アウトランダーPHEVとRAV4 PHVの違い-価格・燃費・サイズなどを比較

自動車ニュース / ガリバー

2022.3.31

アウトランダーPHEVとRAV4 PHVの違い-価格・燃費・サイズなどを比較

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

アウトランダーPHEVvsRAV PHV

PHEVは燃料に電気とガソリンを使用できる、現実的な環境車だ。今回は世界トップレベルの早さでマーケットに投入された三菱アウトランダーPHEVと、ハイブリッド技術で世界が震撼した超低燃費技術を採用したトヨタ RAV4 PHVの航続距離や使い勝手などを徹底比較評価した。

この記事の目次 CONTENTS
PHEVとは?
三菱アウトランダーPHEVの特徴
トヨタ RAV4 PHVの特徴
1.燃費比較
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.今のクルマを高く売る方法
10.まとめ・総合評価
三菱アウトランダーPHEVの価格・スペック
トヨタRAV4 PHVの価格・スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

PHEVとは?

近年、世界中の自動車メーカーは「カーボンニュートラル」を目指し、EV(電気自動車)へシフトしている。
EV化は急速に進んでいるものの、充電環境の整備などが追い付いていない。現在の化石燃料車のように普及するにはもう少し時間が必要だ。

その間、現実的な使い勝手などを含めると有力とされているのがPHEVだ。PHEVは、Plug-in Hybrid Electric Vehicleの略で、EVと化石燃料車の良いとこ取りしたモデルといえる。
日々の短距離は家庭などの電力で充電しEVとして走行し、CO2の排出量をほぼゼロに抑える。長距離走行時は化石燃料を使いエンジンが発電した電力を用いる。つまりハイブリッド車として走行するのだ。純化石燃料車より、大幅にCO2の排出量を抑えることができる。

三菱アウトランダーPHEVの特徴

三菱アウトランダーPHEV 三菱アウトランダーPHEV

初代三菱アウトランダーPHEVが登場したのは2013年のことだ。当時、まだPHEVと呼ばれるモデルは極めて少なかった。しかもアウトランダーPHEVは、世界初となる前後にモーターを設置したツインモーター4WDを採用していた。現在でこそ前後に2基のモーターを設置するPHEVやEVは珍しくないが、当時としては画期的なシステムだ。
こうした三菱独自の技術が高く評価され、初代アウトランダーPHEVは2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤーでイノベーション部門賞を受賞した。

2代目アウトランダーPHEVは、2021年12月にデビューした。
初代からツインモーター4WDを継承したものの、中身は一新されている。後輪側のモーター出力は70kWから100kWへと大幅にアップした。後輪側によりパワーをかけられるようになったことから、ドリフト走行も可能となるくらい走行性能に磨きがかかっている。

さらに、クルマの基幹部分であるプラットフォーム(車台)も刷新された。
2代目アウトランダーPHEVから、新プラットフォーム(車台)CMF-C/ Dが採用されている。三菱・日産・ルノーのアライアンスで開発された新プラットフォームにより、運動性能を大幅に高めた。

最新プラットフォームや初代アウトランダーPHEVで得た知見が活かされ、2代目アウトランダーPHEVは世界的にも非常に完成度の高いPHEVとなった。この優れたパフォーマンスが高く評価され、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー、テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

トヨタ RAV4 PHVの特徴

トヨタRAV4PHV トヨタRAV4PHV

トヨタ RAV4 PHVは、2020年に投入された。2019年に登場したRAV4をベースに PHV化したモデルだ。

床下には、大容量18.1kWhのリチウムイオンバッテリーが敷き詰められている。この大容量バッテリーにより、RAV4PHVのEV走行可能距離は95kmを達成した。日常的な使い方であれば、ほぼガソリンを使用することがないレベルのEV走行可能距離になっている。

RAV4 PHVの魅力は、EV走行可能距離だけではない。むしろ、スポーティな走りが魅力のひとつだ。
PHVシステムの最高出力306psとかなりパワフルだ。加速力はちょっとしたスポーツカー並で、0-100km/hの加速はわずか6.0秒と俊足だ。

ちなみに、トヨタのPHVはPlug-in Hybrid Vehicleの略だ。呼び名は違うものの、PHEVと同じ意味をもち、外部から給電することによりEV走行できるモデルであることに変わりない。

