スバルは、北米で高い人気を誇るSUVのフォレスターをフルモデルチェンジした。
新型となったフォレスターは、これで5代目。今回のフルモデルチェンジでは、新開発された車台であるSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)が採用された。SGPが採用されたことで、新型フォレスターは、優れた操縦安定性と高い安全性を得た。

この記事の目次 CONTENTS
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ターボモデルが消えた5代目新型フォレスター
都会派SUVが増えている中、オフローダーとしての性能にもこだわった
先代モデルのイメージを継承しながら、使い勝手を重視
顔認証システム搭載!ドライバーの表情でわき見運転を検知
安全装備をさらに充実!アイサイト(ver.3)を全車標準装備
SUVとは思えないくらい軽快なハンドリングになったフォレスター
2.5Lエンジンは新型エンジンといえるレベルに刷新
新型スバル フォレスターの選び方
新型フォレスターの価格
新型フォレスターの発売日は?

ターボモデルが消えた5代目新型フォレスター

新型フォレスターに用意されたパワーユニットは2タイプ。水平対向2.5Lエンジンと、e-BOXERと呼ばれる2.0Lエンジン+モーターのハイブリッドとなった。
初代から4代目フォレスターまで、イメージリーダー的な役割を果たしてきたターボが、5代目で姿を消した。

都会派SUVが増えている中、オフローダーとしての性能にもこだわった

新型フォレスターのボディサイズは、全長4,625×全幅1,815×全高1,715㎜、ホイールベース2,670㎜となっている。このボディサイズは、先代モデルに比べ全長で+15㎜、全幅+20、全高-5㎜、ホイールベース+30㎜となった。

新型 旧型
全長 4,625mm 4,610mm
全幅 1,815mm 1,795mm
全高 1,715㎜ 1,720mm
ホイールベース 2,670㎜ 2,640mm

オフロードの性能にもこだわり、全車AWD設定のみ

人気の高いSUVマーケットだが、多くのモデルがFF(前輪駆動)モデルを用意。売れ筋もFF車というモデルも多い。これは、SUVに求められるオフロード性能など必要ないという結果でもある。
しかし、新型フォレスターはオフローダーとしての性能にもこだわった。新型フォレスターは、全車AWDの設定のみ。

しかも、最低地上高を220㎜も確保。アプローチアングルは20.2°もしくは20.1°。ディパーチャーアングルは25.8°を誇る。従来モデル通り、オフローダーとして十分なスペックをもったSUVに仕上がっている。

先代モデルのイメージを継承しながら、使い勝手を重視

新型フォレスターのデザインは、先代モデルに対して、あまり代わり映えしないように見える。これは、先代モデルが北米で高い人気を誇っていたこともあり、キープコンセプトとなった。

ただ、近くでよく見ると、先代フォレスターとは随分異なるデザインになっている。押し出し感も強くなっており、彫りも深く立派に見える。全体的に、派手さはないものの飽きのこないシンプルなデザインといえるだろう。

力強さを感じるインテリアデザイン

インテリアデザインは、外観デザインと比べると、ややデコラティブな印象が強い。ただ、全体的な質感はかなり上がっている。また、太めに設定されたセンターコンソール上部には、大きなナビなどが装着できるスペースが用意され、力強さを感じるデザインとなった。

また、ダッシュボード上部には、先代同様に6.3インチのディスプレイが設置されている。このモニターには、先進安全機能の作動状況、各種の燃費情報など、さまざまな情報を確認することができる。ただ、情報要素が多すぎ6.3インチのモニターで、ひと目に確認するのは難しい。

ホイールベースが30mm伸び、室内スペースを確保

新プラットフォーム(車台)であるSGPが採用され、ホイールベースが30㎜伸びている。この30㎜分は、ほごすべて室内スペースを広くするために使われた。その結果、前後席間距離は、クラストップレベルを実現している。その他、後席の乗降性も向上。

荷室の開口部は歴代最大に

気になるラゲッジスペースは、スクエアな形状とした。リヤゲート開口部最大幅は、歴代フォレスター最大となる1300mmとした。大きな荷物の出し入れに便利だ。そして、荷室容量は520Lとなった。先代フォレスターに対して、+15Lとわずかだが広くなっている。広さと使いやすさを両立した荷室で、ガンガン使い倒せる高い機能性をもつ。

顔認証システム搭載!ドライバーの表情でわき見運転を検知

新型フォレスターは、約7割が北米で売れている。そうしたこともあり、いかにもアメリカ人が好きそうな装備を用意。それは、iPhoneにも搭載された顔認証システムだ。 スバルでは、このシステムをドライバーモニタリングシステムと呼ぶ。単にドライバーの顔を判別するだけでなく、ドライバーの表情で居眠りやわき見運転を検知し警告を発する。

