マツダCX-5 スバル フォレスター
この記事の目次 CONTENTS
マツダCX-5の特徴
スバル フォレスターの特徴
1.燃費比較
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.まとめ・総合評価

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

マツダCX-5の特徴

初代マツダCX-5は、2012年に登場した。
現行モデルは2代目で、2017年にデビューしている。
クルマの基本構造となるプラットフォーム(車台)は、初代CX-5から引き継いでいるが、中身は大幅に進化している。

マツダCX-5 CX-5

マツダは、頻繁に改良を施しクルマの完成度を上げているマジメなメーカーだ。
現行のCX-5も、2020年12月に一部改良が施されている。
搭載されたパワーユニットは、人気の2.2Lディーゼル、2.0L、2.5L、2.5Lターボの計4タイプある。4タイプのパワーユニットをもつSUVは珍しい。

2.2Lディーゼルは低燃費性能に優れている。燃料は軽油のため、レギュラーガソリンより20円/Lも安い。経済的なパワーユニットだ。

そして、CX-5の魅力は、オリジナリティあるデザインだ。
全体的にラグジュアリーSUVといった印象が強い。
インテリアにSUV感はあまりなく、高級セダンのような質感とデザインが特徴だ。

スバル フォレスターの特徴

スバル フォレスターは、長い歴史を誇るSUVだ。初代フォレスターは、1997年に登場した。現行フォレスターは5代目で、2018年にデビューしている。

スバル フォレスター フォレスター

5代目の特徴は、最新世代のプラットフォーム(車台)が採用されたことだ。このプラットフォームは、SGP「SUBARU GLOBAL PLATFORM」と呼ばれている。
クラストップレベルの衝突安全性能、ドライバーの意志に忠実なハンドリング、快適な乗り心地の実現をサポートしている。
このプラットフォームになったことで、フォレスターは劇的な進化を遂げたと言っていい。

フォレスターに搭載されたエンジンは、2.0L+モーターを組み合わせたハイブリッドと、1.8Lターボの2タイプがある。
ハイブリッド車はe-BOXERと呼ばれている。
2020年10月の改良で、2.5Lエンジンの設定はなくなった。

残念なのは、歴代フォレスターにとって象徴的なハイパワーの2.0Lターボの搭載が見送られたことだ。
従来モデルはオンロードでも速いSUVとして人気だったが、5代目では選択することができない。

予防安全装備のレベルは高い。
歩行者検知式自動ブレーキを含む安全装備・ドライバー支援をパッケージ化した「アイサイト」が全車標準装備されている。
全グレード、安心して乗れる設定になっている。

また、フォレスターは全車AWD(4WD)だ。悪路走破性を重視するスバルのこだわりと言える。
AWD制御には、「X-MODE」と呼ばれるモードが設定されている。悪路での脱出性能も高い。

1.燃費比較

CX-5の評価は4.0
フォレスターの評価は3.0

低燃費で経済性の高いディーゼル車があるCX-5が優位

マツダCX-5の燃費は以下の通りだ。

  • 2.0L:14.6㎞/L(FF、WLTCモード)
  • 2.5L(4WD、WLTCモード):13.0㎞/L
  • 2.5Lターボ:12.2㎞/L(4WD、WLTCモード)
  • 2.2Lディーゼル:16.6㎞/L(4WD、WLTCモード)

対するスバルフォレスターの燃費は以下の通りとなる。

  • 2.0Lハイブリッド:14.0㎞/L(4WD、WLTCモード)
  • 1.8Lターボ:13.6㎞/L(4WD、WLTCモード)

同じタイプのエンジンが無いので、単純比較はできない。
ただし、CX-5の2.2Lディーゼルエンジンは燃費がよい。これが大きなメリットといえるだろう。

16.6㎞/Lという燃費は、ハイブリッド車のような圧倒的に良い燃費ではない。しかし、燃料に使う軽油は、レギュラーガソリンより約20円/Lも安い。
ハイブリッドに近い、優れた燃料経済性を持っているのだ。しかも、両車の中で最も大きい450Nmという大トルクは、力強さも兼ね備えている。

