「新しく出たクルマを思い切り試乗して、比較したあとに購入希望車を絞りたい…」と思う人は多いだろう。実際には、ディーラーをまわる時間が取れなかったり、スケジュールの都合で納車希望日まで余裕がなかったりと、毎回十分な試乗をすることは難しいのではないだろうか。しかし、やはり乗り心地や操作性が自分に合っているかどうかは、乗ってみなければわからない。
今回の試乗レポートは、ミニ ジョン・クーパー・ワークスの購入を検討しているが、なかなか時間が取れない人にこそ読んでほしい。気になった点には辛口にコメントしているが、ワクワクするようなクルマであることは間違いないからだ。

この記事の目次 CONTENTS
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大幅マイナーチェンジとなったミニシリーズ
【イッキに上がる速度】2.0Lターボエンジンの爽快感
【ハンドリング】ゴーカートフィールと安定感あるコーナーリング
【市街地走行】ターボラグに若干のストレス
【燃費】8速AT採用で、高速道路での実燃費が向上
【インテリア】ブラック&レッドの座り心地のよい専用シート
【外観デザイン】ユニオン・ジャックと丸目ライトで注目度はさらに高く
【価格】6速MTと8速スポーツAT
【スペック】ミニJCWのボディサイズ、燃費など

大幅マイナーチェンジとなったミニシリーズ

今回試乗したモデルは、ミニ ジョン・クーパー・ワークス(JCW)だ。
3代目ミニは、2018年5月、マイナーチェンジし登場した。マイナーチェンジでありながら、今回は大幅改良が施されている。トランスミッションが変更されたのだ。

ガソリンエンジン搭載車には、新開発7速ダブルクラッチトランスミッション(DCT)が採用された。7速DCTが採用されたことによって、燃費性能が向上した。
さらに、ATと比べると、よりダイレクト感のあるシフトフィールになっている。シフトフィールに存在感があるため、ミニらしいキビキビ感に磨きがかかっている。

【イッキに上がる速度】2.0Lターボエンジンの爽快感

前方が開けた道で、アクセルをグッと強く踏み込む。その瞬間から、ミニJCWらしさが小さなボディからあふれ出す。
ブオォォーンと、野太いマフラーサウンド共に、ミニJCWは強烈な加速を始める。強力な加速Gを受け、フロントタイヤのトラクションが一瞬抜けるような素振りをみせつつも、ミニJCWはイッキに速度を上げていく。

ミニJCWに搭載されたエンジンは、2.0L直4ターボ。231ps&320Nmをアウトプットすることができる。0-100㎞/h加速は、6.1秒(欧州仕様8速AT車)という俊足だ。
このハイパワーエンジンを活かすために、ミニJCWは他のミニとはバンパー形状が異なる。エンジンやブレーキの冷却性を上げるために、大きなエアインテークが空いたバンパーが採用されているのだ。

最高出力231psの発生回転数は、5,200回転。しかし、エンジンの回転にストレスはなく、6,000回転付近まで跳ね上がる。
一般的に、低速トルクを重視したエンジンは、高回転域が苦手な傾向にある。しかし、ミニJCWの2.0Lターボエンジンは、低速域での高トルクを維持しながら、高回転域までパンチのある加速が楽しめる。

これは、なかなか気持ちのよいエンジンだ。

【ハンドリング】ゴーカートフィールと安定感あるコーナーリング

気持ちのよいエンジンに、ミニ独自のキレ味鋭いゴーカートフィールが加わる。電動パワーステアリングのセッティングは、スポーツ走行に適した重くシッカリとしたもの。
細かい操舵に対しても、ミニJCWはしっかりと反応してくれる。ドライバーとの一体感を高めてくれるようだ。

ミニJCWのハンドリング性能は、まさにゴーカートフィールそのものだ。ステアリング操作に対する反応速度が非常に早い。
JCW用専用サスペンションの効果もあり、車体はほとんどロールしている印象がない。日本の狭い道幅、タイトなカーブが多い山道では、ミニJCWの無敵感は強い。

コンパクトカーであるミニJCWは、ホイールベースが短い。そのため、中・高速のカーブではトリッキーな動きが出るかと思ったが、意外なほどの安定感があり扱いやすかったのが印象的だ。

