2016年年間及び、12月の乗用車・軽自動車の新車車種別販売台数を各機関が発表しました。新車・中古車市場で「今、本当に売れている車」はどんな理由で売れ筋なのでしょうか。新車だけではなく、株式会社IDOM(旧社名:ガリバーインターナショナル)の中古車販売実績も踏まえて、実際に人気のある車はどのような車なのかを分析、解説します。

  1. 目次
  2. 1 2016年、年間の新車・中古車販売台数ランキング
  3.   1-1 4年ぶりに新車販売台数首位のプリウスだが、人気はイマイチ?
  4.   1-2 新車販売、軽自動車は伸び悩み
  5.   1-3 中古車市場では軽が人気!お得さと、手軽さが理由?
  6.   1-4 新車・中古車総評。群雄割拠の2017年になるか?
  7. 2 2016年12月の新車・中古車販売台数ランキング
  8.   2-1 新車:早速ソリオを打ち負かしたルーミー/タンク
  9.   2-2 中古車:アクアがようやく値ごろ価格?


【データ出典元】:
新車車種別乗用車販売台数:一般社団法人自動車販売協会連合会
新車車種別軽自動車販売台数:一般社団法人全国軽自動車協会連合会
中古車車種別販売台数:株式会社IDOM(旧社名:ガリバーインターナショナル)の販売実績

2016年、年間の新車・中古車販売台数ランキング


2016年年間新車中古車販売台数ランキング

新車市場では、2016年月別では、トヨタ「プリウス」とホンダ「N-BOX」の首位争いが続いていましたが、15年末にフルモデルチェンジを行なったプリウスが圧倒的な販売台数で年間1位を獲得しました。前年まではアクアが3年続けて首位だったため、一位はトヨタからトヨタへと移譲される結果に落ち着きました。さすがは登録車のシェアが5割に近いトヨタ、小型車種を中心に隙間のないラインナップゆえの盤石ぶりと言えるでしょう。一方、中古車販売ランキングでは、ダイハツの軽自動車「タント」が年間1位となりました。

■4年ぶり新車販売台数首位のプリウスだが、人気はイマイチ?

プリウスは15年12月のフルモデルチェンジ以降、順調に販売台数を伸ばし、24万8258台と昨年の2倍近い販売台数を達成しました。全車種の中で唯一、年間で20万台以上の売り上げです。
ただし、一見絶好調に見えるプリウスも、9月以降は日産「ノート」やホンダ「N-BOX」に販売台数首位を奪われています。先代プリウスが2009年5月から1年7ヶ月もの間首位を独占していたことを鑑みると、意外にも先代ほどの人気は獲得できていないことが分かります。
今後は17年2月にフルモデルチェンジし発売を開始するプリウスPHVが、どこまで売り上げを伸ばせるかに注目です。

<関連記事>「12月に発売! 燃費40.0㎞/L! 圧倒的な低燃費を実現」トヨタ プリウス購入ガイド

prius
トヨタ 「プリウス」 在庫一覧
カタログ情報

▶︎▶︎プリウスを最大限に値引く方法は?プリウスの新車値引き攻略法はこちら


■新車販売、軽自動車は伸び悩み

前年に比べて大きく引き離されたのは、製造元の三菱自動車の燃費不正問題で2ヶ月販売を中断した日産「デイズ」。2016年は新規投入の少ない年だったこともあり、前年に比べ、ランキング上位に販売台数が大きく伸長した軽自動車は見当たりません。
そんな中で、ホンダ「N-BOX」とダイハツ「タント」という軽自動車二車の安定した人気が際立った形になりました。
新車販売台数の第2位はN-BOXで、前年比0.8%増の18万6367台となりました。軽自動車は相次いで前年比でマイナスとなる中、変わらぬ人気を顕示しています。軽自動車なのにミラクルオープンドアという強みを持つタントも15万5998台と前年の水準をキープし、総合4位に着地しました。

▶︎▶︎N-BOXを最大限に値引く方法は?N-BOXの新車値引き攻略法はこちら

▶︎▶︎タントを最大限に値引く方法は?タントの新車値引き攻略法はこちら


N-BOX
ホンダ 「N-BOX」 在庫一覧
カタログ情報

■中古車市場では軽が人気!お得さと、手軽さが理由?

