この記事の目次 CONTENTS
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整備不良で罰金(反則金)の支払いが求められるケースとは?
不正改造で罰金(反則金)の支払いが求められる場合も
罰金(反則金)の金額と違反点数
整備不良のクルマを使用するリスクはとても大きい!
整備不良を避けるために必要なメンテナンスとは?
まとめ

ライター紹介

現役整備士車専門Webライター

太田 りく 氏

所有資格は整備士3級。得意な記事は車の構造やメンテナンス関連。趣味はドライブ。車が好きだったため、車とは関係のない職場から整備工場へ転職。現在は働きながら2級を目指して奮闘中。現場でのリアルな情報を読者の方にお伝えできるよう心がけていきます。

整備不良とは、整備すべき項目をきちんと整備しておらず、法で定められた保安基準に外れる状態のことです。
具体的には、ライト切れやブレーキの不備、タイヤの溝がない状態など。
また、クルマのカスタムなどを行っている場合は、知らず知らずのうちに不正改造に該当してしまうケースもあります。
今回は、どのようなケースが整備不良や不正改良に該当するのか、もし整備不良や不正改良に該当してしまった場合、どのような罰則が発生するのかを紹介していきます。

整備不良で罰金(反則金)の支払いが求められるケースとは?

整備不良でよくあるケースは、主にランプやブレーキ周りの不具合です。
どのような状態で走行していると整備不良に該当するのかを、ご紹介していきます。

ランプの不具合

ランプ類に不具合があると、整備不良と判断されてしまいます。
点灯しなければならない箇所が球切れなどにより点灯しない場合などが、これにあたります。
たまに、ブレーキランプやヘッドライトが片方だけ点灯していないクルマを見かけますが、これが整備不良です。

なお、ランプ類の中でも、LEDランプは特に注意が必要。
小さな球が何十個も取り付けられた鮮やかな色が魅力のLEDランプですが、実は球が1つでも切れると交換しなければなりません。
また、LEDランプは1つだけ交換することは難しく、一般的にはライトまるごと交換となります。

「クルマのことを知らなかった」「気づかなかった」では済まされないのが、整備不良。
なぜなら、ドライバーには「道路運送車両法」で「日常点検」が義務付けられているからです。
毎日点検を行う必要はないものの、適切な時期に各装置の動きやオイルの量、ランプ類の点灯を自分で確認する必要があるのです。
クルマに乗っている以上、最低限の点検は行わなければなりません。
自分では気づきづらいランプ類ですが、しっかりと点検し、珠が切れていないか確認しておきましょう。

ブレーキの不具合

ランプ同様、ブレーキの不具合も整備不良に該当します。
例えば、ブレーキを踏んでもなかなか止まれない場合などです。

上が古いブレーキパッド、下が新しいブレーキパッドです。

サビ付きによって、ブレーキパッドが削れてしまっている場合もあります。

そもそもブレーキの効きが悪いと、最悪の場合、事故にもつながりかねません。
もし愛車のブレーキが効きづらい場合は、すぐに修理する必要があります。
早めに整備工場へ持って行きましょう。

不正改造で罰金(反則金)の支払いが求められる場合も

不正改造は違法です。
しかし、自分で行ったカスタムが不正改造にあたるかどうかを、しっかりと調べる人は少ないのではないでしょうか。
実は、「気づいたら不正改造に該当していた」というケースもあるのです。

当然、不正改造車は車検に通りません。
そして大幅な違反の場合、罰則が科されるケースもあります。
ではどのようなカスタム内容が、不正改造にあたるのでしょうか。
不正改造にあたる、6つのケースをみていきましょう。

基準外のエアロパーツ

エアロパーツは、種類による基準はありません。
また、一定範囲内であれば不正改造には該当しません。
ただし、大きすぎるパーツを取り付けてしまうと、クルマの大きさが変わるため構造変更の手続きが必要になり、手続きしていない場合は不正改造に該当します。
どれくらいの範囲であれば構造変更の手続きが必要ないのか、あらかじめ確認しておきましょう。

