この記事の目次 CONTENTS
新車価格約1,200万円のモデルが、3分の1に?
100万円台も! 5シリーズのハイブリッドが一気に身近に
1,000万円オーバーのフラッグシップセダンが200万円台から
高額CクラスのPHEVも中古車なら激安!
ホンダの最新技術を凝縮させたフラッグシップセダンが、300万円以下で楽しめる!
中古のセダンはコスパも満足度も高い

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

2021年3月現在、中古の高級セダンが激安だ。
新車時に1,000万円前後の超高級車が、数年落ちで驚きの価格になることもある。
装備も充実した中古高級車なら、コスパはかなりのレベルだ。
今回はコスパも満足度も高いおすすめ中古高級セダンを5種、厳選した。

新車価格約1,200万円のモデルが、3分の1に?

1、BMW 740e iパフォーマンス

BMW 740i

7シリーズは、BMWのフラッグシップセダンだ。
激安中古高級車のターゲットになるのは、740eiパフォーマンスというPHEV(プラグインハイブリッド)のモデル。
EV走行は、満充電の場合42㎞可能だ。
日本デビュー時のモデルは、直4 2.0Lターボ+モーターの組み合わせで、システム最大出力は326psを誇る。

エコカーであるPHEVは、力不足というイメージが強いかもしれない。
むしろ、そのイメージは逆。
PHEVの多くは、ガソリン車を凌ぐレスポンスの良さや加速力を誇る。
これは瞬時に最大トルクを発揮するモーターとエンジンの組み合わせによるものだ。

740eiパフォーマンスもそんな1台だ。
BMWのフラッグシップセダンらしく、非常にスムースで力強い加速力と快適性、スポーティな走りをもつ。

そのため、740eiパフォーマンスの新車価格は高価だ。
デビュー時の新車価格は、1,200万円前後だった。
さらに、ほとんどの車両がオプションをプラスしていることから、新車価格は1,300万円を超えていることも多かった。

しかし、740eiパフォーマンスは中古車になると激安になる。
激安の最大の理由はPHEVであること。
このクラスを買う顧客の多くは、V6よりV8、3.0Lより4.0Lと、排気量や気筒数が多い方が、ステータスが高いと考えている。
そのため、740eiパフォーマンスの2.0L直4ターボというダウンサイジングエンジンの人気はそれほど高くなく、中古車価格もかなり低くなっている。

740eiパフォーマンスの中古車流通量は非常に少なく、中古車相場もやや幅の広い状態だ。
4年落ちの2017年式は、中古車相場が380~520万円。
なんと、新車価格の約30~40%にまで価格が落ちているのだ。
現行モデルのBMWフラッグシップセダンが、わずか4年落ちでこの価格となっている。
コスパも良く、かなり買い得感があるモデルといえるだろう。

100万円台も! 5シリーズのハイブリッドが一気に身近に

2、BMW アクティブハイブリッド5

BMW アクティブハイブリッド5

BMW アクティブハイブリッド5は、2012年に登場したモデルだ。
ミドルサイズの高級セダンである5シリーズをベースに、1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムを搭載している。
エンジンは直6の3.0Lターボに54psのモーターが組み合わされている。

BMWのハイブリッドは、低燃費化に加え、モーターを使うことで走行性能が向上した。
アクセル操作に対するレスポンスの良さが抜群で、とても気持ちよく走れるモデルに仕上がっている。
システム出力は340psと、かなりパワフルだ。

非常に優れたモデルだが、なぜかBMWのハイブリッド車はあまり人気がない。
5シリーズセダンの人気も低迷しており、中古車価格は激安レベルになっている。

BMW アクティブハイブリッド5のデビュー時、新車価格は850万円。
その後、価格は上昇し900万円以上となる。
価格的には、5シリーズの中で最上級グレード並みとなった高級セダンだ。

BMW アクティブハイブリッド5の中古車流通量は、非常に少ない。
2013年式だと、すでに150~190万円で購入可能だ。
8年落ちとはいえ、900万円前後だったモデルが新車価格の20%前後にまで価格が落ちている。
これはコスパも良く、買い得感が高い。

1,000万円オーバーのフラッグシップセダンが200万円台から

3、アウディA8

アウディA8

アウディのA8はフラッグシップセダンである。
そのなかでも、安く買える中古高級車のターゲットとなるのは、3代目A8。
2010年に登場した先代モデルだ。

アウディもBMW同様に、大型セダンが中古車になると極端に安くなる。
新車での人気も今ひとつ。
中古車は人気の高さが価格に直結するため、A8もかなり安価な傾向となっている。