1.燃費比較

アウトランダーPHEVとRAV4 PHVの車重差が、EV航続距離と燃費差に直結した評価となった。

アウトランダーPHEVの評価は 4.5
RAV4 PHVの評価は 5.0

アウトランダーPHEVとRAV4 PHVの燃費、EV航続距離、バッテリー容量、車重を比較する。

燃費(WLTCモード) EV航続距離 バッテリー容量 車重
アウトランダーPHEV 16.2~16.6km/L 85~87km 20kWh 2,010~2,110kg
RAV4 PHV 22.2km/L 95km 18.1kWh 1,900~1,920kg

燃費とEV航続距離は、トヨタ RAV4の圧勝となった。
アウトランダーPHEVはRAV4 PHVより大容量のバッテリーを搭載しているにも関わらず、EV航続距離で負けている。さらに、ハイブリッド時の燃費も大差が付いた。
この差は、単純にPHEVシステムの効率というより、車重が大きく影響している。アウトランダーPHEVは、RAV4に対してボディサイズがひと回り大きく、車重は110~190kgも重い。これだけ重いと、燃費やEV航続距離で負けるのも仕方がない。

2.価格比較

アウトランダーPHEVはトヨタを意識したのか戦略的な価格設定となっている。
アウトランダーPHEVの評価は 3.5
RAV4 PHVの評価は 3.0

価格は以下の通り。

三菱アウトランダーPHEV  4,621,100〜5,320,700円
トヨタ RAV4 PHV 4,690,000~5,390,000円

価格を比較すると、後から登場した三菱アウトランダーPHEVが、いかにトヨタRAV4 PHVを意識しているのかがよく分かる。微妙にRAV4 PHVを下回る価格となっているからだ。
しかも、ボディサイズはアウトランダーPHEVの方がやや大きく、7人乗りの設定がメインなので買い得感もある。
ただ、どちらも500万円クラスのクルマである。まだまだ、ハイブリッド車と比べると、かなり高価なのは否めない。
また、両車共に55万円の補助金が出る予定だ(※)。これで、少しはコストパフォーマンスが向上する。しかし、PHEVの普及をさらに進めたいのであれば、そろそろ税金を使った補助金頼みの価格設定も終わりにしたい。

3.購入時の値引き術

アウトランダーPHEVとRAV4 PHVともに、それなりの値引きが期待できる。
アウトランダーPHEVの評価は 3.0
RAV4 PHVの評価は 3.5

三菱アウトランダーPHEVは、2021年12月に登場したばかりの新型車だ。本来ならば、しばらくの間、値引きはゼロベースである。
しかし価格設定はRAV4 PHVをかなり意識している。また、三菱にとっては数少ない新型車なので、新車効果がある内に1台でも多く売りたいという考えも強い。そのため早くも値引きガードも緩んでおり、一定の値引きは比較的容易に引き出せるようだ。

ただし、買う気満々で三菱ディーラーを訪れるのはNGだ。本命がアウトランダーPHEVであると営業マンに悟られれば、値引きしなくても買う顧客と判断するからだ。

こうした状態にならないようにするためには、RAV4 PHVの見積りを先に取得しておくことが重要だ。三菱の営業マンには、RAV4 PHVが本命と思わせ、あくまでアウトランダーPHEVは、たまたま見に来た程度で商談したい。
営業マンとしては、一度来店し見積りまで渡した以上、なんとしても買ってもらいたいと考える。しかも、ライバルがトヨタとなれば、値引きしてでも勝ち取りたいと思うのは当然だ。営業マンには、「RAV4 PHVより安価になるなら購入を検討する」と伝えるといいだろう。

RAV4 PHVを購入したい場合、アウトランダーPHEVと逆のパターンで商談することが基本だ。デビューが2020年と、すでに新車効果も薄れてきているので値引きも引き出しやすい。
アウトランダーPHEVの7人乗りはユニークポイントだ。「7人乗りは便利だ」と強調しながら、支払価格がかなり安価になるなら、という条件で商談するといいだろう。
また、トヨタディーラーは全車種扱いだ。経営が異なるトヨタディーラー同士を競わせるというのもよい。

4.デザイン比較

アウトランダーPHEVとRAV4 PHVともに、方向性は異なるがユニークさが際立つデザインだ。

アウトランダーPHEVの評価は 3.5
RAV4 PHVの評価は 3.5

三菱アウトランダーPHEVの外観 三菱アウトランダーPHEVの外観

三菱アウトランダーPHEVの開発コンセプトは「威風堂々」、デザインテーマは、「BOLD STRIDE」とした。

三菱アウトランダーPHEVのフロントフェイス 三菱アウトランダーPHEVのフロントフェイス

三菱SUVのデザインアイコンである「ダイナミックシールド」を採用し押出し感と迫力をアピールしている。さらに、コンパクトなスペースで済むLEDヘッドライトを全車標準装備したことで、かなり彫りの深い立体的なフロントフェイスとなった。三菱SUV特有のコッテリしたデザインは、ひと目でアウトランダーPHEVと分かる。

