スズキ ソリオスズキは、コンパクトトールワゴンクラスに属するソリオ/ソリオバンディットに、パラレルハイブリッドシステムを搭載した新型ソリオハイブリッドを追加し発売を開始した。このハイブリッド車の追加で、ソリオにはマイルドハイブリッド車とパラレルハイブリッド車の2タイプが用意されたことになる。

  1. 目次
  2. 地道にコンパクトトールワゴンクラスを育ててきたスズキだが・・・
  3. ライバルの迎撃態勢完了!パラレルハイブリッドとは?
  4. ソリオを選ぶなら。甲乙つけ難いが、上級グレードがオススメ?!
  5. スズキ ソリオ/ソリオ バンディットの価格


地道にコンパクトトールワゴンクラスを育ててきたスズキだが・・・


ソリオは、このコンパクトトールワゴンクラスにおいてパイオニア的な存在だ。 ソリオの起源ともいえるモデルが、1997年に登場したワゴンRワイドだ。当時、人気絶頂だった軽自動車のワゴンRをベースにボディを拡大し、1.0Lエンジンを搭載した。当時、かなり安易に開発されたモデルのようだったが、スズキはすでにこの頃からコンパクトトールワゴンクラスに目を付けていたのは確かだ。その後、車名は色々変化した。2011年に登場した先代ソリオから、左右スライドドアが装備された。

現行のソリオは2015年に登場。ソリオのボディサイズは、全高を除き非常にコンパクトだ。全長3,710×全幅1,625×全高1,745mmとなっていて、全長と全幅はトヨタ アクアや日産ノートといった売れ筋コンパクトカーよりひと回り小さい。このクラスはAセグメントと呼ばれていて、日産マーチや三菱ミラージュ、トヨタ パッソなどが属している。

スズキ ソリオただ、パッソを除く国内のAセグメント車の多くが販売面で苦戦している。売れない理由は、軽自動車と競合だ。価格は軽自動車と同等。居住性は優れたパッケージングをもっている軽自動車が上回ることもある。さらに、車庫の問題や維持費や税金などを含めると、軽自動車は維持費面で優れている。こうしたことから、Aセグメント車より軽自動車という選択になりやすい。

この厳しいAセグメントにおいて、ソリオの販売は好調だ。ソリオは他のAセグメント車とは異なり、高い全高とスライドドアというユニークさが際立っている。このユニークさがソリオの強みでもある。

ソリオの販売台数は、2016年4~9月の販売台数は24,516台。前年同月比153.3%と絶好調。登録車の新車販売台数ランキングでは15位! スズキの登録車では、一番売れている。これは、急に売れ出したというよりは、地道に売り続けたことで顧客を増やしていった結果だ。

そんなソリオだが、2016年末からピンチに立たされた。トヨタがダイハツと組んで同じコンセプトのコンパクトトールワゴンである新型トール、ルーミー/タンクという3車種を投入した。なんと、これらのモデルはトヨタの全チャネルで扱われる。このことからも、トヨタは、圧倒的な営業力で、スズキが築いてきたマーケットの顧客を根こそぎ奪う狙いを感じさせる。
 

ソリオライバルの迎撃態勢完了!パラレルハイブリッドとは?


スズキ ソリオトヨタグループの物量作戦で、さすがのソリオもジリ貧状態に陥るのかと思われたが、スズキはそう簡単にトヨタのコンパクトトールワゴンのクラスを明け渡すようなことはなかった。まさかの自社開発のパラレルハイブリッド車を投入し、迎撃態勢に入った。その新機種が、新型スズキ ソリオハイブリッドということになる。ハイブリッドで世界を席巻するトヨタのお株を奪う格好となった。

■トヨタのお株を奪うパラレルハイブリッド

ソリオには、マイルドハイブリッド車があったが、今回のモデルはスズキ独自のパラレルハイブリッドだ。従来のマイルドハイブリッド車は、モーターはあくまでエンジンのアシスト程度の役割しかなかったが、今回のハイブリッド車は約60㎞/h以下で条件がそろえばEV走行が可能になっている。

