トヨタ クラウン フルモデルチェンジ後・新旧比較レビュー!今買うならどっち?

自動車ニュース / ガリバー

2018.10.26

トヨタ クラウン フルモデルチェンジ後・新旧比較レビュー!今買うならどっち?

トヨタ クラウン 220系 vs 210系徹底比較

クラウンは今回のフルモデルチェンジで、新プラットフォームを得、ブランドの再構築にチャレンジした。基本構造であるプラットフォームが進化したことで、走りの性能が大幅にアップ。
しかし、車に求める目的によっては、フルモデルチェンジ前のモデルの方があっている場合もある。質を求めるのか、価格を重視するかで、購入するものが変わるという経験は、多くの人がしているだろう。
この記事では、買うべきクラウンを、目的別に解説している。ほかにも、大切な家族を守る安全装備や、インテリアの違いといった、クラウンに関わる基本的な情報にはほとんど触れた。クラウンの購入を検討している人は、ぜひ参考にしてほしい。

この記事の目次 CONTENTS
1. おすすめは220系クラウンか?それとも210系クラウンか?
2. 220系トヨタ クラウンの基本システム改善点
3. コンセプト&エクステリアデザイン
4. インテリア&装備
5. 新プラットフォーム採用で、進化した220系クラウンの走行性能
6. 新車値引き交渉のポイント
7. トヨタ クラウンの価格
8. トヨタ クラウンのスペック

1. おすすめは220系クラウンか?それとも210系クラウンか?

新旧どちらのモデルを買った方がいいかは、求める条件によってはっきり分けられる。

走りの質を求めるなら220系クラウン

220系クラウンは、新プラットフォームを始め、パワーユニットもバージョンアップされたものが搭載されている。こうなると、走りの質では210系クラウンでは勝負にならない。走りの爽快感を重要視するのであれば、かなり無理をしてでも220系クラウンを選んだほうが満足度は高い。

210系クラウンの中古車価格は、順調に下がっている。3年落でマイナーチェンジ前となる2015年式になるが、買い得感がある。ただし、全般的に220系クラウンの人気は高いため、中古車価格も高めで推移している。
そのため、日産スカイラインと比べると、価格は高くなる。2015年式のクラウンハイブリッド車で、290~350万円あたりがボリュームゾーンだ。

コストパフォーマンスなら210系クラウンロイヤル

210系クラウンの人気は、やはりアスリート系だ。アスリートは中古車であっても強気な価格が目立つが、逆にロイヤル系はアスリートに比べるとやや安めな価格設定になっている。250万円以上の予算があれば、程度の良いものが選べるだろう。

220系と210系の価格比較

220系クラウンの2.5LハイブリッドRSアドバンスの価格は、約580万円。RSグレードでも、約540万円と高価だ。
3年落ちの210系クラウンなら、220系クラウンと比べると200万円以上安く買える。燃費性能に大きな差は無いため、それほど走行性能にこだわらないなら、210系クラウンという選択肢も十分にありだ。コストパフォーマンスでは、圧倒的に210系クラウンが優れている。

2. 220系トヨタ クラウンの基本システム改善点

現行15代目となるトヨタ クラウン(220系)は、2018年6月にフルモデルチェンジした。ここからは、220系と、前モデルである210系の比較を行っていく。

プラットフォームの大幅な改善

この220系クラウンから、TNGA(トヨタ ニュー グロバル アーキテクチャ)をベースとしたGA-Lプラットフォームが採用されている。クラウンのプラットフォームが新しくなったのは、3世代ぶり。2003年に登場した180系のゼロクラウン以来だ。

プラットフォームとは、車の基本的な構造のことを指す。TNGAとは、トヨタが開発した性能と安全性の向上を目指したシステムのことだ(※)。つまり、「TNGAを基礎としたGA-Lプラットフォームの採用」は、モデルチェンジ前のクラウンと比べ、「走る、曲がる、止まる」といった走りの基本性能が根本から改善されたことを意味している。

※参考:TOYOTA/TNGA

220系はパワーユニットも進化

搭載されるパワーユニット(エンジンやモーター周りの動力装置)も見直されている。燃費が悪かった3.5L V6エンジンは姿を消した。代わりに、マジェスタに搭載されていた3.5L V6ハイブリッドの“進化バージョン”が搭載されている。
2.5Lハイブリッドと2.5Lターボも、より進化したものが引き続き採用されている。

210系のパワーユニットは大ヒットしたハイブリッド

前モデルから3.5L V6ハイブリッドは廃止され、2.5L 直4ハイブリッドが搭載されている。この2.5Lハイブリッドは大ヒットとなった。
2015年のマイナーチェンジでは、比較的安いグレードに用意されていた、2.5L V6エンジンが廃止された。環境性能が悪いことが理由だ。その代わり、2.0Lターボが用意されている。

