- この記事の目次 CONTENTS
- 日産ノートの歴史・概要
- コンセプト&エクステリアデザイン
- インテリア&安全装備
- 走り、メカニズム
- お勧めは3代目ノートe-POWER? それとも2代目?
- 新車値引き交渉のポイント
- 日産ノートe-POWERの価格
日産ノートの歴史・概要
初代日産ノートは2005年に登場した。比較的フラットなロングルーフで、ワゴン系のボディをもつスペース系コンパクトカーだった。
2代目ノートは2012年9月に登場した。
このクラスはすでに、トヨタのハイブリッド車であるアクアが大ヒットしていた。しかし、当時の日産はハイブリッドシステムがなかったため、直3の1.2L直噴ミラーサイクルエンジンにスーパーチャージャー付というユニークなパワーユニットを搭載することで、2代目の低燃費化を図った。
しかし、国内マーケットはハイブリッド車でなければ売れない状態になっていた。
販売現場でもハイブリッド車の投入を求める声が日に日に高まり、ノートは非常に厳しい販売状況に置かれていた。
当時、日産はEV(電気自動車)に注力していて、ハイブリッド車の開発はほとんど行われていなかった。しかし、日産のエンジニアのひらめきにより、EVであるリーフのモーターや電池などを流用して、ハイブリッドシステムであるe-POWERを生み出した。
2016年11月にe-POWERを搭載したノートが登場する。
2代目ノートe-POWERの最大トルクは254Nmで、当時のライバル車とは一線を画す力強い走りをみせた。また、e-Pedalを採用したことによりアクセルワークひとつで停止まで可能にした。
そのユニークな走りが話題となり、2017年から3年連続コンパクトセグメント新車販売台数暦年ナンバー1にも輝いた。
2代目ノートは販売台数のうち 約7割がe-POWERを占めるほどの人気を誇ったのだ。
2代目ノートは8年もの長期間に渡り販売された。しかし、2020年にはトヨタやホンダから、2代目ノートe-POWERを凌駕するモデルが登場した。
2020年12月、日産は3代目ノートe-POWERを発売した。
3代目ノートe-POWERは、ハイブリッド車のみとなっている。
ライバル車が安価なガソリン車を用意する中、かなり割り切った仕様といえる。
2代目ノートでは、約7割がe-POWERを選択しているとはいえ、3割のガソリン車の顧客を捨てることになった。しかし、EV化を進める日産にとって、ガソリン車の投入はブランドイメージとは合わないという思いがあり、ハイブリット車のみの仕様となった。
3代目ノートe-POWERは、ルノー&三菱とのアライアンスによる新プラットフォーム(車台)であるCMF-Bが採用されている。CMF-Bは上級小型車用として開発されたもので、ルノー ルーテシアにも採用されている。
e-POWERシステムも第2世代へと刷新された。新プラットフォームと第2世代のe-POWERの組み合わせにより、2代目ノートe-POWERとは比べ物にならない走行性能を得た。
コンセプト&エクステリアデザイン
「日本の風景に溶け込むデザイン」を目指し、まったく新しいデザインとなった3代目
2代目・3代目共に、日産のデザインアイコンであるVモーショングリルを採用しているが、まったく異なるデザインとなった。
3代目日産ノートe-POWERは、Vモーショングリルと一体化した薄型のヘッドランプが特徴だ。
このグリルは日本の伝統工芸である組子をモチーフに、「日本の風景に溶け込むデザイン」とされた。また、このモデルから新しいロゴとなった日産エンブレムが装着されている。
ボディサイドは2代目のシャープなキャラクターラインとは異なり、滑らかな面と線で構成されており、優雅で落ち着いた印象を与えている。
また、リヤビューは横一文字とすることで、ワイドな視界となった。
2代目ノートe-POWERのデザインは、ややポッテリとしたシルエットが特徴。
しかし、ボディサイドには跳ね上がるようなスカッシュラインと呼ばれるキャラクターラインが入り、スポーティさをアピールしている。
モデル後期の仕様では、Vモーショングリルのフレームがより太くなり、その存在感をアップした。その結果、スッキリとしたシャープな印象は無くなったが、押し出し感と高級感は出たようにも見える。
インテリア&安全装備
後席の広さは2代目が勝るものの、質感やデザインは3代目が圧倒
3代目日産ノートe-POWRのインテリアは、質感を重視したデザインになっている。
インストルメントパネルは外に向かって広がるようなデザインで広さを表現している。
センターディスプレイはメーターと一体化した。これは、電動化に相応しい先進感と使い易さを兼ね備えた、日産の新たなインテリアデザインの思想を体現している。
