この記事の目次 CONTENTS
増税はあっても減税はない!?ならば、燃費のよいクルマがベストな選択
新導入された環境性能割により、燃費の悪いクルマは税金もアップ!
流通量が多く選びやすい、ハイブリッド車の代表格トヨタ アクア
高年式車に限られるが、EV風な力強い加速力と低燃費がウリのノートe-POWER
ハイブリッド車なら、2019年秋以降、ホンダ フィットも狙い目
ハイブリッド以外の選択肢「ディーゼル」を搭載したデミオも狙い目

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

増税に伴ってガソリン価格の上昇と共に、クルマの取得税が廃止され、代わりに環境性能割が新設された。
燃費の悪いクルマを買うと、ガソリン代が高くなるだけでなく、課税されるようになったのだ。

この記事では、増税後に購入するならどんなクルマが良いのかを解説していく。

増税はあっても減税はない!?ならば、燃費のよいクルマがベストな選択

消費税が8%から10%へ変更された。増税分がプラスされ、ガソリン価格も上昇する。
2019年9月のレギュラーガソリン価格は、おおよそ140円。
増税分がプラスされたことで、10月以降は約2~3円程度価格がアップしている。

ガソリンは、日々使うもの。
だから、出来る限り節約したいと思うのは当然のことだ。
これからも増税はあっても、減税などおそらくないだろう。
そう考えると、これから中古車を購入するのであれば、やはり燃費のよいクルマという選択になる。
燃費が良ければ、ガソリンスタンドに行く機会も減り、時間の節約にもなる。

新導入された環境性能割により、燃費の悪いクルマは税金もアップ!

消費税が10%になったと同時に、クルマの取得税が廃止された。
しかし、廃止により減る税金分を補うために、環境性能割が新設されている。
この環境性能割は、燃費の悪いクルマに対して取得価格の1~3%の税金が課せられる。
燃費の悪いクルマを買うと、ガソリン代が多くかかるだけでなく、さらに課税されるようになったのだ。こうなると、ますます燃費のよいクルマを選ぶ必要がある。

そこで、今回は燃費のよいハイブリッド車を中心に、おすすめモデルを紹介する。

流通量が多く選びやすい、ハイブリッド車の代表格トヨタ アクア

燃費のよいコンパクトカーとして、すぐに頭に浮かぶのがハイブリッド車だ。
基本的には、ハイブリッド車をメインに探すと良い。
その中でも選びやすいのが、トヨタ アクアだ。
トヨタ アクアはコンパクトカーの中でも大人気モデル。
2011年にデビューしており、中古車の流通量はかなり多い。
そのため予算に応じて、年式・グレード、走行距離、色など自分好みの仕様が選びやすい。

アクアは、1.5Lのハイブリッドシステムを搭載。最新モデルで量販のSグレードで、燃費は34.4㎞/L(JC08モード)だ。
これは世界トップレベルの低燃費。
高速道路、市街地問わず、全体的に優れた低燃費が期待できる。

ハイブリッド車は、新車時の車両価格はやや高めであることが多い。
しかし、アクアの中古車は流通量が多いため、中古車価格はリーズナブルだ。
2012年式だと50~90万円程度が相場。年式は古いが、超低燃費であることには変わりない。
2016年式という少し高年式のモデルになると、100~140万円が相場。
新車価格の半額程度まで価格が落ちている。
この年式でもかなりコストパフォーマンスに優れている。

高年式車に限られるが、EV風な力強い加速力と低燃費がウリのノートe-POWER

電気自動車である日産リーフのモーターを搭載し、力強さとスムーズさを両立した、シリーズハイブリッドのノートe-POWERも予算が合えばおすすめだ。

ノートe-POWERは、モーターにより254Nmという大トルクを発生。
これは、クラストップレベルの力強さだ。エンジンは発電のみで、モーターで走行するのでとてもスムーズだ。

また、シリーズハイブリッドシステムということもあり、市街地ではアクアなどを超える低燃費での走行が可能。
しかし、逆に高速道路での燃費は、やや物足りない数値になる。
燃費は量販グレードのe-POWER Xで34.0㎞/L(JC08モード)と、クラストップレベルの低燃費だ。

ただ、このe-POWERモデルが登場したのは2016年。
まだ登場から時間が経っておらず中古車の流通量も少なく、人気もあるので中古車価格はやや高めに推移している。
2017年式だと120~150万円が相場となっており、少々高めだ。

ハイブリッド車なら、2019年秋以降、ホンダ フィットも狙い目

この他、ハイブリッド車としてはホンダ フィットがある。
フィットは2019年秋に4代目となるフルモデルチェンジを予定している。
フルモデルチェンジしてしばらくすると、現行の3代目フィットの中古車は継続的に価格が下落していくので、その時が狙い目。

3代目フィットは、ハイブリッド・L ホンダセンシングで34.0㎞/L(JC08モード)と低燃費だ。
中古車相場は、2014年式で70~110万円程度。2016年式になると110~140万円程度とやや高めだ。

ハイブリッド以外の選択肢「ディーゼル」を搭載したデミオも狙い目

燃費が良いという点では、ハイブリッド車の他にディーゼル車がある。
国産コンパクトカーの中で、唯一ディーゼルエンジンを搭載しているのがマツダ デミオだ。
ディーゼルエンジンは、トルクが大きく、力強い点も特徴のひとつ。
デミオの最大トルクは、250Nm。
この最大トルクは、ノートe-POWER並みでクラストップレベルだ。
燃費はハイブリッド車とガソリン車の中間といったところで、XDグレードが26.4㎞/Lとなっている。
高速クルージングでは、かなり優れた燃費値が期待できるモデルだ。

しかし「カタログ燃費値は良くないよね?」 と、思うかもしれないが、ポイントとなるのは燃料だ。
ディーゼルなので燃料は軽油になる。
軽油はレギュラーガソリンよりも20円/L前後も安価。
そのため燃料費視点では、ハイブリッド車と同等レベルになる。
これも、大きなメリットだ。

ただ、デミオはライバル車と比べ、やや装備がよいこと、そしてディーゼル車の新車価格は高かったこともあり、中古車価格も高めになっている。
2015年式で100~140万円程度が相場だ。