「車の乗り潰しと買い替えはどっちがお得?」と迷う人は多いでしょう。ここでは両者のメリット・デメリット、乗り潰し/買い替えがおすすめなケース、愛車を高く売るためのポイントなどを解説しています。乗り潰しと買い替えでの車両代のシミュレーションもご紹介していますので、参考にしてください。
- 乗り潰しと買い替えの判断ポイント
- 車を乗り潰すメリット・デメリット
- 車を買い替えるメリット・デメリット
- 乗り潰しと買い替えのおすすめケース
- 愛車を高く売るポイントは?
- どんな車もまずは査定に出してみて
- norico編集部オススメ記事
乗り潰しと買い替えの判断ポイント
車を乗り潰すか買い替えるかは、以下のポイントを踏まえて決断すると良いでしょう。
- コスト面では基本的に乗り潰す方が得
- 維持費があまりに高いなら買い替え
- 安全性重視なら買い替えがおすすめ
- 生活の変化を機に買い替えた方が良い時も
一般には、車を乗り潰した方が経済的です。ただし使用年数や走行距離が多くなるほど維持費は高くなるので、手放すタイミングも重要です。また、安全性や家族の増減といった事情から買い替えた方が良い場合もあります。
そもそも「車を乗り潰す」とは
「乗り潰す」の定義は複数ありますが、最も一般的なのは「車の価値がなくなる=売値がつかなくなる状態まで乗る」ことです。
価値がなくなるタイミングは、車両により異なります。10年落ち以上・10万キロ以上の走行では、売値が少額になることが多いです。
車の価値が10年・10万キロで大幅に下がるのは、かつて車の寿命が「10年・10万キロ」と言われていたからです。また数字として大台に乗り、消費者から「古い」「壊れそう」と考えられがちなのも影響しています。しかし現在の車は、きちんと整備すれば13~15年以上乗れます。
【関連記事】車の寿命と耐用年数の考え方、中古車のオススメ年式
車を乗り潰すメリット・デメリット
車を乗り潰せば、コスト的には買い替えより得になる可能性が高いです。しかし安全面などのリスクもあり「総じて良い」とは言えません。
車を乗り潰すメリット
- 車にかかる総コストを安く抑えやすい
- 売却を気にせずカスタマイズできる
- 愛車に対する愛着が湧きやすい
車の費用で最も大きな割合を占めるのは車両代。車を乗り潰せば、1年あたりの車両代が安く済みます。ただし、故障などで巨額の整備費用がかかるなら手放した方が良いでしょう。
乗り潰しと買い替えで車両代はいくら違う?
以下の表は、N-BOXカスタムを10年と3年で売却した場合(ともに廉価グレード、1年あたり1万キロ走行、黒色)の大まかな車両代を比較したものです。
【N-BOXカスタムの大まかな車両代の例】
年式とグレード | 10年落ち (2014年式、G) |
3年落ち (2021年式、L) |
---|---|---|
走行距離 | 10万キロ | 3万キロ |
ボディカラー | 黒 | 黒 |
新車時価格 | 約150万円 | 約177万円 |
買取価格 | 約11万円 | 約96万円 |
(新車時価格 - 買取価格) | 約139万円 | 約81万円 |
1年あたり | 約13.9万円 | 約27万円 |
※フルモデルチェンジにより、10年落ちと3年落ちではグレードや価格の設定が異なります。買取価格はガリバーの買取実績のデータより抽出し、1年1万キロ走行と想定。上記は一例であり、同条件でも同じ結果が得られるとは限りません。
上記の例では、10年落ちの方が3年落ちと比べて1年あたりの車両代が半額近くに抑えられています。年数が経過すると維持費は高くなりがちですが、大きな故障や部品交換がない限りは、乗り潰した方が得なケースが多いです。
車を乗り潰すデメリット
- 売却による収入が期待できない
- 全体的に装備が古くなる
- 維持費がだんだん高額になる
車を乗り潰せば売却額が殆どつかず、次の車の購入費や、他の用途に充てることはできません。
また、乗り潰せば全体的に装備が古くなり、安全性や燃費性能が損なわれます。いずれは修理や部品交換も必要になり、さらに13年など決まった期間を超えれば税金も高くなります。
【関連記事】軽自動車の買取相場|10年落ちや15年落ちはいくらで売れる?
