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マツダ復活のきっかけとなった初代CX-5
2代目CX-5はすべての性能が大幅に深化!
実燃費を向上させた新2.5Lエンジン
使い勝手や安全装備面は大きく向上
マツダCX-5の選び方
各グレードの価格一覧

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

マツダ復活のきっかけとなった初代CX-5

マツダはミドルサイズのSUVであるCX-5を年次改良し3月8日発売を開始する。マツダCX-5は、2017年にフルモデルチェンジし2代目になったばかりのモデルだ。

2代目CX-5は、初代CX-5との関係が深い。初代マツダCX-5は、2012年に登場。当時、経営が悪化していたマツダ復活をかけた新世代商品群の第1弾のモデルとして登場した。

個性的な魂動デザインや、新技術を満載したクリーンディーゼルエンジンなどを搭載。そのパフォーマンスは優れていて、2012-2013年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。CX-5は、日本だけでなく世界的にもヒットし、マツダは経営不振から脱却した。

2代目CX-5はすべての性能が大幅に深化!

2代目となったCX-5は、人気モデルだったCX-5のプラットフォーム(車台)をベースに開発された。プラットフォーム(車台)は、巨額な投資と長い開発期間がかかる基本骨格。最近では、コストダウンを目的として、2世代続けて同じプラットフォーム(車台)を使うメーカーも少なくない。

こうした2世代で共通のプラットフォーム(車台)を使うことは、コストダウンでのメリットは非常に大きい。しかし、デメリットも生じる。プラットフォーム(車台)は、クルマの基本性能を決める最重要部分。2世代目になると、ライバル車に対して走行性能や燃費、安全性など性能面で劣ってしまう可能性がある。極端に劣ってしまえば、販売台数に影響するのは確実。こうしたリスクをどう回避するかも、自動車メーカーの技術のみせどころになっている。
 

プラットフォームを大幅に改良

そこで、2代目CX-5は初代CX-5のプラットフォーム(車台)を大幅に改良。効率的な補強の他、Aピラーやサイドシルなどに軽く強度の高い超高張力鋼板を採用。この改良により、先代CX-5に対しねじり剛性を15.5%高めた。

また、新技術も搭載された。ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に変化させ、横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールする新世代車両運動制御技術「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」の第一弾「G-Vectoring Control」を全車に標準装備。2代目CX-5は優れた走行性能と乗り心地性能を誇った。
 
インテリアは、よりラグジュアリー感が強まり、質感も向上。2.2Lクリーンディーゼルエンジンの静粛性も上がり、車内の静粛性は一段と高いレベルとなり、ラグジュアリーSUVとしての価値を大幅に向上させている。新旧CX-5を乗り比べると、まるで違うクルマのように感じるほどだ。

実燃費を向上させた新2.5Lエンジン

2代目CX-5の年次改良では、とくにガソリンが大幅に深化している。2.0Lと2.5L共に、耐ノック性を向上させるため、ピストンのエッジカット形状の変更や排気ポート形状の見直しを実施。高負荷状態での実用燃費やトルクを改善。ピストンスカート部の形状も最適化。新たに「低抵抗ピストン」を採用し、機械抵抗を低減。実用燃費の改善と静粛性を向上させている。

また、冷却水の流量を適切に制御。シリンダーからの熱逃げを削減した。これにより、冬季を中心に暖気性が向上している。エンジンが冷えた状態では、燃費が悪い。なので、こうした暖気性の向上は、冬場はもちろん、駅までの送迎など、ちょい乗りを繰り返すような使い方に効果が出てくる。

そして、より高い環境性能も得た。新ノズル付き拡散インジェクターを採用し、理想的な高拡散噴霧により燃料がシリンダー壁面に付着する前に確実に気化することで無駄の少ない燃焼を実現した。さらに、より正確な燃料噴射制御が行える新PCM(Powertrain Control Module)を採用。排出ガス中の粒子状物質(PM)を低減している。

燃費と出力向上という相反する要素を両立!

