ホンダステップワゴンホンダは、5ナンバーミニバンのステップワゴンを改良し発売を開始した。

ホンダ ステップワゴンは、2015年4月にデビューし、現行モデルが5代目となる。



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ステップワゴンの特徴


ステップワゴンの特徴は、大きくわけて3つ。ひとつ目は、このクラス唯一のダウンサイジングターボである直噴1.5L VTEC TURBOエンジンを搭載していること。低速域では2.4L車並みのトルクを発揮する。低中速域でのやや力強さを感じる。燃費は、最も良いグレードで17.0㎞/L。売れ筋グレードになると、16.2㎞/Lになっている。ダウンサイジングターボエンジンとはいえ、特別優れた燃費値という訳ではなく、このクラスの平均的なレベルといったところ。各社燃費値は均衡しており、平均的なレベルとはいえトップレベルの燃費値だ。

ユニークな装備「わくわくゲート」は、なかなか便利な機能

ふたつ目の特徴は、ホンダらしいユニークな装備である「わくわくゲート」。大開口のテールゲートに横開き式のサブドアを備えた「わくわくゲート」は、なかなか便利な機能。ミニバンのテールゲートは、とても大きく重い。そのため、後方に一定のスペースがないと開くことができないのが難点。ショッピングセンターの駐車場で、壁や他の車両との距離が近いと完全に開くことが難しくなるケースが多い。だが、わくわくゲートは、横開きするので、後方スペースが少なくてもテールゲートを開閉できる。さらに、3列目のシートを左右に分割して床下格納できる「マジックシート」との組み合わせで、テールゲートを開けることなく横開き式のサブドアから3列目シートへの乗り降りを可能。また、荷物の出し入れなども容易にしている。

「ホンダセンシング」搭載で高い安全性能を誇る

そして、三つ目の特徴が最新の安全装備である「ホンダセンシング」。このホンダセンシングは、歩行者検知式自動ブレーキ関連の安全装備。その他、車線逸脱抑制踏み間違い衝突防止アシストなども用意され、高い安全性能を誇る。しかし、ホンダは安全思想として「セーフティ フォー エブリワン」というスローガンを掲げていたが、デビュー当時はすべてオプション設定。まったく、「セーフティ フォー エブリワン」ではなかった。

ライバル車に対して安全性能面で大差をつけるが・・・


ホンダステップワゴン今回の改良では、このように物足りなかった安全装備をBグレードを除くすべてのグレードに標準装備化した。全車標準装備化ではないところが、物足りないが、より安全なクルマが社会全体に増えることは交通死亡事故を減らすという社会貢献にもなる。

また、ライバル車となるトヨタ ノア&ヴォクシーには、歩行者を認識できない自動ブレーキ「トヨタ セーフティセンスC」しか用意されていない。大きく重いミニバンは、歩行者と衝突すれば大きなダメージを与える。その点では、トヨタ系ミニバンに対して、安全性能面でも大きな差をつけた。同時に、ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器も標準装備化された。

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装備向上し、価格もアップ!

さらに、装備類も向上されている。「リア右側パワースライドドア」を、B、G・Honda SENSINGを除く全タイプに標準装備。「1列目シートi-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム」を、Bを除く全タイプに標準装備するとともに、G・EX Honda SENSINGには「リア右側パワースライドドア」と「LEDヘッドライト」を標準装備した。

ステップワゴン スパーダには、「リア右側パワースライドドア」と「パドルシフト」を標準装備するとともに、SPADA・Cool Spirit Honda SENSINGには「スポーツペダル(アクセルペダル&ブレーキペダル)」が標準装備された。

こうした装備向上に伴い、価格もアップしている。ステップワゴン スパーダHonda SENSINGの価格は284万円。改良前と比べると約12万円ほどアップ。クールスピリットHonda SENSINGは、約10万円ほどアップした。

今回の設定は、すでに発売済みの特別仕様車とほぼ同様な仕様と価格。この特別仕様車は、装備アップ分の価格上昇を抑えたこともあり、なかなかお買い得な価格設定だった。そのお買い得な特別仕様車が通常グレードになったということは、実質価格引き下げということになる。

苦戦を強いられ販売台数でセレナに負ける

ホンダステップワゴンこうした実質価格引き下げが行われたことにより、さらにお買い得な特別仕様車も設定されることもあるだろう。そこまでやるのには、訳がある。ステップワゴンは、販売面でかなり苦戦を強いられているからだ。ステップワゴンの2015年度の販売台数は、約6.4万台。ライバルとなる日産セレナは6.0万台だ。わずかにセレナに勝っているものの、これが実質大敗といえるのはステップワゴンはデビューイヤーなのに対して、セレナはモデル末期なのだ。月別で見ると、1~3月の繁忙期では、なんと販売台数でセレナに負けているのだ。

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装備を向上させながらも価格を安くし販売戦争に再チャレンジ


ステップワゴンが不調な理由のひとつには、価格設定が高すぎることがあげらている。セレナに自動ブレーキ関連の安全装備「エマージェンシーブレーキ」が標準装備されているが、ホンダ センシングがオプションだったステップワゴンはセレナより高価だった。

これに加え、セレナはモデル末期で超大幅値引きという大盤振る舞い状態。ステップワゴンは、新型ということもあり、値引きは少な目。そうなると、支払総額は、とても大きな差になる。それに、追従するようにノア&ヴォクシーにエスクァイアというトヨタ ミニバン三姉妹もガソリン車なら値引き対応する。こうなると、さすがにステップワゴンは分が悪る過ぎる。そこで、装備を向上させながら価格を安くした改良が行われたようだ。実質値下げすることで、ステップワゴンは激戦5ナンバーミニバン販売戦争に再チャレンジする。

ステップワゴンの選び方


ホンダ ステップワゴンの選び方は、まず最初に標準車かスパーダかという選択になる。おすすめは、やはりスパーダだ。デビュー直後の人気グレードはスパーダで、約70%の顧客が選択している。スパーダの人気は圧倒的ということになると、リセールバリューもスパーダの方が高いということになるからだ。標準車、スパーダ共に安全装備面では、ホンダセンシングがほぼ標準装備されている。ライバル車だと、ほぼオプション扱いとなるサイド&カーテンエアバッグもBグレードを除き標準装備されているので高い安全性能をもっていると考えていい。

スパーダには、より装備が充実したクールスピリットがある。クールスピリットは、スパーダに対して15万円高価な価格設定がされている。大きな装備差は、トリプルゾーンコントロールのエアコン、スポーツペダル、ブラック コンビシート、17インチホイールといったところ。こうした装備は、安全やクルマの基本性能に大きく係わっていないため、予算や好みで選べばいい。

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ホンダ ステップワゴン・スパーダ価格


ステップワゴンの価格は以下の通り。

ステップワゴン価格

・B FF 2,288,000円/4WD 2,547,200円
・G Honda SENSING FF 2,610,000円/4WD 2,847,600円
・G・EX Honda SENSING FF 2,830,000円/4WD 3,046,000円

ステップワゴン スパーダ価格

・SPADA Honda SENSING FF 2,840,000円/4WD 3,077,600円
・SPADA Cool Spirit Honda SENSING FF 2,990,000円/4WD 3,184,400円

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◇執筆者プロフィール◇
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

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