【小型/軽自動車の場合】

  • 長さ:±3㎝
  • 幅:±2㎝
  • 高さ:±4㎝
  • 車両重量:±50㎏

【普通/大型特殊自動車の場合】

  • 長さ:±3㎝
  • 幅:±2㎝
  • 高さ:±4㎝
  • 車両重量:±100㎏

上記を超えると、構造変更手続きが必要になります。
手続きをしなければ不正改造にあたるので注意しましょう。

基準外のフィルムの張り付け

ガラスなどに貼り付けるフィルムにも、保安基準があります。
基準があるのは、フロントガラスと前方のサイドガラス。
可視光線透過率が70%以上のフィルムでなければ、貼り付けることはできません。
可視光線透過率とは、光がどれだけ通り抜けられるのかを表している数値です。
また、キャラクターのステッカーなども、貼り付け禁止です。

しかし例外もあります。
フロントガラスは、上から20%の範囲内で透けていてかつ、フィルム越しに信号機の色が確認できるものであれば貼り付け可能。
また前方のサイドガラスは、盗難防止ステッカーなどで、下記の場所の範囲であれば貼り付け可能です。

【貼り付け可能範囲】
助手席側であれば右下、運転席側であれば左下を基準として、

  • 高さ:100㎜以内
  • 横:125㎜以内

ステッカーを貼っているクルマは多いですが、フロントガラスや前方のサイドガラスへの貼り付けは法律違反です。
ステッカーを貼る際は、貼り付け場所に注意しましょう。

タイヤやホイールが車体の外に飛び出している

次に、タイヤやホイールに関しての基準です。
以前は、タイヤやホイールがフェンダーから少しでもはみ出していれば、車検には通りませんでした。
しかし、2017年の法改正により、現在ではタイヤのみ、左右合計10㎜以下の突出は許されるようになりました。
ただし、ホイールははみ出し禁止となっているので注意しましょう。
また、貨物車などは以前の基準のままで、タイヤ、ホイールともにはみ出し禁止です。

ランプの色替え

各ランプには、以下のとおり使用できる色が決まっています。

【フロント】

  • ヘッドライト:白(2006年以前に製造されているクルマの場合、白or淡黄)
  • スモール球:白(2006年以前に製造されているクルマの場合、白or淡黄or橙)
  • ウインカー:橙
  • フォグランプ:白or淡黄

【リヤ】

  • ブレーキランプ/テールランプ:赤
  • ウインカー:橙
  • バックランプ:白
  • 反射器:赤
  • ナンバー球:白

なお、デイライトの色は決まっていないものの、赤は使用できません。
その他、流れるウインカーは全てが点灯するまで、どこか一つでも消えていればNGなど、細かい決まりもあります。
もし自分でライト類をカスタムしようと思っているのであれば、事前にその部分の基準をしっかりと確認しましょう。

マフラーから消音装置を取り外す

マフラーの消音器の取り外しも、違法です。
マフラーを取り外してしまうと、排気音がうるさいため、というのが理由です。
ただし、音に関係のない触媒の取り外しなども、保安基準適合外となります。
そもそも、マフラーのどこか一部分を取り外す事自体外が認められていません。

マフラーに関しては保安基準を守らないクルマが多いため、車検時もシビアにチェックが行われます。
社外品を取りつけたクルマであれば、マフラーを変更した際、証明書をしっかりと残しておくなどの準備が必要です。

内装関係

意外と知られていない保安基準もあります。
例えば、ヘッドレストの取り外しやヘッドレストモニター、サンバイザーモニターなども、車検には通りません。
またシフトレバーに表示されるシフトパターンも、外してはいけません。
AT車、MT車どちらであっても、表示が義務づけられています。

このように、一見車検とは関係なさそうな部分でも、保安基準から外れることがあります。
自分でカスタムする際には、事前にこのような知識は学んでおきましょう。

罰金(反則金)の金額と違反点数

クルマに関する法律は、2種類あります。

  • 道路交通法
  • 道路運送車両法

です。
そして2つの法律それぞれに罰則が決められています。

整備不良の場合

整備不良を取り締まる法律は、基本的に「道路交通法」です。
道路交通法の具体的な罰則は、以下のとおりです。

【灯火類の罰則】

  • 違反点数:1点
  • 反則金額:7,000円

【制動装置などの罰則】

  • 違反点数:2点
  • 反則金額:9,000円

ライト類の球が切れて点灯しない場合は、灯火類の罰則に該当し、違反点数1点、罰則金額7000円が科せられます。
制動装置などの罰則は、例えばブレーキの効きが悪すぎる場合などに適用されます。
急な検問などで焦らなくていいよう、日頃から確認しておきましょう。

不正改造の場合

不正改造を取り締まる法律は「道路運送車両法」で、罰則は整備不良のケースよりも重くなります。
不正改造の場合は、主に公道を走っている際に、警察に止められて保安基準に適合するよう整備の指示を命じられ、従わなかった場合に50万円以下の罰金が科されます。

また、改善命令と同時に不正改造車の使用停止命令も下されるのですが、この指示に従わなかった場合にも、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されます。

整備不良のクルマを使用するリスクはとても大きい!

