日産は、人気のコンパクトカーであるノートに、新グレードとなるノートe-POWER ニスモSを新設定し発売した。同じ車種でグレードが違うクルマでは、どちらが「買い」なのだろうか?高グレードであるe-POWER ニスモSと、e-POWER ニスモを比較した。

この記事の目次 CONTENTS
1.よりパワフルなノートe-POWER ニスモSが新登場
2.ノートには4タイプのニスモ仕様がラインアップ
3.320Nm!セレナe-POWERのパワーユニットを移植
4.ノートe-POWERニスモSは買いか?否か?
5.日産ノートe-POWERニスモS価格、装備

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

1.よりパワフルなノートe-POWER ニスモSが新登場

日産ノートe-POWERは、シリーズハイブリッドのコンパクトカーで高い人気を誇る。
初代リーフ譲りのモーターなどを使用して254Nmという大トルクをもち、非常に力強い走りが可能だ。

そのポテンシャルをより生かすために開発されたのが、ノートe-POWERニスモだ。
e-POWERニスモSは、e-POWERニスモをよりパワフルにしたモデルとなる。

2.ノートには4タイプのニスモ仕様がラインアップ

e-POWERニスモのニスモ(NISMO)とは、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの略だ。日産の子会社でモータースポーツやチューニングパーツの生産・販売を担当する。
ニスモは、豊富なレース活動から得たノウハウを生かし、最近では日産車のスポーツグレードを企画・開発しブランド力をよりアピールしている。
ノートの他に、GT-RやフェアレディZ、ジューク、リーフなどにもニスモ仕様が用意されている。

スポーツモデルにバージョンアップした仕様がニスモS

ノートに関しては、e-POWERニスモSが追加されたため、計4タイプのニスモ仕様がラインアップされた。
ガソリン車のノートにもニスモとニスモSが設定されている。

ニスモ仕様において「S」とは、通常のニスモを1ランク上のスポーツモデルにバージョンアップした仕様に付けられるグレード名だ。

3.320Nm!セレナe-POWERのパワーユニットを移植

ノートe-POWER ニスモSは、e-POWERニスモをベース車としている。そのため、ボディ補強や専用サスペンションなど、多くの部分は共通化されている。

大トルクのパワーユニット搭載で25%以上の出力アップ

しかし、パワーユニットは「S」の名が与えられているだけあり、大きく異なる。e-POWERニスモSには、なんと320Nmという大トルクを誇るパワーユニットが搭載された。
e-POWERニスモの出力は109ps&254Nm。e-POWERニスモSは、136ps&320Nmとなった。
モーターの最高出力は、プラス25%。最大トルクは、プラス26%となり、大幅に出力がアップされている。

このパワーユニットは、セレナに搭載されている進化版e-POWERシステムと同様のものだ。

320Nmのトルクはフォルクスワーゲン ポロGTIと同じ

25%以上もの出力向上は、もはやe-POWERニスモとは別物といえるクルマになったと推測できる。
Bセグメントコンパクトカーで、これほどの大トルクを誇るモデルは世界的に見ても稀な存在。
320Nmというトルクは、フォルクスワーゲン ポロGTIと同じである。

新e-POWERユニットの搭載で、e-POWERニスモSは、e-POWERニスモに対して、0-100㎞/h加速を1.7秒も短縮するという俊足ぶりを発揮する。

Bレンジの設定で発電アシストも行えるように

e-POWERニスモと若干異なる点もある。
e-POWERニスモのドライブモード設定に加えて、「S」「ECO」のモードにも「B」レンジを設定。
従来のスポーティなSモードでありながら、Bレンジなので積極的に発電アシストも行えるようになった。

装備類では、新たにLEDヘッドランプが標準装備された。

4.ノートe-POWERニスモSは買いか?否か?

出力が大幅向上した日産ノートe-POWERニスモSの価格は、2,671,920円となった。ベース車のe-POWERニスモに対して、約18万円の価格がアップしている。

約18万円の価格アップ分は、LEDヘッドランプの75,600円分が含まれるので、約10万円がパワーアップ分ということになる。

約18万円アップでもポロGTIよりはリーズナブル

25%以上の出力向上ということを考えると、+18万円は妥当な範囲といえるだろう。
やや装備が異なるとはいえ、同じ320NmのポロGTIは3,448,000円とかなり高額。
こういった比較では、e-POWERニスモSはかなりリーズナブルに感じる。

おすすめは25%出力アップのe-POWERニスモS

e-POWERニスモとe-POWERニスモSどちらが良いか?という選択では、おすすめはやはりe-POWERニスモS。

出力が大幅に違うので、乗ればその差は明快だ。よりパワフルなモデルが欲しくなるのは当然だろう。
約18万円差であるならば、積極的にe-POWERニスモSを選びたい。

5.日産ノートe-POWERニスモS価格、装備

日産ノートe-POWERニスモS価格、装備の詳細は以下の通り。

日産ノートe-POWERニスモS価格

  • ノートe-POWERニスモS:2,671,920円

日産ノートe-POWERニスモS装備

  • NISMO S専用エンブレム(フロント/リヤ)
  • LEDヘッドランプ(ロービーム、オートレベライザー付、プロジェクタータイプ、LEDポジションランプ付)

ノート e-POWER NISMO S / ノート e-POWER NISMOの主な専用共通装備

  • 日産ノートe-POWERニスモS専用フロントバンパー
  • YOKOHAMA DNA S.driveタイヤ&16インチアルミホイール
  • 専用エキゾーストテールエンド(テール径:Φ85)
  • 専用アルミ製アクセル・ブレーキペダル
  • 専用アルミ製フットレスト(nismoロゴ入り)
  • 専用チューニングコンピューター(VCM)
  • 専用サスペンション
  • 専用フロント強化スタビライザー
  • 専用ボディ補強(フロントクロスバー/フロントサスペンションメンバーステー(トンネルステー)/トンネルステー/リヤサスペンションメンバーステー/リヤクロスバー)
  • 専用車速感応式電動パワーステアリング
  • e-POWER専用ファインビジョンメーター(nismoロゴ入り)
  • 専用スエード調スポーツシート(nismoロゴ入り、レッドステッチ付)&ドアトリムクロス