安全性能をアピールするスバルだが、まだ隙もある

ドライバーモニタリングシステムによる利便性は、少々微妙。ドライバーが誰であるかを認識し、一度登録すれば自動でシートポジションやドアミラー角度、空調設定を登録したドライバーごとに変更する。まぁ、シートポジションなどは、高級車にはメモリ機能などが設定されているものが多い。顔認証システムにより、スイッチを押す手間が無くなる程度だ。

安全装備をさらに充実!アイサイト(ver.3)を全車標準装備

スバルのウリである安全装備は、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備であるアイサイト(ver.3)が全車に標準装備された。

アイサイトの主な機能一覧

  • プリクラッシュブレーキ
  • 後退時自動ブレーキシステム
  • AT誤発進抑制制御
  • AT誤後進抑制制御
  • ツーリングアシスト
  • 全車速追従機能付クルーズコントロール
  • 定速クルーズコントロール
  • 車線逸脱抑制
  • 車線逸脱警報
  • ふらつき警報

ただし後側方警戒支援システム未だオプション設定

スバルは安全を前面に押し出し、ブランドイメージを強固にしようとしている。ただ、アイサイト標準装備化は立派だが、スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)はオプション設定なのだ。

この機能は、車線変更時などに、後側方から接近するクルマを検知し警報を発する日常的によく使う機能。夜間やトンネルの中など暗い場所や、初心者や視界が狭くなった高齢者などには、事故リスクを減らす機能でもある。もはや、それほど高価な装備ではなく、すでにマツダはコンパクトカーのデミオにまで標準装備化している。安全をウリにしているのであれば、これくらいの装備はケチケチせずに標準装備化するべきだ。

歩行者エアバッグが全車標準装備化は新型フォレスターのみ

だが、衝突安全装備に関しては非常に高いレベルある。まず、歩行者エアバッグが全車標準装備化。このクラスのSUVで歩行者エアバッグを装備しているのは、新型フォレスターのみ。さらに、運転席ニーエアバッグやサイド&カーテンエアバッグも標準装備。非常に高い衝突安全性能をもつモデルになった。

SUVとは思えないくらい軽快なハンドリングになったフォレスター

新型フォレスターには、新プラットフォーム(車台)SGPが採用された。このプラットフォームを得たことで、新型フォレスターの走行性能は大幅に向上。また、前後のサスペンションを刷新。操舵応答性と操縦安定性を一段と高めている。背の高いSUVとは思えないくらい軽快なハンドリング性能をもち、クルマの挙動をコントロールしやすいので、安心して走ることができる。

2モード機能を持ったX-MODEに進化!

そして、スバルといえばAWD。そのAWDの走破性を高める制御X-MODE。X-MODEは、滑りやすい路面等で、エンジン、トランスミッション、ブレーキ等を自在にコントロールする。このX-MODEがフルモデルにより、従来の1モードから2モード切り替え式に進化した。モードはスノー&ダート、ディープスノー&マッドの2つのモードからドライバーが自ら選択する。通常走行時は、オートとなるノーマルモードとなる。

2.5Lエンジンは新型エンジンといえるレベルに刷新

新型フォレスターには、ガソリンのFB25型自然吸気2.5LとFB20型自然吸気2.0L+モーターのハイブリッドの2タイプが用意された。
2.5Lエンジンは、レガシィに搭載されたエンジンをベースに高圧縮比化、直噴化、排気側AVCS化などにより、燃焼効率を向上させている。約90%の部品が設計を見直され、ほぼ新型エンジンといえるレベルになった。最高出力は184ps&239Nm。燃費性能は、JC08で14.6㎞/L、WLTCで13.2㎞/Lとなった。平均的な燃費値だ。

ハイブリッドなのに、燃費性能がイマイチなe-BOXER

そして、注目のハイブリッドであるe-BOXERは、2.0L+モーターの1モーター式。基本的に、XVハイブリッドの仕組みとなる。ただ、XVハイブリッドは、モーター出力が小さく、ほとんどモーター走行ができないという中途半端なものだった。

中途半端なハイブリッドとなった理由は、わずか10kwの出力しかないモーターが装備されたからだ。新型フォレスターも、同じ出力のモーターが使われている。しかも、エンジン出力はXVハイブリッドよりダウンされ、145ps&188Nmとなった。これは、エンジン単体での燃費効率の向上を狙ったからだ。ただ、新型フォレスターは、XVハイブリッドより車重が重い。エンジンの出力がダウンし、小さなモーターでしっかり走るのか、少々疑問に感じるスペックとなっている。