グレード体系の刷新

220系クラウンでは、アスリートの代りのグレードが「RS」に。ロイヤルは「G」となった。マジェスタに相当するのが「G-Executive」だ。そのほか、「B」や「S」という比較的安めのグレードも設定されている。
グレード体系が刷新された理由は、プラットフォームが変更されたことによって、220系クラウンの運動性能が飛躍的に向上したためだ。
従来の「アスリート」や「ロイヤル」といったグレード名が上記のように変更された。加えて、トヨタブランドの最上級モデルとして位置付けられてきた「マジェスタ」グレードは消滅した。

ボディサイズ

前モデルと同様に、全幅1,800㎜を維持。都市部に多い立体駐車場の全幅制限内とした。また、狭い道が多い日本では、扱いやすいサイズのギリギリの大きさとなっている。

3. コンセプト&エクステリアデザイン

新旧クラウンは、デザイン面でも大きな違いがある。

220系クラウンには優雅な6ライトウインドウデザインを採用

6ライトウインドウとは、ルーフ後端をクーペのように緩やかに下降するラインをもつ。こうしたルーフラインをもつことで、リヤウインドウの後方にもうひとつ小さなウインドウができる。ボディサイドのウインドウが計6枚となることから、6ライトウインドウと呼ばれる。
スタイリッシュで魅力的なデザインである6ライトウインドウの採用は、クラウン史上初だ。
6ライトウインドウのデメリットは、リヤウインドウが傾斜しているため、後席の頭上スペースが狭く圧迫を感じる点だ。しかし、220系クラウンは、こうした圧迫感がないように工夫が施されている。

前モデルのクラウンと同様にグリルは巨大。しかし、単にグリルによる押し出し感をアピールするのではなく、彫りが深く、より立体感のある造形とすることで、上品な力強さを手に入れた。

210系クラウンは若い層にも人気となった大胆なグリル

前モデルのクラウンは、なんといっても巨大化したグリルが注目され売れた。グリルを大型化することで、押し出し感や威圧感を強烈にアピールしたためだ。特に、アスリートのグリルサイドはイナズマ型になっており、より個性が強調されている。全体的にスポーティな雰囲気もあり、若々しく見えたのも特徴のひとつだ。
さらに、ピンクや明るいブルー、グリーンといった、クラウンには似合わないと思われるような、鮮やかなボディカラーを限定車や特別仕様車に用意。
これにより、若干、クラウンユーザーの平均年齢は下がったという。

ボディ全体は、丸みを帯びたデザインになっている。ただ単に丸いデザインだと鈍重なイメージになりやすいが、210系クラウンは面の張りが強く、高級セダンらしい力強さを感じさせる。

4. インテリア&装備

220系は、質感が大幅に向上した。新旧共に、タッチパネルモニターが使いにくいのが難点か。

220系クラウンのインテリアはシンプル&ラグジュアリー

インパネサイドからドアにかけて、まるで包み込むようなデザインが採用されている。全体的にシンプルでスッキリとした印象だ。また、全体的な質感も前モデルよりさらに向上しており、高級車らしさをアピールしている。

220系クラウンの安全装備は物足りなさが

装備類では、「トヨタセーフティセンス」が全車に標準装備された。トヨタセーフティセンスとは、夜間の歩行者と昼間の自転車を検知できる、第2世代の予防安全装備だ。
車線変更時に接近する車両を検知し、警報を発する「ブラインドスポットモニター」や、後退時に接近する車両や歩行者を検知し、自動ブレーキをかける「リヤクロストラフィックオートブレーキ」などが一部の車種でオプションとして選べる(一部の車種には標準装備されている)。
しかし、コンパクトカーであるマツダ デミオが同様の装備を標準装備化しているだけに、高級車の安全装備としては物足りない状態だ。

210系クラウンの安全装備は2015年以降のモデルがおすすめ

2015年のマイナーチェンジ以前のモデルの予防安全装備は、かなり貧弱だ。そのため、中古車の購入を考えていて、安全装備を重視するのであれば2015年式のマイナーチェンジ後のモデルがおすすめだ。
それ以前のモデルには、「歩行者検知式自動ブレーキ」は用意されていない。「歩行者検知式自動ブレーキ予防安全装備」がプラスされたのは2015年のマイナーチェンジ以降で、ようやく「トヨタセーフティセンスP」が全車に標準装備されている。