ただ、クルマそのものはフラッグシップセダンだけあり、非常に高い完成度をもっている。
質感も非常に高いのがA8の魅力のひとつだ。

A8はアウディのお家芸ともいえる4WD「クワトロ」が全車に装備。
このクワトロが非常に高い操縦安定性を誇るため、雪道や雨など、路面状況が悪い道でも安心して高速で走行できる。

デビュー時に搭載されたエンジンは、V6 3.0Lスーパーチャージャーを搭載した3.0TFSI、V8 4.2Lの4.2FSI。
そして特殊なモデルとして、今では貴重な6.3L W型12気筒のW12が用意された。
新車価格は、3.0TFSIが約950万円、4.2FSIが1,160万円、W12はなんと約2,060万円だった。
クルマ好きなら、チャレンジしてみたくなるのが12気筒エンジンを搭載したW12だろう。
W12の中古車価格は、2012~2013年式で400万円前後と、新車価格の20%にまで落ちている。
通常のモデルだと、2011~2013年式で200~300万円程度。
こちらも新車価格の20%台に突入している。

A8は、非常に流通量の少ないモデルだ。
人とは違ったクルマに乗りたいというニーズに応えてくれる。

高額CクラスのPHEVも中古車なら激安!

4、メルセデス・ベンツC350e

メルセデスベンツ C350e

メルセデス・ベンツの基幹車種である現行Cクラスは、2014年にデビューした。
すでにモデル後期に入っていることから、前期モデルの中古車価格は全体的に買い得感が出てきている。

激安中古高級車のターゲットにしたいのが、PHEV(プラグインハイブリッド)のC350e。
2015年に投入されたモデルだ。
この350eは、2.0Lターボエンジンにモーターを組み合わせた2クラッチ1モーター式のPHEVである。
システム出力は、279ps&600Nm。
EV走行は、満充電の場合28.6㎞可能だ。
600Nmという大トルクは、自然吸気ガソリンエンジンなら6.0L級。
アクセルをグッと踏み込めば、怒涛の加速を開始する。
エコなPHEVという側面だけでなく、十分にスポーティな走りを楽しめるモデルだ。

そんなメルセデス・ベンツC350eだが、BMW同様に中古車になると激安モデルとなる。
輸入中古PHEVは人気が低迷しているからだ。
C350eデビュー時の新車価格は707万円と、Cクラス全体でも上級グレードに位置する。
しかし中古車になると、4年落ちの2017~2018年式で300~350万円で流通している。
わずか4年で新車価格の40~50%程度にまで価格を下げている。
比較的、走行距離も少なく程度のよい車両が多い。
メルセデス・ベンツの先進技術によるPHEVの経済性と卓越した走行性能を安価に楽しめる、コスパの良い1台といえる。

ホンダの最新技術を凝縮させたフラッグシップセダンが、300万円以下で楽しめる!

5、ホンダ レジェンド

ホンダ レジェンド

レジェンドは、ホンダのフラッグシップハイブリッドセダンだ。
2015年のリリース当時、ホンダの最新技術を多数投入したモデルとして登場した。

レジェンドには、3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」が搭載されている。
フロントにV6 3.5Lエンジンと1基のモーター。
リアには、左右の後輪を別々に駆動できる2基のモーターを搭載している。
走行状況・路面状況に応じて、4輪駆動/前輪駆動/後輪駆動などの駆動方式をシームレスに切り替えられる。
スーパーカーであるNSXにも使われているこのシステムにより、車両の運動性能や安定性が大幅に向上。
あらゆる路面で優れた走行を可能にした。
しかもハイブリッドなので、低燃費化されているのも特徴だ。
クルマの総合力は、非常に高いものがある。

しかし、レジェンドは日本国内において新車販売台数が非常に少ない。
これは、日本のメーカーや販売店が軽自動車やコンパクトカーに注力した結果、上級セダンの顧客を失い続けたことが起因していると考えられる。

こういった経緯もあり、レジェンドは中古車マーケットでも人気は低い。
中古車流通量が少ないため、一定の価格を維持しているものの、買い得感は増している。
デビュー時の新車価格は約700万円だったのが、2015年式の価格は290~350万円程度。
新車価格の40~50%にまで落ちている。
トヨタ系の高級セダンに比べるとコスパや買い得感が高い。

中古のセダンはコスパも満足度も高い

今回はセダンのおすすめ中古高級車を5車種、紹介した。
紹介した車種なら、数年落ちで新車の20%程度の価格で購入できることも珍しくない。
装備の整った中古高級車は、コスパも満足度も高いこと請け合いだ。
目当ての中古車をぜひ見つけてほしい。