ベンツには大きく分けて7種類のクラスがあり、それぞれサイズや価格帯が異なります。ここではベンツの基本的なクラスの分類、車種の読み方、各クラスの特徴や購入時のポイントを解説しています。
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ベンツのクラス一覧
ベンツには、大きく分けて「Aクラス」「Bクラス」「Cクラス」「Eクラス」「Sクラス」「Gクラス」「Vクラス」と7種類のクラスが存在します。
このうちA~Eクラス及びSクラスは、アルファベット順が進むほどハイグレードになります。ボディサイズが大きく、車両価格も高くなるのが特徴です。 多くのクラスでは、セダンやステーションワゴンなど複数のボディタイプが展開されています。
一方GクラスとVクラスは独立的な存在で、Gクラスはベンツが古くから有する伝統的なクロスカントリーSUV、Vクラスは3列シートミニバンのみの展開です。
各クラスのアルファベットの意味
各クラスには、それぞれ以下のような意味があります。
- A:エントリークラスとして最初のアルファベット
- B:「Aクラスより大きい」という意味合い
- C:Compact(コンパクト)
- E:Executive(エグゼクティブ)
- S:Special(スペシャル)」
- G:Geländewagen(ドイツ語で「オフローダー」の意)
- V:Van(ヴァン、日本語でいう「バン」のこと)
AクラスとBクラスの頭文字には、特別な意味がありません。これに対してCクラス以降は、それぞれ意味のある単語の頭文字をとっています。 なおEクラスは、元々は「Einspritzung」(ドイツ語で「燃料噴射」の意)の頭文字であるとも言われています。
3文字から成る車種の意味
ベンツには「Aクラス」といったシンプルな名称だけでなく、「GLA」「CLA」など3文字のアルファベットが組み合わさった車種も存在します。この場合は、一般に1~2文字目は以下に表されるような意味を、3文字目のアルファベットはベースとなっている車格(A~Sクラス)を表しています。
- C:Coupé(クーペ)
- E:Electric(エレクトリック)
- G:Geländewagen(ドイツ語で「オフローダー」の意)
- K:Kurz(ドイツ語で「小型」の意)
- L:Light(軽い)またはLuxury(ラグジュアリー)
- S:Sport(スポーツ)
例えば「GLA」の場合は、「ゲレンデヴァーデン」+「軽い」+「Aクラス」の組み合わせで、「Aクラスをベースにした軽量SUV」を指します。 なお最近登場した電気自動車のEQシリーズは、「Electric Intelligence」を意味します。
上記ルールの例外としては、CLSクーペが存在します。Sクラスがベースのように思えますが、実際はEクラスをベースとした4ドアクーペです。
クラス名の後に続く数字と文字の意味
ベンツのグレードは「E220d」「GLC350e」など、一般に数字やアルファベットが組み合わせられています。数字はエンジンの実質的排気量、さらに後ろのアルファベットはパワートレインを表します。パワートレインは主に以下の3種類です。
- d:クリーンディーゼル
- e:プラグインハイブリッド
- de:ディーゼルハイブリッド
例えば「E220d」なら、「Eクラスで2,200cc相当の自然吸気エンジンを搭載したディーゼル車」を指します。数字はあくまでも「自然吸気エンジンの場合」での排気量で、実際にはターボエンジンが搭載されている場合もあります。
クラスごとの違い(特徴と価格帯)
ここからは、各クラスの特徴と大まかな価格帯について解説します。
Aクラス(新車で約500万円~)
ベンツのエントリークラスであるAクラスは、ボディサイズが最も小さく、車両価格も安いです。純粋なAクラスの中にはハッチバック(コンパクト)とセダンがあり、Aクラスをベースとした派生型にはワゴンやSUV、クーペが存在します。
道幅の狭い都市部に住む場合や低予算で購入したい場合におすすめですが、「ベンツの中で最も小型」と言ってもサイズには注意しましょう。例えばAクラスコンパクトの全長はコンパクトミニバンのシエンタより長く、全幅に至ってはヴォクシーより広いです。
【代表車種】Aクラス(コンパクト)
新車時価格 | 498万円~ |
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中古車相場 | 10万円~558万円 |
サイズ ※A180の場合 |
全長4,430mm×全幅1,800mm×全長1,440mm |
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Bクラス(新車で約540万円~)
AクラスとCクラスの中間グレードとして設けられたBクラスには、ハッチバック(コンパクト)と派生型のSUVのみが存在します。
AクラスコンパクトとBクラス(ハッチバック)を比べると、全長と全幅は殆ど変わりません。しかし全高はAクラスより100mm以上高くなっています。そのためコンパクトなサイズで、且つ高さも求めたい人におすすめです。
【代表車種】Bクラス(コンパクト)
新車時価格 | 546万円~ |
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中古車相場 | 14万円~538万円 |
サイズ ※B180の場合 |
全長4,425mm×全幅1,795mm×全長1,565mm |
Cクラス(新車で約600万円~)
日本で最も売れているのがCクラスです。セダンとステーションワゴンがある他、派生型にSUVがあります。中でもセダンは人気が高く、「外車セダンの代名詞」とも言える存在です。
Cクラスはベンツから展開されているセダンの中で中間サイズにあたり、BMWの3シリーズとほぼ変わらない大きさです。しかし国産車と比べればある程度サイズが大きく、全長や全幅はミニバンのヴォクシーを軽々超えてしまうので注意しましょう。
【代表車種】Cクラス(セダン)
新車時価格 | 599万円~ |
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中古車相場 | 19.8万円~2,198万円 |