組み合わされたエンジンは、燃費に優れるK12C型デュアルジェットエンジン。このエンジンに、発電も可能な駆動用モーター(MGU)と伝達効率に優れたトランスミッションであるオートギヤシフト(AGS)を組み合わせた。このミッションは、シングルクラッチの5速AGS(オートギヤシフト)。シフトフィールは随分洗練されていて、違和感は随分減った。MTベースなので、ダイレクト感のある走りができる。ただし、スムースさではやはりCVTが上回るといったところだ。

■ソリオハイブリッドのスペックは?

スズキ ソリオソリオハイブリッドのモーター出力は13.6psほど。小さいモーターなので、力強いEV走行が可能という訳ではない。モーターによるエンジンのアシスト走行に加え、クリープ走行時や約60km/h以下での一定速走行時にはエンジンが自動停止し、EV走行を可能とし低燃費化している。モーター駆動が主役というタイプのハイブリッド車ではない。気持ちいいと感じるのは、走行中に一旦アクセルを戻し、再加速をする瞬間だ。モーターが瞬時にエンジンをアシストし、瞬時にクルマを前方に押し出す。このレスポンスの早さがソリオの美点だ。

また、ソリオにはスズキの優れた軽量化技術が採用されている。新型ソリオハイブリッドの車重は、両側スライドドア装着車としては異例の全車1,000kg未満の車両重量を達成。その結果、コンパクトハイトワゴンのナンバー1となる32.0km/Lという低燃費を実現。全車をエコカー減税の免税対象車とした。

 

ソリオを選ぶなら。甲乙つけ難いが、上級グレードがオススメ?!


スズキ ソリオスズキ ソリオハイブリッドの選び方。ソリオのライアップは、明確でガソリン車は売る気がない。Gグレードの1グレードのみで、装備もかなりシンプル。営業車やレンタカー用といった印象なので、一般ユーザーは選択しない方がいい。そうなると、ソリオの選択肢は、マイルドハイブリッド車かハイブリッド車のどちらかということになる。

悩みどころは価格だ。ハイブリッド車とマイルドハイブリッド車の価格差は、約22万円と大きい。ハイブリッド車の燃費が32.0㎞/Lで、マイルドハイブリッド車の燃費が27.8㎞/Lとなっているが、燃費差による燃料費で元を取るのは難しい価格差だ。同じ上級グレードならば、装備差はほぼ同じとなっている。

また、ハイブリッド車は価格設定が高い。上級グレードのハイブリッドSZは2,062,800円とAセグメントのクルマとは思えないほど高価だ。ここに、絶対に装備したい歩行者検知式自動ブレーキであるデュアルカメラブレーキサポートを装着すると59,400円高になる。こうなると、トヨタ アクアや日産ノートe-POWERなどのひとクラス上のハイブリッドコンパクトカーが買えてしまう。ソリオは、スライドドアであることから、価格が高くなってしまうのだが、ちょっと微妙な価格帯に入っている。選択のポイントは、スライドドアが必要なのかどうかということになる。

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グレードは、上級グレードとなるSZかMZがお勧めだ。エントリーグレードのSX、MXには右側パワースライドドアの設定がない。上級グレードには、ディスチャージヘッドライトやLEDポジションライト、オートライトなども標準装備されている。価格差は15万円ほどあるが、上級グレードとなるSZかMZの方が満足度が高い。もともと高価なモデルなので、装備が充実したモデルを選んだ方がいいだろう。さらに高額な価格設定となるバンディットは、どうしてもこのデザインがいいという人向けだ。

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スズキ ソリオ/ソリオ バンディットの価格


・ソリオHYBRID SX 1,917,000円
・ソリオHYBRID SZ 2,062,800円
・ソリオ バンディットHYBRID SV 2,046,600円

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