そして、2.5Lエンジンには、「気筒休止」機能が採用された。エンジン負荷が低い場合に、4気筒のうち2気筒を休止させ燃費を向上。ただし、気筒休止システムは、2気筒と4気筒の切り替えや、2気筒での走行中など、振動などが多く発生することがあある。こうした弊害をどこまで抑え込んでいるのかも注目ポイントだ。

今回のエンジン改良では、カタログ値ではなく実用域での燃費向上をアピールしている。実際、JC08燃費値に関しては、改良前のモデルとほぼ同じ。実燃費がどれだけ向上しているのか、具体的な数値が欲しいところだ。

そして、CX-5で高い人気を得ている2.2Lクリーンディーゼルエンジン。このエンジンも進化した。進化内容は、すでに発売済みのCX-8に搭載された改良型ディーゼルエンジンと同じだ。静粛性と燃焼効率、高い環境性能を両立する「急速多段燃焼」を採用。「段付きエッグシェイプピストン」、「超高応答マルチホールピエゾインジェクター」、「可変ジオメトリーターボチャージャー」などの新技術が投入され、最高出力を従来の175psから190psに、最大トルクを420N・mから450N・mに向上している。

燃費性能は、FF(前輪駆動)車で18.0㎞/Lから19.0㎞/Lに向上。燃費と出力向上という相反する要素を両立した。

使い勝手や安全装備面は大きく向上

エンジン以外でも、使い勝手や安全装備面が向上している。まず、最新の「360°ビュー・モニター」をメーカーセットオプションとして設定された。車両の前後左右にある4つのカメラ映像をさまざまな走行状況に応じて切り替えが可能。映像はセンターディスプレイに表示。カメラの映像で死角にある障害物などを確認することができるので、より安全な運転が可能となった。

身長が低く力の無い女性にはうれしいパワーリフトゲートが、メーカーセットオプション設定グレードを拡大した。「20S PROACTIVE」、「25S PROACTIVE」に用意された。

その他、車速感応式オートドアロック(衝撃感知ドアロック解除システム付)を全グレードに標準装備。「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」の操作性を向上。スイッチ表示を変更するとともに、モード切替時のビープ音を追加。操作確認がしっかりとできるようになった。

マツダコネクトの機能も向上しつつ価格は据え置き

そして、マツダコネクトの機能も向上。従来のGPS衛星のみでは難しかった高層ビルの多い場所や、高速道路の高架下などでの自車位置測位と表示がより正確化。

その他、細かい部分での機能面や使い勝手も向上しているCX-5.。エンジンなどに関しては、かなりの改良がほどこされた。普通ならば、それなりに価格もアップするとことだが、今回はこれだけの改良を施しながら価格アップは見送られている。

CX-5を含むマツダの新世代商品群は、人気が高かったこともあり、やや強気の価格設定がされてきた。そのため、ライバル車より、やや高めに見える傾向があった。ただ、実際にはCX-5の装備は充実しているため、装備まで含んだ価格ではそれほど高くない。見た目の価格をこれ以上上げると、販売台数に影響を及ぼすかもしれないと考えたか、より販売台数を伸ばすために価格を上げず勝負に出たとも考えられる。

どちらにせよ、我々ユーザー側から見れば、よりよいクルマが安く買えることはよいことだ。

マツダCX-5の選び方

マツダCX-5の選び方。CX-5は、歩行者検知式自動ブレーキなど、先進予防安全装備などを含む安全装備が充実している。エントリーグレードでも、平均以上の装備なので、どのグレードを選んでも安心して乗れる。ほぼ理想に近いグレード体系になっている。

