2017年4月の乗用車・軽自動車の新車車種別販売台数を各機関が発表しました。新車・中古車市場で「今、本当に売れている車」はどんな理由で売れているのでしょうか。今回は初めて新車販売台数首位についたトヨタ C-HRと軽自動車販売台数TOPを独走するホンダ N-BOXに焦点をあて、株式会社IDOM(旧社名:ガリバーインターナショナル)の中古車販売実績と比較しながら、自動車市場の最新の動向を解説します。
- 新車・中古車販売ランキング目次
- 1.2017年4月の新車・中古車販売台数TOP10
- 2.新車販売台数No1を獲得したC-HRの魅力とは?
- 2-1 C-HRが好調な理由 1. 燃費
- 2-2 C-HRが好調な理由 2. 外装デザイン
- 2-3 C-HRが好調な理由 3. 安全装備
- 3.プリウスが思ったより売れていない理由
- 3-1.プリウスは飽きられつつあるのか?
- 4.N-BOXの怪!発売から6年経過も人気が下がらない理由とは?
- 5.中古車ではタントが8ヶ月連続首位を独走中!
- 6.いよいよ2017年秋に新型N-B0Xが登場!
2017年4月の新車・中古車販売台数TOP10
4月の販売台数実績1位から10位までの車種は次の通りです。
順位 | 新車 | 中古車 |
---|---|---|
1 | トヨタ C-HR | ダイハツ タント |
2 | ホンダ N-BOX | 日産 セレナ |
3 | ダイハツ ムーヴ | ホンダ フィット |
4 | ダイハツ タント | スズキ ワゴンR |
5 | トヨタ プリウス | トヨタ プリウス |
6 | スズキ ワゴンR | ダイハツ ムーヴ |
7 | 日産 ノート | ホンダ N-BOX |
8 | 日産 デイズ | スズキ ラパン |
9 | ホンダ フリード | ホンダ ステップワゴン |
10 | トヨタ アクア | トヨタ ヴォクシー |
【データ出典元】:
新車車種別乗用車販売台数:一般社団法人自動車販売協会連合会
新車車種別軽自動車販売台数:一般社団法人全国軽自動車協会連合会
中古車車種別販売台数:株式会社IDOM(旧社名:ガリバーインターナショナル)の販売実績
新車販売台数No1を獲得したC-HRの魅力とは?
まずはなんといっても初めて首位についたトヨタの世界戦略車、C-HR。トップを守ってきた軽自動車のホンダ N-BOXをおさえ、普通車でしかもSUVのハイブリッドカーが首位を獲得するのは史上初ではないでしょうか。
C-HRがなぜそこまで人気を集めることができたのか、紐解いてみましょう。
C-HRが好調な理由 1. 燃費
搭載されているエネルギー供給システムは基本的にプリウスと同じ1.8Lハイブリッドシステムといわれるものですが、燃費値はなんと30.2㎞/L。C-HRのライバル車と比べてると、圧倒的な燃費値であることがわかります。トヨタ C-HR 30.2km/L (ハイブリッド)
マツダ CX-5 18.0km/L (クリーンディーゼル)
燃費値30.0km/Lというのは、少し前までは熾烈な低燃費争いが繰り広げられていた軽自動車やコンパクトカー のクラスで一つの基準とされていた値です。これをボディサイズも車重も違うSUVで実現してしまうところがさすがはトヨタです。
C-HRとCX-5の評価については次の記事をぜひ参考にしてみてください。
▶︎トヨタC-HR vs マツダCX-5 徹底比較 どっちのクルマがいいの?
C-HRが好調な理由 2. 外装デザイン
C-HRは、トヨタが徹底的にデザインにこだわっただけあり、全体的に独特なフォルムとなりました。CX-5と比べてみると、C-HRのデザインが細部に渡っていかに複雑であるかがわかります。
トヨタ C-HR 外装デザイン
マツダ CX-5 外装デザイン
CX-5の在庫を見てみる
C-HRが好調な理由 3. 安全装備
安全装備面では他メーカーに比べて劣りがちなトヨタ車ですが、C-HRは別格といえます。プリウスには標準装備されていない、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備「トヨタ セーフティセンスP」に加え、サイドエアバック&カーテンエアバッグもC-HRには全車標準装備化されました。
<関連記事>
「超低燃費を実現したプリウスベースのハイブリッドSUV」トヨタC-HR購入ガイド
プリウスが思ったより売れていない理由
一方、C-HRの後に発売されたプリウスPHVの効果が出ていないのか、プリウスが前月3位から5位にランクダウン。これには二つの要因が考えられます。
1つ目は、販売店の主力販売車種がC-HRであったこと。 2つ目は、減税があるとしても価格メリットが少ないということ。
プラグインハイブリッドの実用性を考えると「普通のプリウスで十分」というのがユーザーの答えなのかもしれません。
<関連記事>
プリウスPHVの新型と旧型の違いを評価!
プリウスは飽きられつつあるのか?
また、'普通の'プリウスの現行モデル(4代目)も発売からまもなく1年半を迎え、販売台数も下降の一途をたどっています。1年で新車が最も売れる2017年3月の普通車販売台数ランキングでは、今勢いにのっている日産ノートに首位を奪われました。プリウスは先代からデザインを一新し進化を印象づけたようですが、プリウスユーザーの乗り換えが進んでいないためか、はたまたハイブリッドカーという新世代を作り上げたプリウスにそろそろ飽きがきつつあるのか・・・今後の売れ行きに注目したいところです。N-BOXの怪!発売から6年経過も人気が下がらない理由とは?