【市街地走行】ターボラグに若干のストレス

ミニJCWで市街地を走ると、とくに発進時にターボラグを感じる。1,450回転で最大トルク320Nmという大トルクを発揮しているが、その回転域に到達するまでにストレスが溜まる。

ジワっとアクセルを踏む丁寧な乗り方をしていると、前方のタクシーに軽く置いて行かれることもある。わずかなターボラグが過ぎ、エンジン回転数が1,500回転付近になると、ターボの過給によりグワっと加速する。
慌ててアクセルを戻すことになり、速度の遅い道でストップ&ゴーが多いと、少々運転がしにくい。

街中での乗り心地は、やや硬め。前席に座っていれば、硬めの乗り心地を不快に感じることはない。むしろ、硬めの乗り心地が安心感・安定感につながっている。
ただし、後席はそうともいかないようだ。大きめの凹凸では、ドンという突き上げを前席よりも強く感じる。

【燃費】8速AT採用で、高速道路での実燃費が向上

今回マイナーチェンジしたミニJCWは、走りばかりでなく、実燃費性能向上に力を入れている。それが、新開発の8速ATだ。
ATを多段化したことでスポーティな走りに対応できるだけでなく、高速道路での燃費向上も期待できる。

6速ATから8速ATになったことで、よりハイギヤード化されている。
100㎞/h巡行でのエンジン回転数は、なんとわずか1,200回転ほど。非常に低いエンジン回転数が保たれていた。高速道路の移動では、より実燃費が向上するだろう。

燃費性能は、6速MTが14.5㎞/Lなのに対して、8速ATは15.8㎞/Lと、大きな差がついている

【インテリア】ブラック&レッドの座り心地のよい専用シート

ミニJCWのインテリアは、スポーティだ。ステアリングホイールやヘッドレスト一体式のスポーツシートは、ブラック&レッドの組み合わせ。やや古典的な色使いだが、機能性は高い。

専用となるスポーツシートは、座面やシートバック部分にスエード調の生地が採用されている。一般的なレザーと比べると、滑りにくくスポーツドライビングに向いている生地だ。
試乗中も腰がスッポリと収まり、しっかりと体を支えてくれた。少し硬めの座り心地だが、長時間乗っていてもお尻が痛くならなかった点も評価が高い。

メーターは、アナログ式。シンプルだが、文字が小さくやや見にくい印象があった。
とくにタコメーターは、その傾向を強く感じた。スポーツモデルなので、もう少しタコメーターの存在感があってもよいと思うし、よりスポーティな雰囲気になるような演出も欲しいところだ。

【外観デザイン】ユニオン・ジャックと丸目ライトで注目度はさらに高く

外観デザインには、それほど大きな変更点はない。
しかし、丸型ヘッドライトには、LEDのデイライト・ランニングライトが標準装備された。大きな丸目のヘッドライトをくっきりと浮き立たせている。
このデイライト・ランニングライトは、昼間でもかなり目立つ。街中での注目度は、抜群に高い。

リヤのデザインには、コンビネーションライトにユニオン・ジャックが取り入れられている。ミニの故郷でもある、イングランドを感じさせるデザインだ。
左右非対称なデザインということもあり、こちらもとにかく目立つ。

クーパー系と比べると、オーバーデコレーション感があり、好き嫌いが分かれそうなデザインとなっている。しかし、ちょっとイカツイ顔立ちが好きな人にはピッタリくるだろう。
18インチホイールの隙間から見える、赤く塗装されたブレンボのブレーキシステムが、ただのミニでは無いことをアピールしているように見える。

【価格】6速MTと8速スポーツAT

MINI John Cooper Works 価格
6速MT 4,320,000円
8速スポーツAT 4,500,000円

【スペック】ミニJCWのボディサイズ、燃費など

MINI John Cooper Works
全長 3,875mm
全幅 1,725mm
全高 1,430mm
ホイールベース 2,495mm
車両重量 1,260kg(MT) / 1.290kg(AT)
排気量 1,998cc
エンジン 直列4気筒ガソリン・エンジン
最高出力 170W(231PS)/5,200rpm
最大トルク 320Nm/1,450-4,800rpm
燃料消費率 14.5km/L(MT) / 15.8km/L(AT)