同様に、メーターはフルデジタルを採用し、高級感ある仕様になっている。
センターコンソールは小型の電制シフトレバーが乗るブリッジ型が採用されている。
シフトレバー下には大型の収納スペースが設置され、デザイン面だけでなく使い勝手も向上させている。
2代目ノートe-POWERの顧客調査では、インテリアの質感の低さが多く指摘されていた。こうした弱点を払拭するため、3代目ノートe-POWERでは室内の質感を大幅に高めている。
予防安全装備は、360°セーフティサポートを実現する先進安全技術を搭載し、全方位で優れた安全性を確保している。
「プロパイロット」には、ナビリンク機能が初搭載された。
高速道路での同一車線走行時、ナビゲーションシステムと連携することで設定速度の切り替えや、カーブの大きさに応じた減速をシステムが支援する。
ドライバーの操作頻度を軽減し、より便利で安心できるドライブが可能となっている。
2代目ノートe-POWERのインパネデザインは、ボリューム感のある柔らかな面で構成されている。
丸をテーマにしたデザインが取り入れられているのが特徴で、エアコンの操作系やシフトレバーも丸い形状になっている。
センターコンソールも太く、たくましさを感じさせるデザインだ。
2代目ノートe-POWERは、全般的にインテリアの質感はやや低めな印象があるところが悩ましい点だ。しかし、3代目ノートe-POWERに比べるとボディサイズがやや大きいため、後席スペースでは2代目が上回る。
2代目は年式によって装備が大きく異なるため、中古車を選ぶ場合には注意が必要だ。
とくに、2014年10月のマイナーチェンジ前モデルでは、横滑り防止装置(VDC)が装備されていないこともある。2015年7月のマイナーチェンジ以降は、エマージェンシーブレーキなどが標準装備化されている。
安全装備面は3代目の方が2代目に比べ整っている。2代目のモデルを検討する際は、安全装備をよく確認するといいだろう。
走り、メカニズム
すべてにおいて、3代目が大差をつけて圧勝
走行性能、静粛性、乗り心地など、すべての面で3代目ノートe-POWERが2代目を大きく上回る。なぜなら2代目と3代目の進化幅が非常に大きいからだ。
まず、3代目ノートe-POWERでは、走行性能面で最も重要と言えるプラットフォーム(車台)が最新のCMF-Bへと進化した。
CMFとはコモン・モジュール・ファミリーの略。プラットフォームをモジュール化し、組み合わせて使うというものだ。Bは、Bセグメントのコンパクトカークラスを意味する。
2代目のプラットフォームと比べると、ステアリング剛性が+90%、ボディ剛性が+30%、サスペンション剛性が+10%となった。
ボディがしっかりすることで運動性能は一気に向上した。しなやかさが増し、非常に快適な乗り心地となった。また、直進安定性も向上し、ビシッと真っ直ぐに走るクルマになった。
ハンドリングもまったく異なる。
2代目は高い速度域でなくても、曲がりにくくなる傾向があったが、3代目は高い速度域でも旋回することができる。
旋回中にステアリングを切ってもクルマはしっかりと反応する、といった高いハンドリング性能を身に着けている。
e-POWERシステムも第2世代へと進化し、3代目ノートe-POWERに搭載されている。この進化幅もかなり大きい。まず、2代目ではリーフと同じモーターが採用されていたが、3代目では専用のモーターに変更されている。e-POWERユニットは、一体型インバーターが40%小型化され、33%も軽量化されている。
出力も向上した。
2代目の109ps&254Nmという出力に対して、3代目のe-POWERシステムは、出力は約6%アップの116ps、最大トルクは約10%アップの280Nmとなった。
最大トルク280Nmはこのクラスではトップレベルだ。
2代目は静粛性が低かったことも課題だった。
2代目は充電するために、信号のちょっとした停止でも頻繁にエンジンが始動していた。充電中はエンジンの回転が高めになるので、停車中だとうるさい印象があった。しかし、3代目はできるだけエンジンを始動させない制御となっている。
また、ロードノイズが大きいと、エンジンの音が目立たなくなることがある。
そのため、走行中にロードノイズが大きいとセンサーが判断した場合、エンジンを始動させて発電するという世界初の制御技術も投入された。
3代目では吸音・遮音も十分に行われ、静粛性は極めて高くなっている。
このような技術から、ロードノイズが大きい道では、エンジンが始動したことが分かりにくいほど静粛性が高くなった。
お勧めは3代目ノートe-POWER? それとも2代目?