車を買うときに充分なお金がない場合は、中古車を検討しましょう。新車よりも車両代を抑えられ、なかには50万円以下で買える車両もあります。同じ車種でも自分の予算に合わせて車を選べる点がメリットです。
なお購入時は、いざ売却したくなった時に高く売れるよう、リセールバリューを考慮することもお勧めします。
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車を買い替えるメリット・デメリット
車を買い替えると、新しい車に乗れるなど多くのメリットがありますが、車の総コストは高くなりがちです。
車を買い替えるメリット
- 車種や状態次第では高額で売れる
- 安全性の高い車などに乗り換えられる
- メーカー保証や任意保険の新車割引を使える(次の車が新車の場合)
中古車市場でも人気の車種だったり、車両状態が良かったりすると、愛車が高額で売れます。そうなれば次の車の購入額に充てることもでき、購入時の負担を減らせるでしょう。また新車や高年式の中古車に買い替えれば、車の装備が新しく、故障などがあってもメーカー保証を使える可能性があります。
乗り潰しと買い替えでは、燃費や安全性が変わります。たとえば2012年式と2024年式のN-BOXでは、燃費が4km/L(JC08モード)ほど違います。車の燃費は経年により悪化するので、乗り潰せばさらに大きな開きがあると考えられます。
また、十数年落ちの車両では運転支援機能が全くないことも。これに対して新しい車両なら、歩行者や二輪車、夜間対応の衝突被害軽減ブレーキを搭載していたり、高速道路での定速走行ができたりする車両も多いです。
【関連記事】メーカー横断で順位付け!安全な車ランキング(軽自動車編)
車を買い替えるデメリット
- 基本的に車の総コストは高くなる
前の車の売却額を次の車の購入費用に充てられると、一時的に得をした気分になるかもしれません。しかし先述の通り、一般には車を乗り潰した方が車の総コストを安く抑えられます。
現在の車をローン購入し、まだ完済していない場合、ローンの所有権が自分にない可能性があります。この場合、原則としてローンを完済しない限り次の車を購入できません。 お店によっては車の売却額でローンを返済し、新たな車を契約できることもあります。しかし、売却額でローンを完済できない可能性もあり、結果としてローンの持ち出しが生じるかもしれません。
乗り潰しと買い替えのおすすめケース
ここでは、具体的に乗り潰した方が良いケースと買い替えた方が良いケースをご紹介します。
乗り潰しがおすすめなケース
- できるだけ車にかける費用を抑えたい
- 車を買い替える特別な理由がない
- すでに愛車の市場価値が殆どない
車は最初に払う車両価格が高いので、理由なしの買い替えはお勧めしません。また、すでに愛車の価値が下がっているなら、乗り潰した方がより費用を安く抑えられる可能性が高いです。
ただし、ガソリン車では新車登録から13年、ディーゼル車では11年で税金の重課があります。税金やその他の整備費用が高くなるなら売却の相談をしてみましょう。
買い替えがおすすめなケース
- 家族が増えた/減った
- 引っ越して駐車スペースが狭くなった
- 自身の老化などにより事故が心配
- 維持費が家計を圧迫している
家族の増減や引越しなど、ライフスタイルの変化は車を見直すべきタイミングです。子どもの誕生で車が狭くなる場合だけでなく、子どもが自立した場合も検討の対象です。小さな車に乗り換えることで、維持費を抑えられるかもしれません。
また「安全装備の充実した車がいい」「どうにも維持費が高くなってきた」という場合も、買い替えを検討すると良いでしょう。
愛車を高く売るポイントは?
車の買い替えでは、次の車を安く買うことに注力しがち。ここでは、愛車を高く売るためのポイントを3つご紹介します。
ポイント①下取りでなく買取にする
新車の購入時は、ディーラーで下取りをしてもらうことが多いです。しかし一般に、買取の方が高値で売却できる傾向があります。
下取りでは顧客の関心が新しい車の値段に向き、下取り価格の交渉になることが少ないです。他店と比較されることも少なく、結果として査定額が低くなる傾向があります。一方、買取では顧客の関心が査定額に向いており、下取りに比べて比較されやすいので、査定額が高くなりやすいです。
ポイント②タイミングを見極める
中古車の価値は、需要と供給のバランスで決まります。たとえば年度末は中古車の需要が高まる時期なので、他の時期と比べて査定額も高くなりやすいです。
また、車はモデルチェンジして型落ちすると、相場価格が下がります。そのため「モデルチェンジ前に売る」などタイミングに気を付けると、高く売りやすいです。
人はキリの良い数字に敏感なため、7年落ちや10年落ち、7万キロや10万キロといった大台に乗る前に売却した方が、似たような数字でも、少しでも高く売れる傾向があります。
ポイント③車両は少しでもキレイに
当然ながら、大切に扱われており、状態の良い車両の方が少しでも高く売れる可能性が上がります。愛車の査定時は、洗車や車内の掃除、場合によっては消臭・脱臭も行いましょう。また、小さなキズも自分で消しておくと良いでしょう。
以下の記事では、愛車を高く売るためのポイントを細かく解説しています。
【関連記事】車を売るおすすめの時期とは?車を高く売るための方法
どんな車もまずは査定に出してみて
乗り潰しでも買い替えでも、車を手放そうと思ったら査定に出すことをお勧めします。愛車の現在の価値が分かりますし、「売れないだろう」と思っている車両でも売値が付く可能性があるからです。
norico編集部オススメ記事
「車の査定は何となく不安」と思っている方も多いでしょう。査定を受けようか迷っている場合は、以下の記事も参考にしてください。
- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!