三菱アウトランダーPHEVのリヤエンド 三菱アウトランダーPHEVのリヤエンド

また、7人乗りが前提となったため、全長も伸びた。サイドビューは、路面と平行に見える長いルーフが特徴だ。伸びやかで、優雅さがありラグジュアリーSUVらしさも感じさせる。ただ全体的にアクが強く、好き嫌いが出るデザインともいえる。

トヨタRAV4PHVの外観 トヨタRAV4PHVの外観

トヨタRAV4PHVのデザインは、ハイブリッド車やガソリン車とほぼ同じだ。専用のフロントグリルとロアモールで若干差別化されているものの、パッと見た目でPHVであることを判別するのは難しい。
RAV4 PHVは、アウトランダーPHEVと比べるとアクティブでカジュアルな外観デザインになっている。少しオフローダーテイストもあり、アウトドアが似合う。

トヨタRAV4PHVのフロントフェイス トヨタRAV4PHVのフロントフェイス
トヨタRAV4PHVの外観 トヨタRAV4PHVのリヤエンド

フロントフェイスは、かなり複雑な線と面で構成された立体的なデザインが採用された。迫力ある押出し感を出しながら、シャープでスポーティな印象もあり、多くの人に好まれるデザインといえる。

5.室内空間と使い勝手

アウトランダーPHEVを、ゆとりある室内区間と優れた使い勝手の面で高く評価をした。
アウトランダーPHEVの評価は 4.5
RAV4 PHVの評価は 3.5

三菱アウトランダーPHEVのインパネ 三菱アウトランダーPHEVのインパネ
三菱アウトランダーPHEVのメーター 三菱アウトランダーPHEVのメーター

三菱アウトランダーPHEVのインテリアは、ややコッテリ系の外観デザインと異なり、すっきりクリーンなデザインとなった。視界もよく運転しやすい。デジタルメーターも採用され、先進性や高級感もある。

トヨタRAV4PHVのインパネ トヨタRAV4PHVのインパネ
トヨタRAV4PHVのメーター トヨタRAV4PHVのメーター

ボディサイズ・ホイールベース・荷室を比較してみよう。

全長×全幅×全高 ホイールベース 荷室
アウトランダーPHEV 4,710mm×1,860mm×1,745mm 2,705mm 634~636L
RAV4 PHV 4,600mm×1,855mm×1,690mm 2,690mm 490L
三菱アウトランダーPHEVのフロントシート 三菱アウトランダーPHEVのフロントシート
三菱アウトランダーPHEVのリヤシート 三菱アウトランダーPHEVのリヤシート
トヨタRAV4PHVのフロントシート トヨタRAV4PHVのフロントシート
トヨタRAV4PHVのリヤシート トヨタRAV4PHVのリヤシート

アウトランダーPHEVは、ボディサイズがひと回り大きいことが分かる。アウトランダーPHEVは7人乗りがメインなので、3列目シートを収納すればRAV4 PHVより余裕ある室内空間になる。

三菱アウトランダーPHEVの荷室 三菱アウトランダーPHEVの荷室
トヨタRAV4PHVの荷室 トヨタRAV4PHVの荷室

収納面も同様だ。荷室容量はアウトランダーPHEVの圧勝である。さらに、アウトランダーPHEVの2列目シートは使い勝手の良い4:2:4分割タイプだ。対するRAV4 PHVは一般的な6:4分割になっている。
狭い駐車場や道などでの扱いやすさの指標になる最小回転半径は、アウトランダーPHEVが5.5m。RAV4 PHVが5.5~5.7mとなった。RAV4 PHVの5.7m(19インチタイヤ)は、アルファードやヴェルファイアなどの大型ミニバン並なので、やや扱いにくい傾向にある。逆にボディサイズがRAV4 PHVより大きいアウトランダーPHEVの5.5m(20インチタイヤ)は、なかなか優秀といえるだろう。

乗車定員は、アウトランダーPHEVは5人もしくは7人乗りが選択可能だ。RAV4 PHVは5人乗りのみである。
充電装備は、アウトランダーPHEVが急速充電口を標準装備しているのに対し、RAV4 PHVは普通充電のみだ。これらの差は大きい。

