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「みんなの街のはたらくくるま」第6回 ロードローラー サカイTG40


わたしたちの生活を支えている「はたらくくるま」にスポットを当ててイラストとともにご紹介するこのコーナー。第6回は、舗装工事のときには必ず見ることが出来る建設機械「ロードローラー」をお送りいたします。


◆実は様々な種類があるロードローラー


日本の道路の舗装率は2000年の統計で国道に関しては98.9%に達していますし、道路を掘って埋め直す地中工事が日本各地で行われていますので、道路の舗装工事を見かけないことはまずありません。日本では一般的なアスファルト舗装の場合、いちばん上層のアスファルトの表面をならす作業がありますが、これにロードローラーが使用されます。

ロードローラーとは、大きな車輪を用いて、自重を利用して路面に対して圧力をかける機械です。正式には締固め用機械(しめがためようきかい)と呼ばれ、三輪のマカダム式、鉄製のローラーを配置したタンデム式、多数のタイヤを前後に設けたタイヤ式、前輪が鉄製ローラー、後輪がタイヤローラーになっているコンバインド式、手で押して使用するちょっと小さめのローラーなど用途に合わせて様々な種類があります。

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◆ローラーの振動で踏み固める!

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今日はその中から前輪が鉄製ローラー、後輪がタイヤになっている酒井重工業(サカイ)製の「TG40(自重4t)」を描いてみました。1980年代のモデルですので、ちょっとクラシカルなデザインなのがポイントです。後輪がタイヤなので、コンバインド式に分類されると思います。ローラーが振動することで、より強く締め固めることが出来るようになっています。また、道路交通法による分類では特殊自動車になりますが、私有地内では運転免許は不要です。そのかわり、業務で使用する場合は締固め用機械運転者という資格が必要になります。もちろん公道で運転する際には小型特殊自動車が運転できる自動車免許が要りますのでご注意を。


◆中古車の評価は「実稼働時間」


エンジンはクボタ製の産業用汎用4気筒ディーゼルで排気量は1.5リットル。パワーは27psしかありませんが、大きな重い車体をゆっくり動かすには十分なスペックです。また、面白いのは、こうした建設機械が中古で販売される場合、走行距離という概念は意味が無いので、「実稼働時間」で判断されるということです。そのためメーターには、距離計のかわりに時間が刻まれます。なお、見た目は距離計と同じです。

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街中にいる建設機械であるロードローラーのスペックや免許のことなど、
いろいろと知ると面白いですよね。これからもこのコーナーではそんな情報を出していきますのでご期待ください。


【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!

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