れた大きな四角いヘッドライト。クリっとした大きな目が、かわいらしさをアップ。女性に好まれそうな優しい顔になっている。また、インテリアでは、助手席側のダッシュボードに、スーツケースをモチーフにしたデザインが採用されている。
カスタムはギラギラ感が強いスペーシア
スペーシア カスタムは、先代モデルで失敗した経験を生かし、とにかく押し出し&迫力系デザインでまとめられている。スペーシアカスタムは、大きな顔とグリルで勝負。グリルのフレームはメッキ調で、ギラギラ感もアピールしている。デザイン性というよりは、とにかく目立つ顔になった。
タント
ダイハツ タントは、モデル末期ということもあり、デザインもやや古く見えてきた。標準車は、シンプルな面構成でスッキリした印象にまとめられている。スッキリ感はあるのだが、かわいいいとも、カッコいいともいえないという中途半端感がある。よくも悪くも好き嫌いが出ないデザインだ。
「売れるデザイン」重視、押し出し全面のタントカスタム
そして、タントカスタムは、高価なLEDヘッドライトやフォグランプ、メッキパーツが大量に使われている。とにかく、押し出し感がありギラギラ感が強く、デザイン性というよりは、とにかく目立てばいい的なデザインだ。ある意味、スペーシアカスタムと共通したイメージで、これが売れるデザインということになるのだろう。
知って
得する
軽自動車スーパーハイト系ワゴン ランキングベスト3 の 新車値引き交渉術
スーパーハイト系だけでなく、軽自動車の新車購入は、まず登録済み未使用車という選択肢を入れてみるといい。未使用車とは、主にインセンティブ欲しさというディーラーの都合で買い手がいないクルマを自社名で登録し、売ったことに見せかけたクルマのこと。基本的に、ただ登録しただけなので、ほぼ新車コンディションである。クルマは、一度登録すると中古車扱いになる。中古車扱いなので、新車コンディションながら、価格は新車に比べ大幅に安くなっている。欲しいグレードや装備、色、オプションなどが、自分の好みに合えば、価格も安いし新車コンディションなので、新車を買う理由が見つからない。こした未使用車は、中古車サイトなどで検索すれば、すぐに見つかる。
未使用車がもっとも多く出回る3月を狙え!
また、未使用車が一番多く発生する月は3月。ディーラー側も未使用車など生み出したくはない。当然、未使用車にするくらいなら値引きして売った方がよいと思う時期でもある。3月中旬から下旬にかけて、すぐに登録できるような在庫車などがあれば、こうしたクルマの値引き額はかなり大きくなるので狙い目だ。
ライバル車の見積もりは必ず取っておくこと
さて、値引きに関しては、ライバル車同士を必ず競合させること。どのクルマが本命だとしても、N-BOXとタント、スペーシアの見積りは必ず取っておく必要がある。とくに、タントはモデルチェンジ直前ということもあり、大幅値引きの可能性は高い。また、スペーシアは、あまり売れていないので競合させるだけで一定の値引きが提示される可能性が高い。販売台数ナンバー1のN-BOXは、若干強気。ただし、スペーシアとタントと競合させて、商談期間を長くとれば、しびれを切らせて値引きに応じてくるだろう。
本命車種の見積もりは一番最後にとるのがポイント
そして、競合させるときに注意したいのは、本命車種の見積りを一番最後に取ること。一番最初に見積りを取るクルマこそ、本命であると営業マンは思うからだ。営業マンに本命車種であることを悟られてはダメ。本命車種であっても、あくまで通りすがりで見に来た程度で十分。大切なのは、営業マンに本命はライバル車であると勘違いさせ、営業マン自らの営業力で、ライバル車から奪い取ったと思わせること。商談中には「値引き次第」、「予算さえ合えば、あなたから買いたい」と言ったトークを入れながら、営業マンに値引き勝負に出るように誘うことも大切だ。
愛車の無料査定を申し込むおすすめランキング の 3台を調べる
ホンダ N-BOX
中古車情報
カタログ情報
- ■新車時価格(税込):
- 131.5万円〜200.7万円
- ■中古車相場:
- 29万円〜198.8万円
- ■1ヶ月1,000km走行時ガソリン代:
- 約5,000円
他の車種と比較
スズキ スペーシア
中古車情報
カタログ情報
- ■新車時価格(税込):
- 127.4万円〜159万円
- ■中古車相場:
- 105万円〜178万円
- ■1ヶ月1,000km走行時ガソリン代:
- 約4,500円
他の車種と比較
ダイハツ タント
中古車情報
カタログ情報
- ■新車時価格(税込):
- 117万円〜188万円
- ■中古車相場:
- 5万円〜199.8万円
- ■1ヶ月1,000km走行時ガソリン代:
- 約4,821円
他の車種と比較
※ ガソリン価格は一律120円で算出しています。