PHEV(PHV)とは
PHEVは「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」の略で、プラグインハイブリッドとも呼ばれます。メーカーによってPHVと表記されますが、基本的に違いはありません。主な特徴は以下の通りです。
- エンジンと電気モーターを搭載
- 電力をメインに使い燃費を大幅向上
- 電気走行により排気ガスを削減
- 外部からの充電が可能
環境に良く利便性も高いため、今後は普及率が上がると見込まれています。
PHEVと他のエコカーとの違い
違いが分かりにくいハイブリッドカー、電気自動車と比較すると表のようになります。
|
PHEV |
ハイブリッドカー |
電気自動車(EV) |
---|---|---|---|
動力源 |
ガソリン+電気 |
ガソリン+電気 |
電気 |
外部充電 |
可能 |
不可能 |
可能 |
燃費・電費 |
○ |
○ |
◎ |
長距離運転 |
◎ |
◎ |
△ |
補給場所 |
ガソリンスタンド 充電スタンド 自宅 など |
ガソリンスタンド |
充電スタンド 自宅 など |
特徴 |
ハイブリッドカーと電気自動車のメリットを併せ持つ。電気走行が中心 |
ガソリン車より燃費は良いが、エンジン走行がメインで電気は補助的存在 |
ガソリンを使わず環境に良いが、充電場所が少なく長距離運転に向かない |
上記の3種類の中ではガソリンを一切使わない電気自動車が最も環境に良いといえます。しかし、日本ではまだ充電場所が少ないという課題があります。充電場所については以下の記事を参考にしてください。
ハイブリッドカーとの違いは?
PHEVとハイブリッドカーの共通点は「エンジンと電気モーターの双方を搭載していること」です。一方、違いには以下の2点があります。
- PHEVの方が燃費が良い
- PHEVは外部充電ができる
電気自動車との違いは?
電気自動車とPHEVはともに外部充電が可能な車です。一方、電気自動車は電気モーターのみを搭載しており、PHEVはエンジンと電気モーターの双方を搭載しています。他には以下の点で差があります。
- 電気自動車は航続距離が短め
- PHEVの方が充電が速い(バッテリーが小さいため)
PHEVのメリットとデメリット
PHEVのメリットとデメリットには、以下のようなことが挙げられます。
メリット
- 燃費が良く、ガソリン代に比べて低コスト
- ガソリンも使えるので長距離運転も安心
- 電気走行中心で環境にやさしい
- 静かで加速もスムーズ
- 外部充電が可能で、充電時間もEVより短い
- アウトドアや災害時において電源となる
- 下取りや買取価格が高い
基本的に、PHEVはハイブリッドカーと電気自動車の長所を活かし欠点を補った車です。
電気自動車の欠点である航続距離の短さはエンジン走行で補い、充電時間も短くなっています。また、電気走行がメインであるためエンジン走行メインのハイブリッドカーより燃費が良いです。
デメリット
- ガソリン車などに比べて車両価格が高い
- ガソリンが劣化しやすい
デメリットの一つはコストです。例えばトヨタのプリウスでは、ハイブリッドカーとPHEVのエントリーモデルで約80万円の差があります。ただし、電気自動車よりは安いです。
またPHEVは電気走行がメインであり、充電がなくなった時にエンジン走行に移行します。そのため、近距離~中距離でしか運転をしない場合はガソリンが使われなくなり、劣化しやすくなります。
PHEVはどんな人にオススメ?