ガソリン車に関しては、両車とも同等レベルといった印象だ。

逆に、フォレスター2.0Lハイブリッドの14.0㎞/Lという燃費には、少々物足りなさを感じる。同じクラスのトヨタRAV4ハイブリッドは、20.6㎞/L(4WD、WLTCモード)という燃費性能だからだ。
この差は、フォレスターのハイブリッドシステムであるe-BOXERが原因だ。小さなモーターが1つというシンプルな構成のシステムであるため、燃費の良さにあまり期待はできない。

比較すると、フォレスターの2.0Lハイブリッドの方がわずかだが燃費がよい。
しかし、2.5Lエンジンを搭載したCX-5の方が、力強さでは上回る。やや悩ましい選択になる。

2.価格比較

CX-5の評価は3.5
フォレスターの評価は3.5

比較が難しいが、ほぼ同等レベルの価格

マツダCX-5の価格帯は、2,678,500円~3,751,000円だ。
フォレスターは、2,915,000~3,289,000円となっている。
CX-5には、エントリーグレードである2.0LのFF車が設定されているので、最低価格が安く見える。

4WDの必要がないのであれば、2.0L FF車の20Sプロアクティブ(2,909,500円)でも十分だろう。このモデルは装備が充実している。
しかし、CX-5 20Sプロアクティブの価格と、フォレスター4WD 2.0ハイブリッドのツーリングの価格(2,915,000円)はほぼ同程度だ。
しかも、フォレスターは、後側方警戒支援システムと、アダプティブドライビングビームがオプション設定となっている。
対して、CX-5 20Sプロアクティブには標準装備されている。
フォレスターに安全装備のオプションを付けると、価格的にはほぼ互角だ。

1.8Lターボが搭載されているフォレスター スポーツの価格は、3,289,000円となっている。フォレスター スポーツは、最上級グレードだ。
このモデルと同等レベルと思われるCX-5 XDプロアクティブの価格は、3,459,500円。
価格差は約17万円となる。
燃費や最大トルクはCX-5が勝っている。
こうした細かい部分をどう見るかで、価格に対する評価は若干変わるだろう。

3.購入時の値引き術

CX-5の評価は4.0点
フォレスターの評価は4.0点

両車共に大幅値引きの期待大!

マツダCX-5は2017年デビューであるため、すでにモデル後期に入っている。
マツダは値引き抑制戦略をとっていたが、厳しい状況が続いているようだ。

対する、スバル フォレスターは2018年に登場した。そろそろマイナーチェンジのタイミングに入っている。

コロナ禍で新車販売が低迷していることも、値引きには好影響だ。
2020年の販売台数は、CX-5が前年比76.8%、フォレスターが74.3%と、両車とも大きく前年比割れしている。
当然のことながら、両メーカー共に積極的な営業戦略をとる必要があるだろう。こうした事情があるため、買い手が有利に商談を進められる可能性が高い。

しかし、何もしないで商談すれば、ソコソコの値引きで終わってしまうだろう。
大切なのは、CX-5とフォレスターをしっかりと競合させることだ。
どちらが本命であっても、人気の高いトヨタ RAV4を比較に加えるとよい。こうすることで、営業マンは他社に顧客を取られまいと値引き対応するしかなくなるだろう。

商談時に気を付けたいことは、本命車種を悟られないことだ。
本命車種の商談は最後にして、ライバル車の見積りを先に取っておくようにしよう。
本命車種の営業マンには、「たまたま近くを通ったから見に来た」というポーズで話すのがおススメだ。
本命車種の商談時には、クルマそのものより予算重視、というトークを入れよう。
値引き次第で購入してもらえるかも? と、営業マンに思わせることが重要となる。

4.デザイン比較

CX-5の評価は4.5点
フォレスターの評価は4.5点

エモーショナルなCX-5。質実剛健なフォレスター

SUVというと、オフロードでの走行をイメージする人が多いだろう。そのため、タフネスさやワイルドさといったテイストが、デザインに取り入れられるケースが多い。
マツダCX-5のデザインにもそうした傾向はあるが、エモーショナルなデザインで大胆にまとめられている。

マツダCX-5の外観 CX-5の外観

CX-5のデザインは、魂動デザインをベースとして「洗練された力強さ」がキーワードに掲げられている。
「成熟した骨格」「品格のあるフォルム」「仕立ての良い質感」の3つを軸に、エクステリア、インテリアデザインが作り上げられている。

