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ROUND2 達人によるコダワリ評価
コダワリ評価 GO!
パッケージング Packaging
走り Driving
シートアレンジなどの実用装備 Equipment-seat arrange etc.
環境&経済性 Ecology&Economy
お買い得感 Buyers

ライター紹介

自動車ライター&エディター

近藤 暁史 氏

某自動車雑誌の編集者から独立。その前はファッションエディター(笑)。とにかくなんでも小さいものが好きで、元鉄チャンで、今ではナローゲージを大人買い中。メインのクルマは19歳の時に買ったFIAT500。エンジンのOHからすべて自分でやり、今やもうやるところがない状態でかわいがっております。表向きは自動車ライターながら、業界唯一の省燃費グッズの評論家というのがもうひとつの顔。

ROUND2 達人によるコダワリ評価

評価するのはこの達人たち

松下 宏

小さくて軽く、誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。

片岡 英明

学校の先生から自動車雑誌編集者経て、モータージャーナリストになったという異色の経歴を持つ。元教師ということもあり、分かりやすい評論に定評がある。さらに、クルマの細部まで見逃さない観察力はハンパではなく、徹底的に調べ上げてしまうほど。最新のクルマから、ヒストリックカーまで幅広い知識をもつ。

国沢 光宏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

コダワリ評価 GO!

パッケージング Packaging

マツダ デミオ

松下 宏

ボディサイズを切り詰めて軽量化を図った点は一定程度に評価できるが、デザインを優先させてAピラーを大きく傾斜させたり、全高を抑えて居住性をスポイルしたのは疑問。

7点

片岡 英明

ハイトワゴンからの脱皮を図り、キュートなデザインのパーソナル・コンパクトカーに生まれ変わった。Aピラーの傾斜は強いので開放感は薄い。後席も平凡な広さにととどまる。

7点

国沢光宏

燃費を向上させるため、フルモデルチェンジでは珍しい「ダウンサイジング」を行なった。その結果、リアシートの使い勝手などを中心とした、実用性能が大幅にダウンしている。

7点

スズキ スイフト

松下 宏

何の変哲もないごく普通のハッチバック車のパッケージング。全長やホイールベースが短いので室内寸法も数値的にはデミオよりも狭いが、実際に座すると差がない、といった印象。

8点

Aピラーを立ち気味にデザインしているため頭まわりに余裕がある。後席はマイナーチェンジによって座面の厚みを増し、きちんと座れるようになった。荷室も荷物を積みやすい。

7点

Bセグメント(VWポロのクラス)のド真ん中に位置するボディサイズをもつ。リアシートも「何とか実用に耐える」サイズ。当然軽自動車よりも、ひとまわり広い室内をもつ。

8点

SUBTOTAL 21点 23点

走り Driving

マツダ デミオ

松下 宏

従来のスポーツ志向の足まわりや操舵フィールから、現行モデルでは穏やかな感じの操舵感や乗り心地に変更してきた。マツダ車の走りのフィールを大きく変えたクルマである。

8点

片岡 英明

エンジンは軽やかに回り、CVTもいい仕上がりだが、実用域のトルク感は今一歩。軽快なハンドリングと高速スタビリティの高さはマツダの走りのDNAを感じさせる部分である。

8点

国沢光宏

どのエンジンも動力性能よりも実用燃費を意識しているため、走る楽しさは薄い。乗り心地やハンドリングも先代モデルから進化しておらず。期待して乗るとガッカリする。

6点

スズキ スイフト

松下 宏

十分にストロークする足まわりによるしっかり乗り味は、これまでのスズキ車にはなかったもの。安定感のある走りのフィールは好感がもてる。エンジンの動力性能は平均レベルだ。

8点

片岡 英明

軽快なハンドリングとしなやかな乗り心地が光る。しかも透過音の遮断などが上手なのでデミオより静かな印象だ。1.2リッターにCVTの組み合わせでも1.3リッターモデルと遜色ない走り。

9点

国沢光宏

マイナーチェンジでイッキに質感は向上した。とくに新しいエンジンの評価が高い。ボディの剛性感などはヨーロッパのライバル車に匹敵するほど。デミオと対象的である。

8点

SUBTOTAL 22点 25点

シートアレンジなどの実用装備 Equipment-seat arrange etc.