そのため、CX-5の選び方は、まずエンジンの選択からになる。用意されているエンジンは、2.0Lと2.5Lのガソリン、そして2.2Lディーゼの3タイプだ。

とにかく、予算重視というのであれば、2.0Lガソリン車でも十分。ただし、FF(前輪駆動)車しかないので、ウインタースポーツを積極的にしている人や降雪地域に住んでいる人だと、少々選びにくいかもしれない。4WDが必要というのであれば、2.5Lガソリンか、2.2Lディーゼルから選ぶことになる。

少々微妙なのが2.5L車。2.0Lよりは力強いが、2.2Lクリーンディーゼルほどではなく、2.5L車はエコカー減税の適用グレードも一部のみ。

エンジン選びでオススメは2.2Lディーゼル

こうなると、お勧めエンジンは2.2Lディーゼル。やはり、450Nmという大トルクを誇るディーゼルは、とにかく速く余裕のある走りが可能。燃費値も18.0㎞/L(4WD)/19.0㎞/L(FF)と、ガソリン車以上。

また、ランニングコストである燃料費にも大きなメリットがある。経由はガソリンより20円/L前後も価格が安い。それでいて、燃費もいいので燃料費差は非常に大きくなる。毎日クルマを使う人にとって非常にメリットがある。その上、450Nmという大トルクをもつので、燃費がよく力強い。

しかし、ディーゼル車は車両価格が高くなる。ガソリン車との価格差は、約31万円。随分高価なので、燃料費が安くなるとは言え、約31万円分を回収するのは難しいと感じるかもしれない。だが、ディーゼル車はエコカー減税免税対応。そのため、グレードにもよるがガソリン車に比べ、約10万円前後節税可能だ。この分を含むと、走行距離が長くなる人ほど車両価格差は回収しやすなり、場合によってはディーゼル車の方がお得になる可能性もある。

また、中古車マーケットではディーゼル車の方が人気が高い。こうなると、ディーゼル車のリセールバリューも上がるので、短中期で乗り換えるような人にもディーゼル車は向いているだろう。
 

3グレード設定はどれも良い出来

エンジンの選択ができたら、次はグレード選びだ。CX-5は、標準グレードにプロアクティブ、Lパッケージと3グレード構成となっている。グレード間の差は、主に豪華装備によるもの。

シンプルな仕様でいいのであれば、標準車でも十分。ただ、せっかくラグジュアリー系のSUVに乗るのだから、満足感がある装備が欲しいと思うだろう。そうした人にお勧めなのが、中間グレードのプロアクティブだ。

エントリーグレードに対して、レーンキープアシストや全車速追従クルーズコントロールなどがプラス装備されている。とくに、全車速追従クルーズコントロールは、高速道路などでの渋滞時に非常に便利な機能。ドライバーの疲労軽減にも役立ち、安全にロングドライブが楽しめる。

レザーシートのチョイスも可能に!

さらに、レザーシートなどの高級装備が欲しいのであれば、Lパッケージになる。ます、プロアクティブをベースに装備の有無を検討して選ぶといいだろう。

プロアクティブのオプションでお勧めとなるのは、パワーシートや運転席&助手席シートヒーターなどが装備されれる「ドライビング・ポジション・サポート・パッケージ」や「360°ビュー・モニター+フロントパーキングセンサー」だ。

お勧めはディーゼル車としたが、予算的に厳しいようであれば、中古車という選択肢もある。初代CX-5で2015年式という高年式で180~270万円台で手に入るくらいになっている。特別安いという訳ではないが、新車に比べれば100万円以上安く力強く低燃費なディーゼル車が買える。

各グレードの価格一覧

・20S(FF) 2,494,800円
・20S PROACTIVE(FF) 2,689,200円
・25S 4WD 2,721,600円
・25S PROACTIVE 4WD 2,916,000円
・25S L Package(FF) 2,986,200円/4WD 3,213,000円
・XD(FF) 2,808,000円/4WD 3,034,800円
・XD PROACTIVE(FF) 3,002,400円/4WD 3,229,200円
・XD L Package(FF) 3,299,400円/4WD 3,526,200円