前後のトレッドを、先代モデルから約10mm拡大したシルエットになっている。シンプルな台形フォルムで、スタンスのよさが強調されている。

立体感のある大型グリルが装着されたフロントフェイスは、彫りの深さと迫力が表現されている。
SUVらしいタフネスさを感じるデザインだ。

マツダCX-5のフロントフェイス CX-5のフロントフェイス

エモーショナルなデザインを狙ったCX-5に対して、スバル フォレスターは機能的なデザインを目指している。たたくましい印象だ。

フォレスターのデザインには、スバル車共通のデザインフィロソフィー「DYNAMIC x SOLID」が採用されている。

スバルフォレスターの外観 フォレスターの外観

SUVらしいたくましさや躍動感、広い荷室空間や機能性の高さが、モダンキュービックフォルムを用いて表現されている。
全体的なシルエットはいかにもSUVらしく、タフネスさにあふれている。

バックドアには、フラットで大きく広く開くデザインが採用されている。
荷物の積み下ろしといった利便性や、荷室容量をより確保するといった機能も重視されている。

このように、CX-5とフォレスターのデザインは、目指す方向がやや異なる。
CX-5は都会派ラグジュアリーSUVという印象が強く、都市で映えるデザインだ。
フォレスターは、力強さと使い勝手の良さを重視したデザインで、アウトドアでカッコよさが際立つ。
どちらも、完成度の高いデザインとなっている。どちらのデザインが自分の好みとあうかで選ぶと良いだろう。

5.室内空間と使い勝手

CX-5の評価は4.0点
フォレスターの評価は4.0点

それぞれ一長一短だが、高いレベルの室内空間と使い勝手

マツダCX-5のデザインは、ドライバーを中心に操作機器や計器類を左右対称に配置した、水平基調のインパネが特徴だ。

CX-5のインパネデザイン CX-5のインパネデザイン

やや太めのセンターコンソールは、SUVらしいタフさをアピールしてはいるが、かなり控えめだ。
全体的に質感も高く、SUVに乗っているというよりも、高級セダンに乗っているような印象が強い。
全般的にラグジュアリーな空間に仕上げられているため、泥だらけの荷物を積み込むアウトドアといった使い方には似合わないようにも感じる。

CX-5の荷室容量は、505Lとまずまずの広さとなっている。

マツダCX-5の荷室 CX-5の荷室

後席は4:2:4の分割可倒式となっている。長尺物も積み込みやすく使い勝手も良い。
一部のグレードを除き、多くのグレードにパワーリフトゲートが採用されている。
また、最小回転半径も5.5mとまずますの数値だ。狭い駐車場でも、それほど出し入れに苦労しないだろう。

スバル フォレスターのインテリアには、骨太なセンターコンソールから左右に広がるダイナミックなデザインが取り入れられているのが特徴だ。

スバルフォレスターのインパネデザイン フォレスターのインパネデザイン

X-BREAKグレードには、ステッチやエアコン吹き出し口、シフトパネル周辺などがオレンジに塗られ、アウトドアに合う印象をアピールしている。
運転席からの視界もよく、運転がしやすい。

荷室容量は509Lと、CX-5と互角の数値だ。ただし、リヤシートは6:4分割可倒式となっている。
荷室の使い勝手は、ややCX-5が上回る。
また、パワーリヤゲートは全車オプション設定となっている。
X-BREAKには、撥水カーゴフロアボードが標準装備されており、濡れた荷物でも気兼ねなく積載可能だ。
最小回転半径は5.4mと、CX-5より小さく扱いやすい。

スバルフォレスターの荷室 フォレスターの荷室

後席のスペースは、ややフォレスターが勝る印象。

マツダCX-5の後席 CX-5の後席
スバルフォレスターの後席 フォレスターの後席

その他の部分に大差はなく、ほぼ互角だ。
荷室の使い勝手もそれぞれ一長一短といったころ。
後席4:2:4分割のCX-5の方が、荷室がよりフレキシブルに使える。しかし、フォレスターの方が荷室の開口幅が広く、積み込みやすさという点で勝っている。