PHEVは、主に以下のような人にオススメです。
- 普段は近距離~中距離移動+時々遠出する
- アウトドアを快適に楽しみたい
- エコカーに興味はあるけど充電場所に不安がある
PHEVは電気走行がメインのため、基本的には近距離~中距離での利用がオススメです。満充電での走行距離は車種によって違いますが、目安は50km前後。片道20km程度の範囲であれば電気だけで走れます。
一方、電気だけで事足りるのであれば電気自動車で良いでしょう。時々ドライブや旅行をするという人ならばPHEVのメリットを活かせます。またアウトドアが好きな人には車そのものが電源として使えるという良さがあります。
PHEVの減税制度と補助金制度
PHEVは減税や国・自治体の補助金対象となっています。
減税制度
関係する減税制度には「エコカー減税」、「グリーン化特例」、「環境性能割」の3種類があります。
エコカー減税は自動車重量税の税率を軽減または免税とする制度です。対象は2023年4月末までに新車新規登録をした車で、PHEVは2回目の車検まで免税となります。
グリーン化特例は毎年支払う自動車税の減税制度です。対象は2023年3月末までに新車新規登録を行った車で、PHEVの場合は翌年度分の自動車税が概ね75%の減税となります。
環境性能割は、自動車取得税に代わって導入となった税金です。燃費性能等に応じて取得時の課税率が変わりますが、こちらもPHEVの場合は非課税となります。
補助金制度
補助金は、車の購入や充電装置の導入にかかる費用を賄うものです。補助金の金額は車種によっても異なります。また、自治体でも補助金制度があります。
減税や補助金の制度については以下のページでも詳しく解説しています。
主なPHEV5選
PHEVには具体的にどのようなクルマがあるのかを2022年2月、現在に販売されている5車のおすすめポイントと併せてご紹介します。
三菱 アウトランダーPHEV
- 新車価格:462.1万円~
- 燃費:16.6km/L(WLTCモード)※グレードM
- サイズ:全長4710mm 全幅1860mm 全高1740mm ※グレードM
- 排気量:2400cc ※グレードM
- 定員:5人乗り、7人乗り
世界初の四輪駆動PHEV。SUVならではの操縦性の高さ、安定した乗り心地が好評を得ています。5人乗りと7人乗りがあり、大人数でアウトドアや旅行を楽しむにはぴったりの一台でしょう。
トヨタ プリウスPHV
- 新車価格:338.3万円~
- 燃費:30.3km/L(WLTCモード)
- サイズ:全長4645mm 全幅1760mm 全高1470mm
- 排気量:1800cc
- 定員:5名
快適な乗り心地はもちろんのこと、他のPHEVと比べて圧倒的に燃費が良く、さらにはフル充電での航続距離も68.2kmと長いです。普段使いとしては十分に使い勝手の良い車といえます。
トヨタ RAV4 PHV
- 新車価格:469万円~
- 燃費:22.2km/L(WLTCモード)
- サイズ:全長4600mm 全幅1855mm 全高1690mm
- 排気量:2500cc
- 定員:5名
三菱アウトランダーよりがっしりとした印象のボディが特徴のRAV4。大容量バッテリーを搭載し、見た目に負けない力強い走りを実現しています。フル充電での航続距離はプリウスPHVをさらに上回る95kmです。
※こちらの画像はハイブリッドカーのRAV4です。
フォルクスワーゲン ゴルフGTE
- 新車価格:466万円~
- 燃費:19.9km/L(JC08モード)
- サイズ:全長4265mm 全幅1800mm 全高1480mm
- 排気量:1400cc
- 定員:5名
ハッチバックで使いやすいサイズのゴルフGTE。スポーツモデルのGTIがもとになっており、加速力がありパワフルな走りをします。2020年にはモデルチェンジした新型が欧州で発売となりました。
ミニ クロスオーバーPHEV
- 新車価格:515万円~
- 燃費:14.8km/L(WLTCモード)
- サイズ:全長4315mm 全幅1820mm 全高1595mm
- 排気量:1498cc
女性人気の高いミニから登場したPHEV。デザインの愛らしさはそのままに、電気走行が可能となりました。燃費や航続距離は他の車に比べて多少劣ってしまうため、近距離メインで使うのがオススメです。
※こちらの画像はディーゼルエンジンモデルのものです。
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- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!