電源は、AC100V/1500Wを両車標準装備している。この機能は、大容量バッテリーから電気を取り出し1500Wまでの家電製品が使える機能だ。キャンプなどで家電が使えるようになるだけでなく、災害などによる停電時にもクルマが電源車になる。
スマートフォンの充電だけでなく冷房や暖房も使えるようになるので、もしもの時に役立つ機能だ。

6.安全装備の比較

アウトランダーPHEVとRAV4 PHVの安全装備は、ほぼ同等だ。RAV4 PHVはオプション設定が多い特徴がある。

アウトランダーPHEVの評価は 4.0
RAV4 PHVの評価は 4.0

三菱アウトランダーPHEVの予防安全装備である自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車を検知する。その他、踏み間違い防止アシスト、車線維持支援など、十分なレベルの予防安全装備が標準装備化されている。
運転支援機能では、全車速追従機能付きクルーズコントロールを標準装備している。車線を維持しながら前走車に追従走行し、簡単な操作で渋滞時のストップ&ゴーも繰り返し行える機能だ。ドライバーの疲労軽減に役立つ。

トヨタ RAV4 PHVもトヨタの予防安全装備パッケージである「トヨタセーフティセンス」が全車標準装備されている。自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車を検知する。アウトランダーPHEVと同等レベルの自動ブレーキだ。ただし、トヨタの最新モデルでは、交差点内で右左折時の歩行者、右折時の対向車も検知し衝突回避・被害軽減ができるようになっている。こうした最新のトヨタセーフティセンスと比べると、やや物足りなく感じる。

また、アウトランダーPHEVでは標準装備化されている後側方車両接近警報(①)後退時車両接近警報(②)がRAV4 PHVでは一部オプションとなっている。500万円近い価格のクルマであることを考えると、やや物足りない仕様といえる。

①…車線変更時に後側方から接近する車両を検知し、衝突の危険がある場合、警報を発する②…バックで出庫時に左右から接近する車両を検知し衝突の危険がある場合、警報を発する

両車共に、ほぼ同等レベルの予防安全装備を得ている。また、機能面でも中の上レベルで標準装備化も進んでいる点も高く評価できる。ただし、約500万円という価格のクルマなので、更なる先進的で優れた機能が欲しいところだ。

7.走行性能の比較

走行性能はオールラウンダーなアウトランダーPHEV、快速ツアラーなRAV4 PHVといった印象だ。

アウトランダーPHEVの評価は 4.5
RAV4 PHVの評価は 4.0

三菱アウトランダーPHEVのエンジンルーム 三菱アウトランダーPHEVのエンジンルーム

三菱アウトランダーPHEVは、路面状態を問わず誰もが安心して安全に走れるクルマに仕上がっている。ドライビングスキルの高いドライバーなら、ターマックモードなどでは後輪をスライドさせて走るドリフト走行も可能だ。2トン超の重量級ボディでありながら、まるでスポーツカーのような走りも兼ね備えている。
その走りを支えているのが、三菱独自の4WD制御S-AWC(Super All Wheel Control)だ。アウトランダーPHEVは、フルモデルチェンジを経て後輪側のモーター出力が大幅に向上した。リヤモーターは先代の70kWから100kWへ、フロントモーターも60kWから85kWへパワーアップされている。このハイパワーなリヤモーターと前後のトルク配分を自在にコントロールすることで、安心・安定した走りとアグレッシブな走りを両立している。

アウトランダーPHEVは、ドライブモードが7種類存在する。雪道やダートなどなど、路面状態に合わせて最適な駆動力を得ることが可能だ。どのモードを使用しても、基本的に安心・安定した制御となる。
クローズドのコースを試乗中、滑りやすい路面にややオーバースピードで進入したことがあった。普通のクルマなら、恐らくコースアウトするかもしれない状況だ。しかし、アウトランダーPHEVのS-AWCは最適に車両を制御し、何事も無かったように走り抜けていった。極端な言い方だが、ドライバーは、ただブレーキを踏みハンドルを切っているだけでよい。それくらい安心・安定した走りを披露する。誰もが楽しめ安全・安心なクルマに仕上がっている。