220系クラウンのT-Connectサービスは「おもてなし」を加速

安全装備の標準装備化に対しては消極的だが、流行りの「コネクティッドサービス」には非常に積極的だ。コネクティッドサービスとは、ドライバーの要望に対しオペレーターが応えるサービスだ。システムではなく、「人」によるおもてなしを可能にしている。

車載通信機DCMを全車に標準搭載し、T-Connectサービスを3年間無料で提供する。ただし、4年目からは有料のサービスとなる。
もしもの時のリスクを軽減してくれる頼もしいサービスが受けられるほか、ナビの目的設定、レストランやホテルの予約などを行ってくれる。
具体的には、専門のオペレーターが、ドライバーの事故や急病時に、警察や消防に取り次いでくれる。また、エアバッグ作動時にも、自動でオペレーターに接続するようになっている。事故時の車両データをもとに重症度を指定し、ドクターヘリ等の早期出動判断を行うD-Call Netにも対応している。

210系クラウンで受けられるT-Connectサービスは有料

210系クラウンにも車載通信機DCMを装備したモデルがあった。有料サービスになるケースが多く、契約内容により異なるがT-Connectの様々なサービスが使える。

220系、210系に共通するモニターの使い勝手の悪さ

210系、220系ともに、センターコンソールには上下2分割されたモニターが用意されている。上部はナビ、下部はエアコンなどの操作系になっている。220系のナビは、上部・奥に設置されたため、視認性は向上している。これらは、すべてタッチパネル式だ。

このタッチパネル式が、とても使いにくい。揺れる車内で、タッチパネルの小さなボタンを正確に押すのは困難だ。そのため、どうしても指先を注視する。その瞬間、前方の監視がおろそかになり、リスクが大きくなる。
ドイツ系高級車の多くは、こうした頻度の高い操作系はダイヤル式などを採用し、ブラインド操作ができ視線移動をできる限り小さくしている。

5. 新プラットフォーム採用で、進化した220系クラウンの走行性能

220系クラウンから、GA-L新プラットフォームが採用された。このGA-Lプラットフォームは、基本的な部分はレクサスLSやレクサスLCと同じ。これを、クラウン用に最適化し使用している。このGA-Lプラットフォームの特徴は、かなり低重心化されたこと。220系クラウンに乗り込むと、着座位置が低く視線も低い。
低重心化は、クルマの運動性能を高める効果がある。そのため、カーブでの操縦の安定性は、前モデルとは比べ物にならないくらい進化している。とくに、カーブでのロール(クルマの傾き)が小さい。そのため、大きな車体でありながら、右へ左へと連続するカーブでも、意外なほどヒラリヒラリと駆け抜ける。
これは、スポーツグレードのRSだけでなく、ラグジュアリー系のGグレードでも同じ傾向だ。乗り心地が若干変わる程度で、基本性能は高い。

売れ筋となる2.5Lハイブリッドも、最新のものへバージョンアップされた。210系クラウンでは23.2㎞/Lだった燃費は、220系クラウンになると24.0㎞/Lへと向上。システム出力は、210系クラウンでは220ps、220系クラウンでは226psとなった。6psほどアップしている。
そして、マジェスタのみに搭載されていた3.5L V6ハイブリッドはなくなり、レクサスLSやLCと同じ「マルチステージハイブリッドシステム」が搭載されている。圧倒的なパワフルさを感じるシステム出力359ps、低燃費18.0㎞/Lを誇る。有段ギヤ付きのハイブリッドシステムということもあり、ダイレクト感のあるスポーティな走りも披露できるだろう。
このパワーユニットを積む「RSアドバンス」グレードは、もはやクラウンとは思えないほどのスポーティな走りが味わえる。ただし、価格は約690万円となり、欧州車並みの価格となった。

エントリーグレードには、従来の2.0Lターボが搭載されている。前モデル対して、若干のパワーアップが施され、245ps&350Nmとなった。210系クラウンと比べると、パワーアップだけでなくフィーリングも向上している。より高回転までスムースに回るようになった。
この2.0Lターボを搭載したRSアドバンスが、220系クラウンの中で最もスポーティな走りを見せた。ただし、燃費は12.8㎞/Lで、ガソリンもハイオク仕様なので経済的な負担はある。レギュラーガソリンを使う2.5Lハイブリッドと比較すると、ガソリン代は倍くらいに増えるだろう。

「走り」に関しては手が出ない210系クラウン

210系クラウンと220系クラウンの走行性に関しては、エンジンをプラットフォームがすべてパージョンアップしているので、210系クラウンは太刀打ちできない状況だ。

6. 新車値引き交渉のポイント

値引き競合相手はスカイラインではなく、メルセデス・ベンツやBMW

クラウンはフルモデルチェンジ直後、しかも受注も好調ということもあり、しばらくの間値引き交渉は非常に厳しいだろう。一定の値引き額が欲しいのであれば、やはり1年くらい購入を待つことをおすすめする。