新型発売時から販売台数が徐々に落ちていくのはごく当たり前ですが、ホンダ N-BOXの2017年4月の販売台数は12,265台でなんと前年同月比で104%の実績。次のグラフは2011年12月登場から2016年までの軽乗用車販売台数とその中でN-BOXの販売台数比率をまとめたものです。軽自動車税増税により、軽全体の販売台数が大幅に落ち込んだ2015年、驚くべきことにN-BOXは販売台数を伸ばしていることがわかります。軽自動車の販売台数TOPを2年連続走り続けるホンダ N-BOXが売れる理由はどこにあるのでしょうか。
【データ出典元】:新車車種別軽自動車販売台数:一般社団法人全国軽自動車協会連合会
支持層が幅広いN-BOX
全国に21店舗展開するガリバーの軽自動車専門店「ガリバーミニクル」における2016年の販売台数1位は見事ホンダ N-BOXとなりました。ガリバーミニクル安積店の橋本店長は、「N-BOXがライバル車と圧倒的に違う点は、幅広い層のお客様に支持されていることです。また、軽自動車の中では室内空間が一番広い点が人気の理由につながっています」と話しています。とはいえ、N-BOXはライバル車であるダイハツ タントやスズキ スペーシアに比べると価格が高い上に、車重の分燃費が悪い点はユーザーの選択肢から外れる要因にはならなかったのでしょうか。
販売台数が多く見えるカラクリ
業界事情に詳しい自動車評論家でCORISM代表の大岡智彦氏は、N-BOXの販売台数が多い理由とそのしくみについて次のように解説しています。「N-BOXにはN-BOX+(プラス)とN-BOX /(スラッシュ)という派生車の2車種が販売台数の1割を支えています。例えばダイハツの場合、N-BOXのライバル車であるタント(14.9万台)とタントをベースにしたウェイク(3.3万台)の販売台数を合わせると2016年の販売台数が18.2万台となりますので、N-BOXの19.2万台にぐんと近づくことができます。」
同様に、2016年にダイハツから発売されているムーヴキャンバスもムーヴの派生車としてムーヴの販売台数にカウントされています。
'カスタム'グレードで振り切れたホンダとダイハツ、負けたスズキ
軽自動車には、多くの車種に「カスタム」というグレードが存在しています。これらの多くは男性若年層向けの趣向を凝らした量販車で、この「カスタム」グレードの各社戦略について、大岡氏は次のように見ています。
「N-BOXとタントのカスタムは、ギラギラとしたデザインに振り切ったことで人気を集めることに成功しました。それに対し、スズキのスペーシアカスタムはそこまで振り切れなかったことが敗因。その後価格とデザインを改善したスペーシアカスタムZは人気を取り戻しつつあるようです。」
また、販売店戦略では、コンパクトカーと軽自動車の専門に扱う「ホンダはスモールストア」を地方で展開しており、ダイハツは女性客を中心としたお店作りを強化している点もユーザーから選ばれるきっかけの一つとなっているかもしれません。
新車販売台数ナンバー1を取れば、さらに売れる!?
N-BOXのCMは、「N-BOXは2年連続No.1」を堂々とうたっているのと同様に、あらゆる商品のCMで「販売台数No1」言葉を目にする機会が多いことでしょう。クルマに詳しくない人にとっては、クルマ選びは非常に難しいものです。どれを選んだら良いかわわからない人にとって、「新車販売台数ナンバー1」という宣伝文句は、「みんなが選んでいるクルマだから安心できる」という印象を抱くでしょう。こうした心理もN-BOXが売れている理由のひとつです。自動車メーカー側もこうした現象を理解しているため、新車販売台数ナンバー1の冠を得るために様々な策を行っているのです。と、大岡氏は話します。
「一番売れているクルマ」であることは、信頼性が高く、購入のさらなる後押しとなっているのです。
中古車ではタントが8ヶ月連続首位を独走中!
新車販売ランキングでは1位をひた走るN-BOXですが、中古車ではどんな状況なのでしょうか。株式会社IDOMの車種別中古車販売ランキングの首位を独走するのは、N-BOXのライバルであるダイハツ タント。
この状況は2016年はじめから変わっていません。というのも、新車と中古車では同じ車種でも登録される(販売台数としてカウントされる)タイミングが異なるためです。
新車が登場
▼約6年後に新型(フルモデルチェンジ)が登場
▼新しいモデルに乗り換え
▼下取りされる中古車が発生
タントは、現在3代目が最新モデルとなっています。
2003年初代登場
▼2007年2代目登場
▼2013年現行モデル登場
現在全国のガリバー店舗で一番売れているのは、タントの中でも2007年に登場した2代目のようです。
いよいよ2017年秋に新型N-B0Xが登場!
ホンダは、2017年秋に新型N-BOXを登場させると発表しました。
N-BOXがフルモデルチェンジすれば中古車市場に出回るN-BOXが増え、中古のN-BOXが販売台数を伸ばすのは間違いないでしょう。
詳細について、ホンダのN-BOX先行情報サイトにて順次発表していくとのことです。
▶︎新車・中古車販売台数ランキングバックナンバーはこちらから
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タントのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和1年7月(2019年7月)〜現在
- 新車時価格
- 122.0万円〜202.4万円
タントの在庫が現在497件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。