トヨタRAV4PHVのエンジンルーム トヨタRAV4PHVのエンジンルーム

対するトヨタRAV4 PHVは、快速ツアラーといえる。
前輪側には134kW、後輪側には40kWのモーターを設置した。システム出力は225kWとかなりパワフルだ。0-100km/hの加速タイムは6.0秒と、ちょっとしたスポーツカー並の俊足を誇る。
アクセルをグッと踏み込むと、瞬時にドン、というなかなか強烈な加速Gを受ける。その加速は、2トン弱も車重があるクルマの加速なのか? と、思わせるくらいの加速力だ。
RAV4 PHVは、刺激的な操縦感覚も持ち合わせているが、普通に走ればとてもジェントルなSUVだ。バッテリーの電力が無くなりハイブリッドモードに移行しても、エンジンが始動していることに気が付かないほど静粛性が高い。耳を澄ますと、かなり遠くでエンジンの音がする程度だ。
乗り心地も快適である。フリクションが少ないというべきなのか、とにかくサスペンションがスムースに動く。小さな凹凸程度の路面状態なら、まるで路面の上を滑っているのか? と、思うくらいフラットな姿勢を保ったままだ。路面の大きな凹凸でさえも、小さな凹凸に変えてしまうくらいのしなやかさもある。この快適な乗り心地と静粛性、そして力強さはまさにロングツアラーにピッタリだ。どこまでも疲れ知らずで走り切れるだろう。

このように、アウトランダーPHEVとRAV4 PHVは、目指す方向性が異なる。どちらも甲乙つけがたい完成度といえる。ドライバーの好みに合わせて選ぶことをおすすめする。

8.リセールバリュー比較

アウトランダーPHEVの評価は 3.5
RAV4 PHVの評価は 4.0

初代三菱アウトランダーPHEVのリセールバリューは、2018年のマイナーチェンジ以降、高値傾向にある。SUVは人気が高く、2019年式の中古車相場は、おおよそ310~370万円だ。新車価格が約390~510万円だったので、新車価格の70~80%程度になっている。

2代目アウトランダーPHEVは、登場したばかりのモデルなので、今後のリセールバリューはあくまで予想だ。
初代アウトランダーPHEVのリセールバリューは、新車販売も好調なので、初代アウトランダーPHEVと同等程度かそれ以上になるだろう。
より高いリセールバリューになると予想できるグレードは、最上級グレードで7人乗りのPだ。多人数乗車モデルは、人気が高くリセールバリューは高値傾向になると予想できる。Gグレードには5人乗りの設定もあるが、7人乗りを買った方がリセールバリューは高くなるだろう。

さらに査定アップが期待できるオプションは以下の通りだ。

  • 電動パノラマサンルーフ
  • ブラック&サドルタンカラーのセミアリニンレザーシート
  • 電動パワーシート
  • ボーズプレミアムサウンドシステム

トヨタRAV4は登場したばかりの新型車なので、中古車流通量は極めて少なく、中古車価格も安定していない。ただ、半導体不足で新車の納期がかなり延びているため、中古車価格はかなり高価だ。極端に少ない中古車流通量ながら、ほとんどが新車価格を超えた中古車価格になっている。そのため、極めて高いリセールバリューといえる。
ただし、現状は特殊な事態なので、こうし極めて高いリセールバリューがいつまでも続くとは言えず注意が必要だ。新車供給が通常に戻れば、中古車価格は大幅に下落する可能性がかなり高いからだ。
とはいえ、トヨタ車で人気カテゴリーのSUVなので、十分に高いリセールバリューとなることは間違いないだろう。
より高いリセールバリューが期待できるグレードは、最上級グレードのブラックトーンだ。さらにオプションのパノラマムーンルーフが装備されていれば、かなり高いリセールバリューが付くだろう。

9.今のクルマを高く売る方法

買取店における最大のメリットは、下取りより高値で買い取ってくれる点だ。それできなければ、これほど多くの買取店は存在しない。まずは、特殊なケースを除き下取りより買取りの方がお得であると考えておきたい。

下取りで損をしないためには、まず買取店で査定して愛車の本当の価値を知ることが重要である。できれば、数店舗の買取店で査定したい。
買取店の中には、出張査定と呼ばれるサービスもある。自宅に営業マンが来てくれて査定してくれるので、忙しい人にはおすすめだ。

ディーラーなどで商談している際に注意したいのが、営業マンの「買取店で査定しましたか?」という探りだ。買取店で査定しているか否かで、下取り車の価格が変わることを意味している。査定したと答えると、さらに「おいくらでした?」などと探りを入れてくる。そこで、下取り価格を買取店と合わせるよう調整するのだ。あまり下取り価格で高値を要求すると、新車値引きが抑えられるケースもあるので、買取店では査定していないと答えるとよい。
その上で、下取り価格と査定価格を比較するといいだろう。最終的に一番高値を付けたところに売ればいい。