マツダデミオ

松下 宏

従来のモデルにあったシートスライドを廃止したほか、シートバックもただ前に倒れるだけにした。シートアレンジという点ではなんとも工夫のないクルマになってしまった。

6点

片岡 英明

6対4のシングルフォールディング方式に改められた。簡単に畳めるが、フロアはフラットにならない。小物入れは運転席まわりに設置した。横滑り防止の安定制御装置は選べない。

7点

国沢光宏

これといった装備はもっていない。ごく普通に折り畳める収納タイプのリアシートで、室内の絶対的なスペースもムーヴのような「広い軽自動車」と同等といっていいほど。

6点

スズキ スイフト

松下 宏

リヤシートの背もたれを倒すと、ラゲッジスペースはほぼフラットな状態になる。後部のラゲッジボードを動かすことで、背の高い荷物を積めるなど、ラゲッジの実用性は高い。

8点

片岡 英明

シートアレンジはデミオと同じ方式だが、フラットなフロアを実現している。主力グレードにオートエアコンやCD付きオーディオを標準装備し、スポーツはESPも標準装備だ。

9点

国沢光宏

リアシートの収納はデミオと同じ6対4の左右分割タイプながら、ラゲッジスペースの底板をセットする場所が変えられるため、用途によりさまざまなアレンジメントを楽しめる。

7点

SUBTOTAL 19点  24点

環境&経済性 Ecology&Economy

マツダ デミオ

松下宏

全車が4つ星を達成したほか、1.5リッターのスポルトや1.3リッターのミラーサイクル+CVT仕様車で燃費基準+20%を達成するなど、環境性能の高さはまずまずのレベル。

9点

片岡英明

ミラーサイクルエンジンにCVTを組み合わせた13C-Vは10・15モード燃費が23.0km/L。15Cは20.0km/Lだ。エンジンはすべて4つ星のSU-LEVを達成。重量税も安い。

9点

国沢光宏

使い勝手を犠牲にしてまでダウンサイジングしたのは燃費を向上させるためにほかならない。ちなみに気になるのが次期型フィットの燃費。果たしてデミオよりいいだろうか?

7点

スズキ スイフト

松下宏

スポーツを除いて4つ星を獲得しているが、追加された1.2リッターとCVTの組み合わせでも燃費が基準+10%というのは物足りない。ほかのモデルは減税の対象にならない

7点

片岡英明

排ガス浄化レベルは3つ星だが、一部グレードは4つ星で、グリーン税制適合車もある。10・15モード燃費は1.2リッターのCVT搭載車が20.5km/L。重量税は大半が1.5トンクラスだ。

7点

国沢光宏

環境&経済性は、ヴィッツなどと同じく平均的なコンパクトカーのレベルといっていい。ただ年間走行距離が短いコンパクトカーならば、決定的な燃料消費量の差などはない。

7点

SUBTOATL 25点 21点

お買い得感 Buyers

マツダ デミオ

松下 宏

競合車に比べて価格を抑えた設定にしている。ミラーサイクルエンジンの搭載車は価格的にやや高めになるが、装備の中身と燃費で取り戻せる範囲内。13C-Vがお勧めグレードだ。

9点

片岡 英明

13Cは120万円のプライスタグを掲げている。この13C以上のグレードなら必要十分な装備内容だ。13C-Vからはパッケージオプションも用意されている。5速MTも選択可能だ。

8点

国沢 光宏

使い勝手や広さは軽自動車レベルだ。乗り心地や動力性能についてもライバルと比べて厳しい。さらにミラーサイクルエンジンを買うとなれば、価格的にも決して安くありません。

7点

スズキ スイフト

松下 宏

際立って安いというほどではないが、ほどほどの割安感。買って損のない感じの価格が設定されている。やや気になるのはリセールバリューがどの程度になるかという点だ。

8点

片岡 英明

デミオ13Cと同価格帯の12XGはオートエアコンを標準装備し、そのLパッケージはアルミホイールも付く。走りの装備が充実したスイフトスポーツも買い得感は群を抜いている。

9点

国沢 光宏

1.2リッターエンジン搭載車は動力性能やクルマの仕上がり、実用性能などのバランスが高い次元で取れているうえ、イメージよりも安価だ。お買い得感はとても高い。

8点

SUBTOTAL 24点 25点