「気づけば有効期限が近かった!」と、慌てることも多い車検。
車検の有効期限は車種によってどう異なるのでしょう?期限が迫ったとき、いつから車検を受けられるのでしょう?また有効期限を過ぎてしまったときの対処法は?
ここでは車検の期間やよくある疑問について解説しています。
車検の期間とは?
車検とは、車が公道を走れる基準に適合しているかどうかを確認するための検査です。その有効期間は車の種類によって異なりますが、乗用車の場合は2年に一度が基本です。ただし初度登録後、最初に受ける車検は3年後です。
種類別の有効期間を確認
車の種類ごとの車検期間は下記の通りです。
対象車種 | 初回の 検査有効期間 | 2回目以降の 検査有効期間 | 備考(主な車種など) |
貨物 車両総重量8t以上 | 1年 | 1年 | トラック(三輪を含む) |
貨物 車両総重量8t未満 | 2年 | 1年 | |
貨物 軽 | 2年 | 2年 | |
定員11名以上 | 1年 | 1年 | マイクロバス |
幼児専用車 | 1年 | 1年 | 園児送迎車 |
乗用 普通・小型 | 3年 | 2年 | 一般の乗用車(マイカー) |
乗用 軽 | 3年 | 2年 | |
乗用 三輪 | 2年 | 2年 | |
二輪 小型 | 3年 | 2年 | 250ccを超えるオートバイ(三輪を含む) |
二輪 検査対象外軽自動車 | なし | なし | 250cc以下のオートバイ(三輪を含む) |
特種 普通・小型 | 2年 | 2年 | キャンピング車 |
特種 貨物 車両総重量8t以上 | 1年 | 1年 | 給油車、タンク車、現金輸送車、コンクリートミキサー車、ボート・トレーラ、冷蔵冷凍車、活魚運搬車、散水車、塵芥車 |
特種 貨物 車両総重量8t未満 | 2年 | 1年 | |
特種 軽 | 2年 | 2年 | |
大型特殊 車両総重量8t以上 | 2年 | 2年 | ホイール・クレーン |
大型特殊 車両総重量8t未満 | 2年 | 2年 | フォーク・リフト |
大型特殊 貨物 車両総重量8t以上 | 1年 | 1年 | ストラドル・キャリア、ポール・トレーラ |
大型特殊 貨物 車両総重量8t未満 | 2年 | 1年 | |
検査対象外軽自動車 | なし | なし | そり付、カタピラ付軽自動車 |
車検切れになったらどうする?
もしも有効期間内に車検を受けなかった場合は、どうなるのでしょうか。
車検切れの状態でも、公道を走行しない限りは違反にはなりません。しかし公道を走行した場合、減点や罰金が科されます。悪質性や常習性次第では、交通刑務所へ服役という可能性もあります。
また車検が切れているということは、自賠責保険の期限も切れている可能性が高いです。事故を起こした場合、自賠責保険の補償が受けられません。
車検切れの場合の対処法は、以下の通りです。
①市区町村役場で仮ナンバーを取得
②車の所有者が自ら運輸支局に持ち込み、ユーザー車検を受ける。または車検ができる整備工場を探す
仮ナンバーを取得しない場合は公道を走れないので、レッカー車を手配する必要があります。
車検はいつから受けられる?その価格は?
車検は有効期限前であればいつでも受けられますが、「有効期限の1ヶ月前から満了日の間」に受検するのが一般的です。この期間に車検を受けると、残存する旧車検証の有効期間を保持したまま、新車検証に更新できます。
※上記期間外に車検を受けると、新車検証の有効期限は「受検日から2年後」となります。
見積もり予約は、有効期限の3ヶ月前から2週間前まで依頼できます。
車検費用は業者によって数万円の差が出ることもあります。見積もりは必須ではありませんが、複数のお店で見積もりを取って費用相場を把握し、金額を比較すると良いでしょう。
また車検費用は、車の規格によっても異なります。以下の表を参考にしてください。
種類 | 軽自動車 | 普通自動車 | |||||
区分 | 小型乗用車/フィット、デミオなど | 中型乗用車/レガシー、カローラなど | 大型乗用車/オデッセイ、クラウンなど | 特大乗用車/ランドクルーザー、パジェロなど | |||
車両重量 | 一律 | 1.0t以下 | 1.0t超1.5t以下 | 1.5t超2.0t以下 | 2.0超2.5t以下 | ||
重量税 | 6,600円 | 16,400円 | 24,600円 | 32,800円 | 41,000円 | ||
自賠責保険 | 17,540円 | 17,650円 | |||||
印紙代 | 2,200円 | 2,200円 | 2,300円 | ||||
法定費用 合計 | 29,340円 | 36,250円 | 44,550円 | 52,750円 | 60,950円 | ||
車検費用の目安 |
上記法定費用合計+5~10万円程度 |
※印紙代は2023年1月以降に車検を受ける場合。自賠責保険料は2023年4月1日以降の金額
【新情報】2025年4月から受検可能期間が拡大
国土交通省では、残存する旧車検証の有効期間を保持して新車検証に更新できる期間を「受検可能期間」と定めています。
これまで受検可能期間は「車検証の有効期限前1ヶ月」でした。しかし2025年4月からは、この期間が「車検証の有効期限前2カ月」に変更されます。これに合わせて、今後は見積もり予約が可能な期間も前倒しになることが予想されます。
車検を忘れないための対策
車検切れになると、仮ナンバーの発行手続きやレッカー車の手配など、手間も費用も余分にかかります。うっかりミスでの車検切れを防ぐため、以下のような対策をしましょう。
対策① ステッカー(検査標章)での確認
車のフロントガラスに検査標章を貼ることは、所有者の義務です。
ステッカー表側(車外側)には、車検が満了する年と月のみが記載されています。車検は1日に切れる場合もあれば、31日に切れる場合もあるので、月単位の確認だけでは不十分です。
一方でステッカーの裏側(室内側)には、車検の有効期間の満了日が明記されています。こちらで有効期限を確認しましょう。
対策② 車検証での確認
車検証にも有効期間の満了日が記載されています。スマートフォンのカレンダー機能などを使って、満了日が近付いたら通知されるように設定しておくのも良いでしょう。
期限を把握し、車検切れを防ごう
車に乗る以上、車検は必ず受けなければいけません。ステッカー(検査標章)や車検証で有効期限を確認し、スマホの通知機能付きのアプリに記録しておくのもおすすめです。
普段から車検の期限を定期的に確認するように習慣づけ、場合によっては家族などにも周知して車検切れを防ぎましょう。
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noricoでは、車検の費用相場や必要書類、有効期間といった基礎知識を分かりやすく解説しています。「車検に不安がある」という人は、以下の記事も参考にしてください。
- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!