「そんな複数店舗で査定する時間などない」という人におすすめなのがスマートフォンアプリを使った査定だ。中古車大手のガリバーは、こうしたニーズに応え「ガリバーオート」と呼ばれるアプリを開発した。
使い方は簡単。まず、愛車のナンバーを撮影し送信する。その後、いくつかの質問に答えるだけで、査定価格が表示される。そのまま、アプリ内から売却も可能だ。書類などのやり取りもほとんど人を介さず行えるので、新型コロナ時代にも対応したアプリといえる。
また、査定価格に不安があれば、実際の店舗で再査定もできる。交渉次第では、プラス査定も期待できる。

10.まとめ・総合評価

三菱アウトランダーPHEVとトヨタRAV4 PHVを比較すると、コストパフォーマンスでアウトランダーPHEVが大きく上回る。
アウトランダーPHEVは優れた悪路での走行性やハンドリングにおいて、走る楽しさに満ちている。これは後輪側に高出力モーターを設置したこととS-AWCによる恩恵だ。さらに予防安全装備などは、とくにオプションで選択する必要もないくらい充実している。7人乗りの選択が可能で、ボディサイズはRAV4 PHVよりやや大きい。荷室も広く使い勝手も良い。
アウトランダーPHEVはRAV4 PHVに優れている点が多いが、価格はほぼ同等だ。なかなか買い得感の高い優れたクルマに仕上がっている。
ただ、圧倒的加速力や静粛性、燃費・EV航続距離はRAV4 PHVに軍配が上がる。こうした項目の優先順位が高い人はRAV4 PHVがおすすめだ。

アウトランダーPHEV RAV4PHV
総合得点(40点満点) 31.0 30.5
1.燃費 4.5 5.0
2.価格 3.5 3.0
3.購入時の値引きしやすさ 3.0 3.5
4.デザイン 3.5 3.5
5.室内空間と使い勝手 4.5 3.5
6.安全装備 4.0 4.0
7.走行性能 4.5 4.0
8.リセールバリュー 3.5 4.0

三菱アウトランダーPHEVの価格・スペック

三菱アウトランダーPHEV価格

5人乗り 7人乗り
M 4,621,100円 -
G 4,904,900円 4,996,200円
P - 5,320,700円

三菱アウトランダーPHEV燃費、スペックなど

代表グレード 三菱アウトランダーPHEV Pグレード
全長×全幅×全高 4,710mm×1,860mm×1,745mm
ホイールベース 2,705mm
最低地上高 200mm
最小回転半径 5.5m
車両重量 2,110kg
駆動方式 4WD
モーター搭載数 2 基(フロント 1、リヤ 1)
モーター最高出力/最大トルク フロント:85kW、リヤ:100kW/フロント:255N・m、リヤ:195N・m
バッテリー種類/総電力量 リチウムイオン電池/20kWh
エンジン 4B12型 2.4L  4気筒 MIVEC ガソリンエンジン
最高出力/最大トルク 98kw/5,000rpm/195N・m/4300rpm
ハイブリッド燃料消費率(WLTCモード) 16.2km/L
充電電力使用時走行距離 85.0km/L
サスペンション形式(前:後) マクファーソンストラット:マルチリンク

トヨタRAV4 PHVの価格・スペック

トヨタRAV4 PHV価格

G 4,690,000円
G “Z” 4,990,000円
BLACK TONE 5,390,000円

トヨタRAV4 PHVスペック

代表グレード RAV4 PHV BLACK TONE
ボディサイズ(全長×全幅×全高) 4,600mm×1,855mm×1,695mm
ホイールベース 2,690mm
最低地上高 200mm
車両重量 1,920kg
エンジン型式 A25A-FXS
排気量 2,487cc
最高出力 130kW[177PS]/6,000rpm
最大トルク 219N・m[22.3kgf・m]/3,600rpm
フロントモーター 最高出力/最大トルク 134kW[182PS]/270N・m[27.5kgf・m]
リヤモーター 最高出力/最大トルク 40kW[54PS]/121N・m[12.3kgf・m]
システム最高出力 225kW[306PS]
駆動用バッテリー種類/総電力量 リチウムイオンバッテリー/18.1kWh
ハイブリッド燃費/充電電力使用時走行距離 22.2km/L(WLTCモード)/95km
サスペンション F:マクファーソンストラット R:ダブルウィッシュボーン