6.安全装備の比較

CX-5の評価は3.5点
フォレスターの評価は3.5点

自動ブレーキは最新仕様へのバージョンアップに期待

両車共に、高いレベルの予防安全装備や運転支援機能が用意されている。ただし、機能に若干の差がある。

CX-5の歩行者検知式自動ブレーキ機能は、夜間の歩行者まで検知できる。
フォレスターには夜間歩行者検知はないが、昼間の自転車は検知可能だ。
どちらがよいかという判断は、なかなか難しい。

最新の予防安全装備という観点では、両車共にやや古くなってきている。
最近では、右左折時の歩行者検知や、右折時の対向車にも対応する自動ブレーキが増えているが、両車両ともそういった機能の搭載はない。

その他、両車両には同じような機能が用意されているが、標準装備なのか、オプションなのかで違いがある。
CX-5には、後側方車両接近警報や、後退時車両接近警報が標準装備されている。
しかし、フォレスターでは、後側方車両接近警報は一部グレードを除きオプション設定、後退時車両接近警報はオプション設定すらない。
また、フォレスターにはニーエアバッグが標準装備だが、CX-5には設定されていない。

全車速追従式クルーズコントロールは、両車共に標準装備されている。
しかし、CX-5の一部グレードには車線維持機能がなく、フォレスターには全車標準装備化されている。
その他、微妙な違いがあり、両車共に物足りない状態だ。

CX-5には、オプションでも選択できない装備がある。そのため、十分な機能を装備した上級グレードを選択すると良い。
フォレスターでは、アイサイトセイフティプラスとアイサイトセイフティプラスが、一部ブレードでオプション設定となっている。
その場合、必ずプラス装備するようにすれば、ほぼ満足できる仕様になる。

7.走行性能の比較

CX-5の評価は4.5点
フォレスターの評価は4.5点

完成度が高く、甲乙つけがたい走行性能

マツダCX-5のディーゼル車は2020年12月に改良が施され、最高出力を190ps/4,500rpmから200ps/4,000rpmへと向上させている。
わずか10psのアップだが、フィーリングも大きく変化した。
従来型のエンジンでは、エンジンをレヴリミットまで回すと、高回転域で加速の伸びがやや悪かった。
ところが、改良型のエンジンでは、レヴリミットまでパンチのある加速が続く。
出力だけでなく、加速の気持ちよさも改良されている。

マツダCX-5のエンジンルーム CX-5のエンジンルーム

CX-5ディーゼル車の最大トルクは、450Nmもある。ガソリン車で例えると、自然吸気4.5Lクラスと同等だ。そのため、非常に余裕のある走りが可能だ。高い速度域でのロングツーリングも苦にならない。

2.0Lガソリン車は、156ps&199Nmという出力だ。FF(前輪駆動)のみの設定となっている。
街中では十分な出力だが、高速道路では、もう少しトルクが欲しいと感じる。
一方、2.5Lガソリン車は、街中や高速道路でも必要十分な188ps&250Nmという出力をもつ。
そして、2.5Lターボは230ps&420Nmの出力を誇る。ディーゼル車並みのパワフルさで、高回転域でのパンチがある加速力が魅力だ。

スバル フォレスターは、2020年10月の改良で2.5Lエンジンを廃止した。代わりに、レヴォーグにも搭載されている新開発の1.8Lターボエンジンが搭載されている。

スバルフォレスターのエンジンルーム フォレスターのエンジンルーム

このエンジンは、最上級グレードSPORTに搭載されている。出力は177ps&300Nmとなる。
300Nmものトルクがあるので、余裕ある走りが可能だ。
1,600回転という低いエンジン回転域で、300Nmというトルクがある。しかも、扱いやすいのもポイントだ。
SPORTには、専用開発のダンパーとコイルスプリングが装備されている。
乗り心地を損なわずに、オンロードでキビキビとしたスポーティな走りが楽しめる。
こうしたスポーツモデルの設定は、CX-5にはない。

2.0Lハイブリッドのe-BOXERは、145ps&188Nmの出力をもつ。
エンジンには13.6ps&65Nmという小さなモーターが組み合わされている。出力は十分なレベルだ。
しかし、モーターの存在感が小さいことがマイナスポイントだ。モーターのみで走行できるシーンは非常に少ない。
良い部分はアクセルを踏んだ時のレスポンスだ。
モーターが瞬時にアシストしてくれるので、街中での低速域での走行は気持ちよさを感じる。