サイズ ※C180 AVANTGARDEの場合 |
全長4,755mm×全幅1,820mm×全長1,435mm |
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Eクラス(新車で約870万円~)
ベンツの中でも中核を成すのが、Eクラスです。セダンやステーションワゴン、クーペ、カブリオレをラインナップに持つ他、派生型としてSUVも多数あります。
ベンツの中でも高級感と上質さを全面に出したクラスで、新車時価格もA~Cクラスに比べて跳ね上がります。またサイズも大きく、例えばEクラスセダンは、国産車でいうとクラウンセダンと殆ど変わりません。高級車としての威厳や上質感を求めるのであれば、Eクラスを選ぶと良いでしょう。
【代表車種】Eクラス(セダン)
新車時価格 | 873万円~ |
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中古車相場 | 29.9万円~1,148万円 |
サイズ ※E200Sportsの場合 |
全長4,940mm×全幅1,850mm×全長1,455mm |
Sクラス(新車で約1,470万円~)
「AMG」や「マイバッハ」などの特別モデルを除いて、ベンツのフラッグシップモデルにあたるSクラス。Sクラスそのものにはセダンしか存在しませんが、派生型にSUVがあります。
パワーも車内の快適性も超一流で、特にSクラスセダンは数ある高級セダンの中でも上質さを極めた一台です。現在では殆ど見られなくなってしまった立体エンブレムも、Sクラスには付いています。
【代表車種】Sクラス(セダン)
新車時価格 | 1,469万円~ |
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中古車相場 | 29.8万円~2,480万円 |
サイズ ※S400d 4MATICの場合 |
全長5,180mm×全幅1,930mm×全長1,505mm |
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Gクラス(新車で約1,600万円~)
ベンツのSUVラインナップの中で圧倒的に長い歴史を有するのが、Gクラスです。軍用車として使われていた歴史もあり、高い悪路走破性を誇ります。
歴史ある伝統的なデザインと数々の先進機能が合わさった「世界最高峰の本格オフローダー」として世界的に人気が高く、現在は新車でもなかなか手に入りません。価格も順次変動しているので注意が必要です。
Gクラス(SUV)
新車時価格 | 1,598万円~ |
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中古車相場 | 290万円~3,180万円 |
サイズ ※G400dの場合 |
全長4,660mm×全幅1,930mm×全長1,975mm |
Vクラス(新車で約930万円~)
ベンツから販売されている唯一の3列シートミニバンのVクラス。海外ではコンパクトなTクラスも販売されていますが、日本で販売されているのはVクラスのみです。
全長はアルファードよりわずかに短いものの、全幅はアルファードよりかなり広め。アルファードのエグゼクティブラウンジのように、後部座席では贅沢なクルマ移動を楽しめます。
Vクラス(ミニバン)
新車時価格 | 926万円~ |
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中古車相場 | 290万円~3,180万円 |
サイズ ※V220d AVANTGARDEの場合 |
全長4,905mm×全幅1,930mm×全長1,930mm |
ベンツ購入時の検討ポイント4つ
ベンツの購入にあたっては、「クラス」「サイズ」「維持費」「購入方法」の4点を検討しましょう。
①どのクラスが欲しいか
上記でご紹介したように、ベンツにはさまざまなクラスがあります。クラスによって選べるボディタイプも異なりますので、まずは以下のように「どのクラスが良いか」を考えてみましょう。
【考え方の例】
- 予算を安く抑えたい→Aクラス、Bクラス
- 王道のセダンが欲しい→CクラスEクラス
- 本格オフローダーが欲しい→Gクラス
②運転や駐車に困らないサイズか
国産車と輸入車では、クルマのサイズ感が大きく異なります。アルファベットの印象から「Aクラスなら小さいはず」「Cクラスはカローラくらい?」など、国産車のイメージで考えないようにしましょう。
クルマのサイズは運転のしやすさだけでなく、駐車の可否にも関わります。「自宅の駐車場に停められない」「擦りそうで怖くて運転できない」といった事態にならないよう、サイズは実物を見てよく確認してください。
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③購入後の維持費に困らないか
一般に、輸入車は故障時の部品代が高かったり、ハイパワーなクルマでは自動車税や重量税が高かったりします。ベンツ車を購入すれば国産車に比べて維持費が高くなる可能性も高いので、毎月の収支のバランスを踏まえて購入を検討しましょう。
④新車と中古車どちらにするか
輸入車は、どうしても国産車に比べると高価な傾向があります。特にベンツは高級車メーカーなので、新車時価格がエントリークラスのAクラスでも約500万円と高いです。
一方、輸入車の場合、外車は国産車より値下がり率が大きい傾向があります。特にセダンなどは早くから値下がりしやすいです。例えばCクラスセダンなら、3年落ち程度でも300~400万円程度(新車時価格の50~60%程度)で売られていることが多いです。
希望の車種に対して予算が届かない場合や、少しでも安くベンツ車を購入したい場合は、中古車も検討しましょう。
実物を見て購入を検討しよう
ここまでベンツ車のクラスについてご紹介しました。クラスによってサイズや価格帯が大きく異なりますので、購入前にはぜひ実物を確認しましょう。
「ベンツのディーラーは敷居が高くて入りづらい」という場合は、中古車専門店で確認してみるのもおすすめです。ガリバーでもベンツ車を扱っており、輸入中古車を中心に扱う「リベラ―ラ」でも在庫をお探しいただけます。