バッテリーの変更により燃費が向上

当然、スバルもこうしたことは織り込み済み。その対応として、ニッケル水素バッテリーから、リチウムイオンバッテリーへ変更されている。インバーターなども若干効率をアップした。リチウムイオンバッテリーの採用により、電圧は100Vから118Vへアップした。

電圧アップにより10kWという最高出力は同じだが、より早く最高出力に達することができようになり、実用出力を向上。20~40㎞/h時のEV走行をより長く維持できるようになり、燃費も向上している。

ただ、モーターの出力を明確に感じるのは、低・中速域の速度から一旦アクセルを戻し、再加速するようなシーンくらいで、相変わらずモーターの存在感は無いままだ。
そのため、新型フォレスターe-BOXERの燃費も物足りない結果となった。JC08で18.6㎞/Lで、2.5L車と比べると、わずか4.0㎞/Lの燃費が向上に止まる。しかし、より実燃費に近いと言われるWLTCモードの燃費になると14.0㎞/L。WLTC燃費だと、2.5Lガソリン車比で、たった0.8㎞/Lの燃費アップという物足りない状況になってしまった。

新型スバル フォレスターの選び方

新型スバル フォレスターの選び方は、まずパワーユニットの選択から。2.5Lガソリン車と2.0Lハイブリッドのe-BOXERから選ぶことができる。

おすすめは2.5Lのガソリン車

おすすめは、2.5Lのガソリン車だ。ハイブリッドのe-BOXERは、2.0L+モーターの組み合わせなのだが、モーター出力が小さく、2.5Lに比べると非力感がある。多少非力でも、燃費が圧倒的に良いのなら納得できるのだが、燃費も2.5Lと大差ない。こうなると、あえてe-BOXERを積極的に選ぶ理由が見当たらないのだ。

ドライバーモニタリングシステムが希望ならe-BOXERの一択

ただ、ドライバーモニタリングシステムはe-BOXERのみに装着された装備。ドライバーモニタリングシステムが欲しければ、e-BOXERを選ぶしかない。e-BOXERのグレードは、Advanceのみで価格は3,099,600円だ。
e-BOXERは、やや中途半端な印象が強いハイブリッドだが、初期の受注では約4割も占める人気グレードになっている。

2.5Lのガソリン車は、Premium、Touring、X-BREAKの3グレード構成となった。PremiumとTouringは、主に豪華装備の有無による差だ。装備差は、Touringには17インチ、Premiumは18インチホイールになる。また、Premiumにはパワーシートやアイサイトセイフティプラスなどが標準装備されているが、Touringにはオプション設定もしくは、設定ができないなどだ。

アウトドア好きならX-BREAK

Premium、Touringとは、やや異なる方向性を出しているのが、X-BREAK。X-BREAKは、アウトドアやオフロードでの走行を意識したモデル。オフロードなどにも対応する17インチのオールシーズンタイヤと専用ホイールを標準装備。インテリアや外観には、レッドオレンジの加飾がプラスされ差別化された。また、ルーフレールやリヤスポーラーも標準装備。シート表皮は、撥水ファブリック/合成皮革が採用。サッと拭き取るけでよいので、濡れた服や荷物などの汚れも比較的簡単に拭き取ることができ使い勝手がよい。

予算重視ならTouring、オプションでアイサイトセイフティプラスを選択

予算重視であるのなら、Touringで十分といった印象。また、よりアクティブに新型フォレスターを使いたいならX-BREAKとなる。ただし、注意したいのがオプションの安全装備。スバルは優れた安全装備を多く標準装備化しているものの、スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)/ やアダプティブドライビングビームなど、日常的に使う予防安全装備がオプション設定になっている。もはや、これくらいの安全装備は、標準装備化が当たり前の時代。TouringとX-BREAKを選ぶ場合、アイサイトセイフティプラスをオプション選択することをおすすめしたい。

新型フォレスターの価格

新型フォレスターを含め、現在SUVは非常に人気が高いカテゴリーだ。人気が高いため、中古車価格も高騰。短期間での乗り換えでも、高いリセールバリューが期待できる。

グレード 価格
フォレスター Advance(e-BOXER) 3,099,600円
フォレスター Premium 3,024,000円
フォレスター Touring 2,808,000円
フォレスター X-BREAK 2,916,000円

新型フォレスターの発売日は?

気になる発売日は、ガソリン車は2018年7月19日、e-BOXERは2ヶ月後の9月14日を予定している。