整備不良のまま走行を続けると、さまざまなリスクがあります。
具体的にご紹介します。

事故を誘発する恐れがある

まず、何よりも事故を起こす可能性が高くなります。
例えばブレーキランプが切れている場合、ブレーキに気づかず、後続車が追突してくる恐れがあります。
ウインカーも、同様です。
またスモール球やヘッドライトが、片方だけ切れている場合も危険です。
なぜなら、街灯のない道路ではライトの灯りによってクルマかどうかを判断する事が多く、片方しか点いていなければ、バイクと間違えられて幅寄せをされることもあるのです。

このように、通常点灯していなければならないライトが消えていると、さまざまな事故が起こります。

事故を起こした際、保険会社から保険金が支払われない可能性がある

もし整備不良で事故を起こしてしまった場合、車両保険が支払われない、もしくは支払われる金額が下がる場合があります。
また、過失割合も、こちらとって不利な条件となる可能性が高くなります。

ただし、例えば昨日までヘッドライトが点いていたのに、今日突然切れてしまった場合と、故意にヘッドライトを暗くしている場合では状況が全く違います。
整備不良といっても、状況や伝え方によって、保険の支払い方法は大きく変わります。

整備不良を避けるために必要なメンテナンスとは?

ここからは、整備不良を避けるためのメンテナンス方法をお伝えします。

タイヤやライトの点検

タイヤの点検では、下記3点をチェックしましょう。

  • 溝の深さ
  • 空気圧
  • 損傷

溝については、スリップサインが出ていないかどうかを確認します。
空気圧については、適正空気圧が運転席ドアを開けた車体側に記載されているので、その数値をもとに調節します。
そして、定期的に損傷のチェックも必要です。
これは、何かの拍子に、タイヤの側面に大きな傷がつくことがあるためです。

また、ライトの点検では、下記3点をチェックします。

  • 全てのライトの点灯確認
  • 十分明るいか
  • 左右で同じ色をしているか

左右で同じ色かどうかを確認する理由は、バルブが弱ると色が変わるものがあるからです。
また、ウインカーなどが切れそうな場合は、高速で点滅します。
これらのサインに気づくことができれば、球が切れる前に交換できます。

特にテールランプやバックランプ、ブレーキランプは、切れていても気づきにくいものです。
しっかりと確認しておきましょう。

エンジンルーム

エンジンルームの点検では、オイルの量や漏れなどを確認します。
オイルの適正量に関しては、特によく見ておく必要があります。
なぜなら、適正な量のオイルが入っていなければ、クルマが壊れる大きな原因となるからです。
また、車検にも通らなくなります。
あわせて、ホース類の損傷やバッテリー端子がきちんとついているかも、確認しておきましょう。

異常を感じたらプロに依頼を

もしクルマに異常を感じた場合、プロの整備士にお願いしましょう。
自分で対処できるならいいですが、対処しようとして逆に壊してしまう人は多くいます。
自信がないのであれば、整備士にお願いするのがおすすめです。
なかには、ディーラーでなければ直らない故障もあります。
例えば、衝突軽減ブレーキのために取り付けてあるカメラのズレなどは、個人ではもちろんのこと民間整備工場でも対応は難しいでしょう。

なお、故障ごとに整備工場を変えるのではなく、信用できる整備工場を作っておくのも大切なことです。
何かあった時すぐに対応してもらえる店を探し、メンテナンスをお願いする方法が一番安心できるのではないでしょうか。

まとめ

クルマの整備不良では、罰則が設けられています。
内容はさまざまで、ランプ類の球切れやブレーキのメンテナンス効きが悪いことなどが該当します。

また整備不良と同じく、不正改造にも罰則が設けられています。
基準値に戻すよう警察から指示があるにもかかわらず、無視し続けると50万円以下の罰金を支払わなければならなくなるので注意しましょう。

このようにクルマのルールは細かく、ルールに従わなければペナルティが発生します。
知らなかったでは済まされないため、日々のメンテナンスをしっかりと行い、ルールに従って安全な運転をしましょう。