2代目が3代目を超えているのは後席の広さと価格のみ? しかし、予算次第では・・・
クルマそのものの性能という点で、2代目ノートe-POWERが3代目ノートe-POWERに勝っているのは、後席の広さくらいだ。
走行性能、静粛性、乗り心地など、すべてにおいて3代目が圧倒的に勝っている。もはや、進化の幅が大きすぎて誰もが乗れば分かるほどだ。
予算が十分にあるのなら、間違いなく3代目ノートe-POWERを選んだ方がよいし満足度も高い。
ところが、予算の優先順位が高いと選択肢は微妙に変わってくる。
3代目ノートe-POWERの最上級グレードであるX(FF)は2,186,800円。これに多くの高額オプションを追加されていくと、あっと言う間に300万円に近い価格になる。
中古車の2代目ノートe-POWERはなかなかリーズナブルだ。
2年落ちの高年式車である2019年式で130~170万程度となっている。新車の3代目ノートe-POWERよりも半額ほど安く購入できるのだ。
できるだけ予算を抑えたいというのであれば、2代目ノートe-POWERの高年式中古車を選ぶのも悪くない。
3代目が発売されたことによって、 中古車マーケットに2代目ノートe-POWERが多く流通することが見込まれる。すると、2代目の中古車価格はさらに下がってくるだろう。
新車値引き交渉のポイント
コロナ禍+超激戦Bセグメントコンパクトカーなので、新型車でも値引きに期待
2020年は日産 ノートをはじめ、トヨタ ヤリスやホンダ フィットといったBセグメントのコンパクトカーがフルモデルチェンジしている。
ほぼ同時期に、同じセグメントのモデルが3台もフルモデルチェンジすることは珍しく、各社も営業に力を入れているため値引きには好影響だ。
2020年はコロナの影響で新車販売が低迷していることもあり、圧倒的買い手有利な状態になっている。
値引き交渉するときのポイントは、同時期にフルモデルチェンジしたヤリスとフィットの見積りを先に取っておくこと。
その2つの見積りを持っていって価格を競わせることで、値引き要求に応じなければライバル車を選択する可能性があると相手に思わせる。また、3代目ノートe-POWERが本命ではないと思わせるのもコツだ。本命だと見破られれば、値引きは抑制されるからだ。
また、新車値引きと同等に重要なのが、下取り車の売却だ。大幅に値引きができても、下取り車で損をしていたのでは意味がない。
新車ディーラーの中には、下取り車の価格を低くして、値引きした分の利益を取り戻そうとするところも珍しくない。
とくに、ディーラーで最初に査定するときに「買取店で査定しました?」と、探りを入れてきた場合は要注意だ。
ディーラー下取りで損をしないためには、下取り車の適正価格を知っておくことが必要である。
中古車大手のガリバーの査定サービスなら、メーカー、車種、年式、走行距離の4つを選択すれば35秒で簡単に無料査定ができる。
実績に基づいたプロの査定は、愛車の「人気度」や「装備」もしっかり評価してくれるだろう。
交渉に自信があるなら、買取店へ訪問して査定するのがお勧めだ。
2店舗以上のお店で査定し競合させれば、交渉次第で査定額のアップも可能だ。
あとは、最も高値を付けたところに売ればよい。
日産ノートe-POWERの価格
FF(前輪駆動)
- F 2,054,800円
- S 2,029,500円
- X 2,186,800円
4WD
- S FOUR 2,288,000円
- X FOUR 2,445,300円
代表グレード | 日産ノートe-POWER X(FF) |
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ボディサイズ | 全長4045×全幅1695×全高1520mm |
ホイールベース | 2580mm |
車両重量 | 1220kg |
最小回転半径 | 4.9m |
エンジン型式 | HR12DE型 直3 DOHC 12バルブ |
排気量 | 1.198L |
エンジン最高出力 | 82PS(60kW)/6000rpm |
エンジン最大トルク | 103N・m(10.5kgf・m)/4800rpm |
モーター型式 | EM47 |
モーター最高出力 | 116PS(85kW)/2900-10341rpm |
モーター最大トルク | 280N・m(28.6kgf・m)/0-2900rpm |
WLTCモード燃費 | 28.4km/L |
タイヤサイズ前後 | 185/60R16 |
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ノートのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和2年12月(2020年12月)〜現在
- 新車時価格
- 203.0万円〜306.4万円
ノートの在庫が現在528件あります
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