 値引きの基本は、ライバル車との競合をさせること。一般的には同じクラスの国産車と競合させるものだが、クラウンの場合は国内で競合させるライバル車が不在だ。国産車では日産スカイラインがライバルになるが、クラウンの値引きを引き出すのは難しい。逆に、スカイライン購入時にクラウンと競合させると、値引きに期待できるだろう。

 そこで、クラウンのライバルに設定したいのは、メルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズなどだ。全長ベースで比較すると、ライバルはEクラスや5シリーズになるのだが、価格帯が大きく異なる。そのため、同じ価格帯になるCクラスや3シリーズをライバル車にするのをおすすめする。輸入車に顧客を多く取られていることから、クラウンは輸入車をライバル視している。クラウンの商談前に、こうした輸入車の見積りを取っておくことが大切だ。

商談中の会話で営業マンに火をつけるコツ

本命は輸入車で、クラウンはたまたま見に来た程度で商談を始めたい。
クラウンは、かなり走行性能に自信を持っている。試乗後に感想を聞かれたら「まだ走りは輸入車の方が上かなぁ」とコメントしてみるといい。輸入車に対してのライバル心に火を付けて、営業マンにクラウンの良さを語ってもらおう。その後、十分に納得した姿を見せることも大事だ。営業マンが自分の話術で、「クラウンを買ってもらえるかも……」と勘違いさせるといい。
そこで、「もう少し価格が安ければなぁ」と、さり気なく値引きの要求をしたい。すぐに値引きは無理でも、時間をかければノルマに追われる営業マンの性質上、値引きで売ってしまいたくなる時期がやってくる。

下取り車の売却は値引きと同じくらい重要

新車見積書を取る前に、必ず買取店に行って査定しておこう。新車見積りに記載される下取り車の価格が、適正化どうか判断するためだ。
利益を多く出す新車ディーラーは、値引きが少ないだけでなく、下取り車の価格も安い。下取り車の査定をする前に「買取り店で査定しましたか?」と探りを入れ、状況に合わせて下取り価格を調整することもあるのだ。また、値引きした分、下取り車の価格を安くするといった行為もよくあることだ。買取り店で一度査定しておけば、こうした策略にハマってしまうリスクが下がる。

もし、時間と手間がかかってもいいから、少しでも高く売りたいというのであれば、個人間売買がおすすめだ。メリットとして、消費税もかからない。
ただし、フリーマーケットやオークションでは、名義変更やお金のやり取りなど、トラブルになるリスクが高いというデメリットがある。そうしたリスクを回避できるのが、中古車大手のガリバーが開設している、クルマの個人間売買専門サイト「ガリバーフリマ」だ。このサイトのサービスを利用すれば、代金の回収や名義変更をガリバーが代行してくれる。代行してくれる分、手数料がかかるが、まったく知らない他人とのトラブルが回避できるのであれば安いものだ。

7. トヨタ クラウンの価格

クラウン2.0Lターボ車価格

グレード 価格
B 4,606,200円
S 4,746,600円
S “C package” 4,941,000円
G 5,416,200円
RS-B 5,000,400円
RS 5,184,000円
RS Advance 5,594,400円

クラウン2.5Lハイブリッド価格

グレード 価格
S 4,978,800円
S “C package” 5,157,000円
G 5,621,400円
RS 5,416,200円
RS Advance 5,799,600円

クラウン2.5Lハイブリッド4WD価格

グレード 価格
S Four 5,194,800円
S “C package” 5,373,000円
G Four 5,837,400円
G-Executive Four 6,323,400円
RS Four 5,632,200円
RS Advance Four 6,015,600円

クラウン3.5Lハイブリッド価格

グレード 価格
S 6,237,000円
G-Executive 7,187,400円
RS Advance 6,906,600円

8. トヨタ クラウンのスペック

220系クラウン2.5LハイブリッドRSアドバンス スペック

全長 4,910 mm
全幅 1,800 mm
全高 1,455 mm
ホイールベース 2,920 mm
車両重量 1,770 kg
JC08モード燃費 23.4 km/L
システム出力(kW[PS]) 166[226]

210系クラウン 2.5Lハイブリッド アスリートG スペック

全長 4,895 mm
全幅 1,800 mm
全高 1,450 mm
ホイールベース 2,850 mm
車両重量 1,680 kg
JC08モード燃費 23.2 km/L
システム出力kW(PS) 162(220)

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員