一方で、買取・販売実績No.1のガリバー(※1)で1年で最も売れた中古車は、ダイハツ「タント」でした!そして、同じく軽自動車であるスズキ「ワゴンR」が次位という結果に。続いて日産「セレナ」、トヨタ「プリウス」と乗用車が続きますが、5位にダイハツ「ムーヴ」が位置しています。
※1
2014年度主要10社における中古車販売台数 小売・卸売合算値 グループ企業除く
株式会社矢野経済研究所調べ 2016年3月現在
2001年~2014年主要買取専門店7社における中古車買取台数
株式会社矢野経済研究所調べ 2015年5月現在

売れ筋ベスト5の内、3つが軽自動車という結果です。中古車市場で軽自動車が人気の理由の一つは、軽自動車には「新古車」や「登録済未使用車」と言われるクルマが多く流通しているからということが言えそうです。実際には新車とほぼ変わらないコンディションのクルマが、新車価格よりずっと安く買えるところにメリットを感じる人が多そうですね。

<関連記事>未使用車はなぜ生まれるのか?メーカー自社登録3つの裏側

また、そもそも価格や維持費が乗用車より抑えられている軽自動車の中古車は手軽に購入出来るため、ファーストカーとしても人気があります。

ダイハツ タント
ダイハツ 「タント」 在庫一覧
カタログ情報

■新車・中古車総評。群雄割拠の2017年になるか?


あらためて20位までの新車年間ランキングを見返してみると、20位のヴィッツ以外には全てハイブリッド車の設定があります。 かつてはハイブリッドといえばトヨタの専売特許でしたが、今や名実ともにトヨタだけのものではなくなりましたね。

そして、なんとも残念なことに、上位20車種にマツダのクルマが見当たらないという結果に。
頑張れマツダ!とエールを送りたいファンはたくさん居ることでしょう。
マツダは「予混合圧縮着火(HCCI)」エンジンを開発中で、HCCI搭載車を2018年度末に量産化し販売を開始すると言われています。
このエンジンが実現すれば、ガソリン車が「リッター30キロ」の低燃費となるそうです。
無論、シェアではトヨタが抜きん出てはいますが、どのメーカーの車にもそれぞれが大切にする強みがあり、各社ラインアップに甲乙をつけがたいのが事実。
各メーカーからそれぞれの魅力を発揮した車が立ち並び、2017年の新車市場は今まで以上に群雄割拠の年となりそうです。

一方、新車では絶版のクルマも選択肢に入れられるのが中古車ならではの醍醐味です。
中古車販売台数ランキング11位のホンダ「ライフ」は2014年に販売終了していますが、N-BOXと同じ位置づけにあることから中古車市場では安定した人気。日産「モコ」も16年5月に新車の販売が終了していますが、13位と根強い人気がうかがえます。9位のスズキ「ラパン」は、新型よりも旧型の方がデザインなど人気があり、中古車市場では高い需要があるようです。

アルトラパン

スズキ 「ラパン」 在庫一覧
カタログ情報

モコやラパンなど女性をターゲットにしたクルマが、新車ではなく中古車のTOP20に入っていることを意外に思う方も多いのではないでしょうか。
中古車は案外、車を買いたい若い女性のニーズをしっかりと満たしてくれるようです。
「車のことはよく分からないけど車が必要」という人や、低予算で抑えたい人には、知識の豊富なスタッフさんに相談しながら豊富な選択肢から選べる中古車販売店は、とてもマッチした場所なのです。

2016年12月の新車・中古車販売台数ランキング


2016年12月新車中古車販売台数ランキング

■新車:早速ソリオを打ち負かしたルーミー/タンク

11月9日発売開始のトヨタの新型車「ルーミー」「タンク」がそれぞれ15位と18位にランク入りしました。これらはダイハツによるOEM車、つまりダイハツにより製造されトヨタブランドとして供給されている車です。ダイハツが開発した新型車「トール」と、同じOEMのスバル版である「ジャスティ」も同時に発売を開始していますが、ブランド力のあるトヨタの「ルーミー」「タンク」の売れ行きは流石です。
早速売れに売れているようで、月販目標である3750台(各車)をゆうに超えた好調なセールスを達成しました。コンパクトトールワゴンというジャンルはスズキ「ソリオ」がつくってきたマーケットです。安定的に好調だったソリオの売り上げはトヨタとダイハツ、スバルの共闘によって危機的状況に陥るかもしれません。

<関連記事>「スズキが育てたマーケットを根こそぎ奪え!」トヨタ ルーミー/タンク ダイハツ トール購入ガイド

ルーミー
トヨタ「ルーミー」

■中古車:アクアがようやく値ごろ価格?

ずばり注目は12位にランクインのアクアでしょう。アクアはあまりに気合入れて制作したので、他の車種よりコスト高と言われ、次期モデルは開発されないかも、と噂されています。そんなアクアもデビュー以来丸5年を経過。中古車としてはだいぶ値ごろ感がでるようになりました。今後も供給は安定が約束されているので、順調に値落ちが進んで、買いやすい・選びやすい環境が続くでしょう。

アクア
トヨタ 「アクア」 在庫一覧
カタログ情報