CX-5とフォレスターの差は、パワーユニットの数だ。CX-5は4タイプ、フォレスターは2タイプとなっている。
CX-5の方が自分の好みや予算、主体とする走行シーンでピッタリなパワーユニットを選びやすい。

乗り心地や静粛性は、両車共に非常に高いレベルにある。
CX-5は、どちらかというと、しっとりとした乗り心地重視の車だ。意外とカーブでの安定性も高い。
静粛性も優れていて、ディーゼル車特有のエンジン音も車内ではほとんど気が付かないレベルに仕上がっている。

フォレスターの乗り心地も良好だ。
しっかりとした乗り味で、操縦安定性と乗り心地のバランスがよい。
カーブでは、背の高いSUVとは思えないほど軽快に走る。静粛性も高く快適だ。

悪路走破性能という面では、フォレスターがやや優位だ。最低地上高がCX-5より10mm高い220mmを誇る。
フォレスターの4WD制御「X-MODE」は、雪道や砂利道のような滑りやすい道を走行する時に使用する「SNOW・DIRT」モード、深雪やぬかるみといったタイヤが埋まってしまうような道で使う「DEEP SNOW・MUD」モードが設定されている。
悪路での走破性が高い。

CX-5は都会派ラグジュアリーSUVであるため、悪路走破性は苦手に見える。
しかし、見た目とは裏腹に、悪路では意外なほど優れた走破性をみせつける。
悪路用の制御として「オフロード・トラクション・アシスト」が搭載されている。
片輪が浮くような悪路でも難なくこなす実力派だ。

8.リセールバリュー比較

CX-5の評価は3.5点
フォレスターの評価は4.5点

ややフォレスターが勝るが、両車共に高値を維持!

5年落ちの2016年式中古車相場を調べると、CX-5の価格は約130~190万円となっている。
これに対して、フォレスターは160~230万円だ。
リセールバリューの高さと言う点では、ややフォレスターが勝っている印象だ。

CX-5のリセールバリューは、フォレスターと比較して低い。しかし、人気の高いSUVなので、中古車相場全体で見るとやや高めを維持している。
決してリセールバリューが低いモデルではない。むしろ、フォレスターのリセールバリューが高すぎるとも言える状態だ。
これだけ高いリセールバリューを維持できていれば、次の新車に乗り換えるときに、負担が少なくなるというメリットがある。
短期間で乗り換えを考えているのであれば、フォレスターはベストな選択といえるだろう。

ただし、上記のリセールバリューは、どちらも先代モデルの価格だ。
現行モデルのリセールバリューが今後どうなるかは、中古車マーケットでの人気次第ということになる。

9.まとめ・総合評価

CX-5の総合点は31.5点/40点
フォレスターの総合点は31.5点/40点

実力はドロー!? 好みと使い方で評価が変わる

マツダCX-5とスバル フォレスターを比較すると、結果はほぼ互角となった。しかも、両車共に非常に完成度が高い。こうなると、どちらを選ぶかという問題は、好みと使い方次第になる。

CX-5は外観デザインからも明確に分かる通り、スタイリッシュな都会派ラグジュアリーSUVだ。オフロードやアウトドアでの使い勝手というより、CX-5の世界観に共感できる人向けになる。
また、国産SUV唯一のディーゼル車でもある。ロングツーリングが多く、燃料経済性に優れたモデルが欲しいと思っている人にピッタリだ。

フォレスターは、機能や使い勝手を追求したデザインからも分かる通り、アウトドアに使うクルマとしての価値が高いモデルだ。
オフロードでガンガン使い倒したいような人にあう。
また、従来モデルから受け継いできた、悪路走破性に優れているのも特徴だ。雪深い道や悪路が多い場所への移動が多い人に向いている。

CX-5は、モデル後期に入ってきたこともあり、中古車と言う選択も悪くない。
最上級グレードLパッケージ4WDは、新車価格で約350万円だったが、2017年式で約220~270万円くらいにまで下がってきた。
予算が少なく、新車ではエントリーグレードが現実的な人には、中古車の方が満足度は高いだろう。中古車であれば、高年式で最上級グレードが選択肢に入ってくる。